「二人のハルヒ 第1部」

今の季節は、夏である。
夏休みまで、あと少しなので生徒達もハイテンションになるようにケージ溜めてる所だろう。
俺は、今、あり得ない事が起きてしまった。
疲れてるのは俺か?世界か?
こういう時は、「あ、ありのまま起こった事話すぜ!」と使うんだろうな。
その理由は、今から30分前である…。

俺は、いつものように学校が終わり、部室へ向かった。
毎度ながら、部室の前でノックする。
これ社会人として重要なマナーだぜ!
「どーそ!」
やけに、声が高いと言う事はハルヒがいるって証拠だが…。
俺は、見てしまった…凄いの見てしまったのである。

入ると、団長席にハルヒがいる…訳だが。
何が雰囲気がおかしい。
取りあえず、声掛けてみる。
「どなたですか?」
と言った途端、その人は立って俺の所へ来やがった。
「あ、キョン!あんたはキョンなんだよね!」
いきなり、俺の事を呼び捨てされた。
よく見ると、20代ぐらいの綺麗な女性で、教師っぽい服装を着て、頭に黄色いカチューシャを付けてる。
どっかで会った事あったっけ?
「あのー…俺は、あなたと会うのは初めてなんですけど」
「ん?あー、ゴメンゴメン!」
本当に、テンション高い女性だな。
「私は、未来からやって来た涼宮ハルヒよ!」
…WHY?俺の頭がおかしくなったのか?
えー、こういう時は…Who are you?
「だーから、「未来からやって来た涼宮ハルヒよ」って言ってるの!分かる?高校のキョン君!」
な、な、何だってー!つまり、この時代のハルヒは高校1年。
そして、今、俺の目の前にいるのは未来からやって来たハルヒである。

普通は朝比奈さん(大)が出てきてもおかしくないのに、何故か未来のハルヒがここにいるんだ?
ここの時代のハルヒをハルヒ(小)で、目の前にいるハルヒはハルヒ(大)しておこう。
「えーっと、何でハルヒさんがここに?」
ハルヒ(大)をさん付けするのは変だが、仕方ない…相手は年上だからな。
「…実はね、みくるちゃんが風邪引いちゃっててさ、みくるちゃんの代わりにここへ来たの」
はぁ、朝比奈さん(大)が風邪って珍しいですねぇ。
「まぁーね、みくるちゃんとは古い友達だから断りにくいからね」
それはそれでいいとして、何故、朝比奈さん(大)は未来人だと知ったんですか?
「ん、時が来れば分かるけどね!古泉君の正体…有希の正体も分かるよ」
「そうですか…」
『時が来れば』って事は、いつかバレるんだな…。

「さてと、カチューシャを外してポニーテールするわ、あんたはポニーテール萌えなんでしょ?」
Yes、そうですよハルヒさん。
ハルヒ(大)は、カチューシャを外してポニーテールした。
今のハルヒ(小)よりハルヒ(大)の方が綺麗ですなぁ…。
と感心してる内に、ハルヒ(小)がやって来たのである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・


で、今至る…。
「やっほー!皆、いるー?」
相変わらず、声が高いハルヒ(小)である。
「あれ?キョン、この人…誰?」
ハルヒ(大)がいる事に気付いたハルヒ(小)。
どうやって、誤魔化すか…。
「えー…この人は…」
と言ってる内に、ハルヒ(大)が言った。
「始めまして、私はキョン君の従姉の鈴見ハルカって言うの!訳があって、ここへ来たの」
流石、嘘も上手いな…ハルヒ(大)よ。
「そうなの?…あたし、涼宮ハルヒ!ここの団長よ!よろしくね!」
いきなり、丁寧語無しか?ハルヒ(小)よ。
「ふふふ…」
ん?どうしたんですか、ハルカさん
「んー、ハルヒちゃんって可愛いわねぇ!いじめたくなるわぁ~」
と、ハルヒ(小)の胸にわしづかみした。
「わわわわ!何するのよ!」
「んー、ちょっと…私より小さいわねぇ…可愛いから、いじめたくなるわぁ!」
この性癖は変わってないな、ハルヒ(大)は。
「わぁ、ち、ちょ、ちょっと待っ…、コラ!キョン!見るな!」
わしづかみされるハルヒ(小)、わしづかみするハルヒ(大)。
変な光景ですな、フロイト先生。
とにかく、止めさせよう。
目のやり場が困るからな。
「ハルカさん、もうやめたらどうです?」
「ん、あ…ゴメンゴメン!私、可愛い子がいるとつい…」
ハルカさんは、ちょぴっと舌を出して、手で軽く自分の頭を叩いた。
それ、反則です!ハルカさん!
「あー、吃驚した…」
「ゴメンね、ハルヒちゃん」
「う、うん…許すわ」
しかし、何でしたのだろうか。
ハルヒの目を盗んで、聞いてみた。
「ハルヒさん…何でしたんです?」
と、俺は小声で言った。普通の声で言うとバレるからな。
「ん、何か…昔の私を見ると、何かムカついててさ…」
そうですか、ハルヒ(大)はもう大人になってる。
確かに、昔の自分がバカな事をして来たから、今思うとムカツクと言う気持ちは分かるな。
「とにかく、ハルヒを嫌がらせしないで下さいよ」
「分かってるわ、この時代の私は隠れた能力あるからでしょ?」
これは驚いた。ハルヒの能力も知る日が来るのか…。

