最終更新 2007-01-2405:18:54
イベント09・物語で見る各国の戦争準備状況2
ザッザッザッザッ・・・、遠くで軍靴の音が聞こえる。
「お金よ、お金。とにかくお金が足りないの!全員、今すぐ出稼ぎして稼いできて!」
「お金よ、お金。とにかくお金が足りないの!全員、今すぐ出稼ぎして稼いできて!」
/*/
シュル、シュル、シュル、シュル…、皮と衣が擦れあう音が政庁内に響く。
摂政YOTは赤絨毯の上を努めて平静を保ちながら、できうる限りのスピードで謁見の間へと急いでいた。
廊下を走ってはいけないと藩王からきつく言われていた。
古今、藩王から急な呼び出しがあった時はろくな事はあったためしが無いが、今回ばかりはYOTにも容易に想像がついた。
シュル、シュル、シュル、シュル…、皮と衣が擦れあう音が政庁内に響く。
摂政YOTは赤絨毯の上を努めて平静を保ちながら、できうる限りのスピードで謁見の間へと急いでいた。
廊下を走ってはいけないと藩王からきつく言われていた。
古今、藩王から急な呼び出しがあった時はろくな事はあったためしが無いが、今回ばかりはYOTにも容易に想像がついた。
「YOT様がお見えになりました」
衛兵の声が響く。
吏族で理力使いでもある摂政YOTはもともと体力がある方ではない。
肩で息をしながら
「き、共和国尚書省からの通達ですな?」
と問いかけた。
「そうよ、まったくもう。お金よ、お金が足りないの!」
藩王榊聖いきなりの直球。
「共和国尚書省の要求はいかほどに?」
「10億よ、10億!国庫を空にするわけにはいかないから、あと4億どうしても必要なの」
「ふむ、国民5人のチョー弱小藩国にはちと金額が大きすぎますなぁ」
「このままじゃ破産だわ。YOT、あなた摂政でしょう?何とかしなさい」
あなたは藩王でしょうと言いかけたのを堪え、
「ふむ、国債でも発行しますか?」
と神妙な顔つきで摂政らしく言うYOT。
「国債なんか出せるわけ無いじゃない。それこそ首がまわらなくなるわ」
「困りましたな」
「こうなったら出稼ぎしかないわ。出稼ぎで稼ぐのよー!」
拳を固め天に向かって吼える藩王榊聖。
「しかし、わが藩国には文士はなんと1名しかおりませぬぞ?」
と冷静なYOT。
「この際地戸は関係ないわ。絵でも文章でも何かやらせなさい。全員で稼ぐのよー!」
「そんな殺生な…」
有能であるがゆえに気苦労が耐えない摂政YOTであった。
衛兵の声が響く。
吏族で理力使いでもある摂政YOTはもともと体力がある方ではない。
肩で息をしながら
「き、共和国尚書省からの通達ですな?」
と問いかけた。
「そうよ、まったくもう。お金よ、お金が足りないの!」
藩王榊聖いきなりの直球。
「共和国尚書省の要求はいかほどに?」
「10億よ、10億!国庫を空にするわけにはいかないから、あと4億どうしても必要なの」
「ふむ、国民5人のチョー弱小藩国にはちと金額が大きすぎますなぁ」
「このままじゃ破産だわ。YOT、あなた摂政でしょう?何とかしなさい」
あなたは藩王でしょうと言いかけたのを堪え、
「ふむ、国債でも発行しますか?」
と神妙な顔つきで摂政らしく言うYOT。
「国債なんか出せるわけ無いじゃない。それこそ首がまわらなくなるわ」
「困りましたな」
「こうなったら出稼ぎしかないわ。出稼ぎで稼ぐのよー!」
拳を固め天に向かって吼える藩王榊聖。
「しかし、わが藩国には文士はなんと1名しかおりませぬぞ?」
と冷静なYOT。
「この際地戸は関係ないわ。絵でも文章でも何かやらせなさい。全員で稼ぐのよー!」
「そんな殺生な…」
有能であるがゆえに気苦労が耐えない摂政YOTであった。
/*/
一方その頃、もう一人の摂政でありゴロネコ藩国唯一の文士である雑賀有はサブイベントのレポート作成に忙殺されていた。
締切1時間前になってもまだ完成には至っていなかった。
「雑賀有殿、忙しいことろすまんがちょっとよろしいかな?」
藩王の命を受け苦虫を噛み潰したような顔のYOTが文室に入ってきた。
「よっと。実はちと困ったことになってな」
「何でしょう?」
「実は藩王様から出稼ぎ令が発布されてな。雑賀有殿に相談に来たのじゃ」
「なっ、まだ昨日のレポートも書き上げていないのに…。それに藩王様のケーキチャレンジの方も残っているのですよ。YOT殿」
