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機械知性体たちの即興曲 メニュー

http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html

 

□第一日目/夜

 

朝倉    「さて……また長門さんの様子でも見に行こうかな。どうせ晩御飯食べてないだろうし、今晩もなにか作ってあげるか」

              ピンポーン

朝倉    「長門さん? いないの?」 

              ピンポーン

朝倉    「……変ね。長門さんの個体識別反応は部屋の中にあるのに」
朝倉    「……これは中で何かが起こってると判断するべきか。緊急コード。端末支援システムを経由して、七〇八号室への強制アクセスを実施」

 

    ガチャリ

 

朝倉    「長門さん!? いったいどうし――」

??    「だぁだぁ」

朝倉    「……は?」
??    「ぶーぶー」
朝倉    「……パソコンの前に赤ん坊がいる……」
??    「ばばー」
朝倉    「……まさか。まさかこの子……」
??    「うきゃう!」
朝倉    「長門……さんだ」ガックリ
長門    「だー!」ペシペシ
朝倉    「無邪気な顔で頭を叩かないで……」

 

    十分後

 

朝倉    「……くっ、なにこの卑怯すぎる生物。こんなにちっちゃくなっちゃって」
長門    「うあ」
朝倉    「どうしてこんな体に……? あら。このパソコン……なんか変な表示になってる」
長門    「うー」
朝倉    「ちょっと待ってよ……これってまさか」
長門    「ぶあ」
朝倉    「……変なウイルスに感染したのかな。もしかして、不用意に変なリンクを踏んだとか? でもそれでどうして本体に影響が……」
長門    「ぶー」(不満そう)
朝倉    「……ぶーじゃありません」

長門    「ばぶー」
朝倉    「もしかしてごはん? お腹すいたのかな。指しゃぶってる」
長門    「うまー」
朝倉    「仕方ないわね……ミルクとかでいいのかな」
長門    「うなー」
朝倉    「……ここを離れるわけにもいかないし。彼女に頼むか……」

 

    十分後

 

喜緑    「……で、急に呼び出して、ベビーミルクと哺乳瓶の買い出し要請というのはいったいなんなんです?」
朝倉    「これ」
長門    「だー」
喜緑    「……えーと。この生命体は、なんでしょうか」
朝倉    「もと長門さん。いえ一応今でも長門さんなんだけど」
長門    「あぶあぶ」
喜緑    「……面影は残ってますけど。なんという」
朝倉    「これ、なに? どういうことなの」
喜緑    「主流派の端末の詳細はわたしにもわかりませんが、もしかすると緊急退避システムというものなのかも」
朝倉    「なにそれ……あ、はいよちよち。今すぐにミルク用意してあげるからね」
長門    「ばー」ニコニコ

 

喜緑    「……要するに汚染された部位を、自身の質量と一緒に廃棄してコア部分のみを保全し、再構成したということですね。おそらくですが」
朝倉    「そんな機能があるの、わたしたちに」
長門    「クピクピ」
朝倉    「すっごいお腹減ってたみたい。でもおいしいのかなーこれ……」

喜緑    「実のところ詳細についてはよくわかりません。あなたにも、あちゃくらりょうこというモードが存在していることからの推察にすぎないのですが」
朝倉    「ここまでひどくはないわよ」
長門    「ぶー」
喜緑    「……というわけで、解決策が思念体から提示されるまではバックアップの役目もあることですし、長門さんの面倒はあなたがみるようにお願いしますね」
朝倉    「えー」
長門    「キャッキャッ」

 

朝倉    「……って、さっさと帰っちゃった。ほんとにわたしひとりで面倒みないといけないのか」
長門    「ばぶう」
朝倉    「今度はなんだろ。ああ。着るものもついでに頼んでおけばよかったなぁ」
長門    「……ぶぅ」
朝倉    「あ、眠いの? ごめんね。タオルケットでくるんではいるけど、明日から考えないとね」
長門    「……スウスウ」
朝倉    「寝るのはやっ」
長門    「……スウスウ」
朝倉    「……仕方ない。文句のひとつのついでに支援を頼もうかな」

 

喜緑    『もしもし』
朝倉    「この薄情者」
喜緑    『言いたいことはそれだけですか』
朝倉    「うそですごめんなさい」
喜緑    『おそらく不足物資の要請の電話でしょう? だいじょうぶ。一通りの用具は明日まで用意しておきますから』
朝倉    「さすがー」
喜緑    『ただし。必要経費は急進派持ちで。情報リソースはそちらから引き落としますので、念のため』
朝倉    「ちょ、ちょっと待ってよ」
喜緑    『バックアップでありながら、主導端末にウイルス感染を許すとはセカンダリの役割を果たしていないと判断します』
朝倉    「……ドケチ」
喜緑    『言いたいことはそれだけですか』
朝倉    「嘘ですごめんなさい」

 

朝倉    「はぁー……参ったなぁ」
長門    「スウスウ」
朝倉    「……この寝顔を見たらそんなのどうでもよくなるわよね。ま、いいか」
長門    「ムニャ」
朝倉    「……ふふ」プニプニ
長門    「……ブゥ」
朝倉    「信じられないくらい、ほっぺた柔らかい」

 

朝倉    「じゃあ今日はもう寝ようかな」
長門    「スウスウ」
朝倉    「……ちっちゃいし、軽いなー」
長門    「スウスウ」
朝倉    「人間の子供ってこんななのかな。わたしたちってこんな状態、知らないわけだし。ほんとは」
長門    「……ブー」
朝倉    「……これは、危険な生き物ね、ほんとに」
長門    「スースー」
朝倉    「明日になったら元に戻ってるとか……だったらいいんだけどね」
長門    「ムニュ」

朝倉    「……クス。おやすみなさい、長門さん」

 

 

―第二日目/朝につづく―

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