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「ダイの大冒険AFTER(ガモンさま) 第二十七話 ドラゴンオーブ」(2009/08/18 (火) 17:21:38) の最新版変更点
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ゲマの去った一室、燃焼しきれていない怒りを内に秘めつつヒムは歩く。
自分の中で大魔王以上の存在であったハドラー、ゲマが彼の地上での一件を知らないとはいえ、ヒムは、ゲマを許すことは出来ない。
やるせない思いのまま歩いていると、足下に、玉が二つ転がっていた。
「何だこりゃ?」
ヒムはとりあえず得体の知れない二つの玉を持って階段を上がった。
その上ではダイ、ポップ、マァムの三人がバーンと対峙している。
「ふん、ゾーマめ、無粋な真似をしおって、興醒めしたわ。」
明らかに不機嫌そうな顔でバーンはダイを見る。
「ふ、気分を害した。この様な半端な決着はうぬらも望まないものであろう?」
「だったら、今回は闘わなくても……」
マァムの率直な意見だった。出来る事ならば今ここでは闘いたくない。
マァムの願いがバーンに通じたのかバーンは握り拳を解く。
「気に入らぬ展開だが、いいだろう。今の気合いの抜けた貴様等の相手など時間の無駄だ。」
バーンは深い溜息をつき、塔を出て行った。
「た、助かった……」
思わず安心するポップ。先程までの緊張感が尋常でなかった事を証明した瞬間だった。
「これから、どうしようか。」
ダイが二人に問いかける。二人と違いエスタークを追って塔に入ったダイには明確な目的はない。
「この塔にあるドラゴンオーブっていう玉を探しに来たのよ。」
マァムがダイに説明する。オーブの話から天空城の話まで。
「ドラゴンっていえばこの塔の地上に大きな竜の像みたいな物が建ってたけど…」
ダイがボブルの塔地上で観た竜の像。明らかに他とは異なる気配を放っていた。
といった具合に話し合いを進めていた三人に近付く影が二つ。
「だ……あ……ダイ……さ…ま……?」
影の一人、ラーハルトは思わず眼を疑う。
今まで地上、魔界、果ては天空城まで探した結果、すれ違い故に主君に出会えなかったラーハルト。
しかし今、半年の時を経て仕えるべき主君、ダイを眼の前にラーハルトは、泣いた。
声も出さず、涙を見せぬ様に腰を下ろしダイの前にひざまづく。
「ダイ様、再会できる……日を、心……待ちに、しておりました。」
少々声が掠れる。ラーハルトは俯いたまま、歓喜に心を震わせ、ただ、泣く。
「心配かけて、ごめん。」
ダイはラーハルトに近寄り、謝る。ダイもやはり彼等に迷惑を掛けた事を悔やんでいる。
片方の影はエスタークであった。
「あー、お前はいつかの!!」
ポップがエスタークを見る。エスタークもポップを見て気が付く。
「魔界で会った者達か。」
特別に喜ぶことも無くエスタークはポップを見る。一方でポップは”この男”に好感を持っていなかった。
『やっぱこういう感じの性格かよコイツ。』
「良かった、大きな気配がダイの近くに来たので心配したが、生きているな。」
ゴンズを倒した後エスタークはバーン、ゾーマの残した気配の方向へ急いでいた。彼もダイが心配だったのだろう。
当面の目標がドラゴンオーブの回収という事になり、五人が出発しようとしたところでヒムが歩いてきた。
「何だ?全員いるんじゃ別れた…意味…」
流石のヒムもダイがその場にいた事には驚いた。
「ダイ、お前。」
ヒムはまんざらでもない様子でダイを見ていた。
先程の竜の像の話の真実を確かめる為、六人は地上にあった竜の像の顔部分を見る。
「これといった特徴は見つからないが…」
と、エスタークはヒムを見た瞬間、ヒムが持っていた玉に目が行く。
「おい、もしかしたらその光っている玉が鍵なのではないか?」
ヒムが持っている玉に、瞳の様な絵柄が彫ってある事に気づくエスターク。早速二つの玉を竜の眼に入れた。
「何かRPGの基本を行ってるよなこの塔。これで何もなかったら詐欺だぜ。」
両目に玉を入れるとゆっくりと竜の口が開く。
「お、開くもんだな。」
思ったよりも簡単に道が開いた事にヒムは拍子抜けした。
逆にポップは大魔王二人と会っていたのでこれ以上のトラブルは出来る限り避けたいと思っていた。
口の中へ入ると、部屋一面に穴が開いていた。
「飛び込めっつってるようなもんだよな。」
全員で一斉に穴へ飛び込む。落ちた先には一つの青白い玉が一つあるだけの空間が広がる。
しかしその玉が放っているオーラはダイとラーハルトが思わず冷や汗を流すほどだった。
「間違いない、これが…ドラゴンオーブだ。」
ラーハルトが呟く。
それじゃ、これを天空城に持っていけばいいんだよな?」
ポップがオーブに触れようとすると反発する様にオーブから火が放たれる。
「うわっち!!」
ポップは一時オーブから離れる。
そんな中ダイがオーブに近付く。
「ふっふっふっ。」
オーブから放たれるオーラに押されるダイ。
「もう、少しだ!!」
オーブを掴み、台座から持ち上げる。ドラゴンオーブは今、ダイの手に渡った。
ついにオーブを取る事に成功した一行。
ボブルの塔での激戦を考えると全員が達成感溢れる心境となっていた。
「しかし、何故ダイが取れた?やはり、竜の魂は竜の騎士でなければ取れない。ということか…」
「まあいいじゃねえか。詳しい事は後で考えりゃあよお。」
六人は一応の目的を達成し、飛翔呪文で、竜の口から脱出し、塔の玄関口から地上へ出た。
「こうして外に出ると、生き返ったみたいだなぁ。」
塔の外に出た頃にはリンガイアはもう夜だった。
六人はその日、リンガイアでの宿泊を余儀なくされた。
~大神殿~
「それで、その鋼鉄の男を打ち損じたという訳か。」
大神官ハーゴンが鞭でゲマを叩く、ゲマは抵抗せずに罰を受け続けた。
「ミルドラース様も大層お怒りの事だろう。勇者の仲間一人削れないとはな!次に失敗したら、貴様は死ぬぞ。」
ハーゴンはそれだけ言い残し、その場を去る。
『ほほほ、この傷は油断した私への戒めとして受けました。が、次は、こうはいきませんよ。ほほほほほ。』
セントべレス山山頂に甲高い嘲笑が響き渡った。
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