「じゃが、そこを何とか」
「わたどりさんとアールヴさんに頼めばいいじゃないですか」
「あの2人には藩王様から下命があるじゃろう。何せ藩国存亡の危機じゃ」
「でもこちらも締切に追われてるんです。分かるでしょう?」
「いやいや、雑賀有殿なら文章の1つや2つや3つや4つ…」
「そんなこと言うと…、避けちゃいますよ?」
「そんな殺生な!」
有能であるがゆえに気苦労が耐えない摂政雑賀有であった。
締切1時間前になってもまだ完成には至っていなかった。
「雑賀有殿、忙しいことろすまんがちょっとよろしいかな?」
藩王の命を受け苦虫を噛み潰したような顔のYOTが文室に入ってきた。
「よっと。実はちと困ったことになってな」
「何でしょう?」
「実は藩王様から出稼ぎ令が発布されてな。雑賀有殿に相談に来たのじゃ」
「なっ、まだ昨日のレポートも書き上げていないのに…。それに藩王様のケーキチャレンジの方も残っているのですよ。YOT殿」
「じゃが、そこを何とか」
「わたどりさんとアールヴさんに頼めばいいじゃないですか」
「あの2人には藩王様から下命があるじゃろう。何せ藩国存亡の危機じゃ」
「でもこちらも締切に追われてるんです。分かるでしょう?」
「いやいや、雑賀有殿なら文章の1つや2つや3つや4つ…」
「そんなこと言うと…、避けちゃいますよ?」
「そんな殺生な!」
有能であるがゆえに気苦労が耐えない摂政雑賀有であった。
/*/
同時刻、藩国内チャットルーム
「イベント07きましたねー」
「お金が足りないね。燃料売りましょう、燃料」
「よく読んでごらん。燃料は売れないよ」
「あ、本当だ。うーん。お、イベント08、09もきたー。すげー」
と傍目から見るとのん気に会話をしている大族わたどりとアールヴがいた。
「イベント07きましたねー」
「お金が足りないね。燃料売りましょう、燃料」
「よく読んでごらん。燃料は売れないよ」
「あ、本当だ。うーん。お、イベント08、09もきたー。すげー」
と傍目から見るとのん気に会話をしている大族わたどりとアールヴがいた。
「すみません。出稼ぎして下さい」
と藩王榊聖が入室。
「お金が足りないのですね。いかほど稼がなくてはいけないのですか?」
藩国会議のLOGや各国のデータ収集を自らすすんで行うわたどりは冷静である。
「4億。藩国を潰すわけにはいかないの。」
「でも、私は絵も文章ほんとダメ×2なんです。藩王様」
とアールヴ。
「この際猫の手でも借りたいの。お願い力を貸して。」
「肉球つきの手なんて借りてどうするです?ニャー」
わたどり、ボケる時はボケる。
「と・に・か・く!何でもいいわ、出稼ぎしてきなさい!」
「でも僕、ガンオケがまだ3螺旋目なんです」
「私も12螺旋目なんですが、まだランクBなんです」
どこかで「ブチッ」と聞こえるはずのない音が2人の耳に聞こえた気がした。
「あ、あー、そういえば書きかけの課題があったなー(汗)」
「お、おれもリスト仕上げないと…(汗)」
「お金よ、お金。
とにかくお金が足りないの!2人とも、今すぐ出稼ぎして稼いできて!」
「は、はい」
「ニャへー」
と藩王榊聖が入室。
「お金が足りないのですね。いかほど稼がなくてはいけないのですか?」
藩国会議のLOGや各国のデータ収集を自らすすんで行うわたどりは冷静である。
「4億。藩国を潰すわけにはいかないの。」
「でも、私は絵も文章ほんとダメ×2なんです。藩王様」
とアールヴ。
「この際猫の手でも借りたいの。お願い力を貸して。」
「肉球つきの手なんて借りてどうするです?ニャー」
わたどり、ボケる時はボケる。
「と・に・か・く!何でもいいわ、出稼ぎしてきなさい!」
「でも僕、ガンオケがまだ3螺旋目なんです」
「私も12螺旋目なんですが、まだランクBなんです」
どこかで「ブチッ」と聞こえるはずのない音が2人の耳に聞こえた気がした。
「あ、あー、そういえば書きかけの課題があったなー(汗)」
「お、おれもリスト仕上げないと…(汗)」
「お金よ、お金。
とにかくお金が足りないの!2人とも、今すぐ出稼ぎして稼いできて!」
「は、はい」
「ニャへー」
ザッザッザッザッ・・・、戦争前夜は遠くで出稼ぎの音が聞こえる。
(作・アールヴ)