(プロローグ「。」の続編。まだの方は、そちらからどうぞ)

 

私の選んだ人 第1話 「トゥーランドット」


効果的な照明によって輝く、裏返しに吊り下げられたワイングラス。
一点の曇りもなく銀色に輝くフォークとナイフ。
店内を満たす笑い声や囁き声のさざめき。
その合間から漏れ聞こえるイタリア歌曲のBGM。

真白い清潔なテーブルクロスと、黒、赤、少しの植物の緑でコーディネートされたその広い空間は、大きなガラス窓を通して真昼の青空から陽光が充分に取り込まれ、一見無造作なようで、その実計算され置かれた瑞々しい野菜と、照明の加減で、洒落ていながらも暖かい雰囲気を作り出している。

吸い込む空気にはピッツァを焼く香ばしい匂い、トマト、バジル、オリーブオイルの香りが微かに混ざっており、食欲を刺激される。

この割と高級な部類に入る、南イタリアの料理を主体としたイタリアン・レストランは、ランチセットが価格も手頃で人気との事で、日曜日の少し奮発した昼食に訪れた客で賑わっており現在満席だ。
女性客が多く、男性は3割程度かな。男性はいずれもカップルの片割れ。
逆に、ウェイターは殆ど男性、どれもそれぞれに男前。
女性ウェイターも美人だ。


森さんが当然のように要領よく予約していたため僕らは全く待たされる事無く、外で並んでいる年配女性の一団の白い視線や、楽しげに会話するカップルの横を素通りし、そのまま店内に案内された。

男性ウェイターが、眺めの良い窓際の席に僕らを案内した後、仄かに柑橘系の香りがする氷水のグラス、3種類のメニュー、それから森さんに対して明らかに上辺だけでなく性的意味合いを含ませた微笑を残して去ると、彼女が開いたメニューを眺めつつ口を開いた。


「なんでも好きなの選びなさい。一樹。ランチメニューじゃなくていいわよ。私に気を遣ったりしたら後で泣かせるから」

「はい。解りました。では、僕はスパゲッティーニ・マルゲリータのランチセットにします」

前もって、内面までの擬態を「気持ち悪いからやめて」と釘を刺されている僕は、しかし一応口調は敬語にする。
誰に聞かれるか判らないからだ。
特に、涼宮さんの前では確立という言葉は全く意味を成さない訳だし。

「……アンタ、いい度胸してるわね。耳が悪いの?それとも性格?喧嘩を売るってなら、買うけど」
メニューから顔を上げ、鋭く細めた目を真っ直ぐ僕の目に合わせた森さんが言う。
あの、森さん。非常に、怖いです。

「ま、まさか。マルゲリータが好物なだけです。そう言う森さんだって、ピッツァ・マルゲリータのランチセットなのではないですか?とにかく、その目止めてください。お願いですから。本当に泣きますよ?」
彼女の注文する物を推測できたのは、別に彼女の心を読んだ訳ではなく、メニューへ落とす視線を読んだだけ。

フンッ。と鼻を鳴らした彼女は、ちらっと自分の手にあるメニューに目を落とすと、椅子の上で背筋を少し伸ばす。
すると、まるで彼女に呼ばれて吸い寄せられたかのように、先程のウェイターが現れた。
彼は気取ったバスバリトンの声で、
「ご注文はお決まりでしょうか?」
と、言いながらテーブルにナプキンで包まれた焼き立てのパンと、バターの小皿を置くと、また先程の微笑を森さんに向けている。
が、彼女はまるで気付いていないといった風に、メニューに目を落としたまま注文を告げ始める。

「ランチセットから、ピッツァ・マルゲリータと、彼がスパゲッティーニ・マルゲリータ。それからカポナータもお願い」
僕の分の注文を伝える間は、彼女はさり気なく僕に顔を向け目を見る。
印象を与えて、ウェイターに確実に覚えさせる為。
彼女は同じ事を2度言う事が好きではないからだ。

