SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ ジョジョの奇妙な冒険 第三部外伝 未来への意志


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4月20日 影時間

承太郎と月光館学園の生徒らは、影時間にのみ聳える異形の塔、
タルタロスへ足を踏み入れた。

「おお…、中もスゲェな」
「でも、ヤッパ気味悪い…」

順平とゆかりがそれぞれ呟いた。
入った先にあったのは、広い円形のホールとその中央から伸びる階段、
そしてその周りを囲む、ギリシャ調の柱。

「外も外だが、中も中だぜ…」

承太郎は辺りを見回してからポツリと呟いた。
階段の前まで来たところで、美鶴が前に進み出て、こちらに振り返る。

「ここはまだ『エントランス』だ。
今後、タルタロスに挑む時は、ここが攻略の基本となる。
この階段を上がった先の入り口を越えてからが、本格的な迷宮という訳さ。
…宜しいですか?空条先生」

美鶴が確認するように承太郎に視線を投げかけてくる。
承太郎は、黙って頷き、了解の意を示した。

美鶴は納得したように頷き、改めて口を開いた。

「今日はそう深く探索する予定はありません。
時間もありますし、このあたりでお互い自己紹介をしておきましょう。
まず私から。先ほども名乗りましたが、私は桐条美鶴(きりじょう みつる)。
月光館学園、高等部の3年生です。次は…、お前だ、明彦」

そういって美鶴は赤いベストの青年に話を振る。

「俺は真田明彦(さなだ あきひこ)。美鶴と同じく3年です」

真田明彦と名乗った青年はそう言ってから頭を下げた。
それに続いて、帽子を被った髭の青年…、順平が一歩出てくる

「じゃー、次、オレオレ!オレは伊織順平(いおり じゅんぺい)ッス!
先輩たちと同じで、ツキコーに通ってます。
あ、学年はイッコ下の2年っす。ヨロシクお願いしまっす!!」

被っていた帽子を取り、勢いよく頭を下げた。ちなみに帽子の下は坊主だった。


ID373名前:ジョジョの奇妙な冒険 第三部外伝 未来への意志 [sage]投稿日:2007/05/02(水) 23:38:40 ID:xOf1OFza0
順平の隣に立つ、チョーカーを身に着けた少女が、溜め息を吐いてから口を開いた。

「はぁ~。なにテンション上げてんのよ、順平。
ええっと、あたしは岳羽ゆかり(たけば ゆかり)です。
順平とそこの彼と一緒で月光館学園2年です。
ホラ、最後、君の番だよ」

ゆかりは顔の半分を前髪で隠した青年に挨拶を促す。

「月光館学園高等部2年、天道阿虎(てんどう あとら)です」

付けていたイヤホンを外して、小さく頭を下げた。
その後、またすぐにイヤホンをしていた。
こういうやつをイヤホンマンと言うらしい、と承太郎は頭のどこかで思った。
承太郎は、全員の顔をゆっくり見た後で、自己紹介を始める。

「俺は空条承太郎。
明日、話があるだろうが、月光館学園で教師をする事になっている。
担当は生物だ。2年と3年の両方で教える事になる。
さて、幾つか質問させてもらうが、構わんな?」

承太郎は、そう言って美鶴を見る。
先のやり取りから彼女が纏め役であろうと見当をつけたからだ。
美鶴は腕を組んだままの姿勢で軽く頷き、質問を促した。
「まず一つ。お前たちは、何の目的を持ってここに来た?」

承太郎の問いに、美鶴は視線を下げ、少しの間考えてから、口を開いた。

「影時間を消す手がかりを掴む為にここに来ました。
我々はこの塔に巣食う『シャドウ』から人々を守る活動をしています。
『シャドウ』というのはこの塔の中にいる化け物の総称です。
シャドウが活動するのは影時間だけです。
シャドウは多種多様な種類がいますが、全てこの塔の中から現れます。
シャドウを生み出し、影時間のみに現れるタルタロス。
影時間の存在と何か関係がある、と考えたわけです」

確かに、両方とも影時間という共通点を持っている。
承太郎は、確かに繋がりがありそうだと思い、頷いて見せた。
次の質問に移ろうとした所で、真田が美鶴を捕まえ、こそこそと後ろに下がっていった。

