SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ ジョジョの奇妙な冒険第4部―平穏な生活は砕かせない― 52-2


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いつもと同じ時間帯、いつもと同じように通勤しながらチラチラと周囲の女性の手首へと視線を移す。
昨日は最高の一日だった、コーヒーで火傷したり、早人のおかげで空気弾も喰らったが…。
承太郎も、露伴も康一も億奏も、そして東方仗助も死んだ。
これからの私の日々はきっと幸福で、何一つストレスを感じない物となるだろう。

『バイツァ・ダスト』も解除済みだ、既に一日経っているので安全は保障されている。
『キラークイーン』は死体の処理に便利なので、代わりに私の父親の写真を早人の上着に仕込んである。
父のスタンド、『アトム・ハート・ファーザー』は写真に自由に出入りできる能力。
早人が誰かに知らせようとすればバレずに後始末を済ませてくれるという訳だ。

一人の女性が反対側の歩道を通る、長い黒髪、バツグンのプロポーション。
そして美しい顔と手首、思わず一瞬見とれてしまった。

(フフフ……丁度いい、腐りかけの彼女……ええと、名前はなんだったか…。ああ、美奈子だった。
まぁいい、彼女とは『手を切って』新しくあの子の綺麗な『手を切る』としよう…)

「もしもし、部長ですか?おはようございます、川尻浩作です。
まことに申し訳ありませんが…今朝15分ほど出社が遅れそうなのです。

路上で頭をペコペコ下げながら電話をかけるその姿から誰が殺人鬼と予想できるだろうか。
クスクスと周囲から笑い声が聞こえるのが少し恥ずかしいが、広瀬康一との戦いで恥をかくのには慣れた。
それに、あの時と違って電話が終われば周囲の興味の対象から外れる。
目立ってはいるが何も問題はない。

「いえ、息子が学校に行くのを嫌がって…いえ部長、人様から見たらほんのつまらない理由なのです…。
はい。15分ほどしか…かかりませんので……はい…まことにすみません……はい、済み次第…はい。
すぐ会社に……向かいますので…はい……は!失礼します!部長」―ピッ―

まったく立場がどうのと面倒な奴だ、そんなに出世したかったのか川尻浩作め。
「気苦労の方が多いのに…金だのなんだの欲に眼が眩んだアホはこれだから困る」
さぁて、気を取り直して『新しい彼女』の行方を追いかけてみよう……。
コツコツと靴音をワザと、でも少し小さめにたてながら女性の後方3メートルを維持しながら歩く。
足音を全くたてないのは不自然で逆に怪しい、離れ過ぎたまま視界に入っていればストーカーらしく見られる。
近寄ることが大事なのだ、腕時計を気にしたりネクタイを締め直したり、如何にもサラリーマンな仕草もいい。

段々と人気のない所へ歩いて行く、いいぞ……『運命』は常に私の味方だ。
角を曲がる、そこは開拓中の住宅街、早朝は騒音を気にして工事の時間帯からずれているのだろう。
車一つ見当たらない…ハァァ~……なんて完璧な空間だ…私と…『彼女』と二人っきり…。
後は…邪魔な体を私の『キラークイーン』で吹っ飛ばすだけでいい…でも、その前に…。

「お嬢さん、この先は行き止まりですが…何か用でもあるのですか?」
さり気無い質問、焦らず、警戒心をゆっくり解いて…会話へ持ち込もう。
これから腐るまでの間、『お付き合い』させていただくのだ。
性格や好みを知っておくのは男女の交際においてはとても大切なことだ。
もっとも、愛する妻がいるので指輪をプレゼントしてあげられないのが残念だが…クク。

「ええ、そうなの。」
ン~~~冷たい声だがそれとなく慈愛を秘めている…気がする。
素敵な声だ、もう聞くことはない訳だしじっくり聞かせてもらおう。
私の正体を知った時の叫び声を思い浮かべると…フフ…股間にサポーターを当てていて正解だった…。

「どんな用ですか?差し出がましいでしょうが…女性が一人で人気のない場所をうろつくのは不用心ですよ。」
少し窮屈な感じがするが、グッと堪えねば。
私のように紳士でも股間がアレだと変態にしか思われないからな…。

笑顔で振り返る彼女、フワッと持ちあがる髪が中々に素敵だ。
だが……気のせいだろうか、眼に全く光がない。
まるで…死人か何かのようだ。
「あら、優しいのねアナタ。でも…どうしてもやらなくてはいけないの。
撫し付けですけど…もしよかったらついて来てくれれば心強いのですが…」

