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「その名はキャプテン 49-2」(2007/05/24 (木) 14:41:47) の最新版変更点
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六十話「死神の星」
「地球の移民星、惑星ティノス。 移民星ってのは地球から離れた住める星の事だ。
空気は地球の半分ほどしかねぇ、どこまでいっても砂漠、クソ寒い気候。
生命維持装置がない奴は数時間でポックリ逝っちまう最低な星だ。」
星?空に浮かぶあの星の事だろうか、異常な武器、風貌から変人だとは思っていたが。
ここまですっとんだ話をされるとは思いもしなかった。
茫然とする3人を見て笑いながら話を続けるブルー。
「おいおい、俺はイカれちゃいないぜ?イカれてるのは、
俺の相棒の『こいつ』だけさ、でていいぞファッツ。」
そう言うと銃を一つに戻し、手を前へと突き出す。
すると突然、ブルーの腕から光が伸びる。
何かの攻撃かと思ったら違っていた、何か汚い石柱のような物が見える。
『ファーーーーック!誰がイカれてるんだよ赤ちゃん野郎が!
俺はイカれてるんじゃねぇ、イカしてるんだ!』
石柱から何か訳の分からないピーという、うるさい音と同時に騒がしい声が漏れだす。
機械の事を何も分からない二人の騎士は、夢でも見てるかのように目を丸くしている。
『フゥーッ、小便臭ぇガキかと思ったら案外イイ女じゃねぇか。
俺とお喋りしようぜ、へへへ・・・。』
ルーティの方に目(のようになっている丸い物体)をチカチカ光らせながら近寄る。
石柱を物色するかのように見回すと、容赦ない一言が口から飛び出した。
「アンタ、オベロン社の人間?こんな小汚いドラム缶みたいな物売れるの?
分かった、冷蔵庫?にしても開く部分がないわね・・・売れないわよこれ?」
『ファ、ファーーーーーーーック!このアバズ・・・!』
これ以上しゃべらせまいと光を閉ざしてファッツの姿を消す。
脳で文句を言い続けているが無視して話を戻す事にした。
「あんまり驚いたりしないんだな譲ちゃん。
オベロンなんて企業しらないが、こいつは商品じゃなくて友達さ。」
そういって腕をポンポン叩く、ファッツも少し照れたのか脳内が静かになる。
「話を続けるぜ、住む環境が最悪だからか、単に人間が腐ってるのか治安も最低でな。
300年前のポンコツコンピュータを売り付けられたり。
まだ物心もついてないような子供を麻薬の売人に仕立て上げる市長。
町中に溢れかえる汚職警官は、子供に愛や勇気を教えただけで老人を撃ち殺す。
平和な地球行きのチケットを巡って日夜、罪もない人が死ぬ地獄の様な星だった。」
銃を持つ手が怒りに震えているのが分かる。
ふと顔を見ると、普段の無愛想な彼からは考えられないような哀しい目をしていた。
「そこで俺はな、一度死んじまったんだ。
市長に騙されて罪もない人間を撃ち殺して現行犯逮捕、すぐ処刑さ。」
まさか幽霊系の魔物なのだろうか、なら雷も聞かない訳である。
「そうですか・・・幽霊になってまで復讐しようとしたのですね。」
ラファエルが憐みの目でブルーを見つめる、
ファッツが頭の中で笑い転げていて少しムッとしたのか口調が強くなる。
「何すっとぼけてんだボーイ?足はしっかり二本ともついてるぜ。
っと、この世界の幽霊は足のついた奴もいるんだったな・・・。
まぁ、ともかく俺は生き返ったんだよ。
お譲ちゃんの言う『売れない冷蔵庫』のお陰でね」
そう言うとブルーはサラマンダーを自分に向けるとトリガーを引いた。
たとえ一発でも場所が問題だ、そこは人間の急所『心臓』である。
幾らなんでもこれでは生きている筈がないと思ったが、
ブルーは倒れることもなくケロリとしていた。
コートの下につけていた服が破けて、逞しい胸板をさらけ出す。
そして、バチバチと電流を流した機械が胸に開いた穴から見えた。
「どうだい、信じてくれたかい?ファッツはポンコツに違いはないが、
300年生き延びて知識をため込んだ、そのお陰で死体と合体して生き返す事まで出来るようになったのさ。」
ファッツの事を語るブルーは、悪口を交えているのにどこか誇らしげだった。
機械という概念を今一つ理解できないラファエルとテオドールも、
ブルーがどれほどファッツを信頼しているのか一目で分かった。
「ですが・・・摂理に反しています。死から蘇るなんて神への、生への冒涜です!」
ラファエルの訴えに、ブルーは笑顔で答えた。
いつものジョークを言う時の笑みに哀しい瞳を浮かべながら。
「ボーイ、見たことがあるか?