「おい、明彦、何をする?」

美鶴は急に腕を掴んで、引っ張っていく真田に抗議の声を上げた。
真田は腕を放すと、美鶴の問いには答えず、逆に美鶴に対して詰め寄る。

「何を、じゃないだろう。むしろ、お前が何をやっているんだ。
部外者にペラペラとシャドウの事なんて喋りやがって」

美鶴は小さく溜め息をついてから返答する。

「ふぅ…。お前の言う事も尤もだがな、明彦。
空条先生は影時間に適応している。その証拠に混乱が見られない。
それに考えてもみろ。
普通、赴任してくる教師が、深夜、それも0時前に学校に来ると思うか?
彼も我々と同じく、目的を持ってここに着たんだ。
そんな彼に対して、知らぬ存ぜぬで通しても、また同じような事態になる。
と言うより、我々をマークするだろう」

仕方無さそうに、しかしスラスラと言ってのける美鶴に対して
真田は眉間に皺を寄せ、唸る様に話す。

「『素質』がありそうだから、仲間に引き込んだほうが得策だ。そう言いたいのか?
分からんでもないが、理事長にどう言い訳するつもりだ?」
それに対し美鶴は笑って答えて見せた。

「会議室で、紙面を相手にしているわけじゃない。
現場で、イレギュラーな事態が発生するのは、仕方がない事だ。
現場の指揮を任されているんだから、これ位はいいだろう。
それに。お前だって相談無しに伊織を連れてきた。違うか?」

伊織順平は真田が適性があるのを見つけ、勝手にスカウトしてきたのだ。
うまく切り返されて、何も言えなくなった真田を尻目に、美鶴は承太郎達の方へ戻る。

美鶴が真田に捕まっている間、順平、ゆかり、阿虎の三人が承太郎に近づいてくる。
もっとも、阿虎は付いて来ただけのようだが。

「センセー。今日、理事長と一緒に、高校来てたっしょ?」

「ああ」

そう言って話しかけてきたのは、順平だ。
承太郎は言葉とともに、首をわずかに上下させた。
ゆかりは順平を嗜めるように、口を開く。

「もー、順平!何だってアンタは、誰彼構わず馴れ馴れしいのよ、まったく。
先生なのよ、せ・ん・せ・い。?ソコ、分かってんの?」
それに対し、順平は唇を尖らせて反論した。

「えぇー、いいじゃんよー。多分、これから仲間になるんだし」

「まだ決まってないでしょ?…まぁ、あの人の事だから、仲間に誘っちゃうんだとは思うけど。
結構、強引だからね」

ゆかりは溜め息を吐くように誰に向かってでもなく話した。
承太郎は言葉の後半から、ゆかりの表情が曇るのを見逃さなかった。

「影時間に適応できてるって事は、『素質』アリってことっスよ!
新戦力、期待してますよー!くぅー、これでオレにも後輩が!
…つっても年上だけど。
戦う事になったらバッチリフォローしますから安心してくださいよ!!」

バシッとサムズアップで決める順平に、ゆかりのツッコミが入る。

「…アンタもまだ、実戦未体験でしょーが」

その後2、3、他愛の無い事を話しているうちに、美鶴が戻ってくる。
3人は美鶴と入れ替わるように少し後ろに下がる。

「すみません、お待たせしました」

そう言って承太郎に頭を下げる。

「いや、いい。質問の続きだ。
影時間に立っている棺…、あれはこの時間を認識できない奴らがなる、そう思っていいのか?
それともう一つ、お前たちは、シャドウとやらと戦う術があるのか?」

「はい、棺が現れるあの現象は『象徴化』と呼んでいます。
認識はそれで結構です。
それと、戦う術ですか…」

美鶴はそこで言葉を切ると、腰の辺りに手をやる。
そこには学生服に似つかわしくない拳銃が収められたホルスターが取り付けられていた。
そこからゆっくりと、拳銃を抜き取る。
承太郎が、それについて訊ねようとする前に、
美鶴は自分のこめかみに押し当て、躊躇いなく引き金を引いた。

ガァンッ!!