この後、古泉、朝比奈さん、長門が来た。
皆が集まった所で、ハルヒが元気良く…
「さぁ、SOS団ミーディング開始よ!」
と言った。
内容は、明日は土曜日であり、不思議探しを行われる事になった。
「キョン!明日9時に集合よ!来なかったら、死刑よ!」
やれやれ…やっぱ俺の奢りだな、これは…。
「ハルヒちゃん、ちょといいかしら?」
と、ハルヒ(大)が言った。
「何?ハルカさん」
「明日…私も来ていいかしら?」
ハルカさん、何言ってるんですか。断るに決まってますよ。
「んー…そうね、来ていいわよ」
何ですと?俺の従姉なのに?(そう言う設定になってるけどな)
「いいじゃない、一人二人増やしても構わないわ」
と言いつけ、ミーディングが終わった。

帰り道、ハルヒ(大)と一緒に歩いている。
「どう言う事です?ハルヒさん」
「ん、何か?」
ハルヒ(大)は、懐かしそうに周りを眺めてる。
「何故…不思議探しに参加するのです?」
「懐かしいからよ…それに、やらなければならない事あるの」
「やらなければならない事って?」
「それは…やっぱ、みくるちゃんがよく言う「禁則事項」って事かな?」
「そうですか…」
「でも、この時代の古泉君や有希なら知ってると思うわ」
「分かりました…」
しかし、大人になったハルヒは綺麗だな。
ふと、気になった事あるので、聞いてみようか。
「二つ質問あります」
「何?」
「結婚してますか?」
「ん、結婚してるわよ」
「そうですか…もう一つは、あなたは何歳ですか?」
「あはっ、禁則事項よ」
ハルヒ(大)の指が俺の口に当て、ウインクした。
ぬぅっ、こりゃ9999ダメージで即死だな。
「じゃあ、私は有希のマンションで泊まるわ」
「あ、はい」
「本当は、あんたの家で泊めたがったけどね…」
泊めてもいいですよと言いたい所だが、親にどう説得してくれるか分からないからな。
「じゃ、まだね」
と言いつけ、解散した。
やれやれ…明日は、どうなるんだろうな…。

次の日

予想通りに、俺は遅刻してしまった。
「遅い!10分遅刻!奢り!」
朝から大声で言うな…ハルヒよ。
「やっほ、やっぱ…遅刻したのね」
ハルカさん、笑わないで下さいよ。
「ゴメンね、キョン君の代わりに私が奢ってあげるわ!いいでしょ?ハルヒちゃん」
ありがとうございます、ハルヒさん。
「ここはバカキョンが奢ってあげるべきよ!」
ハルヒ、お前は鬼だ!裁判に訴えるぞ!
「それでも、今回は私が奢ってやると言ってるから、いいじゃないの」
色々、話した結果…ハルヒ(大)が奢る結果となった。
後で、お礼言わないとな。

「さ、いーっぱい食ってなさい!」
「あのー…」
「何?キョン君」
「ここでいいんですか?ここ、金高いですよ?」
そう、ここは、金が高い高級レストランである。
「いいじゃないの、私は大人なんだから!金に余裕あるわよ」
「いいんですか、じゃ言葉を甘えていただきましょう」
おぃ、コラ!古泉、勝手に話を進めるな。
「ふぇ~、いいんですかぁ?」
「いいのよ、ハルカさんの奢りだからね」
遠慮って言葉知らんのか、ハルヒよ。
「ひひんひゃはいほ(いいじゃないの)」
食ってから言えよ、食ってから。
さて、長門は…。
「……(ヒョイ パクッ ヒョイ パクッ」
こいつも、遠慮って知らないのか…。
目から汗が出て来たような気分だ。
…俺も食べるか。

合計 12000円也

理由:ハルヒと長門、注文し過ぎ

流石、ハルヒ(大)も呆然したみたいだ。

「キョン君」
はい、なんですか?
「実はね…この時代にいる事にしたのよ」
WHY?
「昨日、みくるちゃんの上司から、そう言われたの」
マジですか?
「と言う訳でよろしくね」
はははは…ハルヒが二人…ハルヒが二人…
「キョン君!?ちょっと、しっかり!」
「どうしたの、ハルカさん…キ、キョン!どしたの!?真っ白になってるわ!」


ハルヒ、二人いるじゃねぇか…
こりゃ、疲れが増やすだけだろ…
  海…いや、朝比奈さんの上司のバカ野朗ーろーろー…(エコー)

こうして、ハルヒ(小)とハルヒ(大)がいる生活が始まったのである。

第1部 完


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最終更新:2007年01月15日 06:51