==刀は望んでいる。より鋭利な見衣を==

 

==刀は欲している。より多くの鮮血を==

 

 

 

 

==安土城==

 

 

 

鬼道丸『…』

 

一刀斎との戦いに於いて手にした妖刀・村正

その紅き力に染まった剣を見つめながら、鬼道丸は考えていた

 

鬼道丸(この刀に精度を搭載する理は無い…しかし容は如何だ?端麗な容とは言え余りにも貧弱…力と対比するに余りに滑稽…この刀、いや剣は一度打ち直す必要を感じる…)

 

 

???『帰ったか鬼道丸』

 

鬼道丸『夢幻坊か…』

 

夢幻坊『信長様を森蘭丸一人に押し付けてまで手にした妖刀…何ぞ不満でもあるのか?』

 

鬼道丸『生きて居られた故問題は無い。今、大殿は何処に?』

 

夢幻坊『美濃の洞窟に籠っておられる。覇王たる力だ…信長様と謂えど扱い難たし…と言った所だろう』

 

鬼道丸『そうか…私は宗兵衛の元へ行く』

 

夢幻坊『妖刀を鍛えることに関しては随一と呼ばれるあの名匠の処へか…』

 

鬼道丸『今暫くの留守を頼む』

 

夢幻坊『雷凰丸にそう伝えておこう。俺は俺で忙しい身なのでな』

 

鬼道丸『…了解した』

 

 

夢幻坊『宗兵衛は相模、か…』

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺はハルヒに山のような忍具を購入させられ、朝比奈さんはお茶の葉を、長門は本を、古泉は吹き矢を、各々が自分の買い物を済ませた時点で宿屋に戻る事になっていた・・・筈なのだが、朝比奈さんも長門も古泉も自分の満足する品を探し出せなかったらしく、結局この日買ったものは大量の忍具だけとなってしまった。

何を買ったのかって?

ハルヒが独断でホイホイ積んでったもんだから俺には全くもってわからん

 

一つだけ確実に言える事は、俺の財布が更に軽くなったということぐらいか・・・

 

 

 

 

 

古泉「とりあえず今日はもう宿屋に戻って休息を取りましょう」

キョン「そうだな、とりあえずお前と朝比奈さんと長門は明日にでも探しにいけばいいさ」

古泉「ええ、明日は朝からもっと慎重に探しますよ」

みくる「あたしも行きますよぉ古泉くん」

長門「だめ」

みくる「ふえ?」

長門「いっくんは私と一緒」

みくる「そ、そうでしたね。私は一人で探しますからいいです・・・」

キョン「おい長門、朝比奈さんだって仲間だぞ?三人で一緒に行けばいいだろう?」

長門「いっくんと二人でデートする」

キョン「あのな…仕方ない。朝比奈さん、明日は俺と一緒に探しましょう」

ハルヒ「あたしも一緒に行くわ。みくるちゃん」

朝比奈さん「キョンくん…涼宮さん・・・ありがとうございますぅ・・・ふえっ・・ううう・・」

キョン「な、泣かないで下さい朝比奈さん」

ハルヒ「有希~」

長門「・・・・ぷい」

ハルヒ「全くこの子は・・・」

 

 

 

町の女商人「きゃあー!!」

 

 

 

キョン、ハル、古、長、みく「!?」

 

キョン「今向こうの方で声が聞こえなかったか!?」

古泉「何かあったようですね。行ってみましょう」

 

 

 

 

武士A「俺達にこんなパチモン押しつけやがって!!ふざけんなよこのアマぁ!」

女商人「パチモンなんかじゃありませんっ…ちゃんとした短刀です!」

武士B「口答えする気か!?殺すぞおらぁ!?」

女商人「・・・・っ」

武士C「おい!こいつやっちまうか?」

武士D「そりゃいいな!」

武士A「よし、服をぬがせろ!」

 

 

キョン「なんだ周りの奴らは?見て見ぬふりか?」

古泉「干渉することを拒んでいるように思えます」

ハルヒ「なんって腰の抜けた町民たちなの!?こうなったらアタシ達が止め…」

 

 

ドキュゥン!!!

