「二人のハルヒ 第2部」

さて、土曜日の不思議探しは無事に終わって二日後…つまり、月曜日である。
あと一週間で夏休みだから、生徒達もブーンするかのようにハイテンション上がりずつある。
やれやれ、こりゃあ…二学期最初になると、死人のように帰ってくるだろうな。

「おはよ、キョン」
「あぁ」
いつもの挨拶会話。
ハルヒは何かを企んでるかのように目がキラキラ輝いてる。
「ねぇ、キョン!聞いて!夏休みまで一週間しかないのに、新人の先生が来るらしいよ!」
何だって?一週間しかないのに新人の先生?
あり得ない話だ…うん、あり得ないね。
「ちょっと~キョン!これオカシイよね!」
はいはいオカシイオカシイ。
「…あのね…」
と話してる間、あの憎ったらしい先生が来た。
あのハンドボールバカの岡部である。
「えー、早速だが…俺の体の調子が悪く、引退する事になった…」
クラス一同、騒ぐ。
ほぉ、良かったな…引退出来て。
「…と言う訳で、代わりに新人の先生が担任になってくれるそうだ」
そういえば、新人ってどんな人なんだろうな…。
「聞いた話によると、女の先生だって!」
教えてくれてありがとう。
「入ってくれ」
「はい」
んー?どこかで聞いた声だな…。
何だっけ?
と思ってる内に、教壇の所を見た。

「始めまして、英語担当の鈴見ハルカです!よろしく!」

ガンッ!

俺は、近くにある窓にぶつかった。
「ん?どした?●●●●」
「…何でもないです」
クラス全員、俺の所へ注目浴びた。
そりゃ、そうだ…俺は、物凄くすっこけたからな。
おー、イテェ…血出てないよな?

昼休み、非常階段にで
「…で、何でこんな所にいるんですか?ハルヒさん」
「んー、何の事かなぁ?」
「誤魔化さないで下さい」
「あー、分かった分かった…あのね、この時代で生活するのに仕事が必要なの」
つまり、職業症ですか?
「うーん、まぁ…それに近いわね」
と、ケラケラ笑うハルヒ(大)。
「あら?キョンとハルカさんじゃないの?」
上から声掛けた主は、ハルヒ(小)である。
「あら、ハルヒちゃんじゃないの」
「何の話をしてたの?」
俺にフるなよ、ハルヒよ。
「ただの世間話さ」
「そうなんだ…あ、ハルカさん、教えが上手かったよ!」
「あははっ、ありがと!」
ふぅ…
二人には聞こえないように溜息した。
ハルヒ(小)とハルヒ(大)を比べると少し変わったな。
未来って何があるのかな、ハルヒさん教えてくれないかな。
ま、そうは簡単に教えないか。
「ん、何よ、キョン!あたしの顔に何が付いてるの?」
「んぁ?何も付いてないさ…考え事してたんだよ」
「あ、さてはイヤラシイ事考えてたでしょ?」
「んな事考えてねぇよ」
「怪しい~」
たまには、こういう会話は悪くないな。
ハルヒさんだって、同感だろ?

ハルヒ(大)サイド

懐かしいわね、あの頃の私とキョン…。
いつも、迷惑かけてたっけ。
「ハルカさん!もうすぐ、チャイムなるので戻ります!」
はいはい、いってらっしゃい。
「待ちなさーい!バカキョン!」
私は、この時代のハルヒとキョンを教室へ帰ったのを見届ける。
「…あの頃の私は、変わりたがったと思ってたな」
小学校の時、ある野球場で人が多くいた事でショック受けたな。
その後、私はつまらない生活送り始めた。私は、思ってた…少し変わりたいと…。
でも、変わらなかった…高校になるまではね、高校に入って、ある人に会った。
それが、あなたなのよ…キョン…忘れもしないわ、あれは××年前の七夕だよね。
あなたがこう言ってた「ジョン・スミスだ」とね。
それが、あなただよね…。
私は、嬉しかった…あなたと会えて…。
高校入学して間もない頃、SOS団を設立してキョンと一緒にやって来たよね。
勿論、仲間である古泉君とみくるちゃんと有希もね。
…色々あったわ…みくるちゃんにコスプレしたり、不思議探ししたりしたよね。
「それにしても…」
私は、周りを風景を見回す。
「懐かしいね…あの頃は」
その時、私の目から涙が出た。
「あら、何で涙出てるのかな…はは、何でだろ」
私は、未来人だから。
この先の事は知ってる。
辛い思い出や楽しかった思い出などあるから。
私は、何のために生きて来れたかな…。

 誰のために?
   キョン?
    キョンのために?
     あぁ、そうだ…。

キョンのために生きて来れたんだ…。
私は、キョンにとって大切な恋人だから、生きて行けたんだな。
でも、そんなに悩む事は無いわ!
だって、未来は結婚してるし…。
「あいつもいるから…」
私は、目を瞑って思った。

キョン…忘れないで。
あの頃の私は、勇気無かっただけなの。
だから、嫌われたりしないでね…。
「……」
私は、目を開け、青空を見た。

キョン…あなたは、私の……だからね。

「はぁ、泣いてスッキリした!さて、仕事に戻らないとね!」
それに、早く決着付けないと…世界が危ない。
朝倉…あなたは何を企んでるの。

第2部 完


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年01月15日 06:51