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★ 【世界を読む】拷問道具の輸出大国・中国の実態…チベット人を宙づりでサンドバッグ、鉄の椅子「虎の腰掛け」で電気ショック 「msn.news-産経新聞(2015.4.2)」より
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 中国の治安当局によるチベット人への恣意(しい)的な逮捕や拷問を告発する報告書が2月に発表された。一方で、人権団体は、中国が拷問道具の輸出大国になっていると指摘。報告書は「チベットでの拷問、虐待の実態」とし、英ロンドンを拠点とする非営利組織(NPO)「チベットウオッチ」などが、国連拷問禁止委員会で中国の人権状況が審議されるのにあわせて発表した。2008年北京五輪前にチベット自治区のラサを中心に起きたチベット騒乱後、押さえ込みにかかる当局によるチベット人への非道が暴かれている。

ストーブの煙突抱き、サンドバッグ…顔はやけど

 「やつらはチベット人を動物以下と見なしている。人間とは見ていない。(私は生き延びたが)一度、拷問所に連れて行かれたら終わり。死が待っている…」

 ある男性僧侶(43)は08年3月23日、知人宅にいたところ、突然踏み込んできた警官隊に連行され、警察署で寝ずの尋問と暴行を受けた揚げ句、裁判もなしに刑務所に送られた。待ち向けていたのがさらなる拷問だ。

 1日中、宙づりにされ、尋問者からサンドバッグのように殴る蹴るの暴行を受けた後、ストーブの煙突を抱かされる格好で手枷をはめられ、顔面などはやけどと水ぶくれの状態に。夜間は窓が開けっ放しの極寒部屋にほうり込まれた。翌日からは再び拷問の日々だ。
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 さらに黒頭巾を被(かぶ)せられて行った場所には「鉄の椅子(虎の腰掛け)」と呼ばれる拷問道具があった。縛り付けられ、警官から「分裂主義者め」とののしられながら、電気ショックも含めた暴行が何度も繰り返されたという。「意識は朦朧(もうろう)とし、痛みも感じなくなった。自分の肉が焼け焦げる臭いだけ覚えている」

 僧侶は5月半ばまで拘留された。その後も2度逮捕され、当局に葬り去られる危険を察知、マージャンに興じる看守らの隙をついて脱出。20万元(約390万円)の懸賞金付き脱獄殺人犯の汚名を着せられる中、1年8カ月かけてヒマラヤを越え、チベット亡命政府があるインド・ダラムサラにたどり着いたという。

釈放理由は、施設で死なれたら面倒だから

 報告書には、こうした事例が多数掲載され、命を落としたり、拷問で命の危険にさらされたりしているチベット人の名前が何人も記載されている。

 逮捕状もなしに連行され、罪状は後回し。拷問で無理やり強いられた証言をもとに裁判で刑を言い渡されるのが大抵で、弁護士も形式だけだ。裁判もあれば良い方で、当局による恣意的な長期拘束が日常茶飯事なことが読み取れる。

 こんな指摘もある。

 釈放当日、大勢の親類縁者、友人らが拘置所、刑務所の門前で出迎え、騒ぐのを嫌い、今は全く知らせず、こっそり自宅まで連れて行くようにしている。また、拷問で衰弱しきった状態に陥った場合、家族のもとに帰すという。慈悲ではなく、当局の施設で死なれたら面倒だからだ。

 「共産党なくして新中国はないなど、共産党をたたえる歌を覚えられなかったりしたら、とても立てないほど極小の独房に罰として入れられる。そう絶えず脅された」(40歳男性)

 「刑務所の労役で、まじめに働く者には刑期が短くなる恩典があったが、漢族だけの話。チベット人は除外されていた。差別的扱いだった」(29歳男性)

 再教育キャンプ、労働改造所など、共産主義国家にはかかせない人格破壊施設への言及もある。

拷問器具会社が10年で4・6倍に増加

 もちろん、中国政府は「中国は法治国家である」と主張、チベットやウイグル問題は「内政干渉だ」と突っぱねている。

 だが、報告書からは、中国5千年の歴史の中で積み重ねてきた拷問嗜好(しこう)が“支配民族”の漢族のDNAにしっかり刻み込まれているのがわかる。そしてそれは、経済発展にともなって中国特産拷問道具の輸出にもつながっている。

 国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが昨年9月公表した「中国における拷問器具取引と弾圧」によると、2003年に28社しかなかった製造業者は10年間で約130社に増加。電気ショック棒や突起棒、拘束具、重し付き足枷などの「憂慮すべき」拷問道具を含め、「世界の法執行器具の分野で供給国としての地位を大きく伸ばした」と指摘、世界市場でシェアを拡大しつつある成長産業になっているのだ。

 チベットウオッチなどの報告書ではまた、密告制度の奨励にも触れている。500〜5万元の報酬が当局から渡され、有力な情報にはさらに上乗せもされる。だが、それは裏を返せば、チベット人の反抗を警戒している証だろう。

 自由アジア放送などによると、2月の旧正月、チベット自治区や周辺の各地で、今年80歳を迎えるダライラマ14世の長命を祝う行事が密(ひそ)かに行われた。14世を「分裂主義者」と批判し、傀儡(かいらい)にできる15世擁立に血眼の中国当局だが、チベットの人々の14世への厚い信心は変わらない。

 「チベットは新中国のもと、豊かになった」。習政権が強調するそんな主張がいかに空虚なプロパガンダかがわかる。拷問がまかり通る人権無視の強権支配。“赤い帝国”の「舌先」に騙(だま)されてはいけない。




天安門事件(1989年)当時の労働者指導者だった李旺陽(りおうよう)氏が今年6月6日、湖南省邵陽市の病院で死亡した。自殺と発表されたが、多くの人々が「被自殺」(自殺させられた)と考えている。
■現代も続く拷問刑

李氏が受けたような拷問が、現代中国では非常に稀なケースかというと、そうではない。中国にはいまだ獄中の暴力や虐待、拷問が横行している。
※参考:【動画ニュース】中国警察の取調べ 拷問が日常茶飯事 拷問に耐え切れず白状

今年はじめに米国に亡命したキリスト教徒の中国人作家・余傑(よけつ)氏も、激しい拷問を受けた。私も何度も取材した人物だ。彼は渡米後に、自分が受けた拷問の詳細を告発している。

中国の獄中にいる人権活動家の劉暁派(りゅうぎょうは)氏のノーベル平和賞受賞が決定して以降、作家・知識人に対する監視が強化され、自宅軟禁状態に置かれるようになった。彼は2010年12月9日、ノーベル平和賞授賞式の前日に突然、公安警察に拉致され、拷問を受けた。


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■ 李旺陽氏が受けた拷問「棺おけの刑」【Youtube】




(※ ブログ記事には、中国における拷問の詳細が書かれているので、ぜひ一読。)







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最終更新:2015年04月02日 20:15