人に騙されて自分で自分の足をぶった切った兄弟を。
そいつの足にくっついてたのは不細工な機械の足だ。
ちゃっちい機械一つを求めて、小さな子供を八つ裂きにする腐った豚は?
神の名を語り、信頼を寄せ集めて子供を盾にする神父は?
冒涜?結構だぜ、神でもなんでもティノスに住む死神共を俺は絶対に許さない!
いつか奴等を皆殺しにする時まで、俺は何度だって生き返ってみせる!」
いつも軽口を叩いているブルーが、本気で激昂していた。
話し終わる頃には笑みは消え、額にしわを寄せ歯を食いしばっていた。
深い優しさから生まれた純粋で、悲しげな怒り。
何も言う事は出来なかった、ブルーの口から語られる悪行、悲劇の数々は、
城で剣術に勤しんでいただけの見習い騎士に、残酷な世界の一部を見てしまった。
「俺はティノスでいつもみたいに死神退治してたらいつの間にかこの世界に来ちまっててな。
ここには本物の神がいるって聞いたらよ、ムカついて仕方がねぇんだ。光の神?破壊神?
何が光の神だ、貧しい子供にパン屑の一欠けらも分けてやれないファック野郎だぜ。
何が破壊神だ、大昔に負けたのをいつまでも引きずりやがって、女々しいファック野郎だよこいつも。」
自分とはまったく無関係の、この世界の事を思いやっている。
少し捻くれているが、誰よりも優しい青年なのだ。
他人の痛みを知り、弱きを守る慈愛に満ちた新人類。
「神でもなんでも、子供一人救おうとしないファック野郎は許せねぇ!
人間様の力で叩きのめしてやる、その為に俺は進化したんだ。
コンピューターの電子の力と、人の進化する力を併せ持ったサイバービーイングとして!」
突然、壁が爆風で吹き飛ばされる。
風圧で後ろへと吹き飛ばされそうになる。
目をあけると、空を飛ぶ機械にまたがった長髪の男がいた。
「ローニィ!ジョーのバイクを復元出来たのか。」
ライオンのタテガミのような金色の髪を風になびかせたローニィと呼ばれた男は、
その巨躯に似合わない少年のような笑みでブルーを迎えた。
「苦労したよ、設計図だけ渡されてファッツも居ないのにこんなもの造れだなんて」
浮力を得るために熱風を排出している機会が奇妙な音響を作り出す。
「待ちたまえ!」
去りゆくブルーを老騎士が引きとめる。
「ブルー、君の名の由来を知りたい。」
その場に突っ立ち、キョトンとした表情で老騎士を見つめる。
笑顔のテオドールに、ブルーも笑顔で答えた。
「俺の母さんが付けてくれたんだよ、宇宙から見た地球の色、俺の故郷の色だ。」
「そうか、私の孫にはブルーとは名づけないようにしとくよ、お行儀が悪くなりそうだからな。」
「おいおい、こう見えてもティノスじゃ紳士なんだぜ?」
ふて腐れるブルーの後姿を笑顔で見送るテオドール。
ブルーは「じゃあな」と言ってバイクの後ろにまたがり、男と共に去って行った。
六十話「死神の星」
「地球の移民星、惑星ティノス。 移民星ってのは地球から離れた住める星の事だ。
空気は地球の半分ほどしかねぇ、どこまでいっても砂漠、クソ寒い気候。
生命維持装置がない奴は数時間でポックリ逝っちまう最低な星だ。」
星?空に浮かぶあの星の事だろうか、異常な武器、風貌から変人だとは思っていたが。
ここまですっとんだ話をされるとは思いもしなかった。
茫然とする3人を見て笑いながら話を続けるブルー。
「おいおい、俺はイカれちゃいないぜ?イカれてるのは、
俺の相棒の『こいつ』だけさ、でていいぞファッツ。」
そう言うと銃を一つに戻し、手を前へと突き出す。
すると突然、ブルーの腕から光が伸びる。
何かの攻撃かと思ったら違っていた、何か汚い石柱のような物が見える。
『ファーーーーック!誰がイカれてるんだよ赤ちゃん野郎が!
