5MeO-DIPTの恐怖 ◆CFbj666Xrw
○前書き
この作品の女性登場人物は全て18歳以上です。
また、性行為は一切行われておりません。
本作は健全な描写を心掛けております。
この作品の女性登場人物は全て18歳以上です。
また、性行為は一切行われておりません。
本作は健全な描写を心掛けております。
それではどうぞお楽しみ下さい。
* * *
リンクと古手梨花は歩いていた。
森の外れを森沿いに進む、進む。
本来目指していたのは森の外であり、その目的地にはすぐに到達した。
するとすぐに次の目的地が見えたのである。
それは3m以上もある壁に囲まれたコンクリート三階建てのなかなか広そうな建物だった。
「コンパスだと向こうは西ですし、どうやらボク達が居るのはE-4地区のようなのです。
ほら、あそこに学校が見えるのです」
「へえ、あれは学校か。……なんだか壁が覆ってるな」
「地図によると校門は南にあるのです。きっと北にも裏門が有ると思うですけど」
なるほどとリンクは頷く。
これまでは目印の無い森の中で、居るのが北西の森か中央の森かも判らなかったのだ。
「それじゃあの中を見てみようと思ったらどちらかに回らないといけないな」
「行くのですか?」
「島の中心だからね。このゲームを壊してやる為には調べておかないといけないだろ」
「みぃ、その通りなのです」
リンクの答えに梨花は笑顔で応える。
リンクは迷うことなく、惑うことなく前に進もうとしている。
確かに武器こそ貧弱だが、その武器さえも見事に使いこなして見せた。
しかもそれだけではない。
「平地は、もし敵が居たら危ないな。高いところから弓で撃たれるかもしれない。
……このまま森沿いに歩こう。少し見通しは悪いけど、森の中で先手なんて打たせない」
「やっぱり森の妖精さんなのですね」
「違います。……一緒に暮らしてはいましたけど」
経験と判断力、自らの実力への適度な自負と周囲への警戒心も持っている。
少々人を信じすぎるきらいは有るかも知れないが、そんな少年を梨花は、最高の仲間と評した。
(リンクとなら生き抜ける。如何な苦難でも乗り越えられる)
そうすればその先に開けるのは――。
(戦いも基本的には任せて良いようね。
私がリンクと戦おうとしても足手まといになってしまう事の方が多い。
迂闊に手を出さない方が利口だわ)
そこに辿り着く為に梨花は思考する。
戦闘経験は豊富でも純粋なリンクが真っ直ぐに突き進むなら、
それを陰から支える事によりリンクを生かし、そしてリンクに護ってもらおう。
下手な油断は許されない。生きる為に。生き残る為に。
思いつく限りの手段を……そう考えていた矢先、リンクが立ち止まった。
「止まって。誰か居る」
梨花は目を凝らし……その少女に、気づいた。
正確にはその少女の様子に。
「……他に人は居るのですか?」
「いや、他には居ないみたいだ。一体何をやっているんだろう?
ぬいぐるみを抱いて……震えてる。泣いているのかな?
梨花はわかるかい?」
「………………さ、さあ? ボクにはさっぱりなのです!」
梨花は答えに窮した。
いや、正直な所は判っていたのだが……その目はぐるぐる状態である。
(そんなの答えられるわけがないでしょうに!?)
内心の梨花、通称黒梨花までもが焦っていた。
彼女はちょっとしたセクハラくらいなら笑って対応出来る経験値と腹黒さを持っている。だが。
健全な子供の目に見えるとぬいぐるみを抱き締めて震えて泣いているように見えるその光景。
というか健全な子供には何をしているか言葉にしてもさっぱり理解できないその光景。
ある種の知識が有る人間には極めて気まずいその光景。
それは涙と一緒に涎とか全身から発汗とかその他の液体とかを垂れ流しながら、
ぬいぐるみを足の付け根で挟みこみ抱き締めて、震えているというより痙攣している光景。
それが何をしているのか気づいて、あんまりといえばあんまりすぎる不意打ちに梨花は動揺した。
少女はリンクと梨花の方に顔を向けて、はしたない笑みを幼い顔に浮かべる。
「……………………来て」
森の外れを森沿いに進む、進む。
本来目指していたのは森の外であり、その目的地にはすぐに到達した。
するとすぐに次の目的地が見えたのである。
それは3m以上もある壁に囲まれたコンクリート三階建てのなかなか広そうな建物だった。
「コンパスだと向こうは西ですし、どうやらボク達が居るのはE-4地区のようなのです。
ほら、あそこに学校が見えるのです」
「へえ、あれは学校か。……なんだか壁が覆ってるな」
「地図によると校門は南にあるのです。きっと北にも裏門が有ると思うですけど」
なるほどとリンクは頷く。
これまでは目印の無い森の中で、居るのが北西の森か中央の森かも判らなかったのだ。
「それじゃあの中を見てみようと思ったらどちらかに回らないといけないな」
「行くのですか?」
「島の中心だからね。このゲームを壊してやる為には調べておかないといけないだろ」
「みぃ、その通りなのです」
リンクの答えに梨花は笑顔で応える。
リンクは迷うことなく、惑うことなく前に進もうとしている。
確かに武器こそ貧弱だが、その武器さえも見事に使いこなして見せた。
しかもそれだけではない。
「平地は、もし敵が居たら危ないな。高いところから弓で撃たれるかもしれない。
……このまま森沿いに歩こう。少し見通しは悪いけど、森の中で先手なんて打たせない」
「やっぱり森の妖精さんなのですね」
「違います。……一緒に暮らしてはいましたけど」
経験と判断力、自らの実力への適度な自負と周囲への警戒心も持っている。
少々人を信じすぎるきらいは有るかも知れないが、そんな少年を梨花は、最高の仲間と評した。
(リンクとなら生き抜ける。如何な苦難でも乗り越えられる)
そうすればその先に開けるのは――。
(戦いも基本的には任せて良いようね。
私がリンクと戦おうとしても足手まといになってしまう事の方が多い。
迂闊に手を出さない方が利口だわ)
そこに辿り着く為に梨花は思考する。
戦闘経験は豊富でも純粋なリンクが真っ直ぐに突き進むなら、
それを陰から支える事によりリンクを生かし、そしてリンクに護ってもらおう。
下手な油断は許されない。生きる為に。生き残る為に。
思いつく限りの手段を……そう考えていた矢先、リンクが立ち止まった。
「止まって。誰か居る」
梨花は目を凝らし……その少女に、気づいた。
正確にはその少女の様子に。
「……他に人は居るのですか?」
「いや、他には居ないみたいだ。一体何をやっているんだろう?
