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「あの…何をしているのですか?」
「着いた?」
…。
…。
…???
…。
…。
状況がわかりませんか?
僕にもさっぱりわかりません…最初から振り返りましょう。
…。
…。
…。
この日はSOS団の活動は急遽中止となり(涼宮さんの用事の為)早めに帰宅しました。
部屋でのんびりテレビを見ている時に…それは来ました。
…。
ピンポーン
…。

「こんにちは、お届け物です。」
…。
…。
…。
「サインをお願いします。」
「ご苦労様です。」
「いえいえ、それでは。」
…。
…。
珍しいですね、宅配便です。
大きなダンボールが二つ…機関からでしょうか?
差出人を見てみると…長門さん?
中を見てみると…。
…。
…。
「あの…何をしているのですか?」
「着いた?」
「着いたと言うか…ここは僕の部屋ですが…とりあえず出て来て下さい。」
…。
彼女は…長門さんは頷きダンボール箱から出てきた。
しばらく僕と長門さんは見つめ合う…そして長門さんは口を開いた。
…。
「古泉一樹、しばらく泊めてもらいたい。」
「…へっ?」

…。
…。
…。
…。
「帰ったら部屋が焼けていた!?」
「そう。」
…。
長門さんの隣の住人が火の不始末により小火を起こしたそうで長門さんの部屋も軽く焼けてしまった…との事らしいです。
「それは災難でしたね…。」
「業者が入り修繕にしばらく掛かる。
だから泊めてほしい。」
…。
…しかし…それは。
…。
「長門さん。」
「なに?」
「何故に僕なのですか?」
…。
この場合、涼宮さんか朝比奈さんの方が良いのでは…?
…。

「涼宮ハルヒは…観察対象に近づきすぎるのは危険と判断した。」
「なるほど。」
「それに……私でも疲れる…。」
「……わかります。」
…。
さすがの長門さんも涼宮さんと四六時中一緒に居るのは疲れるのですね…。
…。
「朝比奈みくるは…彼女は私と居ると落ち着かない。気の毒。」
「そうかもしれませんね。」
…。
「だから古泉一樹、あなた。」
…。
話は分かりました…しかし…。
…。
「彼の家という手もあるのではないですか?」
…。

彼は家族と同居なので…間違いは起こらないでしょう。
…。
「…………。」
…。
…。
しばらくの沈黙の後彼女は口を開いた。
…。
「迷惑?」
「いや…迷惑と言うか…。」
「…迷惑ならいい。」
「え?」
「帰る。」
…。
長門さんはそう言って背を向けた。
…。
「ちょ…帰るって…待って下さい!」
…。
…ガサガサ
…。
「…って、なんでそこでダンボール箱の中に戻るんですか?それはおかしいでしょ?ねえ、長門さん?」
…。
長門さんはダンボール箱の中に入りふたを閉めた。
…。

「…長門さん、出て来て下さい。」
「……。」
「長門さーん。」
…。
…。
「……。」
…。
長門さんはふたを開け箱から首だけ出した。
…。
「なに?」
「いや、なに?…じゃなくて…別に迷惑な訳ではありません…ただ…。」
「ただ?」
「……僕は男ですので…もしも間違いでも起こったら…。」
…。
やはり1人暮らしの男の所に女の子が泊まるのは…色々問題が…。
…。
…。


…。
「間違いってなに?」
「…いや、ほら…年頃の男女が…。」
「間違いってなに?」
「…あの…ですから…。」
「間違いってなにが起こるの?」
「……。」
「間違いってな…」
「わかりましたー!どうぞ泊まって下さい!だから勘弁して下さい!!」
…。
僕の敗北宣言に長門さんはしばらくの沈黙の後言った。
…。
「世話になる。ありがとう古泉一樹。」
…。
…。
…そんなこんなで長門さんを数日間泊める事となりました。
…一体どうなる事やら。
…。
…。
…。

僕は1人でワンルームマンションに住んでいます。
冷暖房も完備で特に不便は無いのですが…。
「古泉一樹。」
「なんですか?」
「こたつ…。」
「こたつ…ですか?」
暖房にホットカーペット…寒くは無いと思いますが…。
「……。」
…。
長門さんは無言で僕を見つめる…。
…。
「あいにくですが…こたつは持っていません。」
…。
僕の言葉に長門さんは…
…。
「そう、でも問題無い。」
…。
長門さんはそう言ったあと、自分と一緒に送って来たダンボールに向かい何かを…あっ…それは…。
…。
「これで良い。」
…。
テーブルがどかされこたつがセットされた…。

