東国人+観光地


L:観光地={
 t:名称=観光地(施設)
 t:要点=観光地
 t:周辺環境=おみやげ物屋,ガイド
 t:評価=なし
 t:特殊={
  *観光地の施設カテゴリ = 藩国施設として扱う。
  *毎ターン資金は+15億される。
 }
 t:→次のアイドレス = お祭り(イベント),郊外ファームタイプの遊園地(施設),大観光地(施設)

設定イラスト


設定文


 国土西部から北部にかけて連っている山地のふもとには、今も火山活動が続いていることを忘れないようにと大地が忠告しているかのように温泉がわいている。この温泉には日々の仕事の疲れを癒すために国民に開放。また、国内の人間だけでなく国外の人間であっても温泉を利用することが可能となっており、国内外の人が交流するための場の一つとなっている。

 大通りに設けられている広場では、毎日何度か楽士による代々伝わり続ける舞と唄が披露されている。舞、唄ともに基本は20人程度の巫女たちによって行われているが、一部は舞手もしくは唄手の中でも特に秀でたものが単独でその技を披露する場面もある。この単独の舞あるいは唄を行うのは楽士達の中でも常にそれぞれ数人もおらず、その技を披露できるものは楽士の中でも憧れの存在であり。広場にて単独の技を披露することは楽士の目標とされている。
 舞、唄が終わると楽士達は見物者との写真撮影などに気軽に応じてくれる。また、土産物屋には楽士達が用いている楽器や舞道具のレプリカや彼女達のプロマイドも売られている。

 わが国の最大の観光資源、それは古来より残る寺社仏閣、政などを行う各種施設だといえる。時の流れによって作られた建築物の趣は近代的な建築物を見慣れている他国民にとっては新鮮なものであり、また興味深いものだと思われる。

上に描かれている建物はレプリカで、実物は廃墟となっている。レプリカと言っても建築方法、利用した資材が異なると言うわけではなく、本来あったものが先の戦により廃墟となったために現在の場所に複製を建設した。そのため学者さん達はここにはあまりこない。いわゆる観光客のための施設。ただし楽士達は本物で、ここでは記録を禁じられている演目をやることは無いものの直接話を聞くことも可能なので、一部の学者がここに通って楽士達と個人的に親交を深めることもある。なお、このレプリカではない本物は現在妖が住んでいる、黄泉へと繋がる門だといった噂が蔓延している。実際のところ廃墟となっている他は別段変わったことはない。したがって幽霊が出る程度とわかっており、国民で怖がるものはいない。ただし悲しむものはいるので花や線香を手向けるものはいる。
幽霊だろうと妖怪だろうと神様だろうと人だろうとそんな些細な違いを気にしていないため問題が起こることもあるほどだが、悲しそう、辛そうなのはわかるので迷子の扱いは上手。ただし、この国では学校は無いものの子供に対しては献身的なため子どもが捨てられることもある。そのため迷子として預かっていた子を国民として受け入れることも多々ある。




<SS ようこそ神聖巫連盟へ!>




「こんにちは!ようこそ神聖巫連盟連盟へ!
みなさまのご案内役を勤めさせていただく、私、鈴(すず)と申します」
「まずは文化の体験ということで、こちらのお店でお召し替えなどいかがでしょうか」

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あなたは一件の店に案内された。
広い土間の向こうには、畳がしきつめられた10畳ほどの部屋になっている。
和服をまとった従業員が気づき、丁寧に頭を下げる。
「こちらは衣装をお召しになりそのまま観光をお楽しみいただけます」

パンフレットのようなものを渡され、従業員が説明する。

「こちらでは神聖巫連盟に伝わる数々の衣装を実際に身につけていただけます。男性ですと一般の方の第一礼装であります「黒羽二重、染め抜き五つ紋付きの長着と羽織に仙台平の袴をつけた服装」いわゆる「紋付袴」ですね。外出着は長着に帯を締め羽織(はおり)を加えた「準礼装」。そこまで堅苦しくないものとしては、準礼装から羽織をはずした「着流し」もございます。他には官服にも用いられます「束帯(そくたい)」貴族の日常着である「直衣(のうし)」古来よりの衣装であります「貫頭衣(かんとうい)」「朝服(ちょうふく)」「礼服(らいふく)」。気楽なところですと「作務衣(さむい)」「甚平(じんべい)」などもとりそろえております」

