ダイとエスターク、互いに少しずつ負傷しているものの、決定打は未だに無く互角の闘いを繰り広げていた。
しかし、闘いとは次の瞬間とてつもない事が起きるものである。
事実、均衡は崩れエスタークが再びダイを押していく。
そしてゲマは空から二人の闘いを見ていた。
「おほほほほ、やはりダイにエスタークを殺す気概は感じられない。
信頼していた仲間に殺される最後の竜の騎士というのも中々泣かせてもらえますね。おほほほ。」
ゲマはそっと竜の騎士の神殿へ入る。
「オーディン・・・やはりこのオーブを復活させていましたね。これはさすがに私でも壊す事は出来ないでしょう。
私の塔へ持っていきますか。」
ゲマはオーブを取り、神殿を後にする。
地上ではダイとエスタークの闘いも大詰めを迎えていた。
「すまない、ダイ。せめて、この一撃で・・・」
エスタークは覇王の剣を大きく振るい、魔神斬りを放つ。そして運悪くその刃はダイに直撃する。
ダイは竜闘気によりなんとか持ち堪える事が出来たが、ダメージは計り知れない。
「エスターク・・・俺もここで、死ぬわけには・・・いかない!!」
ダイの眼の色が変わったことをエスターク、そしてゲマが察知した。
二人の間に再び風が吹いたその刹那・・・ダイはアバンストラッシュAを放つ。
「ダイ!!これがお前の全力ならば、俺は更にその上を・・・」
エスタークは驚くばかりであった。ダイがアバンストラッシュAを追うように自分に向かって突進してきたのだ。
「アバンストラッシュX!!!!!」
ダイのアバンストラッシュがエスタークに直撃する。
『頼む・・・死なないでくれ!!!』
ダイは真後ろで倒れたエスタークに目を向ける。そこには息も絶え絶えのエスタークが血みどろで立っていた。
「ダ・・・イ・・おれ・・は、負ける・・・訳に・・・」
エスタークは傷だらけの体で、尚もダイに立ち向かう。
『そうだ、闘い続けなさい。偽の妹を救う為に。」
ゲマにしてみれば自分達の計画を狂わす存在になるであろう竜の騎士がどうしても目障りだった。
それ故にエスタークを騙し、ダイを襲わせた。
「それにもしもの時の為に”保険”を掛けてありますからね。ほほほほ。」
ゲマは相変わらずの下卑た笑い声で高笑いをする。
「エスターク、もう、やめようよ。」
ダイの言葉にも耳を貸さず、エスタークはダイ目掛けて刃を振り下ろす。しかしその刃はダイの目線の先で止まる。
「やっぱり・・・お前を・・・殺す・・なんて、出来るわけが・・・なかったんだ。」
涙を流しながらエスタークは語った。
「妹を人質に・・・・・だが・・・・・」
エスタークは血を吐いて倒れる。慌ててダイが介抱した。
「全く、役に立たない雑魚でしたね。せっかくジャミにロザリーの格好までさせたのに。」
ゲマがダイ達の前に現れる。
「誰だ!!!!」
「私はゲマと申します。以後お見知りおきを。ほほほほ。」
ダイとゲマ、対峙する二人の間に不穏な空気が流れていた。
「お前がこの闘いの糸を引いていたのか?」
確証はない。だがダイは”戦いの遺伝子”による直感が危険だと告げていた。
「私はあまり自分の手を汚したくはないのですが・・・ね!」
ゲマの薄く微笑む顔には憎悪の色が漂っていた。
「私達の目的は互いに相反するでしょう。私達もバーンの様に太陽が恋しかった。
そして我が主が地上を崩壊しようと目論んだのもバーンと同じ時期です。
実力はバーンの方が上でしたがね。」
バーンがかつて口にしていた言葉を平然と語るゲマ。ダイはその様子に恐怖さえ感じた。
「今度はお前が俺を殺しに来るのか!?」
ダイがゲマに詰め寄る。
「そうですね、今すぐにでも殺してあげるべきでしょうね。」
ゲマは鎌を出し、ダイに斬りかかる。しかしダイも負けてはいなかった。
二人はやはり互角だったが手負いのダイは思うように闘えなかった。
「やっぱり二つの紋章を使うしかない。力を貸して。父さん!!」
ダイは双竜紋を発動する。ここからダイの怒涛の反撃が始まる。
ゲマはすぐに追い詰められていた。が、しかし彼が何の対策もせずに敗北する筈がなかった。
「あまり調子に乗って欲しくありませんね。」
ゲマは至近距離で焼け付く息を吐き、ダイを痺れさせた。
「く、くそ!!」
「さすがにバーンを倒しただけの事はありますね。真っ向から闘っていたら私が死んでいたでしょう。
さて、貴方程の使い手ならば全身の麻痺もすぐに解けてしまうでしょうし、一時撤退としましょう。
勇者ダイ、またいつか、お会いしましょう。ほほほほほ。」
高笑いを発しながらゲマは消えていく。その手には先程手にしたオーブがあった。
「と、とにかくエスタークを早く治さないと!!」
痺れの取れたダイは重症のエスタークを連れて森を脱出した。
~天界~
「ふふふふ、肉体も強度も全て同じ様に出来た。流石に”アレ”はわらわの手にも負えぬが。