  『ジャラッ…パリンッ!』

エントランスに銃声が響き渡る。
だが、彼女の仲間たちは少しも動じる様子を見せない。
承太郎は響く銃声に混じり、小さく鎖を引くような音と、ガラスの割れるような音を聞いた気がした。

「これが『戦う術』です」

傷一つない美鶴の側に寄り添うように、甲冑を纏った女性型のヴィジョンが現れる。

「これは…」

『スタンド?』と承太郎が続ける前に、美鶴が説明を始める。

「我々はこのチカラを『ペルソナ能力』と呼んでいます。
自分の心が鎧を纏って形を成した物、と思ってください。
ここにいる全員が、ペルソナ能力者です。

ちなみに私のペルソナの名前は『ペンテシレア』。
氷結とサポート能力に特化しています」

言い終わると同時に、ペンテシレアが姿を消す。
しばし考えると、承太郎は疑問をぶつける。

「氷結とサポート?一人が一つの能力を持っている、という訳ではないのか?」

その問いに、美鶴は首を振って答える。

「いいえ。特化した部分を持つことはありますが、一つだけ、という訳ではありません。
また、ある程度経験を積みますと、力が強化されたり、新たに覚えたりもします。

例えばそこの岳羽ですが、彼女はガル系、風の属性の力と回復の力を使う事ができます。
伊織は力…格闘のスキルとアギ系、炎の力を得意としています。
明彦はジオ系、電撃を得意としていますが、今は怪我の為戦いには参加しておりません。
ちなみに、私の得意とする氷結の力は、ブフ系といいます。
そして天道ですが…彼は少々特異な力を持っていますので、詳しい説明はまたの機会にさせてください」

承太郎はそれを聞き、溜め息をつくように言った。

「やれやれ。まるで、RPGの様だな」

承太郎がプレイした事があるのではない。
杜王町にいる時に、仗助たちがそんな話をしているのを聞いた事があった。

「ふふっ、確かにそうかも知れませんね」

それから美鶴は、自分達が『特別課外活動部』と名乗り、理事長の幾月の元で活動している事、
表向きは普通の部活動だという事、最近急増している無気力症(※)の原因がシャドウにある事、
特別課外活動部(SPECIAL EXTRACURRICULAR EXECUTE SECTER)の頭文字を取って、
『S.E.E.S.』と書いた腕章を全員がしている、と言う事などを承太郎に話した。
ついでに、幾月は影時間に適応しているが、ペルソナは使えない、という事も聞いた。
「…その拳銃のようなものは?」

一通り話を聞いたあとで、承太郎が尋ねる。

「これは『召喚器』です。召喚の詳しい原理は、未だに解明出来ていませんので
説明する事は出来ませんが、これにより安定してペルソナを召喚する事ができます」

承太郎は、小さく頷くと、口元に手を当て、ゆっくりと問いかけた。

「召喚器を使わずに、呼び出した場合は?何か不都合でもあるのか?」

その問いを受けて、美鶴は、神妙な顔で頷く。

「…最悪、『暴走』する危険性があります」

承太郎は、その答えを聞き、口元に手を当てたまま、ペルソナについて考えを纏める。

(スタンドほど出し入れが自由ではなく、暴走の危険も孕むか。
だが、成長性と一個体の持つ多様性には目を見張るものがあるな…

そして、この塔を殆んど攻略していない、という言葉から見るに、
まだまだ成長の可能性があるんだろうな)

深く溜め息をついた。

(それにしても…やれやれ。
どうやら俺は、『高校生』と言うものと、よくよく縁があるようだぜ。
それも10年おきに。どうやら、今回もヘヴィな事になりそうだぜ…)

思えば、自分が高校生の時、その10年後、仗助が高校生の時、
さらにそれから10年後の今、また厄介事が起きている。
それに関わりがあるのは、また高校生だ。
考え込んでいる承太郎に、美鶴が声をかける。