…。
「あとこれ。」
…。
こたつの上にみかんが置かれた。
…。
…。
長門さんを見ると…満足げな顔をしている…。
こたつにみかん…これが長門さんのジャスティスなのですね…ってかわざわざ持って来るとは…。
…。
…。
そんな訳で今長門さんとこたつで向かい合わせに座りお茶を飲んでいる。
…。
…さて、思わぬ展開によりスルーしていましたが…そろそろ聞きますか…。
…。

「長門さん。」
「なに?」
「なぜ宅急便で送られて来たのですか?」
「あなたの住所は知っていたが正確な場所は知らない。それに荷物もあったのでついでに。」
「自分も送ってもらったと?」
「そう。」
「…操作しました?」
…。
宅配便の人を操作して自分を送らせたのでしょうか…?
しかし長門さんは首を振り…。
…。
「してない。」
「へ?」
「普通に送ってくれた。」
「…何故箱に?」
「箱に入れば良いと。」
…。
彼女は箱を指差し……箱には『生物(なまもの)』とシールが貼ってあった……。

…。
「……長門さん。」
「なに?」
「どこの営業所から送ってもらったか教えていただけますか?」
「何故?」
「小一時間ほど問い詰めたい事がありまして…。」
「そう…。」
…。
「さて、僕ちょっと出かけてきます。」
「そう。」
「すぐに戻りますから長門さんはのんびりしていて下さい。」
「了解した。」
…。
さて、向かうはミケ猫宅配便営業所…問い詰めねば。
…。
…。
…。

「全く何が
『可愛かったからつい…』
ですか…可愛いのには同意しますが…。」
僕は宅配便営業所の人を小一時間ほど問い詰めた後、自宅に向かっていた。
そう言えば…夕食どうしましょうかね?
ピザか何かでも取りますか…。
…。
…。
「ただいま戻りました……えっ!?」
「お帰り、古泉一樹。」
…。
…部屋が…輝いている…。
…。
「長門さん、これは?」
「感謝を形にした。」
…。
部屋の中が綺麗に掃除されていた。
いやいや誤解しないでいただきたい。僕は結構綺麗好きなので部屋は常に綺麗にしているつもりなのですが…これは…。
…。
「お見事です…素晴らしい。まるでモデルルームみたいにピカピカじゃないですか…ありがとうございます。」
「礼は要らない。世話になるから当然。」
…。

それにしても素晴らしい……あれ?
…。
机の上に…この本は…。
…。
「…あ…あ…。」
「ベッドの下は特に念入りに掃除した。」
…。
机の上に綺麗に置いてあったのは年頃の男ならば誰もが持つ例の本…長門さん…あなたどこのお母さんですか…orz
…不幸中の幸いにも本棚の裏のアレは見つかって無いみたいですが…。
…。
「安心して。」
「長門さん?」
長門さんは打ちひしがれた僕の肩に手を置き優しい声で言った。
…。
「本棚の裏のDVDはそのままにしておいた。」
…。
…。
…何を…安心しろと…orz

…。
…。
ん?…僕だって年頃の男です。別に持っててもかまわないじゃないですか…。
……はぁ…orz
…。
…。
「古泉一樹。」
「…今度はなんですか?」
「あなたのベッドの上にこれがあった。」
…。
そう言って長門さんが出したのは…定規?
…。
「何故ベッドの上に定規があるの?」
「さぁ…おそらく何かに使ったのがそのままになっていたのでしょうね…。」
「ベッドの上で何を測定していたの?」
「いや、何でしょう…覚えがありません。たまたま置いてあっただけでしょう。たまたま。」
…。
…。
「…そう…たまたまを測定…。」
「ちちちち違違違います!!!!!」
…。

…。
何でそうなるんですか!!
絶対そんな事はありません!断じて!!
…。
「長門さん…それは素ですか?ジョークですか?」
「ジョーク。」
「…またブラックな。」
「ユニーク?」
「…はい、おそらく外から見たらユニークでしょうね。」
「そう。」
…。
なんですかその満足げな顔は…。
…。
…。

