キルア×傷心×踏み出す一歩? ◆IEYD9V7.46
「こういうのはガラじゃないんだけどな……。穴掘るのも、死んだヤツを埋めるのもさ」
誰ともなしに呟いたのは、土の山を足で平らに慣らしている少年――キルアだ。
常の彼が持っているナイフのような目の鋭さも、今は鳴りを潜め、その表情には微かに後悔の念が混ざっていることが窺えた。
一作業を終えたキルアは軽く全身を伸ばし、蓄積された疲労を解放する。
そのまま上体を逸らし、胸に溜まった鬱屈な空気を入れ替えるように深呼吸を一つ。
深い呼吸のついでに見えた空の青には、既に薄っすらとした黄色がかかっている。
そして、夕日が西から連れてくる赤も刻一刻とその勢力を広げ始めていた。
……こんな作業、本当に自分には似合わない。
キルアはつくづくそう思いながら、足元を見下ろす。
そこには自らが殺めた少年が埋まっているはずだが……一目見ただけでは全く痕跡が見当たらない。
巧妙に、周囲の地面と一体化していたのである。
掘り返した際に現れた小石やゴミ、埋めた際に残った余計な土は離れたところに捨ててきた。
そして、墓の上の土を足で慣らすことで簡単に偽装工作を済ませた。
ここまですれば、残った僅かな痕跡も時間が経つと共に綺麗さっぱり消えることだろう。
恐らく遺体を発見されることはなくなる。
「俺は謝らないし、同情もしない。理由はどうあれ、おまえはこの殺し合いに乗ったんだからな」
キルアは眼下を見やりながら続ける。
「……でも、加減間違えたのは俺のミスだ。そこだけは一応謝っとくよ」
――悪かった。
短い一単語を死者への手向けにして、キルアは踵を返して歩き始めた。
常の彼が持っているナイフのような目の鋭さも、今は鳴りを潜め、その表情には微かに後悔の念が混ざっていることが窺えた。
一作業を終えたキルアは軽く全身を伸ばし、蓄積された疲労を解放する。
そのまま上体を逸らし、胸に溜まった鬱屈な空気を入れ替えるように深呼吸を一つ。
深い呼吸のついでに見えた空の青には、既に薄っすらとした黄色がかかっている。
そして、夕日が西から連れてくる赤も刻一刻とその勢力を広げ始めていた。
……こんな作業、本当に自分には似合わない。
キルアはつくづくそう思いながら、足元を見下ろす。
そこには自らが殺めた少年が埋まっているはずだが……一目見ただけでは全く痕跡が見当たらない。
巧妙に、周囲の地面と一体化していたのである。
掘り返した際に現れた小石やゴミ、埋めた際に残った余計な土は離れたところに捨ててきた。
そして、墓の上の土を足で慣らすことで簡単に偽装工作を済ませた。
ここまですれば、残った僅かな痕跡も時間が経つと共に綺麗さっぱり消えることだろう。
恐らく遺体を発見されることはなくなる。
「俺は謝らないし、同情もしない。理由はどうあれ、おまえはこの殺し合いに乗ったんだからな」
キルアは眼下を見やりながら続ける。
「……でも、加減間違えたのは俺のミスだ。そこだけは一応謝っとくよ」
――悪かった。
短い一単語を死者への手向けにして、キルアは踵を返して歩き始めた。
* * *
――おかしい。
誰だってこう思う。単純な問題過ぎて、そこに頭の良し悪しが介在する隙などない。
その状況に置かれた天才――ニアでなくたってこう思うだろう。
おかしい、と。
彼は一人、タワーの展望室から、双眼鏡を使って外を監視していた。
とはいえ、それは他にすることがないから、というやや消極的な理由からの行動だったが。
二基のエレベーターは相変わらず動く気配を見せてくれない。
これはまだいい。故障ではなく意図的にスイッチを切られているだけだと分かっているのだから。
ニアの頭を悩ませているのはもう一つの問題――内線の不通のほうだった。
こちらは、その原因が未だにつかめていない。
もしも内線が故障したのであれば、下にいる人間とコンタクトをとる方法が手元のマイクによる一方的な放送だけになる。
できればそんな事態は避けたいところだが……どうにも様子がおかしい。
内線のコール音はしっかりと鳴っている。
ジェダが用意した内線の仕様などニアが与り知るところではないが、
常識的に考えれば故障ではないと判断するのが妥当だろう。
つまり――
(太一に何かあったのか?)
自然と、その考えが導き出される。
が、エレベーターを停止されている以上、太一の安否を確かめる術がない。
その後も何度かコールしてみたが、やはり太一が応対することはなく。
時間の無駄だと考えたニアは結局、今そうしているように外の観察へと意識を向けることにした。
(どのみち、弥彦かキルアが戻ってくれば事態は進展する)
そう考えた矢先――
その状況に置かれた天才――ニアでなくたってこう思うだろう。
おかしい、と。
彼は一人、タワーの展望室から、双眼鏡を使って外を監視していた。
とはいえ、それは他にすることがないから、というやや消極的な理由からの行動だったが。
二基のエレベーターは相変わらず動く気配を見せてくれない。
これはまだいい。故障ではなく意図的にスイッチを切られているだけだと分かっているのだから。
ニアの頭を悩ませているのはもう一つの問題――内線の不通のほうだった。
こちらは、その原因が未だにつかめていない。
もしも内線が故障したのであれば、下にいる人間とコンタクトをとる方法が手元のマイクによる一方的な放送だけになる。
できればそんな事態は避けたいところだが……どうにも様子がおかしい。
内線のコール音はしっかりと鳴っている。
ジェダが用意した内線の仕様などニアが与り知るところではないが、
常識的に考えれば故障ではないと判断するのが妥当だろう。
つまり――
(太一に何かあったのか?)
自然と、その考えが導き出される。
が、エレベーターを停止されている以上、太一の安否を確かめる術がない。
その後も何度かコールしてみたが、やはり太一が応対することはなく。
時間の無駄だと考えたニアは結局、今そうしているように外の観察へと意識を向けることにした。
(どのみち、弥彦かキルアが戻ってくれば事態は進展する)
そう考えた矢先――
トォルルルル…………トォルルルル…………トォルルルル…………
コール音が、ニアの注意を外部から内部へと呼び戻した。
(さて、相手は誰か)
久方ぶりのコールを前にして、ニアは務めて冷静に受話器を手に取り、耳に当てた。
「もしもし?」
『……無事だったか、N』
他愛のない一言。キルアだった。
しかし――
(無事だったか、とはどういうことだ?)
それは、外に出ていたキルア自身に掛けられるべき言葉だろう。
ニアが疑問を整理する時間を削り取るように、キルアの一方的な声が続く。
(さて、相手は誰か)
久方ぶりのコールを前にして、ニアは務めて冷静に受話器を手に取り、耳に当てた。
「もしもし?」
『……無事だったか、N』
他愛のない一言。キルアだった。
しかし――
(無事だったか、とはどういうことだ?)