 

 

???「やめたまえ君達」

 

 

みくる「じゅ、銃声ですぅ!ふええっ」

古泉「音から察するに短筒…それも最新式のものです」

キョン「あいつが撃ったのか…」

 

 

短筒を肩に抱えているその男は、長身でクールな雰囲気を装い、目に妙なものを掛けていた

 

 

 

武士B「なんだてめえは?武士たる俺様達に短筒を向けるとは何事だ!?」

 

???「君達が武士だと?私には下郎にしか見えん。武士とは誇り高き雄の名を指す」

 

武士A「こいつ死にたいらしいな?いいだろう、殺してやるぜ…てめえら周り込め!!」

 

 

四人の武士達は短筒を持つ男の四方に周り込んだ

  

 

武士A「この距離ならお得意の短筒も使えねえんじゃねえか?」

 

???「ふん、愚かな」

 

武士D「こいつっ」

武士A「…いいだろう、てめえらかかれっ!」

 

武士B、C、D「おおおおおお!!」

 

 

???「はっ!」

 

 

クールな男は、武士が無造作に振り下ろす剣を華麗に交わし中段蹴り、回し蹴り、上段蹴りと三人の武士に攻撃を尽く命中させる。

三人の武士は気絶し、その場に倒れ込んだ

 

 

武士A「ひっ…」

???「次は君の番だ」

武士A「み、見逃してくれぇ」

???「残念だがそれは不可能だ。私の拳足を叩き込み、その曲がった性根を正してくれよう」

武士A「ひ、ひいいいっ」

 

 

???「そのぐらいにしておきましょう」

 

 

俺達が後ろを振り返ると、今度は非常に可愛らしい少女がそこに立っていたー

この子も中々のもんだー

これも相模美人と言うのだろうか?いやいや、格好からして旅のお方か?

しかし服装がどことなく古泉に似ているのが何とも悔やまれる

 

 

???「しかしだね、喜緑君」

喜緑さん「私は外傷を与えて自分の行為を改めさすより、こっちの方がいいと思うんです」

 

 

その可愛らしい少女(クールな男いわく喜緑さんと言うらしい。可愛らしい名前だ)は何やらブツブツと唱え始めた

するとが武士のやつが何やら悶え苦しみ始めたじゃないか

そして武士の周りには黒い何かが見える。

これはまさか・・・

 

古泉「呪術、でしょうね。しかし式神とも仙術とも違う…彼女はどうやら飯綱使(いづなつかい)のようです。」

 

 

喜緑さん「この世に留まりしこの世たらざる者、この愚かしい者に断罪を与えなさい」

 

武士「うっうぎゃああああああああああああああああああああああああああうああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」(おっ俺の頭の中を何かが食いちぎってっ…)

 

 

キョン「あれはなんで叫んでいるんだ」

古泉「おそらく幻覚を見ているのでしょう。成程、確かに肉体的な罰より精神的な罰の方が、より一層効果的ですからね」

 

 

???「よし片付いたな。行くぞ喜緑くん」

喜緑さん「あん、待って下さいよぉ」

 

未だに大声を上げ苦しみ続ける武士を尻目に、その二人はこの場を去って行った

 

 

 

 

キョン「さっきお前が言ってた飯綱使ってのは一体なんなんだ?」

古泉「まず初めに『道士』とは何のことかご存知ですよね?」

キョン「強力な術を駆使する奴らのことだろう?」

古泉「まあ、そのような者です。術を中心とした戦闘体系を取ります」

キョン「現にお前がそうだしな」

古泉「次に『道士』は陰陽師、方士、飯綱使に分けられます」

キョン「陰陽師は式神、方士は仙術だったな」

古泉「その通りです。そして飯綱使とは神通力を手に入れ、妖術使いとなった者のことを指します」

キョン「それで、あの麗しい御方はその飯綱使とやらって訳か」

古泉「ええ、彼女は間違いなくそれです」

キョン「そうか…飯綱使でも何でもいいからもう一度お会いしたいもんだー」

古泉「涼宮さんに聞かれたても知りませんよ僕は」

キョン「う…」

 

 

 

 

俺達五人は宿屋に戻ると、一日の疲れを取るべく温泉に入り夕食を取る事にした。

 

相模宿屋の女将「本日は宴会所の方で晩餐をお願い致します」

ハルヒ「なんでよ?部屋まで持ってきてくれないの?」

キョン「宿屋によって違いがあるんだろう。文句を言うな」

ハルヒ「まあ、それもそうね」

 