ぬいぐるみを抱いて……震えてる。泣いているのかな?
梨花はわかるかい?」
「………………さ、さあ? ボクにはさっぱりなのです!」
梨花は答えに窮した。
いや、正直な所は判っていたのだが……その目はぐるぐる状態である。
(そんなの答えられるわけがないでしょうに!?)
内心の梨花、通称黒梨花までもが焦っていた。
彼女はちょっとしたセクハラくらいなら笑って対応出来る経験値と腹黒さを持っている。だが。
健全な子供の目に見えるとぬいぐるみを抱き締めて震えて泣いているように見えるその光景。
というか健全な子供には何をしているか言葉にしてもさっぱり理解できないその光景。
ある種の知識が有る人間には極めて気まずいその光景。
それは涙と一緒に涎とか全身から発汗とかその他の液体とかを垂れ流しながら、
ぬいぐるみを足の付け根で挟みこみ抱き締めて、震えているというより痙攣している光景。
それが何をしているのか気づいて、あんまりといえばあんまりすぎる不意打ちに梨花は動揺した。
少女はリンクと梨花の方に顔を向けて、はしたない笑みを幼い顔に浮かべる。
「……………………来て」
* * *
灰原哀はとっくに二人の接近に気づいていた。
5MeO-DIPTは催淫効果を持つ薬品として知られているが、薬の効果という物は一つではない。
特に上質の催淫効果という物は幾つかの要素が複合している事が多い。
5MeO-DIPTの場合、五感に幻覚的な歪みを感じ、また精神的な幻覚作用もある。
場合により高揚感、多幸感も感じる。理性も薄まる。
そして特に、性的に敏感になる事に加え、聴覚や触覚の感覚も鋭敏になるのである。
鋭敏になった聴覚は森の音を集めていた。
風の音。
葉の擦れる音。その他様々な音。
歩く音会話「僕は、こ」する声叫び「乗らないことを誓」劫火に
森が「うか」焼ける音「ことを信じたり」とてつもなく強い風の「でほし」
ガッシャア「つけたり」物が撒き散らされる音「殺したりしたら、僕たちの家族は」
ジャァァァァン!「だろうから……だか」高く木霊する誰かの絶叫「ちゃいけない!」
――――――。
少し距離が届かなかったから聞こえないはずだった拡声器の声が届き、
森の音と人の音、他の幾つもの争いの音に紛れ意味を為さなくなる。
それでも誰かがしようとした事だけは薄ぼんやりと判った。
誰かが非戦を訴えて、それでも殺し合いは続いている
この悪い夢はそう簡単には覚めないらしい。
当然だ、トリップしている彼女すらも逃れられないのだから。
本当は嘆くべきなのかもしれない。悲しむべきなのかもしれない。
だけど彼女にはもうそんな思考すら残っていなかった。
「あ……からだ、とろけそう………………」
不意に、なんとはなしに抱き締めていたぬいぐるみの圧迫が体を刺激する。
「…………ぁ」
じくりと、体の奥に熱と電気が生まれるのを感じた。
熱はとろとろと全身をとろかして、電気は瞬く間に全身を駆け巡り激しい痺れを撒き散らす。
手足の先に鈍い倦怠感が、視界には軽い目眩が残される。
この類の薬品を使ったのはこれが初めてだ。情報も知識としてしか知らなかった。
だけど想像以上に刺激が強い。幾ら感覚が強くなっても殆ど何もしていないのに。
5MeO-DIPTは催淫効果を持つ薬品として知られているが、薬の効果という物は一つではない。
特に上質の催淫効果という物は幾つかの要素が複合している事が多い。
5MeO-DIPTの場合、五感に幻覚的な歪みを感じ、また精神的な幻覚作用もある。
場合により高揚感、多幸感も感じる。理性も薄まる。
そして特に、性的に敏感になる事に加え、聴覚や触覚の感覚も鋭敏になるのである。
鋭敏になった聴覚は森の音を集めていた。
風の音。
葉の擦れる音。その他様々な音。
歩く音会話「僕は、こ」する声叫び「乗らないことを誓」劫火に
森が「うか」焼ける音「ことを信じたり」とてつもなく強い風の「でほし」
ガッシャア「つけたり」物が撒き散らされる音「殺したりしたら、僕たちの家族は」
ジャァァァァン!「だろうから……だか」高く木霊する誰かの絶叫「ちゃいけない!」
――――――。
少し距離が届かなかったから聞こえないはずだった拡声器の声が届き、
森の音と人の音、他の幾つもの争いの音に紛れ意味を為さなくなる。
それでも誰かがしようとした事だけは薄ぼんやりと判った。
誰かが非戦を訴えて、それでも殺し合いは続いている
この悪い夢はそう簡単には覚めないらしい。
当然だ、トリップしている彼女すらも逃れられないのだから。
本当は嘆くべきなのかもしれない。悲しむべきなのかもしれない。
だけど彼女にはもうそんな思考すら残っていなかった。
「あ……からだ、とろけそう………………」
不意に、なんとはなしに抱き締めていたぬいぐるみの圧迫が体を刺激する。
「…………ぁ」
じくりと、体の奥に熱と電気が生まれるのを感じた。
熱はとろとろと全身をとろかして、電気は瞬く間に全身を駆け巡り激しい痺れを撒き散らす。
手足の先に鈍い倦怠感が、視界には軽い目眩が残される。