「女性ですと第一礼装であります「留袖(とめそで)」、未婚女性は「振袖(ふりそで)」、貴族の正装である「女房装束(にょうぼうしょうぞく)」こちらは十二単(じゅうにひとえ)と申したほうがとおりがよいかと存じますが。また、古来よりの衣装であります「貫頭衣(かんとうい)」「朝服(ちょうふく)」もございます。もちろん「作務衣(さむい)」「甚平(じんべい)」もございますよ。お色や小物などもございますので、お好みのものがございましたらお声をおかけくださいませ」

衣装の多さに圧倒されていると店員がとどめをさした。

「ああ、そうそう。巫女装束もごさいますよ」

何度かこないとすべて着てみるのは無理そうだ……。


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「では政庁へご案内いたします。まずこちらでお清めください」

手水舎(ちょうずや)で作法を説明しながら鈴が自らを清める。
みなが清めおわったのを確認するとゆったりした足取りで木造の建物に案内した。

「こちらが我が国の政庁でございます。朱塗りの柱、正確には向こうのほうにございます奥の殿にご神体が祭られており、我が国の姫巫女が朝夕祈りをささげております。姫巫女は我が国の王でもあり、祈りと政務を両立しやすくするため、こちらで政務も執り行われるようになったと言われております。あそこにみえまする渡りを通って毎朝姫巫女は奥に行かれます。月に何度かは摂政も付き添います」

そのときさわさわと絹すれの音がした。
奥から数人の女官とともに若い女性がわたってきて、周りの者がみな一斉に頭を垂れた。
女性と目があうと、にこっと微笑んで軽く会釈を返された

「失礼いたしました。今お通りになったのが我が国の姫巫女でございます。ちょうど祈りが終わったところでしたのね」

幸せそうに鈴さんは笑った。

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昼食は「ご飯、味噌汁、焼き魚、煮物、漬物」。
体にとてもよさそうでなにより新鮮だ。

「朝採ってきたものをお出ししているんですよ」

ゆったりした体型の定食屋の女将がてきぱき配膳しながら説明してくれた。

なるほど。小国のよさとはこんなところにあるのかもしれない。


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昼食後は町並みを歩いてまわる。

瓦葺の屋根。黒塗りの木の壁。
道には景観をそこねないように丁寧に石がしいてあった。
石の合わせ目や傾斜などにも歩きやすいよう注意をはらわれていて、理力建築士の仕事であろうか滑りにくくもなっている。
そして点字ブロック。
さまざまな利用者の利便性を考えて、ガイドやボランティアが待機しているという。頼めば気軽に付き添ってくれるし、不要ならそっと見守ってくれる。車椅子の貸し出しもしている。
赤ちゃんの離乳食、子供用の椅子や食器、気軽に遊べるあれこれ。アレルギー食、糖尿病など体調にあわせた特別食。
これらはすべての宿屋に完備され、提供される。
保育園の知識と、ガイドの知識、住民の知恵。それらが結集しすべて町づくりに生かされている。

ゆきとどいたバリアフリー。
これなら車椅子でも気軽に来られそうだ。


いくつか古民家をみせてもらったあと、小間物屋に連れて行ってもらった。


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何軒かが集って、色とりどりの「和」の品が置いてある。
店内は観光で来たと思われる女性客や、みやげを求める男性客でごったがえしていた。
お手玉、巾着、つげのくし、万華鏡、かんざし、和布で作った小さな人形などなど。
あちらには木刀まである。

「お饅頭など食べ物をお求めになるのでしたら2件先にございます。ご案内いたしますのでお声をかけてくださいませね」

もちろんアレルギー対応の商品も完備である。

自国の品を嬉しそうに見る観光客に鈴さんも嬉しそうにしていた。


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衣装を着替えたら今晩の宿泊施設に泊まる。

「明日はとくに行きたいところがございましたら案内いたしますね。お困りなことがございましたら宿屋にお申し付けください。では失礼いたします」

しとやかにお辞儀をし、鈴さんは下がった。


温泉に入った後、国から持ってきたガイドブックを見ながら明日の予定を考える。

鈴さんにオススメを聞いてみるのもいいな。



そうしているうちに眠りにおちていった。
布団ってどうしてこんなにふかふか気持ちがいいんだろう…。


(おしまい)







古式ゆかしい建築物が有名な神聖巫連盟ですが、国土には海もございます。「水薙島(みずなぎじま)の伝承」が残る島はあの先にある小島です。この地はまだあまり知られておりませんが、国の内外からお客様がいらっしゃいます。