それは、外に出ていたキルア自身に掛けられるべき言葉だろう。
ニアが疑問を整理する時間を削り取るように、キルアの一方的な声が続く。
『その様子なら無事だったみたいだな』
払拭できない不信感。
『そっか、良かったよ。ちゃんと、そこにいてくれてさ』
その正体は、
『――――だったらすぐに殺してやる。そこを動くな』
強烈な、殺意。
払拭できない不信感。
『そっか、良かったよ。ちゃんと、そこにいてくれてさ』
その正体は、
『――――だったらすぐに殺してやる。そこを動くな』
強烈な、殺意。
怒鳴り散らされたわけでもないのに、ニアの身体にビリビリとした衝撃が走り、冷たい汗が噴出す。
舌先三寸で相手を論理的に打ち負かす自身の声とはまるで別物。
キルアの声は、語気、語調、声色、どれをとっても人を殺すに足る声だった。
電話を通されて劣化した声でこれなのだから、尚恐ろしい。
直接相対したら息もできなくなる、そんな印象まで植え付けられてしまう。
しかし、ここで怖気づくわけにはいかない。
事情は呑み込めないが、隙を作ったら本気で、逃げる間もなく殺される。
間違いなく、キルアにはそれができる。理性ではなく、原始的な生存本能が認めてしまう。
(……落ち着け。命のやりとりはこれが初めてなんかじゃない。
今の状況、電話越しの交渉論破はまだ自分の領域だ。
ならば、殺しの領域に踏み入られる前に――キルアを止めてみせろ。できるだろう?)
心を決める。
ニアはあたかも眼前にキルアがいるかのように、虚空を強く睨みつけ、重々しく口を開いた。
「……キルアさん、あなたの言動は飛躍し過ぎています。なぜ、私を殺すと?」
『とぼけるな! 太一を殺したくせに、よくも抜け抜けと!』
間髪も入らない。
そこで初めて、キルアの明確な怒声がニアの鼓膜を揺らした。
「太一さんが、死んだ……? そこでですか?」
『白々しいんだよ! お前も今すぐ送ってやるからあの世で太一の前に這いつくばって謝れ!』
……まずい、完全に頭に血が上っている。
この場において、電話が切られることと自分の命が切れることは同義だ。
話が通じている間に、少しでもキルアの平静さを取り戻させなければ――。
舌先三寸で相手を論理的に打ち負かす自身の声とはまるで別物。
キルアの声は、語気、語調、声色、どれをとっても人を殺すに足る声だった。
電話を通されて劣化した声でこれなのだから、尚恐ろしい。
直接相対したら息もできなくなる、そんな印象まで植え付けられてしまう。
しかし、ここで怖気づくわけにはいかない。
事情は呑み込めないが、隙を作ったら本気で、逃げる間もなく殺される。
間違いなく、キルアにはそれができる。理性ではなく、原始的な生存本能が認めてしまう。
(……落ち着け。命のやりとりはこれが初めてなんかじゃない。
今の状況、電話越しの交渉論破はまだ自分の領域だ。
ならば、殺しの領域に踏み入られる前に――キルアを止めてみせろ。できるだろう?)
心を決める。
ニアはあたかも眼前にキルアがいるかのように、虚空を強く睨みつけ、重々しく口を開いた。
「……キルアさん、あなたの言動は飛躍し過ぎています。なぜ、私を殺すと?」
『とぼけるな! 太一を殺したくせに、よくも抜け抜けと!』
間髪も入らない。
そこで初めて、キルアの明確な怒声がニアの鼓膜を揺らした。
「太一さんが、死んだ……? そこでですか?」
『白々しいんだよ! お前も今すぐ送ってやるからあの世で太一の前に這いつくばって謝れ!』
……まずい、完全に頭に血が上っている。
この場において、電話が切られることと自分の命が切れることは同義だ。
話が通じている間に、少しでもキルアの平静さを取り戻させなければ――。
「落ち着いてください。仮に私が太一さんを殺したなら、死体をそこに放置したりはしません。
そもそも、私が一階に降りたのならエレベーターという脱出経路を復旧しないまま、
わざわざ展望室に戻ってあなたがタワーに帰ってくるのを待つはずがないでしょう?」
『……ッ』
キルアは舌打を隠そうともしない。
苛立たしさが容易に読み取れたが、少しは冷静になってくれたようだ。
でなければ、今ごろキルアは受話器を放り捨ててニアを殺そうと
外部の非常階段を昇っているはずなのだから。
だが、それでも事態が好転したわけではない。危機はどこまでも追い立ててくる。
『……なら、答えろ。ここで何があったのか。
太一を殺したやつは誰で、どこに行った』
「……分かりません」
屈辱的だ。自分の口から、こんなにも無力な言葉が漏れるとは。
『……ふざけるなよ、N。こんな場所にいて、何も知らないで済むと思っているのか?』
「事実ですからこれ以上何も言えません。
太一さんからの連絡はずっと途絶えたままでしたし、
展望室から不審人物を発見することもできませんでした」
内に秘めた憤りを隠し通しながら、言葉を押し出す。
ニアとて、自分の真下で起こった惨劇に気付くことも出来なかったという間抜けさ、
そして止め処なく押し寄せる不甲斐なさに打ちのめされているのだ。
こんなことで、世界一の探偵を名乗れるはずがない。
それでも、態度や声にその憤りを乗せないのは、偏に培ってきたプライドのおかげだった。
だが――
『あぁ、そうだった。お前の言葉なんて何の役にも立たないガラクタだったな。
いや、ガラクタよりもずっと質の悪い……毒虫か?
何せ役に立たないどころか害まであったんだからな!
お前が余計なことを吹き込まなければ、太一が死ぬことはなかったんだよっ!』
――カチン、と火花が散った。
鈍く熱いものが脳に刺さり、ニアのスイッチがオンになる。
憤りを抑えていたのが矜持なら、解き放つのもまた矜持。
幼稚な八つ当たりだと頭で理解できても、看過できない言動だった。
ニアの中に巣食っていた、キルアへの恐怖が呆気なく吹き飛ぶ。
「こちらのほうこそ見込み違いでした。キルアさんはもっと冷静な方だと思っていましたが……、
どうやら見当外れだったようですね」
『……なんだと』
電話越しに張り詰めた空気まで届けられる。だが、ニアはそんなものを意に介さず淡々と告げる。
「確かに私は野比のび太を追ってほしいと頼みました。
ですが、私はそのことをキルアさんに強制した覚えはありません。
あなたは、私の要求を拒否することだってできたはずです」
「馬鹿にしてるのか!? そんなもの詭弁だ! おまえがしていることは責任の転嫁に過ぎないんだよ!」
「えぇ、そうかもしれません。ですが、あなたが今やっていることも同じことではないのですか?」
『!?』
ニアの口が不敵に吊り上る。
「なるほど、確かに私が頼んだのに“私の頼みをキルアさんが拒否すれば良かった”というのは卑怯でしたね。
そのことはお詫びします。では、他のカードを出しましょう」
そして、叩きつけた。
「――なぜ、あなたは太一さんをここに一人で残したのですか?」
キルアが息を呑むのを、ニアは聞き逃さなかった。
そもそも、私が一階に降りたのならエレベーターという脱出経路を復旧しないまま、
わざわざ展望室に戻ってあなたがタワーに帰ってくるのを待つはずがないでしょう?」
『……ッ』
キルアは舌打を隠そうともしない。
苛立たしさが容易に読み取れたが、少しは冷静になってくれたようだ。
でなければ、今ごろキルアは受話器を放り捨ててニアを殺そうと
外部の非常階段を昇っているはずなのだから。
だが、それでも事態が好転したわけではない。危機はどこまでも追い立ててくる。
『……なら、答えろ。ここで何があったのか。
太一を殺したやつは誰で、どこに行った』
「……分かりません」
屈辱的だ。自分の口から、こんなにも無力な言葉が漏れるとは。
『……ふざけるなよ、N。こんな場所にいて、何も知らないで済むと思っているのか?』
「事実ですからこれ以上何も言えません。
太一さんからの連絡はずっと途絶えたままでしたし、
展望室から不審人物を発見することもできませんでした」
内に秘めた憤りを隠し通しながら、言葉を押し出す。
ニアとて、自分の真下で起こった惨劇に気付くことも出来なかったという間抜けさ、
そして止め処なく押し寄せる不甲斐なさに打ちのめされているのだ。
こんなことで、世界一の探偵を名乗れるはずがない。
それでも、態度や声にその憤りを乗せないのは、偏に培ってきたプライドのおかげだった。
だが――
『あぁ、そうだった。お前の言葉なんて何の役にも立たないガラクタだったな。
いや、ガラクタよりもずっと質の悪い……毒虫か?