この類の薬品を使ったのはこれが初めてだ。情報も知識としてしか知らなかった。
だけど想像以上に刺激が強い。幾ら感覚が強くなっても殆ど何もしていないのに。
灰原哀は一つ見落としていた。
彼女の使った6mgという分量は通常の初回使用においてはほぼ適当な分量だが、それは大人の場合だ。
『APTX4869』で子供となった灰原の体重は本来の4割かそれ以下にまで減少している。
そして基本的に薬の効果は体重に反比例する。
灰原の使用した6mgは大人で言えば約15ミリグラムを一気に摂取したのに等しかった。
これは別に致命的な量というわけではない。
だが効果の程に個人差が大きく出る薬品である以上、本来は急に使うべき分量ではなかった。
「あなたが……わたしをおとしてくれる悪魔くん……?」
灰原はクマのぬいぐるみを強く強く抱き締めてくすりと笑う。
抱き締めるというより自らの体に押しつけるようなものだ。
理性が溶けている。本能がさらけ出されている。
(そうよ、堕ちてしまえ)
僅かに残った冷静な部分までもがそれを後押しする。
(獣になってしまえばいい。狂ってしまえばいい。
浅ましく堕落して、惨めに、愚かに、壊れて、壊されてしまえばいい……)
望み通り、ただぬいぐるみを抱き締めるだけ、小さなぬいぐるみと抱擁し身じろぎするだけでも堕ちていく。
全身にピリピリとした電流が走り、身体の中が熱くなり、澱が溜まっていく。
刺激の強さに涙が溢れ、口を閉じる事も出来ずに涎が零れ、彷徨う瞳は視点が定まらない。
全身から汗が出て、流れうる液体という液体が徐々に垂れ流され始める。びくびくと断続的な痙攣が続く。
壊れていく。堕ちていく。穢れていく。
だけど足りない。当然こんな程度じゃまだまだ足りない。だから。
「もっと……こわして……」
半笑いの表情のまま、呆けたように首の向きをごろりと変える。
そこに見えたのはたまたま近くに現れていた一組の少年少女。
「……………………来て」
だけど二人に近寄ってくる様子は無いようだ。
灰原哀は笑い、まだ痺れにおぼつかない足取りでゆっくりと立ち上がる。
来てくれないならそれでもいい。それなら自分から行けばいい。
その方がずっと……浅ましいケダモノらしいだろう。
彼女の使った6mgという分量は通常の初回使用においてはほぼ適当な分量だが、それは大人の場合だ。
『APTX4869』で子供となった灰原の体重は本来の4割かそれ以下にまで減少している。
そして基本的に薬の効果は体重に反比例する。
灰原の使用した6mgは大人で言えば約15ミリグラムを一気に摂取したのに等しかった。
これは別に致命的な量というわけではない。
だが効果の程に個人差が大きく出る薬品である以上、本来は急に使うべき分量ではなかった。
「あなたが……わたしをおとしてくれる悪魔くん……?」
灰原はクマのぬいぐるみを強く強く抱き締めてくすりと笑う。
抱き締めるというより自らの体に押しつけるようなものだ。
理性が溶けている。本能がさらけ出されている。
(そうよ、堕ちてしまえ)
僅かに残った冷静な部分までもがそれを後押しする。
(獣になってしまえばいい。狂ってしまえばいい。
浅ましく堕落して、惨めに、愚かに、壊れて、壊されてしまえばいい……)
望み通り、ただぬいぐるみを抱き締めるだけ、小さなぬいぐるみと抱擁し身じろぎするだけでも堕ちていく。
全身にピリピリとした電流が走り、身体の中が熱くなり、澱が溜まっていく。
刺激の強さに涙が溢れ、口を閉じる事も出来ずに涎が零れ、彷徨う瞳は視点が定まらない。
全身から汗が出て、流れうる液体という液体が徐々に垂れ流され始める。びくびくと断続的な痙攣が続く。
壊れていく。堕ちていく。穢れていく。
だけど足りない。当然こんな程度じゃまだまだ足りない。だから。
「もっと……こわして……」
半笑いの表情のまま、呆けたように首の向きをごろりと変える。
そこに見えたのはたまたま近くに現れていた一組の少年少女。
「……………………来て」
だけど二人に近寄ってくる様子は無いようだ。
灰原哀は笑い、まだ痺れにおぼつかない足取りでゆっくりと立ち上がる。
来てくれないならそれでもいい。それなら自分から行けばいい。
その方がずっと……浅ましいケダモノらしいだろう。
* * *
「ち、近寄るな! それ以上来たら……」
釣り竿を構えながらもリンクは及び腰になっていた。
この少女はこれまでに戦った事があるどの敵とも違う。
自分を殺したり傷つけたりする為に来ているのではない。
それ以外の別な意味でイケナイ相手だという事を感じていた。
如何にリンクとはいえ、こんなのの対処法は判らない。判るはずもない。
おそらくこの島の少年少女達の半分位は思考停止してしまう、ある意味では難敵だ。
ちなみに凄く適当な集計では残り1/4位が雰囲気すら理解できず1/4位が対応可能。
「……リンク。ここはボクに任せて、周囲を見張っていて欲しいのです」
「梨花……?」
古出梨花はなにげになんとか対応可能な1/4に入っていた。
流石に最初は面食らったが今は落ち着いて――