…気を取り直さねば。
…。
「長門さん。」
「なに?」
「夕食どうしましょうか?ピザでも頼みますか?」
…。
しかし長門さんは首を振り言った。
…。
「私が作る。」
…。
ー!?
…。
「…いやいやいや…長門さんはお客さんですからそんな…。」
「肉じゃがを作る。」
…。
…聞いていませんね。
しかしまたこの流れですか…いい加減にしつこいと言われそうな気がするのですが…。
…。
「もう仕込みは済んでいる。」
「…肉は…何を?」
「大丈夫。ミノタウロスは使わない。」
…。

長門さんはそう言ってキッチンへと向かって行った。
…でもミノタウロスを使わないのならば…いや、安心は出来ない。
…。
ーー!?
…。
ははははは、窓と扉がいつの間にか無くなってますね…逃がさないつもりですか…くっくっくっ…笑うしか出来ませんよ…ええ…。
…。
トントントン…。
…。
…?…チェーンソーや機関銃の音がしませんね…アパムに弾を要求する声も…。
…。
…様子を見に行っても良いですかね?
…。
僕は包丁が飛んで来ない事を祈りつつキッチンへ向かった。

…そこには普通に料理をしている鎧姿では無く普通のエプロン姿の長門さんがいた。
…。
「なに?」
「…いえ、何かお手伝いでも。」
「いい、もうすぐ出来る。あなたは座ってて。」
「あ…はい‥。」
…。
…普通‥ですね。
…。
…。
「出来た。」
…。
長門さんは大皿に肉じゃがをたっぷり乗せて来ました…何人前あるのでしょう‥。
…。
「ご飯もいっぱい炊いた。」
…。
おやおや、炊飯器も持参ですか…これってあきらかに業務用ですよね?一度に一体何升炊けるのでしょうか‥。
…。

長門さんはテキパキと肉じゃがを小皿によそい、ご飯を……これ何盛りですか?
昔何かで……!?
そうだ!日本まんが昔話!
…。
…。
「食べて。」
…。
…この時が来ましたか‥。
見た目は…普通の肉じゃがですね‥むしろ美味しそうです。
香りは…肉じゃがの甘い食欲をそそる香りが‥。
問題の味は……手が動きませんね‥僕にもマッスルメモリーが来ましたか‥。
…。
頑張れ!頑張るんだ古泉一樹!!ミノタウロスは入って無いんだぞ!
どの道逃げる事は出来ないんだ!
さあ‥動け我が手よ!!
…。

長門さんを見るとジッと僕を見つめている…頑張れ‥僕‥。
…。
…。
…パク
…。
………美味しい!?
…。
「…長門さん‥。」
「…どう?」
「美味しいです!はい!物凄く美味しいです!」
「そう、良かった。」
…。
これが本当の長門さんの実力ですか…あれ?
…。
「古泉一樹?」
…。
…涙が…思い返せば最初は長門さんの部屋で彼と朝比奈さんと3人で…地獄を見ましたね…。
次は部室で…激しい戦いでした…。
…。
…。

「長門さん、素晴らしいです!」
「もっと食べて。」
「はい!」

…。
…それにしても本当に美味しい。
…。
「長門さん、この肉は何ですか?」
「美味しい肉…ところで話は変わる。昨日シャミセンがうちの近くまで来ていた。」
「唐突ですね…シャミセンですか?」
「そう、部屋に連れて行った。」
「部屋に…。」
「肉じゃが美味しい?」
「…美味し……!?…まさ…か…シャミ…セン‥。」
「シャミセンはその後彼の家に連れて行った。」
「…はい?」
「この肉は牛。」
…。
…。

「…長門さん‥。」
「ジョーク。」
「黒すぎます!」
…。
…。
そんなこんなで結局2人で大量の肉じゃがを食べ尽くしました…美味しかった。
…。
後片付けを2人でしている時です。
…。
「しかしいつもながら惚れ惚れとする食べっぷりですね。」
「そう?」
「ええ、将来の旦那さまは苦労するかもしれませんね、ふふふっ。」
「心配いらない。情報操作は得意、お金の心配は要らない。だからあなたが苦労する事は無い。」
…。
そうですか、さすが長門さんですね……………って……はい!?
…。
…。

