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● 未成年の殺人犯検挙人数と少年人口(10~19歳)10万人当りの比率 ※57ページ参照
※ピークは昭和26年の448人、平成10年~13年は100人を越えたが、平成14年から18年は100人以下で推移。つまり、昔の方が今より遥かに凶悪な未成年犯罪が多かったということになる。マスコミが近年になってから凶悪犯罪が増えてきたというのはミスリードである。煽るだけ煽ってマスコミはどうしようというのか。
ちなみに、平成19年から平成25年までの未成年者による殺人はそれぞれ62(平成19)、50(平成20)、50(平成21)、43(平成22)、56(平成23)、46(平成24)、52(平成25)である。⇒平成25年の犯罪情勢 - 警察庁.pdfの75ページ参照 ※平成26年版はまだネットにはないと思われる。
上記のpdfを読むと少年による殺人だけでなく、殺人件数自体が昔よりは減っているのがわかる。一読を。



言論・報道
★■ 少年実名報道の「今昔」 加害少年の擁護を「人権」と勘違いした愚行 ノンフィクション作家・門田隆将 「産経ニュース【新聞に喝!】(2015.3.15)」より
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 無念であり、残念である。川崎市の中1殺害事件は、その痛ましさという点で、日本犯罪史に残るものとなった。これほどむごい事件を引き起こした主犯格の18歳少年が、自らの権利擁護には熱心だったことも世間にショックを与えた。最初から弁護士を伴って警察にやってきた少年は、当初、「今は話したくない」と黙秘し、やがて量刑に影響するからか、「いかに計画性がなかったか」を印象づける供述をするようになった。世間がさらに怒りに包まれたのも無理はないだろう。

 同時に、私は新聞の少年犯罪報道に、今昔の感を覚えている。ヒステリックに加害少年の人権擁護を書きたててきた新聞がすっかり影を潜めているのだ。そして、実名報道に対する姿勢にも、大きな変化が生じている。

 少年法第61条には、加害少年の氏名や写真の掲載を禁ずる条項がある。しかし、かつて新聞は、浅沼稲次郎(当時社会党委員長)を刺殺した17歳の山口二矢(おとや)(逮捕後自殺)や、19歳の連続射殺犯・永山則夫(のりお)(元死刑囚)ら少年犯罪者の実名を堂々と報じてきた歴史がある。
+ 続き
 なぜ新聞は実名報道をおこなっていたのか。それは、少年法の総則第1条に根拠がある。そこには、少年法が〈少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して〉定められたものであることが明記されているからだ。つまり、少年法の対象は、あくまで〈非行のある少年〉であり、無残な殺人行為が〈非行〉の範囲であるはずがないと新聞は考えていたのである。それは新聞だけでなく、世間の常識でもあっただろう。

 実際に家庭裁判所に送られた加害少年は検察に逆送され、起訴された段階で、刑事訴訟法に基づき公開法廷で裁かれる。法廷には、手錠腰縄(こしなわ)つきで傍聴者の前に少年が現れるのである。

 だが、いつの頃からか、新聞は非行を越えたこの少年の凶悪犯罪に対しても実名報道を控えるようになった。いや、それどころか、是々非々で実名報道を続ける雑誌に対して、〈ひとりよがりの正義感〉〈売らんかなの姿勢は許されない〉という憎悪に満ちた社説を掲げるようになった。それまでの自分たちの実名報道を棚に上げ、ヒステリックに非難したのである。

 加害少年の利益を過剰に擁護することを「人権」と勘違いした新聞は、思考停止に陥り、それが世の不良たちをのさばらせ、平穏に暮らす少年少女たちの命を危険にさらしていることに気づこうともしなかったのだ。

 だが今回、一部雑誌による少年の実名報道に対して、新聞の感情的な批判記事は皆無だった。うわべだけの正義を論じる「偽善」と「思考停止」から、新聞は抜け出そうとしているのだろうか。守るべき真の人権さえ見据(みす)えることができなかった新聞が今後、どんな論調を掲げていくのか、興味深い。



【プロフィル】門田隆将

 かどた・りゅうしょう 昭和33年、高知県出身。中央大法卒。週刊新潮を経てノンフィクション作家に。最新刊は『吉田昌郎と福島フィフティ』。

■ マスコミの好物 少年犯罪を興味本位で報じ、いたずらに不安煽る 「世相を斬る あいば達也(2015.3.9)」より
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●マスコミの好物 少年犯罪を興味本位で報じ、いたずらに不安煽る