(こ、こうなったら対処してやろうじゃない。それしかないなら仕方ないわ、ええ)
――訂正、かなり自棄になりながらも行動に出ていた。
「良いから早くなのです。リンクは絶対に見ちゃダメなのです」
「ふふ、おちびちゃん……あなたが私を堕としてくれるの……?」
「あなたとボクの身長はそんなに変わらないのですよ?」
軽口を吐きつつ梨花は灰原を待ち受けて、灰原は喜悦に顔をとろけさせながらゆっくりと歩を進める。
穢れて、浅ましく狂って、壊れたい。
灰原のその目的から言えば目の前の少女を相手にどうなろうと自分は堕ちる。色々な意味で。
いつの間にか償いの為に罪を犯す本末転倒な選択も視野に入れている。
理性も冷静な思考ももはや無い。
「だ、大丈夫なのか? 梨花。よく判らないけど手伝わなくても……」
「ボクは平気なのです。
手伝えるならどんな会話や声を聞いてもぜんぶ忘れて欲しい位なのです」
「……それ、むずかしいよ」
梨花は念のために状況を把握する。
明らかに目の前の少女は正気の状態ではない。
演技にしては発汗などの要素が真に迫りすぎている。
何らかの薬品かそれ以外の何かの影響を受けているとしか思えない。
それは力ずくの行動に出てくるかもしれないという意味では有ったが、
同時に本当は殺す気だとかそういう様子も無い。言ってみれば極めて単純だ。
目の前の相手は発情し、欲情している。
ならその関連の手段で対処は可能だ。
……相手にせず攻撃するという手も有るはずなのだが、濃密で性的な匂いと雰囲気に脳を冒され気づかない。
「良いからリンク、早く!」
「わ、判った! 死ぬなよ、梨花!」
「みぃ、困ったことにその心配だけは無用なのです」
ヤられても殺されるって字じゃないし。
リンクは場の雰囲気に圧されながらも仕方なく背を向け、それ以外の周囲に警戒を強める。
ここに即席の戦場は作られた。
誰の邪魔も入らない、ふたりっきりの小さな戦場。
おそらくは他の誰も見ていない小さな空間。
………………。
リンクの耳がピクピクと音を拾っているのは仲間を心配する純情少年の所業として許してあげましょう。
釣り竿を構えながらもリンクは及び腰になっていた。
この少女はこれまでに戦った事があるどの敵とも違う。
自分を殺したり傷つけたりする為に来ているのではない。
それ以外の別な意味でイケナイ相手だという事を感じていた。
如何にリンクとはいえ、こんなのの対処法は判らない。判るはずもない。
おそらくこの島の少年少女達の半分位は思考停止してしまう、ある意味では難敵だ。
ちなみに凄く適当な集計では残り1/4位が雰囲気すら理解できず1/4位が対応可能。
「……リンク。ここはボクに任せて、周囲を見張っていて欲しいのです」
「梨花……?」
古出梨花はなにげになんとか対応可能な1/4に入っていた。
流石に最初は面食らったが今は落ち着いて――
(こ、こうなったら対処してやろうじゃない。それしかないなら仕方ないわ、ええ)
――訂正、かなり自棄になりながらも行動に出ていた。
「良いから早くなのです。リンクは絶対に見ちゃダメなのです」
「ふふ、おちびちゃん……あなたが私を堕としてくれるの……?」
「あなたとボクの身長はそんなに変わらないのですよ?」
軽口を吐きつつ梨花は灰原を待ち受けて、灰原は喜悦に顔をとろけさせながらゆっくりと歩を進める。
穢れて、浅ましく狂って、壊れたい。
灰原のその目的から言えば目の前の少女を相手にどうなろうと自分は堕ちる。色々な意味で。
いつの間にか償いの為に罪を犯す本末転倒な選択も視野に入れている。
理性も冷静な思考ももはや無い。
「だ、大丈夫なのか? 梨花。よく判らないけど手伝わなくても……」
「ボクは平気なのです。
手伝えるならどんな会話や声を聞いてもぜんぶ忘れて欲しい位なのです」
「……それ、むずかしいよ」
梨花は念のために状況を把握する。
明らかに目の前の少女は正気の状態ではない。
演技にしては発汗などの要素が真に迫りすぎている。
何らかの薬品かそれ以外の何かの影響を受けているとしか思えない。
それは力ずくの行動に出てくるかもしれないという意味では有ったが、
同時に本当は殺す気だとかそういう様子も無い。言ってみれば極めて単純だ。
目の前の相手は発情し、欲情している。
ならその関連の手段で対処は可能だ。
……相手にせず攻撃するという手も有るはずなのだが、濃密で性的な匂いと雰囲気に脳を冒され気づかない。
「良いからリンク、早く!」
「わ、判った! 死ぬなよ、梨花!」
「みぃ、困ったことにその心配だけは無用なのです」
ヤられても殺されるって字じゃないし。
リンクは場の雰囲気に圧されながらも仕方なく背を向け、それ以外の周囲に警戒を強める。
ここに即席の戦場は作られた。
誰の邪魔も入らない、ふたりっきりの小さな戦場。
おそらくは他の誰も見ていない小さな空間。
………………。
リンクの耳がピクピクと音を拾っているのは仲間を心配する純情少年の所業として許してあげましょう。
やがて戦いが始まる。