「サラダのドレッシングは如何いたしましょう?」
「お任せするわ」
「食後のお飲み物は?」
「コーヒーを」
「食後にドルチェなどは如何でしょうか」
「そうねえ。じゃあジェラートを。あと、彼にティラミスも。それから手を拭くモノ、持ってきて」
森さんはそう言いながら、一瞬だけウェイターに笑みの欠片を乗せた視線を送る。

あまり目を合わせると、自分の印象の記憶を相手に残してしまい、それは好もしい事ではない。
機関の人間は、相手に与える印象を思い通りに操作する訓練も、当然受けている。
まあ、僕は訓練の途中で転校させられ、直後にSOS団に半ば強引に入団させられた訳で、それからというもの訓練に割く時間が余り取れず、中途半端で未熟な部分がかなりある。

逆に彼女は機関の中でも、「頭脳明晰で他人の心を瞬間的に透視し、常に冷静沈着で顔色一つ変えず非情とも言える選択も必要とあらば即断実行する」事から、陰で「鬼」などと呼ばれている程だ。
確かに、自分を犠牲にしてでも機関に仕える事を「宿命もしくは運命」ではなく「自らの使命」と心に定めているであろう彼女から、時折鬼気迫る物が感じられる事も確かだ。
それでも彼女の優しい部分も知る僕は、鬼だなんて森さんには全く似つかわしくないと思っている。

ところで、そういえば勝手に僕の分と称しティラミスを注文されたけど、あれは森さんがどっちも食べたいだけに違いない。


森さんと話し終わったウェイターが、彼女から渋々と言った感じで引き剥がした視線を僕に向け、バリトンぐらいになった声で言う。
「お連れ様は?ドレッシングは如何いたしますか?」
その彼の目には、疑りの色が浮いている。
僕と森さんの関係をどう判断しようか迷っているのだろう。

まぁ、僕みたいな小僧が、フェラガモのオーダーメイドビジネススーツを軽く着こなしている森さんの交際相手には、どう勘違いしても見えない。
結局、彼女の弟ぐらいに思われるだろう。
少し悔しいけど。
まぁ、無駄な事をして無駄に記憶されてもしょうがない。合わせておこう。

「ドレッシングはヴィネグレット、飲み物はコーヒーをお願いします」

日本に「日本風」ドレッシングが無いのと同じように、イタリアには当然「イタリアン」などという種類のドレッシングは無く、ヴィネグレットが主流だ。
ヴィネグレットと聞いたウェイターは、それだけで僕が本場のイタリアンにかぶれている金持ちの息子、そして森さんの弟だという事で勝手に納得したようだ。
よく考えるとかなり思考の飛躍があるのだが、まあ勝手に勘違いしてくれる分には好きにさせておこう。楽だったな。

「かしこまりました。それでは、後ほどお持ち致しますので、どうぞお寛ぎ下さい」
そう言って、またあの微笑を置いて去った。


「気持ちわるっ」
と、鼻にシワを寄せながら、森さん。
彼女のそんな顔もまた素敵だ。
……なんて思う僕は、どうかしているのかもしれない。

「あれならアンタの方がまだマシね。この店ウェイターの質落ちたかしら。味まで落ちてないといいけど」
この場合のアンタとは、擬態中の僕を指して言っているのだろう。

「どうでしょうね。顔もスタイルも整っていますし、女性、特に年配の方には、ああいった態度はかえってウケが良いのではないでしょうか?」

言ってから、しまったッ!正に地雷を踏んだ!と思ったがもう遅かった。
輝くような満面の笑みになった森さんが、ニコニコとこちらを見ている。
ニコニコと。
普通の男性なら見惚れる所だ。
現に今、隣のテーブルの男が森さんの笑顔に見惚れ、連れを怒らせている。
でも僕は恐ろしくてマトモに目を向ける事すら出来ない。
何故なら、涼宮さんの時々放つような四方八方に発散する怒気とは危険度の桁が違う、鋭く研ぎ澄まされた殺気を僕1人に向け放っているからだ。
これに比べたら、涼宮さんの怒った顔の、なんと可愛らしい事か。