「空条先生。影時間に適応できる者はペルソナを召喚する『素質』があります。
お貸ししますので、試してみてください。

…今、我々は戦力に乏しく、一人でも多く、戦えるものを探しているんです」

そう言って、召喚器を差し出してきた。
承太郎は、差し出した手を、召喚器を掴むほんの手前で、少し止めた。

(二十年前…拘置所で似たような事をやったな。
あの時は実弾を吐き出す代物だったが…。

思えばあれが全ての始まりだったのかも知れんな。
そしてまた、同じ行為で新たな幕開けを告げるか…)

こんな考えが浮かんできて、承太郎はほんの小さく笑った

「ふん…」

どこか懐かしい様子で笑う承太郎を見て、美鶴が怪訝な顔をする。

「どうかされましたか?」

「いや…。なんでもねーぜ」

承太郎は、口元を少し上げるような、小さな笑顔のままで軽く首を振ると、
美鶴に習って、召喚器の銃口をこめかみに押し当てた。

そして、一瞬の間の後、躊躇う事無く、引き金を引く。
エントランスに、銃声が響き渡る。
引き金を引いた瞬間、承太郎は、自身の精神、スタンドに変調を感じた。
鎖つきの楔が打たれ、そのまま引きずり出されそうになる、そんな感覚を覚えた。

(ヤロウ…)

そう言った、『~される』というような感覚は、承太郎が最も嫌うところである。
身体の内で、引き摺り出そうとするモノを引き千切ろうと、スタンドに力を込める。
その刹那、スタンドを襲っていた感覚は消えた、引き金を引いてから、殆ど一瞬での事だった。

承太郎の側に、何の像も現れない様子を見て、美鶴は、

「…どうやら、駄目なようですね」

と、非常に残念そうな声で言った。

「どうやら、そのようだな」

そう言いながらも、承太郎は考えていた。

(『スタンド』に『ペルソナ』。両方とも精神を拠り所にする能力だ。
大方、勘違いして、引っ張り出そうとしてきたってところだろう。

スタンドが闘争心や、自己防衛の本能が形を持ったものだとするならば…。
ペルソナとやらは、心の奥深い部分が形を持ったものなのかも知れんな。
でなけりゃ、楔を打ち込んで引き摺り出すなんて真似はしなくても済むだろう)

と、予想を立てていた所で、美鶴の声がかかり、思考を中断する。
「…非常に残念ですが仕方ありません。
我々の都合を知っていて、同じ時間を過ごせる大人が見つかった。
それだけでも十分に喜ばしい事ですから」

先程よりか、幾分気を取り直した美鶴に続くように、
次々と承太郎に言葉が投げかけられる。

「教師という立場の仲間がいる、という事はありがたい。
正直、理事長じゃ、なかなか話しにくかったりしますから。
これから、よろしくお願いします。空条先生」

「ペルソナ使いじゃなかったのは残念っスけど、しゃーないっスね。
こんな事してる訳っスから、授業中寝てても見逃してくださいよ?」

「もう…何でそういう事言うかなぁ。あ、これからお願いしますね」

「…よろしく御願いします」

真田、順平、ゆかり、阿虎の順番に声を掛けていった。
一通り終わったあとで、美鶴が指示を出す。

「探索の話に移るぞ。それではメンバーだが…」

なんとなくだが、蚊帳の外の承太郎。
聞いていると、どうやらあの3人組が探索に行き、
怪我をしている真田と、サポート役の美鶴はエントランスに残る事になったようだ。

どうやら、あのイヤホンマン、阿虎がリーダーに選ばれたようだ。
実戦経験者、と言うのが選ばれた理由らしい。

それから、阿虎が片手で扱えそうな剣、順平が日本刀のような長剣、
ゆかりが弓道で使うような弓を持って、迷宮に入っていった。
今日は、ほんの触りだけだったらしく、5分としないうちに、3人が戻ってくる。
エントランスの右手にある、よく判らない装置の力で戻ってこれるのだそうだ。

(まったく…。よく判らんものに頼りすぎだ)