……フフ、今日は最高の一日になりそうだ…

紳士らしく、それでいてさり気無い茶目っ気も見せとけば女はホイホイ信用するものだ。
イメージを崩さないよう、声のトーンを素人の真似るシェイクスピアの劇にでる騎士、とでもいう感じに…。
「私の様な者で出来ることがあればなんなりと申し付けてください…お嬢さ……」

ギ    ギ    ギ    ギ    ギ    ギ
 リ ギ  リ ギ  リ ギ  チ ギ  リ ギ  リ
    リ    チ    リ    リ    リ

「むごぉぉぉォォ~~~~!!」
(な、なんだッ!?舌が締め付けられるッ!体にもッ!?
う、動けないッ!身動き一つとれやしないッ!)

「あるわ…アナタに出来ること、あの世で康一君に詫び続けるのよ…未来永劫ね……!」
髪の毛が…伸びている!?こいつもスタンド使いだったのか?
死体のように冷たかった眼が、怒りの炎で鈍い輝きを帯びていた。

体中に見境なく巻きつく髪、多重にも重なるので髪と髪の間に挟まれた肉が千切れて血が流れる。
「そのムカつく話し方を止めて…私とお話しましょう……ね?」
取り繕った笑顔に加えて、眼輪筋をピグピグさせている。
抑えたくもない怒りを、やっとの思いで抑えているといった顔だ。
舌に巻きついていた髪を解くと、少し後ろに下がる。

「アナタのスタンド…正体が分からないんですもの、失礼だけど少し下がらせてもらうわ。
さぁ、お話しましょうか?アナタの正体とかスタンドの能力とか…教えてくれる?」
眼輪筋を痙攣させたまま、笑顔で話しかけてくるその姿…恐怖せずにはいられない…。
だが、なんとかしてこの状況を打破する為にも女との会話は必要だ…。

「わ…私の名前は川尻浩さくッ~~~~~~!!!?」
首を絞める力が更に強くなっていく、気管だけではなく血管までストップさせるつもりだろう。
とんでもない女に出会ってしまった…ヒドすぎる……なんてヒドイ一日だ…。
「それはテメェが殺した奴の名だろうがぁァ~~~~!!あたしをナメやがってェ!
その悪趣味なスーツに釣り合うように顔面歪めてやる…こォの田吾作がァ~~~!」
全身に髪の毛が纏わりつき、締め付けてくる。
体中を万力で締め付けられるような痛みが込み上げてくる。

(キラークイーンの指で少しでも髪に触れられれば毛髪を通じて頭を吹っ飛ばせるのにッ…!)
身体が動かない今…『キラークイーン』を出した所で正体を悟られ殺されるのが必定。
ごまかすのだ…なんとしてでもッ!

「あぁぁうあああぁ~~~なぁ、なにを言ってるんだぁぁ~君はぁ~~~~~。
わっ、わたしはぁ…たっ、ただの会社員だよぉ~オオオオオオェェ!?」

この女…口の中にまで髪の毛を……このまま内臓をバラバラにすることもできるのか?
強すぎる…反則じゃあないのか……? 射程距離はありそうだが逃げられそうにないッ!

「ジョースターのジジイのこと知らないのね…スタンドの能力は精神力次第。
孫を殺された怒りが悲しみを上回ったのかしら…康一君を失った今のアタシみたいにね…」
そういって写真を取り出す、それは川尻浩作…つまりこの吉良吉影の顔の移った写真だった。
だが…何故だ!?早人がそんなことをすれば写真から父が飛び出す筈だ……。
まさか…しくじったのか?いや、殺人には慣れている筈…あんな小僧に出し抜かれる程の役立たずでは…。

「なんか考えてるみたいね…無駄よ……『愛は無敵』なのよ。
康一君…本当に素敵だった……小さくてかわいくって…いざって時にはすごく頼もしくって…。
もう一生、彼みたいな人には出会えないって位…愛してたわ…」

眼の前の女が涙ぐんでいる…チャンスか!?
精神力が弱ればスタンドの力も弱まる…段々と呼吸が楽になってきたッ!!
だが安心はできない…思い出に浸って悲しんでくれれば脱出して髪に触れるくらいまで弱まるだろうが、
その逆もあり得る…下手な事を言って刺激しない様に…心の隙間をつくのだ吉影!
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