SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ DBIF50-7


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「ターレスタイプの新顔が相手か。一つ聞くが、お前とあのベジータとかいう奴、どちらが強い?」
「さあな。直接闘ったのは、もう随分前だからわかんねえ」
どちらも軽い笑みを浮かべたままゆっくりと腰を落として構える。どちらもまだ超サイヤ人にはなっていない。しかしトランクス達は、ただ笑みを
浮かべて構えているだけの二人の身体の中で、星をも吹き飛ばすエネルギーが解放を待っていることを感じ取っていた。

ズ・・・ズズ・・・

そんな重苦しい音が聞こえそうな程、見た目は静かな両者の間で気が膨れ上がっていく。ほんの一瞬気を逸らした瞬間に動き出してもおかしく
ない気がして、その場の誰もが瞬きすら出来ない。
そんな状態の中、ふ、と突然笑みを深くしたラニが動いた。
拳と脚が、どう繰り出されたのかを言葉で表していたのでは到底追いつかない速度でかわされる。まだ超サイヤ人化していない状態でありながら、
それらのどの一撃であっても直撃すればその部分の骨をへし折られ、数百メートルは弾き飛ばされそうな威力を持っている。それでいて、周囲に
響くのはごく普通の組み手のような軽い音ばかりである。ラニも悟空も、相手の攻撃の威力を消す技術においても長けているが故の現象であった。

ビシィッ!

そんな中、ようやく両者の動きが止まった。ラニが悟空の右上段蹴りを左腕で受けた状態で止まっている。
「よし!」
思わずそんな言葉がトランクスの口から漏れた。今の状態は、取りも直さず、ラニが悟空の攻撃を受け流し切れなかったことを示していた。つまり、
攻防の技術で悟空が相手の一枚上を行ったのである。
「ふん」
それでもなお、ラニは嬉しそうな声で短く笑うと、飛び退がって距離を空けた。


「ウォーミングアップはこれくらいにして、そろそろパワーを上げていこうか」

グァッ!

言葉と同時に、ソニックブームのようなエネルギーの波がラニを中心に広がった。それでもまだラニは超サイヤ人化はしていない。しかし、
それにもかかわらずその気は悟飯がセルゲームで見せた気をわずかながら超えていた。
(何て気だ。超サイヤ人にもならずにあそこまで気を上げられるものなのか)
トランクスは呆然とラニを見つめながら心の中でつぶやいた。『精神と時の部屋』で悟飯と共に基礎能力を跳ね上げたものの、基礎能力だけで
言えばそれでもまだラニとは歴然たる差が存在した。
「すげえな。スーパー、じゃねえ、戦闘形態になってもいねえのに、そこまで力が上がるのか」
悟空は感心した声でそう言った。しかし相手の実力に気圧された気配はない。
(・・・妙な奴だな)
そんな悟空の様子に、ラニは笑みを消して、改めて悟空を観察した。
(ターレスに似ているというだけで、中身は全然別だというのはわかる。だが、私を前にして緊張も余裕も見せるわけでなく、まったく自然のままだ。
こういう奴もいるのか)
「それじゃ、オラもいっちょ気合入れっか」
そんなラニの考えをよそに、悟空はそう言いながら両手で軽く自分の頬を挟むように、ぱん、と叩いた。
「はあっ!」

ゴッ!

悟空の掛け声と共に、先程のラニと同じくエネルギーの波が走った。しかし悟空もまだ超サイヤ人にはなっていない。
「ほう」
ラニが感心した声を上げた。悟空もまた変身することなく、彼女と同程度の力を見せたためである。ただ、その姿は変身こそしていないものの、
赤いオーラに包まれていた。


「界王拳だ。すげえ、一体何倍まで上げてるんだよ」
自身同じものを身につけているクリリンが、それゆえに驚きを込めてつぶやいた。元の力自体が並外れているため、数倍でもかなりの上昇では
あるだろうが、目の前の悟空のそれは何倍かと推測するのさえ空しくなりそうなものであった。
「んじゃ、第二ラウンド行ってみっか」
そう言うと、悟空は地を蹴った。
「ふっ」
カタパルトから発射された機体のように、瞬く間にラニの目の前に飛び込み、拳を突き出す。
それを皮切りに、今度は明らかに重く鈍い音が周囲に響いた。両者の実力を持ってしてなおそれだけの威力でのぶつかり合いになってしまうのだ。
「だだだだだっ!」
「む、くっ、せいっ!」
お互いの拳と脚が嵐の如く行き交う。その内の1つか2つがヒットするものの、相手を吹き飛ばすには至らない。これだけの力を出してなお、
食らいながら相手の攻撃の威力を削ぐだけの余裕があるのだ。
「はは・・・はははははは!」
突然ラニが大きな声で笑い出した。
それにほんの一瞬気を取られた悟空の頭を、ラニが両手を組んで放った打ち下ろしが襲った。
それでも地面には激突せず、そのまま何回もバック転を繰り返して、今度は悟空が距離をとる。
「いちちち・・・何だおめえ急に笑い出して」
訝しげな声で言う悟空に対し、ラニはそれでもまだ少しの間嬉しそうに笑ったあげく、ようやく口を閉じた。
「これが笑わずにいられるか。隣の銀河中を巡ってもそうは巡り会えなかった実力者が、よりによってこんな辺境の小さな星にゴロゴロしているの
だからな。笑うなという方がおかしいだろう」
そう言うと、ラニはまだ嬉しそうな笑みを浮かべたまま、改めて構えた。

「もう小出しはヤメだ。まったく、これだけの相手ならば始めから手を抜くんじゃなかったな」

ブオッ!