「――遊んであげるわ、おいでヤク女」
開幕の言葉を吐いたのは灰原哀ではなかった。
梨花は黒い笑みを浮かべて彼女を挑発する。
灰原は理性の溶けた頭で、しかし小さな驚きを感じた。
「そう、気づいたのね。ふふ……あなたも試してみない?」
「遠慮しておくです。ボクにそんな趣味はありません」
「残念ね。とても気持ちよくなれるのに。5MeO-DIPT、通称『フォクシー』。
全てをとろけさせて……淫らに堕としてくれる優しくて残酷な悪魔。
なにもかも無様に汚してこわしてくれるのに」
小さな赤い舌が唇を舐めて湿らせ、熱い吐息を漏らした。
木漏れ日が薄い唇を艶やかに照り光らせる。
一筋の涎が糸を引き蜘蛛の糸のように輝いて、すぐに切れて地に消える。
「でもどちらでも同じだわ。
あなたをこわす事で私が汚がれるのか、あなたが私をこわすのか
どちらでも罪深い私にはふさわしい末路だもの」
くすくすと灰原は自虐的で喜悦に満ちた笑いを浮かべる。
自らの罪も。
汚れていく自分の様も。
全身を撫でていく風や体に触る木漏れ日、濡れてべったりと張り付いた衣服の不快感と同じように、
どれもこれもが快楽をあたえてくれる。
理性が溶けて堕ちていく快楽を全身に教えてくれる。
「それじゃお言葉に甘えて……遊んでもらおうかしら」
灰原はゆっくりと足を進める。
身じろぎするだけでも僅かに、体の奥から熱と電流が生まれる。
これでそれ以上の刺激を受けたらどうなるのだろう。どれだけこわれるのだろう。
ああ、せっかくおちるなら……
「お礼に、あなたもおとしてあげる……」
伸ばした手が、梨花に触れた。
梨花は婉然とそれを受け入れて手を伸ばし……
「――遊んであげるわ、おいでヤク女」
開幕の言葉を吐いたのは灰原哀ではなかった。
梨花は黒い笑みを浮かべて彼女を挑発する。
灰原は理性の溶けた頭で、しかし小さな驚きを感じた。
「そう、気づいたのね。ふふ……あなたも試してみない?」
「遠慮しておくです。ボクにそんな趣味はありません」
「残念ね。とても気持ちよくなれるのに。5MeO-DIPT、通称『フォクシー』。
全てをとろけさせて……淫らに堕としてくれる優しくて残酷な悪魔。
なにもかも無様に汚してこわしてくれるのに」
小さな赤い舌が唇を舐めて湿らせ、熱い吐息を漏らした。
木漏れ日が薄い唇を艶やかに照り光らせる。
一筋の涎が糸を引き蜘蛛の糸のように輝いて、すぐに切れて地に消える。
「でもどちらでも同じだわ。
あなたをこわす事で私が汚がれるのか、あなたが私をこわすのか
どちらでも罪深い私にはふさわしい末路だもの」
くすくすと灰原は自虐的で喜悦に満ちた笑いを浮かべる。
自らの罪も。
汚れていく自分の様も。
全身を撫でていく風や体に触る木漏れ日、濡れてべったりと張り付いた衣服の不快感と同じように、
どれもこれもが快楽をあたえてくれる。
理性が溶けて堕ちていく快楽を全身に教えてくれる。
「それじゃお言葉に甘えて……遊んでもらおうかしら」
灰原はゆっくりと足を進める。
身じろぎするだけでも僅かに、体の奥から熱と電流が生まれる。
これでそれ以上の刺激を受けたらどうなるのだろう。どれだけこわれるのだろう。
ああ、せっかくおちるなら……
「お礼に、あなたもおとしてあげる……」
伸ばした手が、梨花に触れた。
梨花は婉然とそれを受け入れて手を伸ばし……
* * *
突然ですがここでお知らせです。
都合によりこれ以降は音声及び効果音描写だけでお伝えします。
健全な戦いをお楽しみ下さい。
都合によりこれ以降は音声及び効果音描写だけでお伝えします。
健全な戦いをお楽しみ下さい。
* * *
「ん…………」
ぴちゅぴちゅと湿った音がした。
声は聞こえない代わりに、水音と滑る音が続いて聞こえる。
ギュッという音がして……動きが止まったのか少しだけ音も止まった。
「ん……む…………」
それからしゅるしゅると何か細い布……リボンだろうか? を抜き取る音がした。
ボタンを外す小さな音。乾いた衣擦れの音。
小さく、とても小さく聞こえた、ぱさりと小さな布切れが落ちる音。
「ぷはっ」
「ふぅ……」
息が解放される声。くすりと笑う、声。
「上手ね。どういう子供なのかしら」
「女の子は秘密でいっぱいなのですよ?」
乾いた衣擦れの音。湿った衣擦れの音。
濡れた肌に触るぺたりとした音。
濡れた肌を滑る手の音は平らで突っかかる物もなく、滑らかにそして長く聞こえた。
「はぁ…………」
陶然とした息の音。
「……ふっ」
息を吹く音。
「ん…………ふぁああ!?」
どこか艶を帯びた甲高い声。
くすくすと笑う声。
断続的に途切れる嬌声。
かと思いきや長く伸びる叫び。
聞き取れないうわごと。
くすくすと笑う声。それが崩れて代わる驚きの声。制止の声。別の笑い声。
もう一つの声が断続的に、やがて長く伸びて、絶叫に変わって。
それでも止まらず加速する声。声。声。時折入れ替わる声。
声はずっと聞こえていた、けれど。
ぴちゅぴちゅと湿った音がした。
声は聞こえない代わりに、水音と滑る音が続いて聞こえる。
