私たちは駅につくと 程なく来た列車に乗り込んだ 心なしか乗っている人が少ないのは向かう先が田舎だからだろうか
二人で座るタイプの座席がいくつも並んでいる様子はまるでバスの後部座席のようだ
ネウロはさっきから帽子の女の子と人狼ゲームの話に夢中になってるけど…私には内容がさっぱりわからなかった
私は場違いな気がして彼女にネウロの隣の席を譲ると離れて座った 目の前からはくららの楽しげな声が響く
「私としては狩人coは…」「ええ しかしそれでは狩人日記が破綻してしまいますね 僕ならばその場合…」
(ネウロ…こうして遠くから眺める分には最高なのになあ)
ぼーっと見ていた私は隣に座ったブローチを着けた子…あきらから謝られた
「姉貴が空気読めないせいで…ごめんな」
申し訳なさそうな顔の彼女に笑顔を見せる
「そんなことないよ~気にしないで」
私としては一時的にでもネウロの暴力から逃れられるのはありがたい こっちがお礼を言いたいぐらい
「僕は人通りの多い歩道をわざわざ並んで歩いてる時点で気づいたのに 姉貴はプレゼントを嬉しそうにその場で身につけたのも目に入らない…なんてね」
あれ…もしかして私誤解されてる?「違…私たちはそんな関係じゃない」
あきらちゃんが驚いて私をみたのと後ろから声がかかったのは同時だった「よっ若いの青春してるねぇ」
声のした方を振り返ると髭の生えた中年男と男女二人がこちらをみていた男女二人は桃の小物を身につけている
「お前らも参加者だな バラバラに座ってるのもなんだし 合流しようぜ」
中年男の呼びかけで席を移動するとなぜか私の席はネウロの隣になっていた…恐る恐る座った私の頭はネウロの手で鷲掴みにされる
「我が輩に無断で別行動とは…貴様は謎に食い殺されたいか」
やっぱこうなるよね
私たちが自己紹介をすると今度は向こうの番になった 中年男が口を開く
「俺はエドガー 売れない小説家やってるぜ」
「私はジェニファー 舞台女優の卵ってところね」
「俺はやられやく まあ初日に噛まれる役なんで俺の事は気にしないでやってよ」
私は聞いた
「それだと推理に参加できないんじゃ?」
「実は俺 料理目当てで来たんだ タダ同然で高級レストランのフレンチが食えるなんて滅多にないからな」
「なんでもあそこのシェフはシュプリームSで働いてたが事件後にリストラされてここに来たらしい」
そのとき中年男が声を上げて立ち上がりヤコを人差し指で指しながら言った
「どっかで見たなーと思ってたら…あんたってシロタ捕まえた桂木弥子?」
ほかの人たちは中年男をキョトンとした顔で見てそのうちの一人が言った
「シロタって誰だ?桂木弥子はアヤ・エイジア事件の人だろ?」
混乱する人たちにネウロが鶴の一声を発した
「そうですね どちらも僕らが手がけた事件です ね先生?」
そこからは質問の嵐だった どんなマスコミもここまで次々質問をしないだろう
「なあ あれやってくれよ 犯人はお前だ!って」
普段の私だったら絶対やらなかったろう だが半ばヤケになった私は矢継ぎ早の質問から逃れたい一心で叫ぶ
「犯人は…お前だ!」
恥ずかしいことにいつもの癖でポーズまでとってしまった
…無関係な誰かを指さしてませんように…私が人差し指の先を見るとそこには太った男の人
そのTシャツには萌えキャラの少女がプリントされ その上に大きく「モモ」と書かれていた
あの少女の名前なのだろうか…しまったと思った私は即座に土下座の体勢に入ろうとしたが、彼はおもむろに立ち上がって言った
「見つかった…から…オフ会…参加する」
この時 私が新たな伝説の一ページに刻まれたのは
後にネウロのイタズラのせいだと判明する…そのことを今の私は知らない
二人で座るタイプの座席がいくつも並んでいる様子はまるでバスの後部座席のようだ
ネウロはさっきから帽子の女の子と人狼ゲームの話に夢中になってるけど…私には内容がさっぱりわからなかった
私は場違いな気がして彼女にネウロの隣の席を譲ると離れて座った 目の前からはくららの楽しげな声が響く
「私としては狩人coは…」「ええ しかしそれでは狩人日記が破綻してしまいますね 僕ならばその場合…」
(ネウロ…こうして遠くから眺める分には最高なのになあ)
ぼーっと見ていた私は隣に座ったブローチを着けた子…あきらから謝られた
「姉貴が空気読めないせいで…ごめんな」
申し訳なさそうな顔の彼女に笑顔を見せる
「そんなことないよ~気にしないで」
私としては一時的にでもネウロの暴力から逃れられるのはありがたい こっちがお礼を言いたいぐらい
「僕は人通りの多い歩道をわざわざ並んで歩いてる時点で気づいたのに 姉貴はプレゼントを嬉しそうにその場で身につけたのも目に入らない…なんてね」
