★ 日韓が領有権争う島へ CNN取材班が上陸 「CNN.co.jp(2012.10.5)」を全文コピペ

(CNN) 日韓が領有権をめぐり対立している小さな島、日本名・竹島、韓国名・独島は、遠くから見る限り何十年にもわたって外交問題となっているのが不思議なくらいのありふれた岩山だ。

人の住む場所などほとんどないごつごつした島を実効支配しているのは韓国側だ。そして両国の間では、国際社会の支持を勝ち取るための広報合戦が繰り広げられている。

韓国政府は4日、CNNを含む外国メディアを招待してヘリコプターを使った取材ツアーを主催した。日本の外務省はCNNに対し声明で、このツアーについて「非常に遺憾かつまったく受け入れがたい」と述べた。

上陸してまず気が付くのは、警備隊の存在だ。韓国は1950年代からこの島に武装警官を駐在させている。警備隊の責任者は「日本はわが国の領土を力づくで奪おうとしている。この島は古代からわが国の領土であり、われわれはこれを守らなければならない」と述べた。

この島の住民は金成道(キム・ソンド)氏とその妻の2人だけだ。天候が悪いと数週間にわたって外部との往来が絶たれる可能性もあるこの島で暮らすのは大変ではないかと尋ねると、金氏は「自分で選んでここに来たのだから、文句は言えない。それに周りじゅう魚だらけなのだから、文句なんてあるわけがない」と語った。

周辺海域は豊かな漁場で、金氏は70年代からここをよく訪れていたという。島に引っ越してきたのは91年のことだ。

またこの海域には天然ガスの埋蔵資源があるとされている。埋蔵量は不明だが、外交関係を危うくするに値するほど大きい可能性もある。

島には観光客も来る。小さな港には毎日、フェリーが到着して警備隊が敬礼で迎える。一度に上陸するのは100人以上。韓国の国旗を振ったり、自分の足でこの地に立てた喜びを叫んだりする人もいる。

愛国的な義務感から島を訪れる人もいれば、一部の訪問客にとって上陸は宗教的な体験だったりもする。キリスト教徒のグループは輪になって、訪問が許されたことを感謝する祈りを捧げていた。

だが上陸時間は短く、20分後には彼らはフェリーに追い立てられる。だがその短い時間にも、彼らは訪問の意義について取材陣に語っていった。

観光客の1人のケビン・キム氏(40)は、自分は韓国生まれのアメリカ人で韓国人の血が流れていると述べ、「ここに来られて非常に感動している。日本がこの島の領有権を主張しているのは非常に不快だ。ばかげているし、容認されるべきではない」と語った。

他の観光客もこの島を訪問できたことへの喜びを語り、韓国の領有権主張への支持を述べた。

今回の取材ツアーは韓国側の言い分をアピールするために用意されたものだが、両国の対立が収まる気配はどこにも見えない。この取材ツアー自体、数十年にわたる領土紛争における緊張の新たな1ページだったと言ったほうがよさそうだ。










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最終更新:2012年10月06日 17:46