何せ役に立たないどころか害まであったんだからな!
お前が余計なことを吹き込まなければ、太一が死ぬことはなかったんだよっ!』
――カチン、と火花が散った。
鈍く熱いものが脳に刺さり、ニアのスイッチがオンになる。
憤りを抑えていたのが矜持なら、解き放つのもまた矜持。
幼稚な八つ当たりだと頭で理解できても、看過できない言動だった。
ニアの中に巣食っていた、キルアへの恐怖が呆気なく吹き飛ぶ。
「こちらのほうこそ見込み違いでした。キルアさんはもっと冷静な方だと思っていましたが……、
どうやら見当外れだったようですね」
『……なんだと』
電話越しに張り詰めた空気まで届けられる。だが、ニアはそんなものを意に介さず淡々と告げる。
「確かに私は野比のび太を追ってほしいと頼みました。
ですが、私はそのことをキルアさんに強制した覚えはありません。
あなたは、私の要求を拒否することだってできたはずです」
「馬鹿にしてるのか!? そんなもの詭弁だ! おまえがしていることは責任の転嫁に過ぎないんだよ!」
「えぇ、そうかもしれません。ですが、あなたが今やっていることも同じことではないのですか?」
『!?』
ニアの口が不敵に吊り上る。
「なるほど、確かに私が頼んだのに“私の頼みをキルアさんが拒否すれば良かった”というのは卑怯でしたね。
そのことはお詫びします。では、他のカードを出しましょう」
そして、叩きつけた。
「――なぜ、あなたは太一さんをここに一人で残したのですか?」
キルアが息を呑むのを、ニアは聞き逃さなかった。
『それ、は』
「タワー内のほうが安全だと思ったから、ですか?
もしそうだと言うのなら、不可解ですね。
キルアさん、あなたの判断力や身のこなしは子供のそれではありません。
あなたが普通の子供だったなら、最初に会ったときに催眠ガスに対して
あそこまで迅速に対処できるはずがないですから。
あなたなら、太一さんと一緒に野比のび太を追いかけても、問題なく太一さんを守れたのではないですか?
むしろ、野比のび太を捕まえるためにも人手があったほうが良かったのではないですか?」
『結果論を持ち出すのがおまえのやり方なのか? それとも、おまえには未来でも見えてるのかよ。
だったら探偵じゃなくて占い師でもやってたほうがお似合いじゃないか?』
小馬鹿にしたような応答。しかし、ニアは全く腹を立てない。
それは予想通りの返答だったのだから。歯車がまた一つ噛み合ったことに悦びさえ覚える。
その感覚がニアにとっては堪らなく心地良い。
「そうですね。私にだってタワーと外、どちらが安全だったかを断言することはできません」
ニアはキルアの反論をあっさりと受け入れて、
「ただし、それでもあなたの行動にはまだ説明されていない部分があります」
更に責め立てようと、力を溜める。
「タワーの中のほうが安全。おかしいですね?
キルアさんと太一さんにとって、正体が知れない存在である私がここにいるというのに。
なぜ、安全だと判断できたのでしょうか?」
『ッ! おまえ、やっぱり太一を!』
「早合点しないでください、単なる例え話です。
話を戻します。なぜ、あなたは太一さん一人をここに残したのか。
推測できる理由の中でも、まずは希望に満ちたものを挙げてみますか。
一つ。キルアさんが私のことを信頼して太一さんを私に預けたという可能性。
これが当たりだったなら、私たちが何の隔たりもなく協力できるという美談、
その最初の一歩になったのでしょうが…………話になりませんね。
キルアさんが本気で私のことを信じていたというのなら、太一さんの死を目の当たりにしたときに
真っ先に私のことを疑ったりはしなかったでしょう。
つまりはその程度の信頼しかなかったわけです。実に悲しいですね」
こんなに愉しそうに「悲しい」という人間が他にいるのだろうか。
「さて、改めて尋ねましょう。
注意を払わなければならない存在である私の近くに、太一さんを置いたのはなぜでしょうか?」
『……く』
「答えたくありませんか? では代わりに述べましょう。至って簡単です。
あなたは、太一さんをここに残すことで私の監視、あるいは牽制をさせていた。
これが推測できる二つ目の理由であり、最適解です。違いますか? 違いませんね」
キルアが口を挟む隙がない、いや、仮にあったとしても彼に反論することができただろうか。
ニアにとっては最早、キルアからの返答を聞く意味は希薄となっている。
なぜなら、今、ニアが行っているのは弁論でも説諭でもなく。
判決がとっくに出ている、一方的で容赦のない処刑なのだから。
「そろそろ結論といきましょうか」
『……やめろ』
「太一さんが死んだのは、あなたが私への警戒という些事を優先させたからです」
『やめろって』
「つまりはキルアさん」
『やめてくれ!』
「――あなたの愚かで打算的な考えが、八神太一を葬ったんですよ。
そして、自身の失態を認められず無様に八つ当たりしている惨めな子供、
――――それが今のおまえだ、キルア=ゾルディック」
「タワー内のほうが安全だと思ったから、ですか?
もしそうだと言うのなら、不可解ですね。
キルアさん、あなたの判断力や身のこなしは子供のそれではありません。
あなたが普通の子供だったなら、最初に会ったときに催眠ガスに対して
あそこまで迅速に対処できるはずがないですから。
あなたなら、太一さんと一緒に野比のび太を追いかけても、問題なく太一さんを守れたのではないですか?
むしろ、野比のび太を捕まえるためにも人手があったほうが良かったのではないですか?」
『結果論を持ち出すのがおまえのやり方なのか? それとも、おまえには未来でも見えてるのかよ。
だったら探偵じゃなくて占い師でもやってたほうがお似合いじゃないか?』
小馬鹿にしたような応答。しかし、ニアは全く腹を立てない。
それは予想通りの返答だったのだから。歯車がまた一つ噛み合ったことに悦びさえ覚える。
その感覚がニアにとっては堪らなく心地良い。
「そうですね。私にだってタワーと外、どちらが安全だったかを断言することはできません」
ニアはキルアの反論をあっさりと受け入れて、
「ただし、それでもあなたの行動にはまだ説明されていない部分があります」
更に責め立てようと、力を溜める。
「タワーの中のほうが安全。おかしいですね?
