『God knows』

~4章~

「お、お待たせしましたぁ!」
朝比奈さんが来た。
何を隠そう、俺は今日、学校一かわいいとの呼び声高い朝比奈みくるさんとデートなのだ。
「ご、ごめんなさいっ!ちょ、ちょっと遅れちゃいました……。」
「いいですよ、そもそも約束の時間はまだ10分後ですから。それより、どっちに先に行きますか?」
俺は、まだどっちが先かを決めてないことに気付いて質問した。
「えっ…とぉ…水族館にしましょ?」
と首を傾げて聞く朝比奈さん。
かわいいっす。
「オッケーです。さぁ行きましょう。」
俺は朝比奈さんの荷物を持ち、手を差し出した。
「え……えぇ?」
「手…繋ぎませんか?今日は団員としてじゃないから文句は言われませんよ。」
と言ってみた。
多分3人がどっからか監視はしてるだろうがな。
「じゃ……、じゃあ…。」
朝比奈さんが顔を真っ赤にして俺の手を握る。
ヤバい、いきなり恥ずかしくなった。
「さ、さぁ!バスに乗りましょう!」


《水族館にて》
「わぁ……凄いです。まるで海の中みたい…。」
確かに、感動もんだ。
ここの水族館は結構有名らしく人も多い。
だが朝から来たのが幸いしたか、人の入りはまずまずの所だった。
「わ、わ、ほらっ!キョンくん、あのお魚さんおっきいですよ!?」
「あはは、あれはサメですよ。魚……とは微妙に違う……かな?忘れました。」
「ふえぇ…あれがサメですかぁ……。こ、怖いですねぇ……。」
クサいセリフ発動。
「大丈夫ですよ。俺がついてます。」
「……キョンくんじゃ少し頼りないですよ?」
撃沈。
俺がガッカリしていると、
「冗談です♪……頼っちゃいますよ?」
と言って、手を離し、腕に抱きついてきた。
「ちょ、ちょっと朝比奈さん!?」
「うふふふ、幸せです。」
……俺は《幸せ》という言葉を聞き、ドキッとした。
幸せ……か。
「あ、キョンくん!!いまからイルカショーやるらしいですよ!?見に行きましょう!!」
はしゃぐ朝比奈さんを見て、俺は考えるのをやめた。
「……はい。でも…腕抱いたまま走るとこけますって!!」
「あ、そうですね。……えへへ。はしゃぎ過ぎちゃいました。」
ペロッと舌を出し、自分を軽く小突いた。
またもや、かわいいっす。

俺達はしばらくイルカショーを見て感動して、水族館を後にした。
水族館から遊園地は歩いて10分なので、歩くことにした。

「ふわぁ~…、感動しましたぁ…。」
「凄かったですよね、あのイルカが同時に飛ぶやつとか。」
「ですよね!ね、ね!他にもいろいろ凄かったですよぉ!ん~、わたしもイルカに乗ってみたいです!」
「え………、小説家になって稼いで、乗ってください。」
「む~……もうっ!からかわないでくださいっ!」
と、話してるうちに遊園地に着く。
時間は……昼過ぎか。

チケットやらフリーパスやら買って、中に入る。
「あの……キョンくん。お金…大丈夫ですか?わたしの分くらいは出しますよぉ…。」
「あはは、気にしないで楽しみましょうよ。昨日の奢りもハルヒに免除してもらったし、まだ蓄えはありますから!」
昨日の探索では、ハルヒと古泉が代わりに奢ってくれた。
二人とも意外に気が利いている……が、財布はそろそろ限界のようだな。

「そうです…か。じゃあお言葉に甘えて楽しんじゃいます!」
笑顔がかわいい、これさえ見れるなら金は惜しくないな。
いや、少しは惜しいが。
「あの……キョンくん、替わりと言ってはなんだけど……。」
朝比奈さんが俺から荷物を受け取り、中を見せる。

「お、お弁当です!もう、お昼だし食べませんか?」

《遊園地にて》
「ど、どうです……か?」
朝比奈さんが恐る恐る、上目遣いで聞いてくる。
「正直に言います。うますぎですよ!」
「ほ、ほんとぉ!?よかったぁ……あ!たくさんありますからどんどん食べてくださいね!!」
朝比奈さんは心から喜んだようだ。
だが、これは一人で食える量じゃないっす。
「朝比奈さん、一緒に食べましょうよ。さすがに一人じゃ食えませんって、この量は。」
「ふぇ?……あぁ!ご、ごめんなさい!キョンくんが美味しそうに食べてくれるから……見とれちゃいました、えへへ…。」
……俺はあなたの笑顔に見とれちゃいますよ。
と、言えないヘタレな俺であった。

さすがに多すぎる量だったので、あまりをまた箱に戻し、俺達は遊ぶことにした。
まず、お化け屋敷。
……そこ、これは俺の意思じゃないからやましい目で見るな。
朝比奈さんから誘った割に、ビビりっ放しの朝比奈さんであった。

「ひょえぇええ!」
「ひええぇぇぇ!!」
と叫びまくった挙句、
「キョ、キョ、キョンくん!わた、わたし、目つむってますから、で、出口までお、おね、お願いします!」
と言っていた。
「やれやれ。」といつものセリフの後、引っ張っていったが。
次はジェットコースター。
これは、まだ乗ったことがなかったらしく、
「ちょ、挑戦してみたいです!」らしい。
結果?わかっているだろ?
「キョ、キョンく~ん…。腰が抜けて……立てないですぅ……。」
と、涙目上目遣いで言われたからおんぶして降りたよ。


「ご、ごめんなさい……わたしのせいで、キョンくん全然楽しめてないですね……。」
朝比奈さんは俺の買ってきた、ジュースを飲んでベンチに座っている。
「そ、そんなことないですよ!メチャクチャ楽しいです。ほ、ほら!俺って世話好きだし……。」
苦し紛れだな。
「キョンくん……やっぱり優しいですね。でもぉ…ヒック、わ、わたしのせいで…ヒック……もうあと30分しか……。」
朝比奈さんはとうとう泣き出した。
しょうがない、最後に俺の願いを聞いてもらおう。

「しょうがないですね、じゃあ最後に、俺と一緒に観覧車に乗ってください。それで手を打ちますよ。」
朝比奈さんは泣きやみ、俺を見上げて聞いてきた。
「………観覧車、ですかぁ?」
「はい、観覧車です!行きましょう、…立てますか?」
俺が手を差し延べると、ゆっくりと握って、
「これなら、大丈夫です。えへへ……。」
と言い、俺の腕に抱きついてきた。


ここの観覧車は大きく、ゆっくりと回るため、20分程かかる。
俺と朝比奈さんは綺麗な夕焼けに染まる景色を見ながら、話しをした。

「ふわぁ…きれい……。」
「ここの観覧車は俺が一番好きなやつなんですよ。妹とかともよく乗ったりしましたよ。」
「そうなんだぁ……。でも、嬉しいです。キョンくんと一緒にこんなに素敵な乗り物に乗れて。」
「ははは、俺も嬉しいですよ。」
「「…………………」」

「あの…キョンくん。今日は本当にありがとうございました。」
「そんな……俺の方がお礼を言いたいですよ。ありがとうございました。」
「最後に……一つ、良い…ですか?」
「はい、なんでも言ってください。俺に出来ることならなんでもしますよ!」
「あの……うん、言います!キョンくん、大好きです…わたしと………お付き合いしてください!」

~4章・終~



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