これまでと比較にならない気がラニから湧き出した。その髪も、溢れ出るオーラも金色に変わっている。いよいよ彼女が本気を出したのだ。
「それじゃあオラも」

ドンッ!

悟空もまた姿を変える。違うのは彼女がただの超サイヤ人なのに対して、悟空のそれは悟飯やトランクスがなれる、超サイヤ人の限界を
超えたものであることだ。
「悟空さんも、やはり超サイヤ人の限界を超えていたんだ」
「それに、お前達のように普段の状態でのパワーアップもしていた。まったく、敵わんなあいつには」
トランクスとピッコロがそんな声を上げる中、二人は改めて構えると、今度は同時に地を蹴った。

ゴガアッ!

もはや肉体同士が立てるものとは思えない音を立ててお互いの肘が激突する。さらにピッコロの眼をもってしても追い切れない速度で手足が
行き交い、その折々にけたたましい音が響く。
「だっ!」
「ぐ!」
その内の一つが当たったのか、突然ラニの顔が後方に弾け飛び、そのまま吹き飛んだ。
「はあああっ!」
悟空はそれを追わず、気を集中させた手で輪を描き、その輪をラニに向けて投げつけた。
「くうっ!」
吹き飛ばされた体勢を整えたラニに追いついた輪が、その身体を通り過ぎた瞬間、ぎゅっと握った悟空の手の動きに合わせてその輪が縮まった。


「何だ、この輪は。ぐうっ」
「もう3つ」
さらに悟空が3つの輪を飛ばすのを見ながら、ラニは冷静に細く息を吐くと、
「ふんっ!」
その身を拘束する輪を引きちぎった。次の瞬間には他の輪もエネルギー弾で相殺する。
「あちゃー、惜しい」
「ふふ、今の攻撃は中々だった。技も多彩なようだな。ますます面白い」
楽しそうにそう言いながら軽く髪をかき上げ、ラニはその手に気を集中させた。
「そういう技ならば私も得意だ。こういうのはどうかな?」
その手がすばやく左右に動き、瞬く間に6本の大きな針のようなものを作ると、それらを放射状に交差させて巨大な気の手裏剣を作り出した。
「はあっ!」
クリリンの気円斬と見まごうばかりに回転させたそれをラニは投げつけた。それに対して悟空もまた一瞬でやや小さめの気の円盤を作って投げる。
「ふふ」
それに対し、ラニは円盤が激突する寸前にぱちんと指を鳴らした。それに合わせてそれまで回転していた針が、元の6本に分裂して悟空の円盤を
すり抜け、そのまま悟空を襲う。
「んぬぁっ!」
咄嗟に飛んでかわすと、何と針は再び手裏剣状に戻って悟空を追いかけた。
「くっ、仕方ねえっ!」
そう言うと、悟空は追いかけてきた気の手裏剣に対して何をするでもなく、代わりに額に二本の指を当てた。
「?」
何をしているのかと悟空の様子を見ていたラニは、次の瞬間自分の眼を疑った。一瞬たりとも眼を離したはずはないのに、悟空の姿が視界から
消えたのである。しかしその理由を考える暇はなかった。その前にどこからか突然現れた両腕が彼女の身体を羽交い絞めにしたためである。


「な、んだと?!」
「悪いな、オラは瞬間移動が出来るんだ。こういう腕試しじゃあんまり使いたくなかったけど、これも技の一つってことで勘弁してくれ」
「く・・・瞬間、移動だと・・・?!」
渾身の力で解こうとするものの、ラニに匹敵する力を持った悟空に、しかも背後から絞められてはどうしようもない。
「今回は力比べだからこうするだけにした。でもその気になればどうなったかわかるだろ。今回はおめえの負けだ」
「・・・・・・!」
ふざけるな、と思わず叫びそうになりながらも、ラニはその言葉を飲み込んだ。余興だから殺しはしないと言い出したのは自分なのだ。
今の状態からでも、もしその代わりにより過酷なダメージを受けたとしても、これが殺し合いも含めた実戦であるならば勝負はつかない。
しかし互いの命を保証する余興であるならば。
(ふ・・・自分の力を過信していたか)
心の中で自嘲的に笑い、ラニが抗うのをやめようとしたその時、

ドウッ!

突然上空から飛んで来たエネルギー弾が、ラニの背後にいる悟空を直撃した。






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