キルアさんと太一さんにとって、正体が知れない存在である私がここにいるというのに。
なぜ、安全だと判断できたのでしょうか?」
『ッ! おまえ、やっぱり太一を!』
「早合点しないでください、単なる例え話です。
話を戻します。なぜ、あなたは太一さん一人をここに残したのか。
推測できる理由の中でも、まずは希望に満ちたものを挙げてみますか。
一つ。キルアさんが私のことを信頼して太一さんを私に預けたという可能性。
これが当たりだったなら、私たちが何の隔たりもなく協力できるという美談、
その最初の一歩になったのでしょうが…………話になりませんね。
キルアさんが本気で私のことを信じていたというのなら、太一さんの死を目の当たりにしたときに
真っ先に私のことを疑ったりはしなかったでしょう。
つまりはその程度の信頼しかなかったわけです。実に悲しいですね」
こんなに愉しそうに「悲しい」という人間が他にいるのだろうか。
「さて、改めて尋ねましょう。
注意を払わなければならない存在である私の近くに、太一さんを置いたのはなぜでしょうか?」
『……く』
「答えたくありませんか? では代わりに述べましょう。至って簡単です。
あなたは、太一さんをここに残すことで私の監視、あるいは牽制をさせていた。
これが推測できる二つ目の理由であり、最適解です。違いますか? 違いませんね」
キルアが口を挟む隙がない、いや、仮にあったとしても彼に反論することができただろうか。
ニアにとっては最早、キルアからの返答を聞く意味は希薄となっている。
なぜなら、今、ニアが行っているのは弁論でも説諭でもなく。
判決がとっくに出ている、一方的で容赦のない処刑なのだから。
「そろそろ結論といきましょうか」
『……やめろ』
「太一さんが死んだのは、あなたが私への警戒という些事を優先させたからです」
『やめろって』
「つまりはキルアさん」
『やめてくれ!』
「――あなたの愚かで打算的な考えが、八神太一を葬ったんですよ。
そして、自身の失態を認められず無様に八つ当たりしている惨めな子供、
――――それが今のおまえだ、キルア=ゾルディック」
ガタッ……。
その音を最後に静寂が訪れる。
建物内を数回反響したのか、余韻は奇妙なほどに長かった。
キルアはどうなっただろうか。
受話器を取り落としたか、膝から崩れ落ちでもしたのか。
まだ内線は繋がっているようだが、二アには電話の向こうの様子が分からない。
(熱くなりすぎて必要以上に打ちのめしてしまったか。
感情に流されるようでは、私もまだまだだ……。
いや、悔いている場合ではない。逆上されてここに乗り込まれたら厄介だ。
本格的に、今ある道具で逃げることも考えなければ)
ランドセルから支給品をばら撒く。
床に散乱した支給品を眺め、頭の中で打開策を練るのと同時に別の思考が並列展開される。
(キルアは惜しい人材だったのかもしれない。
子供しか集められていないこの島で、彼ほど有能な人間が他にいるのか?
……だが、これで逆上したり消沈したりするような駒ならどのみち必要ない、か。
それでも、もし万が一、彼が――)
建物内を数回反響したのか、余韻は奇妙なほどに長かった。
キルアはどうなっただろうか。
受話器を取り落としたか、膝から崩れ落ちでもしたのか。
まだ内線は繋がっているようだが、二アには電話の向こうの様子が分からない。
(熱くなりすぎて必要以上に打ちのめしてしまったか。
感情に流されるようでは、私もまだまだだ……。
いや、悔いている場合ではない。逆上されてここに乗り込まれたら厄介だ。
本格的に、今ある道具で逃げることも考えなければ)
ランドセルから支給品をばら撒く。
床に散乱した支給品を眺め、頭の中で打開策を練るのと同時に別の思考が並列展開される。
(キルアは惜しい人材だったのかもしれない。
子供しか集められていないこの島で、彼ほど有能な人間が他にいるのか?
……だが、これで逆上したり消沈したりするような駒ならどのみち必要ない、か。
それでも、もし万が一、彼が――)
『…………聞こえるか、N』
思考が中断され、一際大きな鼓動が一つ打たれる。
予想外だった。この内線からキルアの声が再び、それもこんなに早く聞こえてくるとは。
「えぇ、聞こえています」
『おまえのおかげで頭が冷えたよ。……答えあわせがまだだったな。おまえの言ったことは全部当たりだった』
あのキルアがこうも素直に動くのか?
俄かには信じられなかったが、ひとまず受け入れてみて。
ニアは望んだ展開の到来にほくそ笑みつつも、それを気取られないように押さえ込み、
調子のいい言葉を紡ぎ出す。
「平常心を取り戻せたようで何よりです。
キルアさんになら分かっていただけると思い、あえて苦言を呈してしまいました。すみません」
『いや、そんなことはいい』
これなら行ける。そう判断したニアは勝負に出た。
「キルアさん。太一さんの死は残念でしたが……、彼の死を無駄にするわけにはいきません。
状況の打破のためには、あなたの協力が不可欠です。私と、手を組んでください」
言い終えて、返事を待つ。
イエスかノーか。勘でしかないが分は悪くないはずだ。
だが、
『……なあ、N。その前にいくつか訊きたいことと頼みたいことがあるんだけどさ』
返ってきたのはどちらでもない。
答えではなく、問いかけだった。
「何でしょうか?」
『ちょっとそこから外の景色、360度グルリと見回してくれないか?』
どういうことだ? と訝しみながらも、ニアは言われたとおりに窓の外を見やる。
赤い西日。煌く波間。灰色のアスファルトから生えている高層ビル。
何の変哲もない景色が広がる。目を惹くものは見つからなかった。
「見終わりましたよ」
『そこから、島全体を見渡せたか?』
無理に決まっている。
島の南西に位置するこのタワーから、そこまで広範囲を見られるはずがない。
「いえ、それが何か?」
『……オッケー、分かった。それなら一つ訊くけど』
一呼吸置いて、
『おまえさ、結局そこからなに見てんの?』
僅かに、胸に痛みが走った。
『太一のことは確かに俺のミスだったよ。それは認める。
だけどな、そのことを差し引いても俺はおまえを信用することができない。
どこ見てんのか分からない上に、自分の足元まで見えていないようなやつに、
何かを期待することはできない』
ニアはひたすら黙って聞いている。
『おまえがどういう探偵生活送っていたのか知らないけど、
そんなところに篭っているのが探偵の仕事なのかよ?
実際に自分の目でこの島のこと見てないくせに、何で全部分かる気でいるんだよ?』
そこで話が一度大きく途切れる。
ニアはすぐに察知する。これは、力を溜める予備動作なのだと。
『今言ったのはおまえへの課題だ。これが解けないようなら俺はおまえと組むことなんてできない。
今のおまえのやり方じゃ、打開策が見つかるころには全員死んでるだろうからな。
そんなやつを旗印にできるわけないだろ』
深呼吸。一拍。
『外に出てみろよ、引き篭もり。話はそれからだ。
おまえは全部見通してるように見えて、
その実、スタートラインにも立っていないんだからな』
予想外だった。この内線からキルアの声が再び、それもこんなに早く聞こえてくるとは。
「えぇ、聞こえています」
『おまえのおかげで頭が冷えたよ。……答えあわせがまだだったな。おまえの言ったことは全部当たりだった』
あのキルアがこうも素直に動くのか?
