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「おーい、ハルヒ?起きろー」
さて、俺たちがもとの世界にもどってから、もうかれこれ二時間くらい経っただろうか。
その間、ハルヒは俺を抱き枕にして幸せそうに眠っているわけなのだが、
枕にされてる俺の方はいい加減まずい。こう、いろんな意味で。
それでもハルヒは、
「後、ちょっとだけー」
とか、寝ぼけていらっしゃる。

それから待つこと、さらに一時間。ようやくハルヒが起きた。
がんばった、よく頑張った。俺の理性。ほめてあげたい。
「んー。キョン?なんであたしの部屋にいるの?」
とりあえず周りをよく見てみようか、ハルヒ。
「……?あれ?ここ部室じゃない」
そうだぞ。
「ところで、ハルヒ。いい『夢』見たか?」
「そうね。夢で終わらせるのがもったいないくらいの、いい夢をね」
大丈夫。『夢』で終わらせる気はない。

「ハルヒ。好きだ」
「……!ちょっと!キョン!?」
俺の突然の告白に戸惑うハルヒ。
「俺はずっとハルヒのそばにいるよ」
ハルヒの顔がみるみる真っ赤に染まる。
「もしかして、さっきの、夢じゃ、ない?」
さあ、どうでしょうね。
「バカキョン……」
しばしの心地よい沈黙を楽しむ。
「……あたしもよ」
俺たちは初めて『現実』でキスをした。

それから俺たちはこっそりと部室棟を抜け出し、家路についた。
気がつけばもう外は夜だった。
俺とハルヒは星明かりの下、手をつないで歩いていく。
「ねえ、キョン」
なんだ?
「あたしだってね、あんたがいつも見てるような前向きなあたしだけじゃないのよ?
それでも……それでも好きでいてくれる?」
「そんなとこも全部ひっくるめてハルヒだろう?俺は今まで見て来たハルヒが好きだ。
だからといって、これから見るハルヒが嫌いになる原因にはならない。
むしろ、俺はもっとお前のことを知りたい」
そう、真面目な顔で言ってやるとハルヒは笑った。
「そんなに長々と言わなくていいの。一言『それでも好きだ』って言えば」
「それでも好きだ」
「後出しじゃない!」
いいだろう、別に。嘘じゃない。
「そうね。嘘じゃないなら許してあげる」

そろそろ分かれ道だ。
「あたし離れたくない」
奇遇だな、俺もだよ。
「なら、俺の家にくるか?」
「そうするわ!」
百ワットの笑顔で宣言するハルヒ。

星空の下、俺とハルヒは歩いていく。
いつまでも、いつまでも。
二人一緒に。
<完>


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