今から逃げ出してもここから、男の足では逃げ切ることはできないと考えた子どもは、男を守るために津波を止めようと子どもは津波へ向かっていきました。
男は衰弱した身体で子どもが海へ行くのを必死で止めようとしましたが、その声は届かず子どもは海へ行ってしまいました。
子どもは懸命に押し戻そうと一晩中津波と格闘しました。
翌朝、波も引き静けさを取り戻し、人々が戻ってきたときには子どもの姿は無く、ただそれまではなかった大きな島ができているのを、そして男が嘆く姿があるだけでした。
それ以来この町では津波がやってきても島が守ってくれるといわれています。
めでたしめでたし」

~神聖巫連盟に伝わる「水薙島(みずなぎじま)」伝承  より一部抜粋



旅の思い出



秘境ハンター(SS)



 なにやら気合のはいったお客様がみえました。




「ふふふふふふ…」

ガイドブック片手に不気味な哂い声をあげるのは、小柄な少女だった。

リュックサックにヒノキの手桶、手ぬぐい。そして温泉浴衣。
完璧な装備である。

少女が手に持つのは自作「秘境100選」のマップ。
さっきまで100選のひとつである神聖巫連盟の温泉につかってきたところである。

マップには、達成のあかしとして温泉を管理するおばちゃんに「はいりました」と「筆」(ここが重要!!)で書いてもらった。



神聖巫連盟には秘境とよばれる場所が多く存在する。

実際にはのんびりした農業国であるがために、開発が進んでないだけなのだが、だからこそ手付かずの自然やら、人の手垢にまみれていない場所が数多く存在する。


「人が行った場所に追随するなんて邪道よ!自分で開拓してこそ秘境ハンターというものっ!!」

握りこぶしで力説する。

あ、一人目をあわせないようによけていった。

そして今、ハンターが降り立つのは「水薙島(みずなぎじま)」。

神聖巫連盟伝承の発祥の地、の一つである。

この海沿いの地区は観光ルートからやや外れた場所にあるのと、ガイドにも「美しい海がある」という記述がわずかにあるだけなので、足を伸ばす観光客は少ない。


ましてや伝承を聞き、それを目当てに訪れる者は皆無。


子供が親を守って死んで島になるというありえない話だが、そんなこたあ重要じゃないっっ!!

伝承を胸にきざみ、この地に降り立ち、その証拠を書き留める!これぞ醍醐味!!


「すいません!!」

そこにいた人に声をかける。

「は、はいっ?」

「ここが「水薙島(みずなぎじま)」ですよね?」

「んー、どうだっけ?」

首をかしげる地元民(たぶん)。

地元民は案外伝承やら地元の地理にうといのだ。(注:「秘境ハンター主観」)

「そうなんです!!だから、この、じゃーん!秘境100選にサインしてください!!」

数歩後ろに下がったが、その地元民(決まってる!)は「確かに来ました」と書いてくれた。

「ふふふふふふ…、これでまた一つ制覇したわ」



コンプリートまであと一息!




でも、秘境ハンターは知ってしまった。

秘境は100なんていう少ない数字では語りつくせないことを。


「100選コンプリートしたら、秘境1000選ね…」

ふっと笑みがもれる。




そして秘境ハンターは今日もニューワールドをかけめぐる!!


                          ~fin


ある少女の場合(SS)