俄かには信じられなかったが、ひとまず受け入れてみて。
ニアは望んだ展開の到来にほくそ笑みつつも、それを気取られないように押さえ込み、
調子のいい言葉を紡ぎ出す。
「平常心を取り戻せたようで何よりです。
キルアさんになら分かっていただけると思い、あえて苦言を呈してしまいました。すみません」
『いや、そんなことはいい』
これなら行ける。そう判断したニアは勝負に出た。
「キルアさん。太一さんの死は残念でしたが……、彼の死を無駄にするわけにはいきません。
状況の打破のためには、あなたの協力が不可欠です。私と、手を組んでください」
言い終えて、返事を待つ。
イエスかノーか。勘でしかないが分は悪くないはずだ。
だが、
『……なあ、N。その前にいくつか訊きたいことと頼みたいことがあるんだけどさ』
返ってきたのはどちらでもない。
答えではなく、問いかけだった。
「何でしょうか?」
『ちょっとそこから外の景色、360度グルリと見回してくれないか?』
どういうことだ? と訝しみながらも、ニアは言われたとおりに窓の外を見やる。
赤い西日。煌く波間。灰色のアスファルトから生えている高層ビル。
何の変哲もない景色が広がる。目を惹くものは見つからなかった。
「見終わりましたよ」
『そこから、島全体を見渡せたか?』
無理に決まっている。
島の南西に位置するこのタワーから、そこまで広範囲を見られるはずがない。
「いえ、それが何か?」
『……オッケー、分かった。それなら一つ訊くけど』
一呼吸置いて、
『おまえさ、結局そこからなに見てんの?』
僅かに、胸に痛みが走った。
『太一のことは確かに俺のミスだったよ。それは認める。
だけどな、そのことを差し引いても俺はおまえを信用することができない。
どこ見てんのか分からない上に、自分の足元まで見えていないようなやつに、
何かを期待することはできない』
ニアはひたすら黙って聞いている。
『おまえがどういう探偵生活送っていたのか知らないけど、
そんなところに篭っているのが探偵の仕事なのかよ?
実際に自分の目でこの島のこと見てないくせに、何で全部分かる気でいるんだよ?』
そこで話が一度大きく途切れる。
ニアはすぐに察知する。これは、力を溜める予備動作なのだと。
『今言ったのはおまえへの課題だ。これが解けないようなら俺はおまえと組むことなんてできない。
今のおまえのやり方じゃ、打開策が見つかるころには全員死んでるだろうからな。
そんなやつを旗印にできるわけないだろ』
深呼吸。一拍。
『外に出てみろよ、引き篭もり。話はそれからだ。
おまえは全部見通してるように見えて、
その実、スタートラインにも立っていないんだからな』
ガタッ。
電子音とともに今度こそ内線が切られた。
ニアは受話器を持ったまましばらく沈黙し。
数秒後、おもむろに言葉を紡ぐ。
「……私は、大局を見据えているんですよ、キルアさん。尤も、あなたには理解できなかったみたいですが。
忠実に働いてくれる弥彦もいるのだから、今は私が動く場面ではありません」
受話器を戻す音を最後に、部屋に静寂が敷き詰められた。
電子音とともに今度こそ内線が切られた。
ニアは受話器を持ったまましばらく沈黙し。
数秒後、おもむろに言葉を紡ぐ。
「……私は、大局を見据えているんですよ、キルアさん。尤も、あなたには理解できなかったみたいですが。
忠実に働いてくれる弥彦もいるのだから、今は私が動く場面ではありません」
受話器を戻す音を最後に、部屋に静寂が敷き詰められた。
* * *
夕日を身体一杯に浴びている道路に、細く、長い影が伸びる。
遠目からでは判別しにくいが、どうやらその影はもぞもぞと動いているようだった。
更に目を凝らせば、夕日に背を向けてゆっくりと歩いていることが分かる。
一人のものにしては、随分と歪な形を持った影だった。
それもそのはず。
影は二つで一つ。けれど、決して二人と呼ぶことはできないもの。
ふいに、一人が一つに声を掛ける。
「本当にさ、今日はおかしな日になったなー……」
返事はない。
背に乗せた太一は、もう二度と口を開くことはないのだから。
「一日に二回だぜ? 二回も墓作って人埋めることになっちまった。
俺はハンターだってのに、何で坊主みたいなことばっかりしてるんだろうな。
……あぁ、悪い。おまえには一回目のこと言ってなかったな」
おまえが生きていれば隠すつもりだったんだけど、と小声で付け加えた。
歩いていると、背負った太一の身体がだんだんずり落ちてくる。
よっ、と軽く力を入れて、丁度いい位置に抱えなおしながら、
「俺さ、ドジって野比のび太を殺しちまったんだ。
おかしいだろ? 生まれた時から英才教育受けさせられてきたってのに、
この年になって加減間違えたんだぜ?
うちの連中が知ったら泣くのか笑うのか、どっちだろうな」
表情が笑みを象る。見かけだけの、贋作の微笑み。
「まぁ、そんなわけで野比のび太を埋めたんだ。
本当にただ埋めただけ。俺の失敗のせいだって言われれば言い返せないけどさ、
そもそもの始まりはあいつが嘘ついたせいだろ?
穴掘って埋めてやっただけでもあいつにはありがたく思ってほしいね」
言い終えて、キルアは過去をたどり始める。
――ヒドイもんだったな。
タワーに戻ったとき、倒れている太一を視界に納め、動揺しながらそう思った。
殺しのプロであるキルアには、一目で太一の死因を理解することができた。
青酸カリによる、毒殺。
それは太一の身を案じていたキルアが、もっとも恐れていた殺害方法だった。
(……こうなる可能性は考えていた。太一と最初に会った、あの時から)
興味本位で、太一に仕掛けたゲーム。
あのとき、何の疑いもなく答えを出した太一を見て、キルアは胸のすく思いを持った。
けれど、それは諸刃の剣。
こいつは、絶対に人に騙されて死ぬタイプだと直感して。
その予感は現実のものとなった。
太一の持つ暖かい心に対して、凍てつく刃の上に立つこの世界は、あまりにも無慈悲だった。
「……おまえは本当にバカだよ。力もないくせに、誰彼構わず人を信じるなっての」
どうせ、太一は死を迎える寸前まで、毒を入れた相手のことを信じていたのだろう。
現場にいなくたって手に取るように分かる。
分かっていた、はずなのに。
(……最初のとき、俺が無理にでも太一を追い返していれば……)
どうなっていただろうか。軽く傷でも負わせて、この殺し合いの本質の一端を思い知らせれば、
太一もそう簡単には人を信じなくなり、結果としてもっと長く生きていられたのではないか?
そんな「もしもの世界」を夢想し、
(……ありえないな)
すぐに否定する。
(あのどうしようもないバカの心は、死んでも折れなかっただろうし)
バカは死ななきゃ直らないなんて嘘だと思った。
(仇はとってやるよ。おまえが望むかどうかは知らないけど、これは俺のけじめだからさ)
幸い、手がかりはある。
太一を殺したヤツは、首輪探知機となぜかゴーグルを奪っていったのだから。
首輪探知機の存在は厄介だが、こっちにだって培ってきた勘と念がある。
勝機はきっと見出せる。
遠目からでは判別しにくいが、どうやらその影はもぞもぞと動いているようだった。
更に目を凝らせば、夕日に背を向けてゆっくりと歩いていることが分かる。
一人のものにしては、随分と歪な形を持った影だった。
それもそのはず。
影は二つで一つ。けれど、決して二人と呼ぶことはできないもの。
ふいに、一人が一つに声を掛ける。
「本当にさ、今日はおかしな日になったなー……」
返事はない。
背に乗せた太一は、もう二度と口を開くことはないのだから。
「一日に二回だぜ? 二回も墓作って人埋めることになっちまった。
俺はハンターだってのに、何で坊主みたいなことばっかりしてるんだろうな。
……あぁ、悪い。おまえには一回目のこと言ってなかったな」
おまえが生きていれば隠すつもりだったんだけど、と小声で付け加えた。
歩いていると、背負った太一の身体がだんだんずり落ちてくる。
よっ、と軽く力を入れて、丁度いい位置に抱えなおしながら、
「俺さ、ドジって野比のび太を殺しちまったんだ。
おかしいだろ? 生まれた時から英才教育受けさせられてきたってのに、
この年になって加減間違えたんだぜ?
