一つの決心 ◆NaLUIfYx.g
――殺らなければ殺られる――
そんな言葉がずっとリディアの頭の中を支配していた。
瞳は赤い、しかしもう泣かない。
決心した。自分から戦わなければならない、と
リディアは唐突に自分が被ってる帽子に触った。
瞳は赤い、しかしもう泣かない。
決心した。自分から戦わなければならない、と
リディアは唐突に自分が被ってる帽子に触った。
(レッド……さん)
リディアはつい先ほどのことを思い出していた。
* * *
ほんの1時間、いやもっと短かったかもしれない。
それでも、それでもこの場でほんの少し安らぎの時間を与えてくれた大切な人
ポケモンというのに1回会ってみたかった。
もっと話してみたかった。
思えば思う程、彼女の心は後悔という重圧に押しつぶされそうになる。
リディアは一瞬だけ顔を歪めた。
そう、全ては自分のせい。
もし自分に火の魔法が使えたら、もし自分にもっと力があったら、
それでも、それでもこの場でほんの少し安らぎの時間を与えてくれた大切な人
ポケモンというのに1回会ってみたかった。
もっと話してみたかった。
思えば思う程、彼女の心は後悔という重圧に押しつぶされそうになる。
リディアは一瞬だけ顔を歪めた。
そう、全ては自分のせい。
もし自分に火の魔法が使えたら、もし自分にもっと力があったら、
――レッドさんはまだ生きていたのかもしれない――
だけど、もう済んでしまったことを嘆いても何も変わらない。
悲しみに打ち明けた後、残っていたのは冷静な自分
故に考える。今後どうすればいいのかを……
出来ることなら、レッドの仇を討ちたい。しかし、それは彼女の力では不可能であった。
自分は魔法専門、対する向こうは魔法も格闘戦も出来る様子であった。
どちらが有利? と聞かれたらそんなの答えるまでもなかった。
今は倒せない。ならば倒せるようにするまで
まだ使えない魔法もある。未知なる魔法もある。新しく覚える魔法は強力な魔法かもしれない。
つまり、新しい魔法を手に入れる事が、彼女の生き残る術である。
ならばどうやって新しい魔法を手に入れる?
簡単なことだ。敵を倒せばいいのだ。
敵は一体どこにいる? ここにいる人達のことだ。
それはつまり……殺すということ
その結論に至ったとき、リディアは顔を伏せた。
出来るのだろうか? 他人を殺す事を?
悲しみに打ち明けた後、残っていたのは冷静な自分
故に考える。今後どうすればいいのかを……
出来ることなら、レッドの仇を討ちたい。しかし、それは彼女の力では不可能であった。
自分は魔法専門、対する向こうは魔法も格闘戦も出来る様子であった。
どちらが有利? と聞かれたらそんなの答えるまでもなかった。
今は倒せない。ならば倒せるようにするまで
まだ使えない魔法もある。未知なる魔法もある。新しく覚える魔法は強力な魔法かもしれない。
つまり、新しい魔法を手に入れる事が、彼女の生き残る術である。
ならばどうやって新しい魔法を手に入れる?
簡単なことだ。敵を倒せばいいのだ。
敵は一体どこにいる? ここにいる人達のことだ。
それはつまり……殺すということ
その結論に至ったとき、リディアは顔を伏せた。
出来るのだろうか? 他人を殺す事を?
――殺らなければ殺られる――
唐突に浮かんだ言葉、だけどそれはすべてを納得させる一種の魔法の言葉
そう、ここに居る人達は私を殺しに来る。殺らなければ殺られる。最初から私のするべき事は決まっていた。
武器はない、頼りになるのは今まで覚えてきた魔法、新しい魔法を覚えるまでなんとか殺さなければならない。
大丈夫、落ち着いて、武器がなければ見つければいい。襲われても対抗できる場所を探せばいい。
リディアはランドセルの中からバッと地図を広げた。
そして唱える。魔法を、
そう、ここに居る人達は私を殺しに来る。殺らなければ殺られる。最初から私のするべき事は決まっていた。
武器はない、頼りになるのは今まで覚えてきた魔法、新しい魔法を覚えるまでなんとか殺さなければならない。
大丈夫、落ち着いて、武器がなければ見つければいい。襲われても対抗できる場所を探せばいい。
リディアはランドセルの中からバッと地図を広げた。
そして唱える。魔法を、
「『サイトロ』」
自分の頭の中に周辺の地形がズラーと展開された。
そして地図を照らし合わせる。
どうやら自分がいる地点は、大体D-2の南東部からD-3の北東部
ここから一番近くて、武器らしきものが見つかって、襲われても対処できるであろう場所……
それはD-4にある学校だ。
学校ならば銃とかまではいかないが、刃物系といった武器があるかもしれない。
また沢山の部屋に沢山の隠れ場所、こんな森の中よりもよっぽど安全であり、よっぽど戦略が練れる場所であった。
ならば、ここからの最短距離を計算しよう。
この森は入り組んでいる。サイトロ常時展開するのは魔力の無駄遣い、防ぐべきことであった。
ならば、一旦E-2の方にまで行って、そこから草原と森の分かれ目を走ればいいのではないか?
