SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ 仮面奈良ダー カブト第一話


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第一話 生暖かい日の午後

「全員、両手を上に上げろ」
銀行内に戦慄が走った。
気がつくと十数名の男たちがいつの間にか覆面を被り、客と行員に銃を向けている。
見る人間によってはそれがロシア製の安い自動小銃(北海道○○市の○○港の××埠頭で8万で買える代物との噂)だと判ったろう。
窓口の受付係の女性は小銭を握り締めたまま動けなくなっていた。
ATMでお金を下ろしかけていた男性も顔を引きつらせたまま動けない。
窓口カウンターの前には2mおきに覆面で長身の男が立っている。
あっけに取られる行員をよそに、一瞬でカウンターを乗り越え、数名のやはり覆面の男たちが入り込んだ。

「ええと、君たちにはこれから殺し合いをしてもらいます」
真面目な声で覆面の男が言う。
「というのはもちろん冗談で、お金をバッグに詰めてください、3分です」
そういって時計に向かって顎をしゃくった。

銃口を突きつけられる。
初めて体験する恐怖に表情を硬くして行員たちが動き出す。
最も壁際に座っている受付嬢、外村歩細子(ぶさこ38歳)は咄嗟に警察への連絡ボタンを押そうとした。
銀行内には各所に警察への連絡のためのボタンが設けてあり、銀行強盗時にはそれを押した上で、時間を稼ぐのがマニュアルとなっている。
(作者注:適当です)

「え~ちなみに、隠れて警察に連絡しようとする人は・・・」
いつの間にか外村の目の前にリーダーらしき人物が来ていた。
さっきまで中央の受付前で話をしていたにも関わらずである。
「死んでしまうのだよね」
と銃口を外村の額に当てた。

静寂が行内を支配した。
外村は手を撃ちぬかれて床に伏せっている。
「ね、わかりましたか、皆さんは死なないようにせっせと手を動かしてください」
恐怖に支配されたとき、人は唯々諾々と目の前の作業をするしかなくなる。
そして恐怖の時間が限られていれば、その開放の瞬間に向かって全力を傾けるのだ。
そうこの強盗団のリーダーは思っている。
「はぁ~い1分30秒経過~。皆さん頑張ってくださいね~あと少しの辛抱ですよ~」

「たす・・・て」
母親とともに来ていた小さな女の子のすすり泣きが聞こえる。
幼い心にはあまりにも厳しい状況だ。
「大丈夫、お母さんが付いてるから、お母さんがあなたを絶対に守るから」
そういって母親は震える腕で娘を抱きしめた。
「たすけて、お願い・・・蝶人パピ・・・ン」
少女は小さな声で助けを求めた。

泣きながら鞄に札束を詰め込む行員たち。
刻一刻と時間は経過していく。
「後30秒~☆皆さん慌てずに、丁寧な作業をおねがいしま~す」
行員たちは最後の詰めに入る。
もちろん鞄には発信機が付いている。
また、行内を出て行くときに手間取るように鞄の口をわざとずらして止める。
このような連中に好きにさせてなるものか。
その思いを込めてのささやかな抵抗だ。

「5、4、3、2、1、 はぁ~いタイムアップ」
覆面の男たちがすぐさま出入り口に張り付き合図を送ると大型の金属箱を持った男たちが駆け込んできた。
各鞄をひっくり返し、鞄を丸ごとそれに移し換える。
金属箱の中では発信機は役に立たない、それを抱えて男たちは裏口を含む3方向の出口から出て行く。

「はい、それでは、皆さん、お騒がせしました。手際よい作業ありがとうございます」
初めから銀行員達の意地など知り尽くしていると言わんばかりたっぷりと皮肉を込めた言葉だ。
「さて、仕上げです、なぁに一瞬ですよ・・・」
顎で促して、出入り口の男たちに向かって合図を送り、自動小銃を構える。
銀行内の人間には出口がなかった。
3つある出入り口は全て自動小銃を持った覆面に抑えられている。

古来、包囲戦においては完全に閉じ込めてしまうのは下策とされる。
しかしそれは相手が窮鼠たりえる場合であり、相手との兵器に圧倒的差がある場合には当てはまらない。
秒間25発の弾丸を打ち出す自動小銃を持つ彼と、せいぜいが行内据付の道具を鈍器として使う程度の行員では技術力にして一万年以上差があるのだ。

誰も抵抗できなかった。
圧倒的戦力差に体を動かすことさえできなかった。
「うーん、張り合いがないなぁ、少しは抵抗して欲しかったのだけど・・・まぁ全部思い通りってわけにはいきませんよね、人生って厳しい!」
引き金に指をかける。
この男、初めから人質を生かして返す気などない。
だって、かっこ悪いじゃん。などと考えている。
「それでは、みなさん、さ、よ、う、な・・・」
男は覆面の下で満足げな表情を浮かべ、
「らぁ~」
指に力を込めた。

「ぱらららら」

銃声は聞こえるしかし弾は一向に出てこない。
「え、なんかなまあたたかい・・・そしてなんだかやわらかいような・・・」
自動小銃のグリップとは明らかに違う手ごたえ。
弾が出ないのは当然であった。
「たまは・・・」
「それはたまではない、私のムスコだ」

男の持っていた自動小銃は床の上でひしゃげて無残な姿を晒しており、男の手の中にあるのはやわらかいものであった。
ただのやわらかいものではない。
逆立ちして、男の腕を股間で挟みこんでいる人間のものだ。
それもパンティーを被った男のものだ。

異様な男であった。
顔に被ったパンティー。
水着の如く引き伸ばされたブリーフ。
引き締まった足を包むのは濃い色の網タイツ。
被ったパンティーは湿らせ過ぎないように。
引き伸ばしたブリーフの"ちまき"はレスラースタイルのように。
ゆっくりと歩くのが正義のたしなみ。

であるといわんばかりの風格と色気。

「ぱらららら」
「お前の声かよっ!」
覆面はッコミつつ腕を足の間から引き抜こうとした、しかし、
「ぬ、ぬけない」
生暖かさが増すばかりである。
「ふむ、社会道徳に従って反省する気はないようだな」
逆立ちで、腕を挟みこんだままパンティー男が上下運動を開始する。
よりいっそう嫌な感触が腕を伝ってくる。
(これは、腕が生暖かさにつつまれていく・・・)

「おしおきだ」

股間にあてがった男の手を中心に、パンティー男の体が回転を始め、腕を回転しながらよじ登ってくる。
ちょっと判りにくいが、等身大の棒状の物体が、およそ15度の角度で腕を中ほどまで挟みこみ、そのまま腕を周回しながら股間を満遍なく押し当てるような動きを想像していただきたい。
筆者の私はうっかり想像しちゃったのでぜひ皆さんにも想像していただきたい。

「いやぁ、か、回転数があがっていくぅぅ」
とうとう腕を上りきった股間は頭部への集会運動に入る。
「もが、息が・・もが、いきしたくな、m、が」
「変態秘技、回転腕ひしぎ天蓮華」
男の顔を正面から挟み込み、大きく手足を伸ばして一回転する。
「成敗」
その様、まさしく胎臓界曼荼羅の中心に咲く蓮華の如し。
臨死において人が見る美しき花、それが今、目の前に咲いた。
首が一気にひねられ、強盗団のリーダーは地に臥せった。
もう2度と(人として)立ち上がることはない。
「な、何者だ!」
「私か、私の名は変態仮面」

世紀末ヒーローここに帰還。