うちの連中が知ったら泣くのか笑うのか、どっちだろうな」
表情が笑みを象る。見かけだけの、贋作の微笑み。
「まぁ、そんなわけで野比のび太を埋めたんだ。
本当にただ埋めただけ。俺の失敗のせいだって言われれば言い返せないけどさ、
そもそもの始まりはあいつが嘘ついたせいだろ?
穴掘って埋めてやっただけでもあいつにはありがたく思ってほしいね」
言い終えて、キルアは過去をたどり始める。
――ヒドイもんだったな。
タワーに戻ったとき、倒れている太一を視界に納め、動揺しながらそう思った。
殺しのプロであるキルアには、一目で太一の死因を理解することができた。
青酸カリによる、毒殺。
それは太一の身を案じていたキルアが、もっとも恐れていた殺害方法だった。
(……こうなる可能性は考えていた。太一と最初に会った、あの時から)
興味本位で、太一に仕掛けたゲーム。
あのとき、何の疑いもなく答えを出した太一を見て、キルアは胸のすく思いを持った。
けれど、それは諸刃の剣。
こいつは、絶対に人に騙されて死ぬタイプだと直感して。
その予感は現実のものとなった。
太一の持つ暖かい心に対して、凍てつく刃の上に立つこの世界は、あまりにも無慈悲だった。
「……おまえは本当にバカだよ。力もないくせに、誰彼構わず人を信じるなっての」
どうせ、太一は死を迎える寸前まで、毒を入れた相手のことを信じていたのだろう。
現場にいなくたって手に取るように分かる。
分かっていた、はずなのに。
(……最初のとき、俺が無理にでも太一を追い返していれば……)
どうなっていただろうか。軽く傷でも負わせて、この殺し合いの本質の一端を思い知らせれば、
太一もそう簡単には人を信じなくなり、結果としてもっと長く生きていられたのではないか?
そんな「もしもの世界」を夢想し、
(……ありえないな)
すぐに否定する。
(あのどうしようもないバカの心は、死んでも折れなかっただろうし)
バカは死ななきゃ直らないなんて嘘だと思った。
(仇はとってやるよ。おまえが望むかどうかは知らないけど、これは俺のけじめだからさ)
幸い、手がかりはある。
太一を殺したヤツは、首輪探知機となぜかゴーグルを奪っていったのだから。
首輪探知機の存在は厄介だが、こっちにだって培ってきた勘と念がある。
勝機はきっと見出せる。
「と、言い忘れていた。この島に来てからのツレのよしみだ。野比の墓は作ってやらなかったけど、
おまえにはちゃんとしたもの作ってやるから安心しな。
しかも特別性のやつだぜ。山のように土盛ってさ、どーんとすごいのを建ててやるよ。
『八神太一の墓』って彫ったでかい木の板でもてっぺんにぶっ刺してさ、
遠くから見てもおまえの墓だって分かるような派手なものにするから……、期待して、待っててくれよな」
おまえにはちゃんとしたもの作ってやるから安心しな。
しかも特別性のやつだぜ。山のように土盛ってさ、どーんとすごいのを建ててやるよ。
『八神太一の墓』って彫ったでかい木の板でもてっぺんにぶっ刺してさ、
遠くから見てもおまえの墓だって分かるような派手なものにするから……、期待して、待っててくれよな」
消えそうな笑みを浮かべながらも、その足はアスファルトを一歩一歩踏みしめる。
目標は力を与えてくれる。そこに気持ちの正負は関係ない、絶対量が多ければそれでいい。
ともすれば倒れそうだったキルアも、今だけは前を向いて歩けた。
目標は力を与えてくれる。そこに気持ちの正負は関係ない、絶対量が多ければそれでいい。
ともすれば倒れそうだったキルアも、今だけは前を向いて歩けた。
* * *
閑話休題。
突然だが、危険人物を発見したときに、どのような対応の仕方があるのかを少し考えたい。
対象となる危険人物像は……例なので簡単で分かりやすいものにしよう。
仮に、素顔を晒したまま「このゲームに乗ったぞ! 殺る気は満々だ!」などと言う輩がいたとする。
こんなバカは早々いないだろう。でも、とにかくそんなヤツがいたとすれば、
他者がその人物に接触を試みようとすることはそう多くはないだろう。
安全を期するために逃げるか、それとも様子見に徹するか、あるいは。
――――問答無用で排除しようとするか。
突然だが、危険人物を発見したときに、どのような対応の仕方があるのかを少し考えたい。
対象となる危険人物像は……例なので簡単で分かりやすいものにしよう。
仮に、素顔を晒したまま「このゲームに乗ったぞ! 殺る気は満々だ!」などと言う輩がいたとする。
こんなバカは早々いないだろう。でも、とにかくそんなヤツがいたとすれば、
他者がその人物に接触を試みようとすることはそう多くはないだろう。
安全を期するために逃げるか、それとも様子見に徹するか、あるいは。
――――問答無用で排除しようとするか。
ここでキルアの視点に立ってみる。
キルアが持っていて、かつ生存者だと思っている人物の情報は、
ゴン、太一の友人たち、N、弥彦だけだ。
一見、すぐに障害となる人物はいないように見える。
実際、キルア自身もそう思っていた。いや、忘れていたと言うべきか。
――その、直前までは。
キルアが持っていて、かつ生存者だと思っている人物の情報は、
ゴン、太一の友人たち、N、弥彦だけだ。
一見、すぐに障害となる人物はいないように見える。
実際、キルア自身もそう思っていた。いや、忘れていたと言うべきか。
――その、直前までは。
* * *
そのときのキルアが辿った感情の変遷は、劇的の一言だった。
時間にして、一秒経ったのかも怪しい。
そんな極僅かな間に、驚愕、呆然、不審、警戒の順に目まぐるしく感情が入れ替わり、
最後に刻まれたのは冷たく燃え上がる『歓喜』だった。
時間にして、一秒経ったのかも怪しい。
そんな極僅かな間に、驚愕、呆然、不審、警戒の順に目まぐるしく感情が入れ替わり、
最後に刻まれたのは冷たく燃え上がる『歓喜』だった。
裏路地から大通りに差し掛かろうとしたところで、キルアはそれを見た。
カサカサという音でも立てそうなくらい奇怪に動く、謎の物体。
初見では人間に見えなかった。着ぐるみなのだろうか?
あからさまに怪しいその物体は、キルア同様周囲をひどく警戒しているようだった。
キルアでなければ、気付けなかったかもしれない。
障害物を盾にして、実に巧妙に移動していたその物体を。
その物体が、青いペンギンのような格好をしていたことを。
そしてペンギンの中央に、ほんの一瞬だけ。
顔らしきものが、見えたことを。
(何だ、あいつは? ……あれ? 俺は、あいつを知っている、のか?