俺はイカれてるんじゃねぇ、イカしてるんだ!』
石柱から何か訳の分からないピーという、うるさい音と同時に騒がしい声が漏れだす。
機械の事を何も分からない二人の騎士は、夢でも見てるかのように目を丸くしている。
『フゥーッ、小便臭ぇガキかと思ったら案外イイ女じゃねぇか。
俺とお喋りしようぜ、へへへ・・・。』
ルーティの方に目(のようになっている丸い物体)をチカチカ光らせながら近寄る。
石柱を物色するかのように見回すと、容赦ない一言が口から飛び出した。
「アンタ、オベロン社の人間?こんな小汚いドラム缶みたいな物売れるの?
分かった、冷蔵庫?にしても開く部分がないわね・・・売れないわよこれ?」
『ファ、ファーーーーーーーック!このアバズ・・・!』
これ以上しゃべらせまいと光を閉ざしてファッツの姿を消す。
脳で文句を言い続けているが無視して話を戻す事にした。
「あんまり驚いたりしないんだな譲ちゃん。
オベロンなんて企業しらないが、こいつは商品じゃなくて友達さ。」
そういって腕をポンポン叩く、ファッツも少し照れたのか脳内が静かになる。
「話を続けるぜ、住む環境が最悪だからか、単に人間が腐ってるのか治安も最低でな。
300年前のポンコツコンピュータを売り付けられたり。
まだ物心もついてないような子供を麻薬の売人に仕立て上げる市長。
町中に溢れかえる汚職警官は、子供に愛や勇気を教えただけで老人を撃ち殺す。
平和な地球行きのチケットを巡って日夜、罪もない人が死ぬ地獄の様な星だった。」
銃を持つ手が怒りに震えているのが分かる。
ふと顔を見ると、普段の無愛想な彼からは考えられないような哀しい目をしていた。
「そこで俺はな、一度死んじまったんだ。
市長に騙されて罪もない人間を撃ち殺して現行犯逮捕、すぐ処刑さ。」
まさか幽霊系の魔物なのだろうか、なら雷も聞かない訳である。
「そうですか・・・幽霊になってまで復讐しようとしたのですね。」
ラファエルが憐みの目でブルーを見つめる、
ファッツが頭の中で笑い転げていて少しムッとしたのか口調が強くなる。
「何すっとぼけてんだボーイ?足はしっかり二本ともついてるぜ。
っと、この世界の幽霊は足のついた奴もいるんだったな・・・。
まぁ、ともかく俺は生き返ったんだよ。
お譲ちゃんの言う『売れない冷蔵庫』のお陰でね」
そう言うとブルーはサラマンダーを自分に向けるとトリガーを引いた。
たとえ一発でも場所が問題だ、そこは人間の急所『心臓』である。
幾らなんでもこれでは生きている筈がないと思ったが、
ブルーは倒れることもなくケロリとしていた。
コートの下につけていた服が破けて、逞しい胸板をさらけ出す。
そして、バチバチと電流を流した機械が胸に開いた穴から見えた。
「どうだい、信じてくれたかい?ファッツはポンコツに違いはないが、
300年生き延びて知識をため込んだ、そのお陰で死体と合体して生き返す事まで出来るようになったのさ。」
ファッツの事を語るブルーは、悪口を交えているのにどこか誇らしげだった。
機械という概念を今一つ理解できないラファエルとテオドールも、
ブルーがどれほどファッツを信頼しているのか一目で分かった。
「ですが・・・摂理に反しています。死から蘇るなんて神への、生への冒涜です!」
ラファエルの訴えに、ブルーは笑顔で答えた。
いつものジョークを言う時の笑みに哀しい瞳を浮かべながら。
「ボーイ、見たことがあるか?