しかも、無言だ。

背中と手に汗が沸いてきた。
ゴクリ。と喉がなる。
口の中がカラカラ。

何も言えずそのまま固まっていると、先に口を開いたのは彼女だった。
「い・つ・き、くぅ~ん?」
満面のニコニコ顔は維持したまま。
声も愉快で仕方が無いといった様子。
でも、殺気が。――殺気が。

「は。」
顎が強張り、「い」が発音できない。

「サラダをお持ちしました」
と、そこに気取り屋ウェイターが割り込んできた。
いや、普通の人にはこのプレッシャーは感じ取れないだろうから、別段割り込んだつもりもないだろう。
「ありがとう」
彼女は相変わらず満面の笑みを僕に向けたまま、相変わらず陽気に殺気を放っている。
「それでは、後ほど料理をお持ち致します」
少しだけ訝るような視線を僕らに投げると、彼は去って行く。


彼女は僕に目を据えたまま、手だけを動かしてフォークを持つと、それを白い指で弄びながら色っぽい声で言う。
「ねェ?ボク?ナニをそんなに緊張してるのかなぁ~?『お姉さん』に、そ・う・だ・ん。してみたらぁ~?」

お姉さん。と言う部分が、ハッキリと強調された彼女の声は、男を酔わせる鮮烈な色気を帯びている。
それを聞いた僕の背筋がゾクゾクする。……恐怖で。

突然彼女の手の中のフォークが、音も立てぬ電光石火の一振りでサラダのカケラを貫く。
彼女はそれを嫌にゆったりとその艶やかな唇へと運びながら言う。
「……そろそろ、ホンキで怒ってみようかしら」

「は。」
僕の喉曰く、「ゴクリ」。
サラダを食べるどころじゃない。
パンの入ったバスケットを凝視しながら、なんとか声を絞り出す。

「ち、違います――。森さんは、こう、本当に美人で、あの、素敵だと思っています。ですし、その、さっき言った種類の方には該当しないというか、だから、その、なんといいますか――」

「ほぉ~~~へぇ―――。…………んで?」
で?だけ、地の底から響く音のようだ。
「……他意は全く無かったんです。本当に勘弁してください。なんでも1つ言う事聞きますから」

「フ~ン。何の話か、私にはよく解らないケド?まぁ、なんでも言う事聞くっていうなら、聞いて貰おうじゃない」

突然殺気が消えた。
でもまだ助かった。と判断するのは早いだろうな……。
変な約束してしまったし。
はぁ。……憂鬱だ。
口は災いの元。覆水盆に返らず。後悔先に立たず。

「でも、本当は解ってたのでしょう?僕の考えぐらい、森さんには全部」
「うん」
「……うん。って……森さん、ひどいですよ……。こんな若輩者を苛めて楽しいですか?」

「じゃくはいもの?どういう意味だっけ。それ。後で辞書を引こうかしら」

先程より更に強い殺気。
半ばまで埋めていた墓穴をまた掘り返した訳だ。
後悔、役に立たず。
本物のバカだ。僕は……。

「……言う事、2つ聞きます……」
「3つ」
「……はい……」

ふふっ。と笑った森さんの笑顔には変化は見当たらないが、陽気な雰囲気の店内にあって僕のみを萎縮させていた、恐らく歴史上の名立たる剣豪達が放った物と同種であろう殺気が消え失せた。
「何だか、得しちゃったわ」
心底嬉しそうだ。
僕は、何だか嵌められた気がする。

……まあ、いいか。
森さんの言う事なら、最初からどうせ聞かざるを得ない訳だし。
今は難を逃れたようだし、本心から楽しそうにしている彼女なんて、なかなか見れる物じゃない。うん。
「何にしようかしらね~。ふふふふふ」