どこだ、どこで見た? 思い出せ、きっとこれは重要な――)
キルアは、確かにその顔を見たことがあった。
しかし、いつ、どこで?
大事なことのはずなのに、肝心かなめの部分にどうしても手が、
カサカサという音でも立てそうなくらい奇怪に動く、謎の物体。
初見では人間に見えなかった。着ぐるみなのだろうか?
あからさまに怪しいその物体は、キルア同様周囲をひどく警戒しているようだった。
キルアでなければ、気付けなかったかもしれない。
障害物を盾にして、実に巧妙に移動していたその物体を。
その物体が、青いペンギンのような格好をしていたことを。
そしてペンギンの中央に、ほんの一瞬だけ。
顔らしきものが、見えたことを。
(何だ、あいつは? ……あれ? 俺は、あいつを知っている、のか?
どこだ、どこで見た? 思い出せ、きっとこれは重要な――)
キルアは、確かにその顔を見たことがあった。
しかし、いつ、どこで?
大事なことのはずなのに、肝心かなめの部分にどうしても手が、
――一銭にもならんゲームで殺し合いなんぞKGBのチンピラだってやるかボケ――!
(!? なんだよ、これ!? いったい、いつの――!)
手が、届いてくれた。
その記憶はまだ浅い部分に埋まっていたらしい。
あっさりと手をかける起点が見つかった。
あとは流れるままに。
手が、届いてくれた。
その記憶はまだ浅い部分に埋まっていたらしい。
あっさりと手をかける起点が見つかった。
あとは流れるままに。
――これは失敬。諸君、私は最後まで残った子を救世主として迎え
『何でも好きな願いを叶える』事を約束しよう。
巨万の富でも、永遠の若さでも、死者の蘇生でも何でもだ。
――よし乗ったっ!
『何でも好きな願いを叶える』事を約束しよう。
巨万の富でも、永遠の若さでも、死者の蘇生でも何でもだ。
――よし乗ったっ!
(これ、は)
キルアの思考が白く、激しくスパークして。
切れかけていた記憶の糸が、再び強く繋がれていき。
キルアの思考が白く、激しくスパークして。
切れかけていた記憶の糸が、再び強く繋がれていき。
――ところで優勝者だけか? 意外とケチ臭いな。最終結果でしか子供を判断しないから
受験しかできない社会とか言われるんだ。途中経過を重視しようという気は無いのか?
受験しかできない社会とか言われるんだ。途中経過を重視しようという気は無いのか?
元の形に戻るころには、
――こっちは子供だ。4人は多い、2人にしろ。
キルアの顔面に、鮮烈な笑みが刻まれていた。
全てを理解したキルアは、足を動かそうとして、一度踏みとどまる。
(……悪いな太一。墓作ってやるの、遅くなりそうだ)
背中に乗る重みに一瞬だけ意識を向けて、すぐに前方に集中する。
……何という僥倖なのだろうか。
全てを理解したキルアは、足を動かそうとして、一度踏みとどまる。
(……悪いな太一。墓作ってやるの、遅くなりそうだ)
背中に乗る重みに一瞬だけ意識を向けて、すぐに前方に集中する。
……何という僥倖なのだろうか。
太一が死んだタワーの近くで。
開始前から殺し合いに乗ると公言していた、自信過剰のクズが。
一人で、ドブネズミのようにコソコソと蠢いている。
開始前から殺し合いに乗ると公言していた、自信過剰のクズが。
一人で、ドブネズミのようにコソコソと蠢いている。
(……理由なんか、それだけで充分だよなァ?)
目を剥いて笑うキルアは、それでも冷静だった。
冷静に、殺しの道筋を立てていた。
(どっちだっていいさ)
太一を殺したのがヤツだとしても、そうじゃなかったとしても。
あいつは、最初の広間で、しかも全員の前で「優勝を目指す」と宣言したのだから。
生かしておくわけにはいかない。
(そうだ、どっちだっていい)
とりあえず、一撃叩き込もうと決心する。
それでヤツが死のうが生きようがどっちでも構わない。
ヤツの運が良ければ――、一撃で楽に死なせてやる。
ヤツの運が悪ければ――、一撃では済まさない。
最初の攻撃で生き残るようなら、それで死ねなかったことを後悔させてやる。
四肢を砕いて片目片耳を潰して歯と鼻骨を折って饅頭みたいな顔を更に腫れ上がらせる。
最低限、見る聞く話すの機能だけは残しておいてやる。
どうせ生きているのなら、拷問でも仕掛けて情報を吐かせておいたほうが得だから。
(……全部吐かせて絞り尽して、最後に残った汚いボロカスはどうするかなぁっと)
生気に満ちた笑みが、鋭さを増す。
目標は力を与えてくれる。そこに気持ちの正負は関係ない、絶対量が多ければそれでいい。
ともすれば倒れそうだったキルアも、今だけは身を突き動かす衝動と共生し、
アスファルトを踏み砕かんばかりの力で地面に突き立っていた。
その眼光の先には、獲物がいる。
目を剥いて笑うキルアは、それでも冷静だった。
冷静に、殺しの道筋を立てていた。
(どっちだっていいさ)
太一を殺したのがヤツだとしても、そうじゃなかったとしても。
あいつは、最初の広間で、しかも全員の前で「優勝を目指す」と宣言したのだから。
生かしておくわけにはいかない。
(そうだ、どっちだっていい)
とりあえず、一撃叩き込もうと決心する。
それでヤツが死のうが生きようがどっちでも構わない。
ヤツの運が良ければ――、一撃で楽に死なせてやる。
ヤツの運が悪ければ――、一撃では済まさない。
最初の攻撃で生き残るようなら、それで死ねなかったことを後悔させてやる。
四肢を砕いて片目片耳を潰して歯と鼻骨を折って饅頭みたいな顔を更に腫れ上がらせる。
最低限、見る聞く話すの機能だけは残しておいてやる。
どうせ生きているのなら、拷問でも仕掛けて情報を吐かせておいたほうが得だから。
(……全部吐かせて絞り尽して、最後に残った汚いボロカスはどうするかなぁっと)
生気に満ちた笑みが、鋭さを増す。
目標は力を与えてくれる。そこに気持ちの正負は関係ない、絶対量が多ければそれでいい。
ともすれば倒れそうだったキルアも、今だけは身を突き動かす衝動と共生し、
アスファルトを踏み砕かんばかりの力で地面に突き立っていた。
その眼光の先には、獲物がいる。
【B-8/オフィス街/1日目/夕方】
【キルア@HUNTER×HUNTER】
[状態]:やや疲労。精神的に大きく疲労。パタリロへの殺意
[装備]:ブーメラン@ゼルダの伝説、純銀製のナイフ(9本)、
[道具]:基本支給品、調理用白衣、テーブルクロス、包丁、食用油、 茶髪のカツラ
支給品一式(カツオのもの)、天体望遠鏡@ネギま!、首輪(しんのすけ)
太一の遺品(基本支給品、包丁、殺虫剤スプレー、着火用ライター、調理用白衣、
水中バギー@ドラえもん、調味料各種(胡椒等)、フライパン、
コンチュー丹(7粒)@ドラえもん)
[思考]:さて、いつ仕掛けるか
第一行動方針:パタリロを尾行、隙を見て殺しにかかる
第二行動方針:太一を埋葬する
第三行動方針:ゴンを探す
第四行動方針:太一の友人(丈、光四郎、ミミ)を探す
基本行動方針:ゲームには乗らないが、襲ってくる馬鹿は容赦なく殺す
[備考]:
ニアの本名を把握していません(Nという名しか知りません)。
Nの仮説をおおかた信じていますが、Nの人間性を信じきっていません。
死んだカツオのことを「のび太」という名前で認識しました。
グレーテル(名前は聞いていません)を殺したと思い込んでいます。