…。
今、長門さんはお風呂に入っています。
……やはりそうなのでしょうか?
…いやまさか‥でも最近の長門さんの僕に対する懐きっぷりは…。
…。
ガチャ
…。
長門さんが上がった様です。
…。
パジャマ姿ですね…猫柄ですか。
…。
「次入って。」
「はい。」
…。
…。
「…ふぅ。」
ゆっくり湯船に浸かるとやはり気持ちいい。
…これからどうなるのか。
…。
…。
風呂から上がると…長門さんはこたつに入りテレビを見ていた。
BSの洋画…ETですか?古い洋画ですね。

彼女は食い入る様に見ている…。
…。
「長門さん。」
「なに?」
「面白いですか?」
「興味深い。」
…。
それからしばらく2人でETを鑑賞しました。
…。
今の場面はETを自転車のカゴに乗せ空を飛んでいる所です。
…。
「古泉一樹。」
「なんですか?」
「自転車…。」
「持ってませんしあなたをカゴに乗せるつもりはありません。」
「……そう。」
…。
…残念そうな顔は止めて下さい長門さん。
…。
…。
終わりましたか、良い映画でした。
…。

「古泉一樹。」
「はい?」
…。
長門さんが人差し指を僕の方へ向けた。
ああ、分かりました。
…。
「はい。」
…。僕は人差し指を長門さんの指にくっつけた。
…。
「……ニコ♪」
…。
ー!?
…。
なんですかその笑顔は?なぜ顔を赤らめるのですか!?
…。
「長門さん、これは何の儀式なんですか!?」
「ニコニコ♪」
「ねぇ!長門さん!」
…。
…。
…結局聞けませんでした。

…。
…。
「さて、そろそろ寝ますか。」
「コクン。」
…。
明日も学校です。
そろそろ寝ないと。
…。
「長門さんは僕のベッドを使って下さい。」
「あなたは?」
「僕はソファーで寝ます。」
「駄目。」
…。
長門さん?
…。
「ここはあなたの部屋。あなたがベッドで寝るべき。」
「いやいやお気になさらず。」
「駄目あなたが。」
「いえ、長門さんが。」
…。
…。
…。

~キンクリ発動~
…。
…。
……何故こうなった?
今僕は長門さんと2人でベッドに入っています。
…。
振り返りましょう。
…。
~回想~
…。
…。
「長門さん、女性をソファーに寝かせて自分がベッドに寝るなんて僕には出来ません。」
「…そう。良い方法がある。」
「なんですか?」
「このベッドは通常より大きい。」
「…はい?」
「2人で寝れば良い。」
…。
ちょ!!
…。
「それは…まずいですよ。」
「…嫌?」
「そんな訳では無く…。」
「ならいい…。」
…。

彼女は立ち上がり…長門さん?どこに?…。
長門さんはまたダンボール箱に向かい…何を書いているのですか?
え?…ひ…ろ…っ…て…く…!?
…。
「長門さん!何書いてるんですか!?
『拾って下さい』
って…ねぇ!!」
「迷惑なら仕方ない。」
「分かりましたから…。」
…。
…。
…。
~回想終わり~
…。
…そんな訳です。
…。
…。

隣に長門さんが居ます。
僕だって健全な普通…ではありませんが16才です。
…正直たまりません。
…駄目だ駄目だ。
落ち着け俺!俺の…じゃない僕の精神力はこんなに弱くは無い!
そうだ落ち着け!
素数でも数えて落ち着くんだ!
…1…3…5…7…9…11…。
…。
「それは奇数。」
「ああそれは失礼を…って!?」
…。
長門さんは僕を見つめていた。
…。
「長門さん?」
「なに?」
「あなた…心を読めるのですか?」
「読めない…あなたは口に出していた。」
「はい!?」
…。

…どうやら心の中で言っているつもりが口に出していたみたいです……死にたい‥。
…。
「あの長門さん…これは…その‥。」
「大丈夫。私はあなたを信頼している。」
…。
…。
…信頼ですか。ははっ、それを言われたら‥。
…。
…。
…。
「長門さん。」
「なに?」
「明日はSOS団の活動はありますかね?」
「多分。」
「明日こそ彼に将棋で勝ちたいですね‥。」
「頑張って。」
「はい。では寝ましょう…お休みなさい、長門さん。」
「お休み、古泉一樹。」
…。
…僕は瞳を閉じた。
…。
…。
…。


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