 以下の池上氏と川名氏の対談は貴重だった。筆者の印象に過ぎない「体感治安の悪化」がかなりピント外れだったと指摘されている思いの対談だ。引用文が長いので、多くは語らないが、TVのニュース番組やワイドショーなるものが、結構世の中を善くするような顔つきで、悪化方向に働いているのかもな?と云う思いを強くした。日本社会が壊れていった最大の要因は、社会倫理より企業倫理が優先しているのが元凶だと思っているが、こう云う面にまで浸透しているのかと思うと、資本主義で国が豊かになること、イコール社会、つまり人間の共同体が壊されてしまうと云うことのようだ。
(※mono.--中略、詳細はブログ記事で)
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■少年による殺人事件は8分の1以下に減少
川名:先ほど昔の方が少年事件は多かったとおっしゃいましたが、僕も調べてみたんです。
 警察庁の資料に「凶悪犯罪の検挙人員の推移」が載っています。統計にある1949年から2013年のうち、殺人で検挙された刑法犯少年(刑法犯の罪を犯した犯罪少年で、犯行時及び処理時の年齢がともに14歳以上20歳未満の少年をいう)の人数が最も多かったのは1951年の443人。池上さんが生まれた翌年です。そのころは1日に少年が1人以上、殺人で捕まっていた計算になります。最新データが2013年ですが、52人。なんと8分の1以下になったんですね。

池上:そう、激減したんですよね。

川名:1950年から1970年までの20年間が、殺人事件で検挙された少年が3ケタの時代です。少年犯罪が凶悪だったのは、池上さんが20歳になるまでの時代なんですよね。

池上:私は1980年からNHKの社会部記者として、警視庁の捜査一課を担当していました。捜査一課は殺人事件を扱うんだけど、殺人事件のニュースを書いても全国ニュースにならないんです。たいていがローカルニュースで終わる。珍しくないからですよ。
 ところが、だんだん殺人事件が減ってくると、逆に珍しいからニュース価値が上がる。それに加えて、民放のニュース番組やワイドショーが出てきたことが大きいです。
 こういう言い方は語弊があるかもしれないけれど、殺人事件の報道が実は一番ラクなんです。なぜなら、殺人事件が起こると警察が発表してくれるか ら。現場に行けばパトカーがいて、「絵になる」映像がとれる。リポーターが近所の人にマイクを向けて「怖いですね」と言ってもらえば一丁上がり。安易に数分間の映像ができちゃうわけです。これが捜査二課が扱う汚職事件とかだと、いくら取材しても報道できるか分からないリスクがある。
 今、民放ニュースを見ていると、殺人事件ばかりでしょう? 埋めなければいけないから、東京の局であっても、北海道でも福岡でも殺人事件があれば取り上げて、全国ニュースになってしまう。それを見たら「こんなに治安が悪くなっているのか」と思いますよね。
 少年事件は大人の事件より衝撃的だから、さらに大きな扱いになります。ある場所でAという少年事件が起こると、別のところでBという全く違う少年 事件が起こったとき、またAの事件の話が蒸し返される。だから、少年事件が頻繁に起こっているような印象を受ける。それを警察は「体感治安が悪化している」という言い方をしています。
 少年犯罪は厳罰化の方向にあります。「体感治安の悪化」といった実態が伴わない理由で厳罰化に進むのは問題があると私は思っています。
(※mono.--以下略、詳細はブログ記事で)


★■ 凶悪少年犯罪、親の料理を食べる習慣の少なさと因果関係か 偏食や一人夕食も 警察調査 「msn.news - ビジネスジャーナル(2015.3.6)」より
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 神奈川県川崎市の中学1年生、上村遼太君殺害事件で、17~18歳の知人少年3人が殺人容疑で逮捕された。首を刃物で切るという残酷な手口は、世の親たちの心胆を寒からしめた。週刊誌の中には、事件の背景に過激派組織「イスラム国」の影響を取り上げているものもある。また、2013年に広島県内で16歳の少女が、無料通話・メッセージングアプリのLINE上で起きたけんかをきっかけにLINE仲間の少女ら6人に殺された事件同様、LINEの存在と事件の関連性を指摘している報道も多い。確かにLINEとそれぞれ事件は、無関係ではないだろう。

 だが、筆者はジャンクフードやファーストフードに依存した少年らの食生活が、少年凶悪犯罪を生み出している大きな要因だと考えている。犯人の少年らはどんな食生活を送ってきたのか。殺人容疑で逮捕された少年たちは、ゲームセンターを中心に深夜徘徊を繰り返していたという。また、事件直前の夜、逮捕された少年の自宅に集まり酒を飲み、その後、近くの中華料理店に行き、そこで上村君と合流したと報じられている。深夜徘徊や飲酒というのだから、逮捕された少年たちの日頃の食生活が相当に荒廃したものであったことは間違いないだろう。