後は”奴”の魂がこの肉体に定着すれば・・・」
しかし、闘いとは次の瞬間とてつもない事が起きるものである。
事実、均衡は崩れエスタークが再びダイを押していく。
そしてゲマは空から二人の闘いを見ていた。
「おほほほほ、やはりダイにエスタークを殺す気概は感じられない。
信頼していた仲間に殺される最後の竜の騎士というのも中々泣かせてもらえますね。おほほほ。」
ゲマはそっと竜の騎士の神殿へ入る。
「オーディン・・・やはりこのオーブを復活させていましたね。これはさすがに私でも壊す事は出来ないでしょう。
私の塔へ持っていきますか。」
ゲマはオーブを取り、神殿を後にする。
地上ではダイとエスタークの闘いも大詰めを迎えていた。
「すまない、ダイ。せめて、この一撃で・・・」
エスタークは覇王の剣を大きく振るい、魔神斬りを放つ。そして運悪くその刃はダイに直撃する。
ダイは竜闘気によりなんとか持ち堪える事が出来たが、ダメージは計り知れない。
「エスターク・・・俺もここで、死ぬわけには・・・いかない!!」
ダイの眼の色が変わったことをエスターク、そしてゲマが察知した。
二人の間に再び風が吹いたその刹那・・・ダイはアバンストラッシュAを放つ。
「ダイ!!これがお前の全力ならば、俺は更にその上を・・・」
エスタークは驚くばかりであった。ダイがアバンストラッシュAを追うように自分に向かって突進してきたのだ。
「アバンストラッシュX!!!!!」
ダイのアバンストラッシュがエスタークに直撃する。
『頼む・・・死なないでくれ!!!』
ダイは真後ろで倒れたエスタークに目を向ける。そこには息も絶え絶えのエスタークが血みどろで立っていた。
「ダ・・・イ・・おれ・・は、負ける・・・訳に・・・」
エスタークは傷だらけの体で、尚もダイに立ち向かう。
『そうだ、闘い続けなさい。偽の妹を救う為に。」
ゲマにしてみれば自分達の計画を狂わす存在になるであろう竜の騎士がどうしても目障りだった。
それ故にエスタークを騙し、ダイを襲わせた。
「それにもしもの時の為に”保険”を掛けてありますからね。ほほほほ。」
ゲマは相変わらずの下卑た笑い声で高笑いをする。
「エスターク、もう、やめようよ。」
ダイの言葉にも耳を貸さず、エスタークはダイ目掛けて刃を振り下ろす。しかしその刃はダイの目線の先で止まる。
「やっぱり・・・お前を・・・殺す・・なんて、出来るわけが・・・なかったんだ。」
涙を流しながらエスタークは語った。
「妹を人質に・・・・・だが・・・・・」
エスタークは血を吐いて倒れる。慌ててダイが介抱した。
「全く、役に立たない雑魚でしたね。せっかくジャミにロザリーの格好までさせたのに。」
ゲマがダイ達の前に現れる。
「誰だ!!!!」
「私はゲマと申します。以後お見知りおきを。ほほほほ。」
ダイとゲマ、対峙する二人の間に不穏な空気が流れていた。
「お前がこの闘いの糸を引いていたのか?」
確証はない。だがダイは”戦いの遺伝子”による直感が危険だと告げていた。
「私はあまり自分の手を汚したくはないのですが・・・ね!」
ゲマの薄く微笑む顔には憎悪の色が漂っていた。
「私達の目的は互いに相反するでしょう。私達もバーンの様に太陽が恋しかった。
そして我が主が地上を崩壊しようと目論んだのもバーンと同じ時期です。
実力はバーンの方が上でしたがね。」
バーンがかつて口にしていた言葉を平然と語るゲマ。ダイはその様子に恐怖さえ感じた。
「今度はお前が俺を殺しに来るのか!?」
ダイがゲマに詰め寄る。
「そうですね、今すぐにでも殺してあげるべきでしょうね。」
ゲマは鎌を出し、ダイに斬りかかる。しかしダイも負けてはいなかった。
二人はやはり互角だったが手負いのダイは思うように闘えなかった。
「やっぱり二つの紋章を使うしかない。力を貸して。父さん!!」
ダイは双竜紋を発動する。ここからダイの怒涛の反撃が始まる。
ゲマはすぐに追い詰められていた。が、しかし彼が何の対策もせずに敗北する筈がなかった。
「あまり調子に乗って欲しくありませんね。」
ゲマは至近距離で焼け付く息を吐き、ダイを痺れさせた。
「く、くそ!!」
「さすがにバーンを倒しただけの事はありますね。真っ向から闘っていたら私が死んでいたでしょう。
さて、貴方程の使い手ならば全身の麻痺もすぐに解けてしまうでしょうし、一時撤退としましょう。
勇者ダイ、またいつか、お会いしましょう。ほほほほほ。」
高笑いを発しながらゲマは消えていく。その手には先程手にしたオーブがあった。
「と、とにかくエスタークを早く治さないと!!」
痺れの取れたダイは重症のエスタークを連れて森を脱出した。
~天界~
「ふふふふ、肉体も強度も全て同じ様に出来た。流石に”アレ”はわらわの手にも負えぬが。
後は”奴”の魂がこの肉体に定着すれば・・・」