我が愛は何処にやあらむ。
チーズやきそばなる新種を作り食してみたところ一気に体温が上昇し手が火照って眠れなくなった次第である。
ふと、会議室に立ち寄り、矢神家の双子の写真が焼き増しされて立てかけられていたのを見、思ったのだ。
我が愛は何処にやあらむ。
なんで古語やねんとつっこみたくなるところだが、今日、たまたま政策関連でむつき嬢経由にドラケン氏の意見を伺った折、てたにあさんを口説き落とそうかという話をふと思い立ち、何故だか違和感を覚えなかった自分がいたことも、文脈としては重なっていた。
ウィング・オブ・テイタニア。
妖精の女王、その翼。
ドランジの愛人にしてヤガミの恋人。
……NTRか!!
ネトラレならぬネトリか!
同じNTRだと区別がつかんから、LRで対称性を取って、NTLとしてみよう。
いかんニュータイプレベルに見えた。
某ロボット大戦のやりすぎであろう。
深夜の会議室に腰を落ち着ける。
誰もいない長テーブルを一人占有していると、寂寞を覚えた。
それにしても手真っ赤だな、おい。毛細血管働きすぎだろ俺。
思うのだ。
強引に文脈を無視して話を戻すが、我が愛は何処にやあらむ。
レンジャー連邦の、何に愛を捧げているのだろう。
忠誠と愛は違うだろう。で、あれば、二人の上位者に対する忠義と忠誠は愛ではない。
ならば愛とは。
あいとわっ!
国、そのものであろうか。
華一郎は立ち上がり、夜景を見ながら考えた。
街は眠りについている。
傷つけもした。傷つきもした。
だからこそ、愛する。
離れ難きは愛ゆえよ。
夜の砂塵に自問する。
俺は国土を愛しているだろうか。
本島が没するのを恐れて植林を行っていた国民の気持ちも、わかる。
国を愛しているのだ。
だから国がなくなるのが怖い。
危険があるなら移民すればいいという発想は、そこにない。
砂土オアシス街並みに、俺は愛着がない。
強いて言うならば、やはりオアシスが一番愛着を持っている。
政庁の中庭にあるオアシスである。
一番足を運んだ場所だ。
水は心を癒す。
水こそ愛だ、そう書いたこともある。
だが、国の水を愛しているわけではない。
俺は何を愛しているのだろう。
民だろうか。
世代が移ろい、顔ぶれも変わり、それでもなお、民だろうか。
一人一人を見るのではなく。
一人一人の集まった、全員を、愛しているだろうか。
ウィング・オブ・テイタニアは、ある意味では国の象徴だった。
民の象徴であるかどうかは、悩ましい。
いまだ大事に仕舞い込まれている、EV90の折のペアリゾートチケットを見つめながら、一人、うなる。
なんで違和感を覚えなかったんだろう?
~徒然メーター・了/君を始めて思った日
最終更新:2010年12月15日 22:51