人に騙されて自分で自分の足をぶった切った兄弟を。
そいつの足にくっついてたのは不細工な機械の足だ。
ちゃっちい機械一つを求めて、小さな子供を八つ裂きにする腐った豚は?
神の名を語り、信頼を寄せ集めて子供を盾にする神父は?
冒涜?結構だぜ、神でもなんでもティノスに住む死神共を俺は絶対に許さない!
いつか奴等を皆殺しにする時まで、俺は何度だって生き返ってみせる!」
いつも軽口を叩いているブルーが、本気で激昂していた。
話し終わる頃には笑みは消え、額にしわを寄せ歯を食いしばっていた。
深い優しさから生まれた純粋で、悲しげな怒り。
何も言う事は出来なかった、ブルーの口から語られる悪行、悲劇の数々は、
城で剣術に勤しんでいただけの見習い騎士に、残酷な世界の一部を見てしまった。
「俺はティノスでいつもみたいに死神退治してたらいつの間にかこの世界に来ちまっててな。
ここには本物の神がいるって聞いたらよ、ムカついて仕方がねぇんだ。光の神?破壊神?
何が光の神だ、貧しい子供にパン屑の一欠けらも分けてやれないファック野郎だぜ。
何が破壊神だ、大昔に負けたのをいつまでも引きずりやがって、女々しいファック野郎だよこいつも。」
自分とはまったく無関係の、この世界の事を思いやっている。
少し捻くれているが、誰よりも優しい青年なのだ。
他人の痛みを知り、弱きを守る慈愛に満ちた新人類。
「神でもなんでも、子供一人救おうとしないファック野郎は許せねぇ!
人間様の力で叩きのめしてやる、その為に俺は進化したんだ。
コンピューターの電子の力と、人の進化する力を併せ持ったサイバービーイングとして!」
突然、壁が爆風で吹き飛ばされる。
風圧で後ろへと吹き飛ばされそうになる。
目をあけると、空を飛ぶ機械にまたがった長髪の男がいた。
「ローニィ!ジョーのバイクを復元出来たのか。」
ライオンのタテガミのような金色の髪を風になびかせたローニィと呼ばれた男は、
その巨躯に似合わない少年のような笑みでブルーを迎えた。
「苦労したよ、設計図だけ渡されてファッツも居ないのにこんなもの造れだなんて」
浮力を得るために熱風を排出している機会が奇妙な音響を作り出す。
「待ちたまえ!」
去りゆくブルーを老騎士が引きとめる。
「ブルー、君の名の由来を知りたい。」
その場に突っ立ち、キョトンとした表情で老騎士を見つめる。
笑顔のテオドールに、ブルーも笑顔で答えた。
「俺の母さんが付けてくれたんだよ、宇宙から見た地球の色、俺の故郷の色だ。」
「そうか、私の孫にはブルーとは名づけないようにしとくよ、お行儀が悪くなりそうだからな。」
「おいおい、こう見えてもティノスじゃ紳士なんだぜ?」
ふて腐れるブルーの後姿を笑顔で見送るテオドール。
ブルーは「じゃあな」と言ってバイクの後ろにまたがり、男と共に去って行った。
~講座~
エアーバイク ジョーのバイク。原作を見てないとジョーって誰よってなる。
北斗の拳のシンがなんかサイバーな服着てスカウターつけてると言えば姿は浮かぶ。
バイクの原理がよく分からないので設定は捏造。
まぁ空飛ぶバイクである。
ローニィ この作品でのローニィのボディはガルゴの物。
原作を知らない人はやはり分からないだろう。
ロン毛のラオウ様なのに中身が『シュウの息子』
どっちの例えも北斗を知らないとさっぱりですが、
他に浮かばないのでこれで堪忍してください。
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