太一の空のランドセルはタワー一階に放置されています。
【キルア@HUNTER×HUNTER】
[状態]:やや疲労。精神的に大きく疲労。パタリロへの殺意
[装備]:ブーメラン@ゼルダの伝説、純銀製のナイフ(9本)、
[道具]:基本支給品、調理用白衣、テーブルクロス、包丁、食用油、 茶髪のカツラ
支給品一式(カツオのもの)、天体望遠鏡@ネギま!、首輪(しんのすけ)
太一の遺品(基本支給品、包丁、殺虫剤スプレー、着火用ライター、調理用白衣、
水中バギー@ドラえもん、調味料各種(胡椒等)、フライパン、
コンチュー丹(7粒)@ドラえもん)
[思考]:さて、いつ仕掛けるか
第一行動方針:パタリロを尾行、隙を見て殺しにかかる
第二行動方針:太一を埋葬する
第三行動方針:ゴンを探す
第四行動方針:太一の友人(丈、光四郎、ミミ)を探す
基本行動方針:ゲームには乗らないが、襲ってくる馬鹿は容赦なく殺す
[備考]:
ニアの本名を把握していません(Nという名しか知りません)。
Nの仮説をおおかた信じていますが、Nの人間性を信じきっていません。
死んだカツオのことを「のび太」という名前で認識しました。
グレーテル(名前は聞いていません)を殺したと思い込んでいます。
太一の空のランドセルはタワー一階に放置されています。
【B-8/オフィス街/1日目/夕方】
【パタリロ=ド=マリネール8世@パタリロ!】
[状態]:健康、ペンギン状態。ゴキブリ走法中
[装備]:S&W M29(残弾6/6発)@BLACK LAGOON、ペンギンの着ぐるみ@あずまんが大王
[道具]:支給品一式(食料なし)、ロープ(30m)@現実、44マグナム予備弾17発(ローダー付き)
[思考]:二人とも全然見つからん……
第一行動方針:勝手に周囲を調べに行った弥彦を見つけ、追いつく。
第二行動方針:チアキを発見して事情を問い質したい(彼女が藤木殺しの犯人の可能性を疑っている)
第三行動方針:仲間集め。チアキがマトモなら、彼女に弥彦を仲間として紹介したい
第四行動方針:弥彦の持つ首輪を調べたい(道具や設備も確保したい)
第五行動方針:好戦的な相手には応戦する。自分を騙そうとする相手には容赦しない
基本行動方針:ジェダを倒してお宝ガッポリ。その後に時間移動で事件を根本から解決する。
[備考]:自分が受けている能力制限の範囲について大体理解している。
着ぐるみ着用でも普段と同じ行動が可能(変わり身などがある分むしろ強い?)。
偉そうな事を言ったが、弥彦を完全には信用していない。弥彦と簡単に情報交換済み。
よつばと藤木の死の真相について、大雑把にですが勘付いています。
【パタリロ=ド=マリネール8世@パタリロ!】
[状態]:健康、ペンギン状態。ゴキブリ走法中
[装備]:S&W M29(残弾6/6発)@BLACK LAGOON、ペンギンの着ぐるみ@あずまんが大王
[道具]:支給品一式(食料なし)、ロープ(30m)@現実、44マグナム予備弾17発(ローダー付き)
[思考]:二人とも全然見つからん……
第一行動方針:勝手に周囲を調べに行った弥彦を見つけ、追いつく。
第二行動方針:チアキを発見して事情を問い質したい(彼女が藤木殺しの犯人の可能性を疑っている)
第三行動方針:仲間集め。チアキがマトモなら、彼女に弥彦を仲間として紹介したい
第四行動方針:弥彦の持つ首輪を調べたい(道具や設備も確保したい)
第五行動方針:好戦的な相手には応戦する。自分を騙そうとする相手には容赦しない
基本行動方針:ジェダを倒してお宝ガッポリ。その後に時間移動で事件を根本から解決する。
[備考]:自分が受けている能力制限の範囲について大体理解している。
着ぐるみ着用でも普段と同じ行動が可能(変わり身などがある分むしろ強い?)。
偉そうな事を言ったが、弥彦を完全には信用していない。弥彦と簡単に情報交換済み。
よつばと藤木の死の真相について、大雑把にですが勘付いています。
【B-7/タワー内展望室/1日目/夕方】
【ニア@DEATH NOTE】
[状態]:健康、苛立ち
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、モンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL、
眠り火×9@落第忍者乱太郎、タワー内放送用マイク
[思考]:それでも、弥彦が、弥彦さえ戻ってくれば……!
第一行動方針:放送を待つ
第二行動方針:弥彦が首輪を持ってくるのを待って、解析作業
第三行動方針:メロまたは、ジェダの能力を探る上で有用な人物と接触したい
基本行動方針:自分では動かず、タワーを訪れる参加者と接触して情報や協力者を集める
最終行動方針:殺人ゲームを阻止する
[備考]:
盗聴器、監視カメラ等、何らかの監視措置がとられていると考えています。
そのため、対ジェダの戦略や首輪の解析に関する会話は、筆談で交わすよう心掛けています。
ジェダを時間移動能力者でないかと推測しました。
キルアと太一の声・性格を大方理解しました。彼らが首輪探知機を持っていることを知りました。
カツオのことを「のび太」ではないかと誤って推測しています。
[備考]:タワーのエレベーターは、2機とも緊急停止状態で動きません。
【ニア@DEATH NOTE】
[状態]:健康、苛立ち
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、モンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL、
眠り火×9@落第忍者乱太郎、タワー内放送用マイク
[思考]:それでも、弥彦が、弥彦さえ戻ってくれば……!
第一行動方針:放送を待つ
第二行動方針:弥彦が首輪を持ってくるのを待って、解析作業
第三行動方針:メロまたは、ジェダの能力を探る上で有用な人物と接触したい
基本行動方針:自分では動かず、タワーを訪れる参加者と接触して情報や協力者を集める
最終行動方針:殺人ゲームを阻止する
[備考]:
盗聴器、監視カメラ等、何らかの監視措置がとられていると考えています。
そのため、対ジェダの戦略や首輪の解析に関する会話は、筆談で交わすよう心掛けています。
ジェダを時間移動能力者でないかと推測しました。
キルアと太一の声・性格を大方理解しました。彼らが首輪探知機を持っていることを知りました。
カツオのことを「のび太」ではないかと誤って推測しています。
[備考]:タワーのエレベーターは、2機とも緊急停止状態で動きません。
≪172:「最悪」の向こう側 | 時系列順に読む | 174:みんなそう呼ぶから(前編)≫ |
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≪163:Swan Song at Dusk (前編) | キルアの登場SSを読む | 175:第一回定時放送≫ 199:友情×絆=復讐?≫ |
≪162:現場検証 | パタリロの登場SSを読む | 175:第一回定時放送≫ 199:友情×絆=復讐?≫ |
≪167:少し遅い(前編) | ニアの登場SSを読む | 175:第一回定時放送≫ 191:遥かなるワイミーズハウス(前編)≫ |