  伝承をつづった本をお持ちになっていらっしゃる方もみえました



「やっとみつけた…」

少女はほうと息をついた。

きらきら光る水面と、ぽっこりと浮かぶ小さな島をみつめながら、しばしたたずむ。


少女の手には小さな旅行かばんと神聖巫連盟のガイドブック、そしてすりきれた一冊の本。

「もー!さがしちゃったじゃない!!ガイドブックにも「まつわる伝承がある」としか書いてないしー!」

涙声でちょっとぐちる。

まるで旧友にするように




親のない環境を不自由だと思ったことはない。

孤児院で育ったが、食べてゆけたし、仲間もいた。

だから、さびしいと思ったことはなかった。

でもね。



たとえば、公園でおやまを作っていると大人たちが声をかけてきた。

「こんにちは。あら、おじょうちゃんひとり?おかあさんは?」

「いないよ?おとうさんもおかあさんも」

大人たちは撫でてくれたし、親のいる子は戸惑いの瞳で自分を見た。

よくわからないけど、悲しそうな瞳や戸惑いの瞳に触れるたびに心の奥に積もっていって息ができなくなった。



「親の愛」ってよくわかんない。

親がいたことがなかったから。

比べるなんてできない。

混乱、混乱。

何か言いたいはずなのに言葉にならなくて、言葉は見つからなくて、つまり自分は幸せなわけで、でも何かから自分を守るように身体を固くする。



孤児院の行事で行った図書館。

その日も、もはや習慣のように身体を固めていた。

息苦しくてたまらないときにふと目にとまった「伝承」の本。

おそるおそる手を伸ばして手に取る。


血のつながらない子どもに一心に愛情を注いだ男。

自分のせいで男が死んでしまうのはいやだと町を出る決心をした子供。


なんだか心が揺れた。


何度も何度も同じ本を借りに来る自分に図書館の人は苦笑いしながら、「本の入れ替えをするからもってゆくかい?」と本をゆずってくれた。

その本を資料に、どこの伝承か調べ、海や湖のある国を訪ね歩き、やっと見つけた伝承の場所は…。




「思ったよりちっさな島だなあ…」

海岸からみると豆粒みたい。

あんなに小さいのに大事なものを守ろうと命をかけたのか。





そのとき、赤ん坊の泣く声がした。

ふと横をみると、男の人が必死になってあやしていた。

声をかけ、生まれて3ヶ月くらいかまだ小さな赤ん坊を抱かせてもらいあやすと、赤ん坊はすぐ機嫌を治した。

ありがとうとお礼を言う男性に、慣れてますからと笑顔で返す。

赤ん坊はあったかくて、ミルクの匂いがした。

「お父さんなんでしょ?がんばって!」

「ええ。まだ2日しか経ってない新米ですが、がんばります」


2日?


きょとんとする自分に気づいたのだろう。男の人が言葉をつづける。

「血はつながってないんですよ。でも、大事な我が子です」

まだ上手にあやすこともできませんがね、と白い歯をみせて男の人は笑った。

「あ、あの!!」

はい?ときょとんとする男の人に

「赤ちゃんかわいいですか?!いとおしいですか?!」

ためらうことなく「はい」と応える男の人。



ああ、この目は知ってる。

先生や友達が私に向けた暖かい目。




知ってる………………………。



赤ん坊を抱きしめながら、気づくと涙が出ていた。

涙と一緒に、たまったものが流れていく感じがした。






気づくと、夕暮れの浜辺にいたのは自分ひとり。



遠くのほうで、赤ん坊とお父さんの笑い声が聞こえた気がした。



                                 ~FIN


とある彼の場合(SS)


ほほえましいお二人をおみかけすることもございます。  



海に行こう!!

そう僕が誘ったら、彼女はきょとんとしながらも「いいよ」と言った。

よし!ここまでは完璧だ!!




異国を旅行したという友人の友人からまわってきた「彼女を恋人にするために」には、びっくりするような情報がいっぱい書いてあった。

まず、服装。

考えたこともなかった。

「場に合わせながらもお洒落に」

椿油を丹念に髪にすりこむ。

紋付袴ではさすがに場に合っていないので、木綿の新しい着物をおろしてみた。

そして、会話。

「女性はおしゃべりが大好き。適度に相槌をうって、彼女を認める」

おおおおお!!そうなのか。

紙にかきとめておく。そして二重丸。

ここは注意しないとな!

「誘う場所を考えて」

暗いところは駄目なのか。まああぶないしな。野犬でも出たら大変だ。

そういえば、近所の海があった。

あそこは景色もいいし、確かあの子も好きな場所のはず。

そこに誘えばいいか。

友人の友人に感謝しつつ、当日の練習を何十回もして、どきどきしながら幼馴染の彼女を誘った。





彼女は同じ村に住む、ご近所さんだ。

子供の頃は一緒に柿の木に登って実を採ったり、みんなで川遊びをしてべたべたになった。

一緒に育って、一緒に大きくなった。



あるとき、彼女は誘っても一緒に木に登らなくなった。

親にぐちると「そんな時期がきたんだねえ」と笑ってた。

よくわからなかったが、なんかむしゃくしゃした。

そのうち一緒に過ごすことも少なくなっていって。

ある日、ものすごく久しぶりに彼女を見た。

家の手伝いをして、小さな兄弟の着物を干す姿にみとれた。

綺麗だと思った。

それから、彼女に会ってもうまく挨拶もできなくなって、自分の気持ちをもてあましていたとき、友人にそのことを話したら「恋してるんじゃない?」と言われた。



なんかがつんときた。


自分はどうしたいんだろう。

よくわからない。

でも、彼女が自分に気づいてくれないのは嫌だし、挨拶もできない自分もふがいないと思う。



考え込んでしまった僕に、友人が本を貸してくれた。




ぱらぱらと本をめくる。

そしてばっととじる。

(こっ、こっ、こいびと!?)