あれ…もしかして私誤解されてる?「違…私たちはそんな関係じゃない」
あきらちゃんが驚いて私をみたのと後ろから声がかかったのは同時だった「よっ若いの青春してるねぇ」
声のした方を振り返ると髭の生えた中年男と男女二人がこちらをみていた男女二人は桃の小物を身につけている
「お前らも参加者だな バラバラに座ってるのもなんだし 合流しようぜ」
中年男の呼びかけで席を移動するとなぜか私の席はネウロの隣になっていた…恐る恐る座った私の頭はネウロの手で鷲掴みにされる
「我が輩に無断で別行動とは…貴様は謎に食い殺されたいか」
やっぱこうなるよね
私たちが自己紹介をすると今度は向こうの番になった 中年男が口を開く
「俺はエドガー 売れない小説家やってるぜ」
「私はジェニファー 舞台女優の卵ってところね」
「俺はやられやく まあ初日に噛まれる役なんで俺の事は気にしないでやってよ」
私は聞いた
「それだと推理に参加できないんじゃ?」
「実は俺 料理目当てで来たんだ タダ同然で高級レストランのフレンチが食えるなんて滅多にないからな」
「なんでもあそこのシェフはシュプリームSで働いてたが事件後にリストラされてここに来たらしい」
そのとき中年男が声を上げて立ち上がりヤコを人差し指で指しながら言った
「どっかで見たなーと思ってたら…あんたってシロタ捕まえた桂木弥子?」
ほかの人たちは中年男をキョトンとした顔で見てそのうちの一人が言った
「シロタって誰だ?桂木弥子はアヤ・エイジア事件の人だろ?」
混乱する人たちにネウロが鶴の一声を発した
「そうですね どちらも僕らが手がけた事件です ね先生?」
そこからは質問の嵐だった どんなマスコミもここまで次々質問をしないだろう
「なあ あれやってくれよ 犯人はお前だ!って」
普段の私だったら絶対やらなかったろう だが半ばヤケになった私は矢継ぎ早の質問から逃れたい一心で叫ぶ
「犯人は…お前だ!」
恥ずかしいことにいつもの癖でポーズまでとってしまった
…無関係な誰かを指さしてませんように…私が人差し指の先を見るとそこには太った男の人
そのTシャツには萌えキャラの少女がプリントされ その上に大きく「モモ」と書かれていた
あの少女の名前なのだろうか…しまったと思った私は即座に土下座の体勢に入ろうとしたが、彼はおもむろに立ち上がって言った
「見つかった…から…オフ会…参加する」
この時 私が新たな伝説の一ページに刻まれたのは
後にネウロのイタズラのせいだと判明する…そのことを今の私は知らない
「次は桃栗駅~桃栗駅~」
私たちが電車から降りると荒れた無人駅があったこの様子だと日に何本かしか列車がこないのだろう
すっかりへばっているゴダイさんと荷物を迎えのバスに押し込むと 車は桃栗館に向かった
途中エドガーさんが私たちの隣にきて録音機を取り出すと愉快そうに言った
「デーブ細木を見つけちゃうなんてあんたすごいな…伝説の一部始終しっかり録音させてもらったぜ」
何がすごいのかさっぱり分からないから苦笑いをするしかなかった
私はメールをチェックしようと携帯を取り出す
「あれ?圏外だ」
「ああ ここらは山間で電波が入らないようになってんだよ
噂では桃栗館の主人が変わり者で わざわざそういう所を選んで館を建てたって話だぜ」
いざ事件が起こったら真っ先に警察に連絡しよう…私のほのかな期待はあっさりと崩れ去った
その横で長旅の疲れからか半分眠っているネウロが小さくつぶやく
「謎の気配が濃くなった…気をつけろヤコ」
その声はあまりにも小さくて 弥子の耳には届かずに消えた
私たちが電車から降りると荒れた無人駅があったこの様子だと日に何本かしか列車がこないのだろう
すっかりへばっているゴダイさんと荷物を迎えのバスに押し込むと 車は桃栗館に向かった
途中エドガーさんが私たちの隣にきて録音機を取り出すと愉快そうに言った
「デーブ細木を見つけちゃうなんてあんたすごいな…伝説の一部始終しっかり録音させてもらったぜ」
何がすごいのかさっぱり分からないから苦笑いをするしかなかった
私はメールをチェックしようと携帯を取り出す
「あれ?圏外だ」
「ああ ここらは山間で電波が入らないようになってんだよ
噂では桃栗館の主人が変わり者で わざわざそういう所を選んで館を建てたって話だぜ」
いざ事件が起こったら真っ先に警察に連絡しよう…私のほのかな期待はあっさりと崩れ去った
その横で長旅の疲れからか半分眠っているネウロが小さくつぶやく
「謎の気配が濃くなった…気をつけろヤコ」
その声はあまりにも小さくて 弥子の耳には届かずに消えた