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*文中の表現に下ネタが有ります。お食事中の方はご注意ください*
ここら一帯は我が縄張りである、と言わんばかりに堂々と歩く野良猫が、小さな建物を目の前にして急に引き返した。
毛を逆立てて牙を剥き、何かから逃げるような必死の形相で、あっと言う間にそこから見えない遠くまで走り去っていった。
そこは、圧倒的な重圧を孕んだ気に覆われていた。
まるで炎に炙られているかの様に歪んでいる空間。
その中心に、男はいた。
暗がりの中、鬼が泣いていた。
本当に鬼がいたわけでも、鬼が泣いているわけでもない。
そこにいる男の背中の筋肉が、まるで鬼の貌のように膨れ上がり、それを伝う大量の汗が涙を形作っていた。
常人とは生まれついての構造から違う打撃用筋肉(ヒッティングマッスル)。
その圧倒的な筋力から生み出される一撃は正に必殺。
そして、それを持つ生物は長い生物史の中でもほんの一握りにも満たない。
今、この狭い一室にいるのはその中でも最凶の怪物。
範馬勇次郎。
暗く、狭い一室の中。
名を出しただけで国家が揺らぐ程の凶人が、持て余すその大量のエネルギーを破裂せんばかりに体中に巡らしていた。
勇次郎の額を汗が伝う。
汗とは人間ならば誰しも必ずかくものだが、彼に関してはそれは当てはまらない。
人間の身体構造を逸した無尽蔵のスタミナ。
理不尽なまでに我を保つ、絶対の自信と凶悪なエゴイズム。
それらを凌駕して彼に汗をかかせる事の出来る環境など地球上を探してもどれほどあるものか。
隅から隅まで力みを加えられた体中の筋肉。
その筋肉に滞りのない酸素を伝達するために拡張された血管。
それでも、まだ足りない、もっと強大な力が要るのだと燃焼されるエネルギーが、彼に滝のような汗を流させた。
範馬勇次郎の体は、限界の無い力を込めればどこまでも壊れずに絞れる弓のようなものだ。
しかし、開放の瞬間は必ずやってくる。
稲妻の炸裂音のような音とともに、それは放たれた。
範馬勇次郎という男は非常に美味そうに肉を喰う。
嬉しそうな顔で口一杯に頬張ってモニュモニュと咀嚼するその光景は見てるだけでも涎垂ものだ。
しかし、彼はあまり野菜は食べない。食べるシーンは見た事がない。
ところで、快便には三つの要素がある。
水分。
多量の水分は便を柔らかく保ち、腸管を通りやすくする。
油分。
腸壁に分泌される油分は便と腸との摩擦を少なくし、円滑な運搬を可能にする。
そして食物繊維。
便を柔らかく大く保ち、極度に圧縮され固まった大きな便を出来にくくする。
食物繊維は野菜、果物、穀物等に多く含まれるが、彼が飲み食いする肉以外のものなどコカ・コーラくらいのものだ。
ほとんど食物繊維の含まれない食事と、彼の胃腸まで達する究極の力みは、圧倒的な密度・硬度のう〇こを生み出した。
しかし、地上最強の肛門はそれ以上だ。
炸裂音とともに射出され、便器を蹂躙したそれをもってしても傷一つ付きはしない。
勇次郎は言った。
力みなくして開放のカタルシスはありえねぇ。
極限まで力んで開放したそれは、いかほど満足感をもたらしたのだろう。
帰り行く勇次郎の笑顔だけがそれを表わしていた。
ちなみに、後から来た清掃員は地上最強のう〇こに敗北した。
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