ギュッという音がして……動きが止まったのか少しだけ音も止まった。
「ん……む…………」
それからしゅるしゅると何か細い布……リボンだろうか? を抜き取る音がした。
ボタンを外す小さな音。乾いた衣擦れの音。
小さく、とても小さく聞こえた、ぱさりと小さな布切れが落ちる音。
「ぷはっ」
「ふぅ……」
息が解放される声。くすりと笑う、声。
「上手ね。どういう子供なのかしら」
「女の子は秘密でいっぱいなのですよ?」
乾いた衣擦れの音。湿った衣擦れの音。
濡れた肌に触るぺたりとした音。
濡れた肌を滑る手の音は平らで突っかかる物もなく、滑らかにそして長く聞こえた。
「はぁ…………」
陶然とした息の音。
「……ふっ」
息を吹く音。
「ん…………ふぁああ!?」
どこか艶を帯びた甲高い声。
くすくすと笑う声。
断続的に途切れる嬌声。
かと思いきや長く伸びる叫び。
聞き取れないうわごと。
くすくすと笑う声。それが崩れて代わる驚きの声。制止の声。別の笑い声。
もう一つの声が断続的に、やがて長く伸びて、絶叫に変わって。
それでも止まらず加速する声。声。声。時折入れ替わる声。
声はずっと聞こえていた、けれど。
10分。
20分。
30分が経った頃、声からは抑えきれない喜悦とは別に、疲弊の音色が見え始めた。
「どうして……意識が飛ばないのです……?」
ぜえぜえと粗い息の合間に問う声に、はあはあと掠れた息の合間からの声が答える。
「ふふ……『フォクシー』には、不眠効果も有るの。
短くて3時間……長ければ6時間は眠る事なんてできないわ。
あさましく狂うの、ケダモノのようにね……」
「……どうりで……なのです…………」
舌をなめずる音。
「すてきでしょう。……あなたにも、あげるわ」
「な、ちょっ、やめるのです、やめろ――!」
「梨花!?」
背中を向けて樹の向こうに居たリンクが慌てて駆け付けようとして。
「ふぁ…………」
小さな声と一瞬の沈黙。それから。
「ひああああぁあぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
長い長い絶叫が響いた。
ぜえぜえと粗い息の合間に問う声に、はあはあと掠れた息の合間からの声が答える。
「ふふ……『フォクシー』には、不眠効果も有るの。
短くて3時間……長ければ6時間は眠る事なんてできないわ。
あさましく狂うの、ケダモノのようにね……」
「……どうりで……なのです…………」
舌をなめずる音。
「すてきでしょう。……あなたにも、あげるわ」
「な、ちょっ、やめるのです、やめろ――!」
「梨花!?」
背中を向けて樹の向こうに居たリンクが慌てて駆け付けようとして。
「ふぁ…………」
小さな声と一瞬の沈黙。それから。
「ひああああぁあぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
長い長い絶叫が響いた。
* * *
駆け付けたリンクが見たのは視界いっぱいに迫ったランドセルだった。
「……え?」
ランドセルミサイル炸裂。そのままノックダウン。
一方、絡み合う少女の一人もまたどさりと崩れ落ちた。
右手でランドセルを投げた一人の少女がよろよろと立ち上がる。
勝利を掴んだその左手を掲げ、少女は高らかに、小さな声で呟いた。
「ぜぇ……ぜぇ…………羽入虐めの黄金の左手なのです……」
灰原哀は完全に失神していた。
勝者――古手梨花。
「……え?」
ランドセルミサイル炸裂。そのままノックダウン。
一方、絡み合う少女の一人もまたどさりと崩れ落ちた。
右手でランドセルを投げた一人の少女がよろよろと立ち上がる。
勝利を掴んだその左手を掲げ、少女は高らかに、小さな声で呟いた。
「ぜぇ……ぜぇ…………羽入虐めの黄金の左手なのです……」
灰原哀は完全に失神していた。
勝者――古手梨花。
梨花は幾百にも度重なるタイムループの中で、一人行動を共にしていた少女がいた。
それが羽入なる少女である。
しかし梨花は百年以上を生きる中で随分と精神が摩耗し、やたらと黒い人格が育っていた。
その黒梨花は暇つぶしなのか何なのか、羽入に対して大層酷い嫌がらせを好んでいたのだ。
一例を上げると味覚を共有しているのを利用して羽入の嫌いなキムチを食べまくるとかそういうのだ。
正に外道。
そんなわけだから……なんだ。あの、アレである。
100年に渡りいろんないじめっ子っぷりを発揮し続けていた事は容易に妄想できるであろう。
その隠された全力をもってすれば実年齢不明ながらせいぜい二十代程度の灰原哀など相手にならない。
フォクシーの効果により不眠症になっていた為に苦戦したが、完全に失神させてしまえば意味はなかった。
それが羽入なる少女である。
しかし梨花は百年以上を生きる中で随分と精神が摩耗し、やたらと黒い人格が育っていた。
その黒梨花は暇つぶしなのか何なのか、羽入に対して大層酷い嫌がらせを好んでいたのだ。
一例を上げると味覚を共有しているのを利用して羽入の嫌いなキムチを食べまくるとかそういうのだ。
正に外道。