……そう思いたい。


カラカラになっていた口に爽やかな酸味のある冷たい水を含み、やっと緊張も解れ、サラダとパンに手を付けた所へ、
「お待たせ致しました」
セクハラウェイターが料理を運んできた。

皿を並べる彼が、またあの気味の悪い笑顔を森さんに向けている。
「ありがとう」
そう言った森さんの顔は、先程とは一転して、ほんの少しだけ人を見下したような表情だ。
その「ほんの少しだけ」でも、彼は明らかに失望したようだ。
これで彼の記憶に、「鼻持ちならない美人の金持ちとその弟が来た」という情報が夕方まで残れば、よく覚えていた方だろう。

「では、どうぞごゆっくり」
そう言ってさっさと去って行った。


「あ~!スッキリした!ジロジロ見られてたら食欲も失せちゃうわ。さあ食べましょう。もう、お腹ペコペコよ。笑顔のまま怒ったフリしたらお腹空いちゃったわ~」

聞かなかった事にしよう。泣きそうだ。
そんな僕には目もくれず、さり気なく爆弾発言してのけた彼女は、その綺麗な指で無造作に1ピースのピッツァを縦に二つ折りにすると、そのままパクつく。

本当はこういう所でピッツァを手で食べるのは無作法だけど、この形に囚われないサバサバした所も彼女の魅力だなぁ。
なんて考えながら、僕もスパゲッティを一口。
うん?絶品だ。
トマトもバジルも新鮮で良いものだし、パスタの茹で加減は言うに及ばず。
塩も良い物で、加減も素晴らしい。
それに、なんだろう。隠し味があるけど。ふむ。判らないな。
しかし、これはうまい。

予想以上の味に感嘆していると、彼女がこう言った。
「随分幸せそうな顔で食べるじゃない、一樹。それ、そんなに美味しい?」
「ええ、これは、今まで僕が口にしたスパゲッティ・マルゲリータの中でも、5本の指に入りますね」
「へぇ。そう。それ私も食べてみたいから少し交換しなさい。あと、このカポナータもいけるわよ」
そう言って彼女はピッツァの皿をこちらに押す。
僕も、スパゲッティの皿を手渡す。
そしてフォークは邪魔になるので引き取る。
つもりが、皿を迎えに来た彼女の手が、自然な動作でそのフォークごと皿を持って行った。
「あ、フォークは邪魔に」
まで言ったが、もう既に彼女はそのフォークで食べていた。
まるで気にしていないようだ。

……それはちょっとサバサバし過ぎです。
余りになんとも思われてない事に寂しくなる。

「ホントだ。なかなかいけるわね。こっちも。やっぱり隠し味って何事に置いても大事よね。……ん?手ならちゃんと拭いてるし、口紅なら付きにくいのだから安心なさい」
「そういう意味では。……いえ、いいです。もう」

うん、ピッツァも、非常にうまい。
薄い生地のパリパリとした快い食感と、このチーズが素晴らしい。
トマトがスパゲッティ用の物とは別の種類なのは分かるとして、バジルも何かが違う。
それに、カポナータもいい。
単純な物ほど、誤魔化しが利かない。
なるほどこの店、人気がある訳だ。
ランチセットは割と庶民的価格だし、店の雰囲気も良いし、先程のウェイターもあの笑みは相手を選ぶらしい。
他のテーブルへ女性客2名を案内していた時には、普通な営業用スマイルだった。
まぁ、森さんのオーラを感じ取ったか、服や装飾品に目が利くかのどちらかだろう。
感じが悪い事は否定しないけど。

「ふ~ん。間接キスが気になるのね?あんた本当にヒヨコねぇ。間接キスなんてキスの内に入らないわよ。感触もないし、そもそも気持ちが伝わらないじゃない?」
「…………」
「あ、間接じゃない方がいい?じゃあ」
「いえ、いいですよもう。からかうの止めて下さい!」
「ふふふ!赤くなったわ。カラーヒヨコね!ふふ」