草原なら見晴らしがいい。こちらも見つかりやすいが、こちらも見つけやすい。
見つかったら森の中に入って行方を暗ませばいい。心配することなんて何もない。
と、チラッと見る。レッドの死体に……
自分が助けられなかった人、出来ることなら埋葬してやりたいが、今は1秒も惜しい。
だからなのだろうか、ただなんとなくなのだろうか、彼の帽子を取り、被る。
ちょっと大きい、でも帽子の後ろ側に調整する部分があり、いじくって自分ぴったしのサイズにした。
そして地図を照らし合わせる。
どうやら自分がいる地点は、大体D-2の南東部からD-3の北東部
ここから一番近くて、武器らしきものが見つかって、襲われても対処できるであろう場所……
それはD-4にある学校だ。
学校ならば銃とかまではいかないが、刃物系といった武器があるかもしれない。
また沢山の部屋に沢山の隠れ場所、こんな森の中よりもよっぽど安全であり、よっぽど戦略が練れる場所であった。
ならば、ここからの最短距離を計算しよう。
この森は入り組んでいる。サイトロ常時展開するのは魔力の無駄遣い、防ぐべきことであった。
ならば、一旦E-2の方にまで行って、そこから草原と森の分かれ目を走ればいいのではないか?
草原なら見晴らしがいい。こちらも見つかりやすいが、こちらも見つけやすい。
見つかったら森の中に入って行方を暗ませばいい。心配することなんて何もない。
と、チラッと見る。レッドの死体に……
自分が助けられなかった人、出来ることなら埋葬してやりたいが、今は1秒も惜しい。
だからなのだろうか、ただなんとなくなのだろうか、彼の帽子を取り、被る。
ちょっと大きい、でも帽子の後ろ側に調整する部分があり、いじくって自分ぴったしのサイズにした。
(レッドって……赤だよね……)
途端、少し震えた。
自身の村、実の母を失った原因でもある大火事、それらを象徴する赤
違う! 違う! リディアは必死に頭を振りそれらを忘れ去ろうとする。
火に怖がってたから、レッドを失った。ならば、次に火を怖がっていたら今度は自分に厄災が降りかかってもおかしくない。
怖がってはいけない。恐れてはいけない。もう――大切な物を失いたくない。
その一心が彼女を変える。
自身の村、実の母を失った原因でもある大火事、それらを象徴する赤
違う! 違う! リディアは必死に頭を振りそれらを忘れ去ろうとする。
火に怖がってたから、レッドを失った。ならば、次に火を怖がっていたら今度は自分に厄災が降りかかってもおかしくない。
怖がってはいけない。恐れてはいけない。もう――大切な物を失いたくない。
その一心が彼女を変える。
そして、今に至る。
彼女は走る。疲れたら歩く。疲れが取れたら再度走る。その繰り返しであった。
今は何時だろう?
ふと思い上を見上げる。
太陽は高く高く上がっていた。
感覚で言うならば、午後にはなっていないはず。
右手にある山がちょっとづつ近くなっていく。
目標の学校まで後もう少し……
彼女は走る。疲れたら歩く。疲れが取れたら再度走る。その繰り返しであった。
今は何時だろう?
ふと思い上を見上げる。
太陽は高く高く上がっていた。
感覚で言うならば、午後にはなっていないはず。
右手にある山がちょっとづつ近くなっていく。
目標の学校まで後もう少し……
「やらなければ……やられる。信じられるのは私だけ……」
【D-3/南東部/1日目/昼】
【リディア@FINAL FANTASY 4】
[状態]:右手に切り傷(血はとまりました)、火に対して若干克服?、強い決心
[装備]: レッドの帽子
[道具]:基本支給品、メイド服(ミニサイズ、詳しくは調べてない) 虫取りアミ@ゼルダの伝説、奥義の書@FINAL FANTASY4(ただの本)
[思考・状況]
第一行動方針:学校に行く
第二行動方針:安全な場所の確保、新しい武器の調達
第三行動方針:敵を殺してレベルアップし、新しい魔法を手に入れる
第四行動方針:レッドの仇をとる
基本行動方針:とにかく生き残る
[備考]リディア本人はレベルアップできると思っていますが、実際に出来るかどうかはわかりません
【リディア@FINAL FANTASY 4】
[状態]:右手に切り傷(血はとまりました)、火に対して若干克服?、強い決心
[装備]: レッドの帽子
[道具]:基本支給品、メイド服(ミニサイズ、詳しくは調べてない) 虫取りアミ@ゼルダの伝説、奥義の書@FINAL FANTASY4(ただの本)
[思考・状況]
第一行動方針:学校に行く
第二行動方針:安全な場所の確保、新しい武器の調達
第三行動方針:敵を殺してレベルアップし、新しい魔法を手に入れる
第四行動方針:レッドの仇をとる
基本行動方針:とにかく生き残る
[備考]リディア本人はレベルアップできると思っていますが、実際に出来るかどうかはわかりません
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