そんなわけだから……なんだ。あの、アレである。
100年に渡りいろんないじめっ子っぷりを発揮し続けていた事は容易に妄想できるであろう。
その隠された全力をもってすれば実年齢不明ながらせいぜい二十代程度の灰原哀など相手にならない。
フォクシーの効果により不眠症になっていた為に苦戦したが、完全に失神させてしまえば意味はなかった。
「う……梨花……?」
リンクが起きあがった時に見たのはちんまりと座っている梨花と、意識の無い灰原の姿だった。
どちらもちゃんと服は着ていた。
灰原の方はどうも服が雑な着方になって汚れているようにも見えたが、梨花の方は普通だ。
全身に汗をかいているのに、その汗に見合うほど濡れてもいなかった。
プールで泳いだ後に軽くでも全身を拭いてから着替えればこうなるだろうか。
また、灰原の方には使う機会も無いと思った支給品の一つ、ESP錠という手錠を填めてあった。
「一体、なにがどうしたんだ? その……」
「何も心配は無いのです。
リンクは木の根で転んで運悪く頭を打って数分意識を失っていただけですし、
ボクはなんともないし、この人も気を失っているだけなのです。
運が良い事に誰か来たりもしなかったです」
「そ、そうなんだ」
気を失う前に視界一杯に広がるランドセルを見たような気がしたが気のせいらしい。
「それよりリンク、この人がこんな物を持っていたのですが使えますか?」
話を逸らすように梨花は灰原のランドセルから引っぱり出したトランクを見せる。
明らかにランドセルより大きい不思議は気にしない事にする。
その中から出てきたのは折り畳まれた巨大で奇妙な人形だった。
「これは……?」
「どうやら操り人形のようなのです。
ここのわっかに指を通してうまく使えば、戦いにも芸にも使える凄い人形だそうです」
「へえ、面白そうだ」
(といってもこんなの使えるわけないけど)
梨花は内心で思う。
この人形は操るのに凄まじい特殊技能を要する。
動作パターンは500~600パターン、それを20の指使いで操作する。
幾ら何でもこんな物を使いこなせるわけがない。
話を逸らすのに使えただけでも十分に役立ってくれたというものだ。
「……うわ、難しいな、これ」
(ほら、いくらリンクだってこんな物を使えるわけが……)
「踊らせるくらいなら出来るんだけどな」
「ええ!?」
踊っていた。
あるるかんはリンクの指捌きに応えて珍妙な踊りを踊ってみせていた。
その足取りはよたよたしていたが辛うじて転ぶこともない。
リンクが起きあがった時に見たのはちんまりと座っている梨花と、意識の無い灰原の姿だった。
どちらもちゃんと服は着ていた。
灰原の方はどうも服が雑な着方になって汚れているようにも見えたが、梨花の方は普通だ。
全身に汗をかいているのに、その汗に見合うほど濡れてもいなかった。
プールで泳いだ後に軽くでも全身を拭いてから着替えればこうなるだろうか。
また、灰原の方には使う機会も無いと思った支給品の一つ、ESP錠という手錠を填めてあった。
「一体、なにがどうしたんだ? その……」
「何も心配は無いのです。
リンクは木の根で転んで運悪く頭を打って数分意識を失っていただけですし、
ボクはなんともないし、この人も気を失っているだけなのです。
運が良い事に誰か来たりもしなかったです」
「そ、そうなんだ」
気を失う前に視界一杯に広がるランドセルを見たような気がしたが気のせいらしい。
「それよりリンク、この人がこんな物を持っていたのですが使えますか?」
話を逸らすように梨花は灰原のランドセルから引っぱり出したトランクを見せる。
明らかにランドセルより大きい不思議は気にしない事にする。
その中から出てきたのは折り畳まれた巨大で奇妙な人形だった。
「これは……?」
「どうやら操り人形のようなのです。
ここのわっかに指を通してうまく使えば、戦いにも芸にも使える凄い人形だそうです」
「へえ、面白そうだ」
(といってもこんなの使えるわけないけど)
梨花は内心で思う。
この人形は操るのに凄まじい特殊技能を要する。
動作パターンは500~600パターン、それを20の指使いで操作する。
幾ら何でもこんな物を使いこなせるわけがない。
話を逸らすのに使えただけでも十分に役立ってくれたというものだ。
「……うわ、難しいな、これ」
(ほら、いくらリンクだってこんな物を使えるわけが……)
「踊らせるくらいなら出来るんだけどな」
「ええ!?」
踊っていた。
あるるかんはリンクの指捌きに応えて珍妙な踊りを踊ってみせていた。
その足取りはよたよたしていたが辛うじて転ぶこともない。
「…………リンクの器用さは異常なのです」
「でも戦いに使うなんて無茶だ。……いや、練習すればなんとかなるかな?
とりあえずしまっておくよ」
あるるかんはトランクまでテクテクと歩き、瞬く間に自らを折り畳んで収納してしまった。
「……すごいのです」
ぱちぱちと拍手をした。
その位のリアクションしか思いつかなかった。
「でも戦いに使うなんて無茶だ。……いや、練習すればなんとかなるかな?