すごい勢いでいろんなことが頭をかけめぐった。

恋人って、つまり、ああいう相手とか、こういう相手とか@@@@@

男の理性とか、野生とか、なんというか(うわー!!!!)

つまりじぶんはそういうことを彼女としたいのか?!

ひとまずその本を客用布団のいちばん奥にかくす。

なんか訳わからなくなってきた。



一週間くらい経って、なんていうか、とにかく自分は彼女と会いたいのだと思った。

会ってどうするかとか、そんなんじゃなくて。

会いたい。

そして、しまっていた本を出し、読んでいった。

ここにもしかしたら何かきっかけがつかめる「何か」があるんじゃないかって。

学校でもしなかったくらい一生懸命読んだ。

そして、出した結論が「とにかくあの子を誘ってみよう」





そして、今、一緒に海に来ている。

「えっと、本日はお日柄もよろしく」

何か話題を探さなきゃと、ぐるぐるしながら出た言葉がこれだった。

うわー。なんか違うー!!

混乱している自分。彼女はくすくすと笑った。

「変な、いっちゃん。どうしたの?」

うわ、うわ、うわ、笑われてしまった!!

でも笑ってるところもかわいい。

「でも、確かにいい日ね。みて、海があんなに青い」

気持ちよさそうに海風を受ける彼女。

なんかいい感じだ。

こういうときは、本にあった…、そう!彼女に同意だ!!

「そ、そうだね。青いね」

海を見ていた彼女が振り返って、にこっと笑った。

どきゅんと一撃!!


う、わ !!


不意打ちくらった!!

顔がかあっと熱くなる。

「なんか、今日のいっちゃん、変な感じ」

「う、うん」

やっぱり僕は変だったのか。そしてなんだかみやぶられてる。

失敗だったのかな。

一気に気持ちが沈んでゆく。



「でも、こうやって話、できるのはいいね。最近してなかったね」

ゆっくりと彼女はそう言葉をつむいで、


「また来ようね!」


最高の笑顔。




なんか、報われたと思った。

この時間が欲しくてがんばってきたんだと思った。



僕と彼女がどうなるかはわからない。

でも、

また一緒に来ようと思った。



                               ~FIN




みなさんもぜひ神聖巫連盟へお越しくださいませ。一同誠意を持ってお迎えいたします。






~神聖巫連盟に伝わる「水薙島(みずなぎじま)」伝承 全文




「昔はこの町は津波が来るたびに町のほとんどが洗い流され、そのたびに町を建て直していました。      
これはその頃の話です。
それは津波がようやく引いて高台に避難していた人々が復興のために壊された家々を片付けていたときのことでした。
瓦礫の中から赤ん坊の泣き声がします。
あの津波の中、よく生き残ってくれたと助け出されましたが、結局その子の両親は見つかりませんでした。
そして、その子どもは津波で家族を失った男が引き取り育てることになりました。
家族を亡くした悲しみから逃げるように男は子どもに愛情を注ぎ、子どもはその愛情を一身に受けすくすく育っていきました。
あまりに大きくなりすぎて、男の働きでは二人が満足に食べていくことも出来なくなり、男が自分の食べる分まで子どもに食べさせるようになりました。
子どもは自分のせいで男がやせ衰えていくのを見て、自分のせいで男が死んでしまうのはいやだと町を出る決心をしました。
そして男が寝静まった後、子どもが旅の支度をしていた時のことです。
急に大きな揺れが何事かと思い家を出ると『津波が来るぞー』声が聞こえてきました。
男の家は家族のそばから離れたくないと皆が高台の方に家を引っ越させる中、いまだ海のそばにありました。
今から逃げ出してもここから、男の足では逃げ切ることはできないと考えた子どもは、男を守るために津波を止めようと子どもは津波へ向かっていきました。
男は衰弱した身体で子どもが海へ行くのを必死で止めようとしましたが、その声は届かず子どもは海へ行ってしまいました。
子どもは懸命に押し戻そうと一晩中津波と格闘しました。
翌朝、波も引き静けさを取り戻し、人々が戻ってきたときには子どもの姿は無く、ただそれまではなかった大きな島ができているのを、そして男が嘆く姿があるだけでした。
それ以来この町では津波がやってきても島が守ってくれるといわれています。
めでたしめでたし」