それ、恐らく、年齢がバレます。森さん。
何の事だか、判りません。僕。
後でWikiで調べないと……。

「あ。私だって、実際に売ってる所を見た事はないわよ!失礼しちゃうわ!」

後、自分で言って置いて、当然な反応をした人の心を勝手に読んで、勝手に怒るの、止めてください。
……はぁ。なんでこの人が好きなんだろう。僕は。

「んん~おいしいっ!アア幸せ。ねぇ、もっとピザ食べていいわよ。私これも気に入ったから」

「はい、はい」



デザートの、ブルーベリーヨーグルト・ジェラートとティラミスをやはり半分ずつ、というより森さんがどっちも8割方食べた気もしなくも無いけど、まあ、そういった感じで片付け、他愛も無い会話をしつつコーヒーを愉しんでいると、先程から謎に優しげな微笑の彼女が出し抜けにこう切り出した。

「じゃあ、そうねえ。一樹、あなた今すぐ私に告白しなさい」
……え?なんですか?それは?なんで?何を?

「え?なんです?それ?」
「何って?あんたさっき何でも私の言う事を聞くって言ったじゃない」

「……告白って、まさか、愛の告白の事ではないですよね?」
「そのまさかよ。そりゃそうでしょ。それとも、本当は何か告白しなきゃいけない事があるのかしら?」
そう言って、彼女はまたも僕の心を透視し始める。

彼女の顔は、相変わらず優しい微笑を湛えたままだ。
……つまり、彼女は、本気だ!
恐ろしい予感に首筋の毛が逆立ってくる……。

「ええっ!?馬鹿な!それはあんまりだよ森さん!!!」
「両手を優しく握って、しっかり目を見つめながら、本気で心から言うのよ。演技とか擬態は無しよ。それから苗字じゃなくて名前で呼びなさいね。適当にしたら余計に後が怖いわよ?まだ2回残ってる訳だし」

僕の悲痛な心の叫びは華麗なスルーという形で言外に却下され、勝手にパスを受けた僕の心臓が猛然とドリブルを始めた。
部室でよく見るあの光景の再現。
今だけは、彼の言葉を借りよう。
もう好きにしてください。
まぁ、涼宮さんはこんな事言わないけど。
むしろ涼宮さん、彼にはこれぐらい言った方がいいかもしれないです。

それにしても、森さん、悪乗りが過ぎますよ……。
僕の気持ちを知っていて、こんな人の多い場所で、本当に本気で愛の告白をさせるおつもりですか。
しかも、両手を握って、目を見つめながら、下の名前を呼びながら、ですか。
「あ、手は指と指を絡めるのでもいいわよ。優しくね」

…………。
優しくね?じゃないですよ、もう。
森さん、僕まだ、高校生ですよ?
そんなアダルティーな告白、想像すらした事ないですよ。
大体こんな所でそんな事をしたら、いい晒し者じゃないですか。
しかもそれで、1回分ですか。
ひどいよ。ひどすぎる。あんまりだ。
しかも貴方はそれで何も感じないというのですか。
やはり貴方は本当に鬼なのですか。
「あと、名前は呼び捨てね」

…………。
森さんを名前で呼び捨てって。もの凄く抵抗あります。それ。
ああ、これは絶対トラウマになる……。

「んん?なるほど。じゃあ、人が居ない場所に行けば良いのね。しょうがない、それぐらいは許してやるかな。んふふっ!優しいなぁ私って」

また読まれた……。
っていうか、二人きりっていうのも、それはそれで……。
でも、ここではちょっと。
ああ、森さん凄く楽しそうだ。
……頭が痛い。激しく鼓動している心臓も痛い。
あと、全然優しくは無いと思います……。

「ん?私はここでもいいのよ?」
「……いえ…すみません……ここは無理です……」


分ればよろしい。という事で、コーヒーを飲んだ後に、どこかへ連行される運びになった。

……まだまだ長い1日になりそうだ。


第2話「僕は寝てはならぬ」へつづく


私の選んだ人リストページ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年06月10日 02:45