とりあえずしまっておくよ」
あるるかんはトランクまでテクテクと歩き、瞬く間に自らを折り畳んで収納してしまった。
「……すごいのです」
ぱちぱちと拍手をした。
その位のリアクションしか思いつかなかった。
「それで、これからどうするんだい?」
「とにかく予定通り、学校に向かうのです。体を洗ったり、替えの服が欲しいのですよ」
「替えの服か。有るのかな?」
「間違いなく有るのです」
梨花は一つ確信していた。
あのジェダという謎の男、間違いなくロリコンの変態だ。
支給品に毒薬を入れるのは判らないでもないが、催淫薬を入れるなんぞ変態しか思いつくまい。
それなら学校にはあの二つのどちらかが有るに違いない。
……体操服とブルマのセットか、スクール水着である。
「それじゃ行くよ。学校はもう目の前だ」
「はいなのです。ところでリンク、さっきの人形をちょっと出してください」
「どうして?」
「この人を放っておくのはまずいのです。……でも持っていくには重いのです」
「ああ、そうか」
リンクは頷きトランクから人形を引きずり出して操った。
こうして、やや乱れた着衣で手錠を付けられた気絶した少女を運ぶ、
奇怪な2m前後の人形と、それを操る純粋そうな少年という奇妙な光景が生まれた。
(……やっぱり放っておくべきだったかも)
すぐに梨花は少し後悔する。
森を出て校門に辿り着くまでのたった500mだが、それはなんとも怪しい行進だった。
「とにかく予定通り、学校に向かうのです。体を洗ったり、替えの服が欲しいのですよ」
「替えの服か。有るのかな?」
「間違いなく有るのです」
梨花は一つ確信していた。
あのジェダという謎の男、間違いなくロリコンの変態だ。
支給品に毒薬を入れるのは判らないでもないが、催淫薬を入れるなんぞ変態しか思いつくまい。
それなら学校にはあの二つのどちらかが有るに違いない。
……体操服とブルマのセットか、スクール水着である。
「それじゃ行くよ。学校はもう目の前だ」
「はいなのです。ところでリンク、さっきの人形をちょっと出してください」
「どうして?」
「この人を放っておくのはまずいのです。……でも持っていくには重いのです」
「ああ、そうか」
リンクは頷きトランクから人形を引きずり出して操った。
こうして、やや乱れた着衣で手錠を付けられた気絶した少女を運ぶ、
奇怪な2m前後の人形と、それを操る純粋そうな少年という奇妙な光景が生まれた。
(……やっぱり放っておくべきだったかも)
すぐに梨花は少し後悔する。
森を出て校門に辿り着くまでのたった500mだが、それはなんとも怪しい行進だった。
【D-5/学校の前/1日目/午前】
【リンク(子供)@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
[状態]:健康
[装備]:釣竿@ポケットモンスターSPECIAL、あるるかん@からくりサーカス
[道具]:基本支給品
[服装]:中世ファンタジーな布の服など
[思考]:何をやっていたんだろう? どきどきする。
第一行動方針:学校まで灰原哀をあるるかんで運ぶ。
第二行動方針:梨花を守る
基本行動方針:ゲームを壊す
参戦時期:エンディング後
[備考]:性格は漫画版を参考にしました
【リンク(子供)@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
[状態]:健康
[装備]:釣竿@ポケットモンスターSPECIAL、あるるかん@からくりサーカス
[道具]:基本支給品
[服装]:中世ファンタジーな布の服など
[思考]:何をやっていたんだろう? どきどきする。
第一行動方針:学校まで灰原哀をあるるかんで運ぶ。
第二行動方針:梨花を守る
基本行動方針:ゲームを壊す
参戦時期:エンディング後
[備考]:性格は漫画版を参考にしました
【古手梨花@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:色々と疲労困憊
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品×1(確認済み)、5MeO-DIPT(24mg)、エスパー錠の鍵@絶対可憐チルドレン
[服装]:平常時の服。首もとにリボンが結んであり肩に掛かるサスペンダーがスカートに繋がっている物。
[思考]:散々だった……体を洗いたい。でも油断はしないように注意。
第一行動方針:学校に行く。
第二行動方針:同行者を増やす
基本行動方針:生き延びて元の世界に帰る
参戦時期:祭囃し編後、賽殺し編前
[状態]:色々と疲労困憊
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品×1(確認済み)、5MeO-DIPT(24mg)、エスパー錠の鍵@絶対可憐チルドレン
[服装]:平常時の服。首もとにリボンが結んであり肩に掛かるサスペンダーがスカートに繋がっている物。
[思考]:散々だった……体を洗いたい。でも油断はしないように注意。
第一行動方針:学校に行く。
第二行動方針:同行者を増やす
基本行動方針:生き延びて元の世界に帰る
参戦時期:祭囃し編後、賽殺し編前
【灰原哀@名探偵コナン】
[状態]:健康、失神
[装備]:エスパー錠@絶対可憐チルドレン
[道具]:基本支給品、ふじおか@みなみけ(なんか汚れた)
[服装]:子供服。着方が乱暴でなんか汚れてる。
[思考]:――――――
第一行動方針:罪を償うため、自分を汚す。
参戦時期:24巻終了後
[備考]:灰原は、この世界を現実だと思っていません。
[状態]:健康、失神
[装備]:エスパー錠@絶対可憐チルドレン
[道具]:基本支給品、ふじおか@みなみけ(なんか汚れた)
[服装]:子供服。着方が乱暴でなんか汚れてる。
[思考]:――――――
第一行動方針:罪を償うため、自分を汚す。
参戦時期:24巻終了後
[備考]:灰原は、この世界を現実だと思っていません。
【エスパー錠@絶対可憐チルドレン】
超能力者の超能力を封じ込む機能の付いた手錠。
魔法の発動なども阻害できる可能性がある。
ただし強力な力は大幅に弱体化はするも封じきれない。
超能力者の超能力を封じ込む機能の付いた手錠。
魔法の発動なども阻害できる可能性がある。
ただし強力な力は大幅に弱体化はするも封じきれない。
≪045:そうだ、おうちへかえろう | 時系列順に読む | 047:Like the best friend≫ |
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≪012:日ハ異文化交流録 | リンクの登場SSを読む | 100:別れ、そして……≫ |
古手梨花の登場SSを読む | ||
≪037:贖罪 | 灰原哀の登場SSを読む |