承太郎は少し憮然とした表情で思った。
確かに、ペルソナも、それを呼び出す力も、この迷宮から帰還する力も
すべてが『よく判っていないもの』だ。

そんな承太郎を他所に、順平が興奮したっ表情で喋っている。

「スゲェ、自分の『力』ってのを実感したぜ。マジぶっ飛び?」

そこで、緊張感が途切れたのか、急に疲れた表情になる。

「でも…なんでだ?
なんか、ミョーにカラダがシンドいんスけど…」

そこにゆかりが厭きれたような顔で突っ込みを入れる。

「単なるハシャギ過ぎじゃないの?」

順平は、ゆかりを見て言葉を返す。

「んな事言って…ゆかりッチだって、もろバテ気味じゃんか」

「バテるってか、なんか、息苦しいような…。なにコレ…」

自分を襲っている感覚がはっきりしないのか、困惑した顔で順平に答える。
その二人に、美鶴が、影時間は普通よりも何倍も体力を消耗する、と伝えた。
だが、直に慣れるそうだ。

「しかし・・・、想像以上に行けそうじゃないか。
明彦も、うかうかしてられないな」

心持ち明るい表情で美鶴は言った。

(一階だけでバテてんのにか?このクソ高い塔を上りきるのに何年かかるのやら…)

顔には出さなかったが、心の中でそんな事を思っている、承太郎だった。

「フン、ぬかせ」

真田が不敵な表情で、美鶴に言葉を返したところで、美鶴がこちらに歩いてくる。

「今日はもう引き上げる事にします。詳しい事は、明日にしましょう。
済みませんが、明日、仕事が終わってからで構いませんので、我々の寮までご足労願えませんか?
住所は―――」

と寮の場所を教えてきた、なにやら、作戦本部も兼ねているらしい。
承太郎は、メモを取ると、無言で頷いた。

頷いたのを確認すると、美鶴は仲間のほうへ戻っていく。

「それでは、今日は解散にする。
…疲れたからといって、明日学校を休むなよ?」

その言葉を聞いた面々は、思い思いに話しながら、エントランスを後にしようとする。
だが、その時。まだ、階段に背を向けていない承太郎は、見た。
タルタロスへの入り口から、黒い塊が飛び出してくるのを。

「ガルルルルルッ!」

獰猛な声を上げる黒い塊…シャドウは、S.E.E.S.の五人の背後から飛び掛らんとする。

「何ッ、シャドウ!?」 「しまった!」 「ヤベッ?!」 「キャア!」 「…ッ!!」

銃を引き抜き、押し当て、引き金を引き、攻撃、という流れをこの一瞬で行うのは無理がある。
それに5人のうち3人は疲労してバテている。全員が、”最悪”を想像して、目を閉じそうになる。

だがそこに、いつの間にか現れた、承太郎が5人を守るように立ちはだかる。

『一瞬の間にどうやって』、『ペルソナ使いでもないのに無茶だ』、など考える前に、雄々しい声が響き渡る。
               スター・プラチナ
「おぉぉぉおおおおおッ!『星の白金』ッ!!」

その刹那、シャドウは無数の拳打を受け、宙に溶けるように消滅した。

「…安心しな。もう大丈夫だ」

承太郎が振り返ると、他の一同は、一様に驚いた顔をし、酸欠の金魚のように口をパクパクさせている。
そんな中、一番早く冷静さを取り戻した美鶴が、承太郎の側で佇む像を指差し、質問をする。
「や…やはり空条先生もペルソナ使い?しかし、先ほどは何故…?」

承太郎の横に立つ、そのヴィジョンは、古代ローマの拳闘士の様な風体で、
宙にたゆたう髪、力強そうな五体、そして精悍な顔立ちをしていた。
何より、朽ちる事のない白金の様な、揺ぎ無い誇りと気高さを感じさせた。

「いいや…」

承太郎は、『ペルソナ使いに間違いない』という周囲の期待を裏切る言葉を吐く。

「俺は…スタンド使いだ」

『スタンド使い』という、耳にした事の無い言葉に、一同は呆気に取られる。
そんな様子を見て承太郎は、

「…やれやれだぜ」

と、帽子のツバを、クイッ、と下げて呟くのだった。

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※無気力症
無気力症とは、シャドウに精神を食われた人間が陥る症状である。
すべてに対しての活力を失い、日常会話はおろか、誰かの手を借りなければ、生存すら不可能である