 

==宴会所==

 

ハルヒ「へー結構広いわね!」

キョン「だが客は余り入っていないようだな」

 

 

二十畳ぐらいある広間に机が六個

宿屋の宴会所にしてはまあまあ広い方である

 

俺達五人は奥の席に座り、とりあえず酒を注文した。

ちなみに席は、俺・ハルヒ・朝比奈さんが隣同士、古泉・長門が隣同士ってな感じだ

この席順は無論、長門の要望である

 

 

 

ハルヒ「それにしても相模は高いのよ!売り物にしても宿屋代にしても!」

キョン「ハルヒよ。もう少し小さな声で頼む」

ハルヒ「しっかも激安とか言ってる商人がいるから行ってみたら何よあれ!普通に伊勢の方が安いってもんだわ!本当にどうかしてるわよ!!」

キョン「だ、だからもう少し小さな声でな…」

ハルヒ「あーもうむっかつくー!!」

古泉「僕達が周ったのはほんの一部ですし、明日は北の市場を中心に周ってみましょう」 

ハルヒ「そうね。もしかしたら単に南の市場が高かっただけかもしれないし」

みくる「そうですよぉ!有名な商業港なんですからもう少し安いはずですぅ!!」

 

 

???「そんなことは無い。この城下町は単に各地から商人が集まってくる事で有名となっただけで在って、売値が安いと言う可能性は非常に考えにくい」

 

ハルヒ「まだ分らないわよ!もしかしたら…ってかアンタ誰よ?」

 

 

俺達が声の方を振り向くと、そこには変な物を目にかけているクールな男と、かわいらしーい少女がにっこりと微笑んでいた

 

古泉「おや?あなた方は夕方見た…」

???「夕方?ああ、あの成って無い武士達を少々教育していた場面かね?」

古泉「ええ、そうです。中々素晴らしい腕を御持ちのようで」

???「あんなものは余興にすらなるまい。それより話の続きだが、相模は品数の町だ。商品自体の安さを求めるなら、安芸や出雲の城下町辺りが良いだろう」

古泉「これは耳寄りの情報を有難う御座います。」

ハルヒ「ふうん、そうなのね・・・」

みくる「めもめも」

 

キョン「それより貴方達は何者なんです?あの体術にしろ幻術にしろ、それから…」

古泉「短筒、ですね」

キョン「そう、それだ」

 

???「私達は全国を旅して周っているものだ。とある理由があってな」

 

 

 

 

  

喜緑さん「私の名前は喜緑江美里と申します。こっちの方は眼鏡の人とでも呼んであげてください」

 

ハルヒ「アタシは涼宮ハルヒ!あっちの美少女がみくるちゃん。カッコイイのが古泉君。可愛らしい子が有希。マヌケ面がキョンね」

 

その自己紹介には聊か抗議を行いたくもあるが、ここは抑えておこう

喜緑さんも朝比奈さんもいるしな

 

 

ハルヒ「ところでメガネって何よ?」

喜緑さん「南蛮の方で流行している商品で、あれを掛けると物がよく見えるんですよ」

ハルヒ「へー。面白そうね」

 

 

眼鏡の男「言っておくが、この眼鏡は貸さんぞ。本題に戻るが、私は自分の名前を探して旅をしているのだ」

キョン「名前…ですか?」

眼鏡の男「ああ、私は二年前以降の記憶が無くてな。その記憶を見つけるべく、私は黄緑君と共に旅を続けている」

古泉「なるほど、二人で各地を旅してきた訳ですね。それならば、あの実力も納得は出来ます」

 

喜緑さん「貴方達は何故旅をしているのですか?」

キョン「目標がありましてね。そんな大層なもんじゃないですよ~えへえへ」

ハルヒ「キョン?何をデレデレニヤニヤしてるの?」

キョン「そっそんなものはお前の見間違いだ!!俺は決して黄緑さんと一つに成りたいなどと言う不純なことは考えていない!」

 

 

ハルヒ「へぇ…そんなことを考えていたの?」

 

 

 

しまった!なんというミスを犯してしまったんだ・・・

フロイト先生も爆笑だっぜ☆

 

 

 

 

ハルヒ『『キョンの…バカぁー!!!!!!!!!!』』

 

 

 

 

 

 


|