●食事を一緒に取らなくなったことが事件の一因に
+ 続き
 筆者がこれまで取材してきた凶悪少年犯罪にも、犯人の食生活が大きな影響を及ぼしていた。「中央公論」(中央公論新社/00年10月号)の記事『17歳は何を食べてきたか』において、少年犯罪と食のルポを掲載したが、「宇都宮会社員リンチ殺人事件」で、無期懲役となった17歳少年(当時)の母親は「夕飯だけでもしっかり食べさせてやっていれば、こんな事件は絶対に起こさなかったはずです」と、涙ながらに語っていたのを鮮明に覚えている。

 1999年12月、栃木県宇都宮市を舞台に起きた17歳の少年3人組による会社員リンチ殺人事件は凄惨なものだった。被害者は市内に住む19歳の男性会社員で、少年3人組に殺されるまでの50日間近く「金づる」として連れ回され、シャワーの熱湯や殺虫剤スプレーに引火させた炎を全身に浴びさせられるなどのリンチを受け続けた挙げ句、山林に埋められた。主犯のA少年の父親が地元警察署の幹部だったのも衝撃的だった。3人組の1人の母親は、「被害者のご両親には申し訳ない気持ちでいっぱいで、言葉もありません」と謝罪した後、筆者にこう語った。

「主犯のA少年とは中学校の同級生なのですが、付き合いはありませんでした。A少年は中学時代からこの辺では札付きのワルで有名でした。うちの子は誘われると断れないタイプなので、中学校の時は先生が配慮してA少年とはクラスを3年間同じにしなかったくらいです。私も息子にA少年とは『絶対に付き合うな』と口すっぱく言っていまして、本人も『わかっているよ』と言っていたのです。それが、どうしてか付き合うようになってしまいました」

 親子の共通認識として、A少年とは付き合わないように意識していたというのだ。

「息子は高校を中退し働いていたのですが、交通事故で怪我をして仕事を休んでいました。パチンコが好きで休職中も近所のパチンコ屋とかゲームセンターによく出かけていました。そこで、偶然A少年と会ってしまったのです。それからは息子の携帯に1日に何十回としつこく呼び出しの電話がかかってくるようになりました。いま思うとその頃、無理をしてでも晩の食事を息子と一緒に食べていればよかったのです。離婚してから仕事で私の帰りが遅くなり、食事の用意がほとんどできなくなってしまいました。少なくとも食事の用意をしていれば、夜、食事をしに外に出ることもなく、A少年と会うこともなかったはずです。息子はそのうち家に帰らなくなってきました。どこにいたのか聞くと『友達の所に泊まった』と言いました。その時、ひっぱたいても外泊をやめさせればよかったのです。悪いことはやはり夜起こります」(同)

 犯人少年の母親は、夕飯を息子と一緒に取れなくなったことが事件の大きな要因になっていると本能的に感じたのだ。

●食習慣と犯罪の関係

 筆者が取材した限りでは、2000年の佐賀西鉄バスジャック事件も犯人少年の食生活の影響が大きいものだった。犯人の少年が唯一心を開いていたという中学1年生時の担任教師は、「私は彼が高校へ入学し、引きこもりになったときの食生活が非常に気になります。彼は偏食傾向が強かった」と語った。中学の卒業アルバムにも「好き嫌いするんじゃねー、何でも食べよら」「サイダー飲んだら骨溶ける」「牛乳飲めよ」等の寄せ書きが、彼に寄せられている。高校入学後、引きこもってからはますます偏食傾向が強まったと思われる。母親から相談を受けた前出の教師は少年の自宅を訪問したが、父親も母親も少年の言いなりになっているのに驚いたという。

「父親に対して『お茶』と命令口調で言う。父親はそれでもニコニコしている。私が『お茶をください、だろう』というと、彼は『ははは』と笑っていました」

 少年の両親は大学病院のカウンセラーに相談しており、カウンセラーは「子どもの言うことはすべて受け入れなさい」と、両親にアドバイスしたという。当然、食事も子どもの食べたいものばかりになっていたはずだ。しかし、子どもの要求を受け入れすべて満たしてやれば親は“子どもの奴隷”となり、子どもは“欲望の奴隷”になってしまう。人を健康に育むはずの食が欲望のままになれば、それはまさしく食の「餌」化で、行動も動物同様、欲望のままになる。

「少年犯罪と食」の関係については、以前から警察でも大きな関心を抱いている。98年に茨城県警、02年に群馬県警から少年犯罪と食についての調査報告が発表されている。県内で検挙・補導された中学生・高校生とほぼ同数の一般の中高生との食生活を比較したものであるが、両県警の調査結果はほぼ同じとなっている。「朝食を一人で食べる」「家以外で朝食を食べる」「夕食を一人で食べる」「家族で鍋を囲むことがない」というのが、非行少年、特に粗暴犯の大きな特徴である。また、間食では非行少年のほうがジュース類を一般少年らより多く飲んでいる。食事の好き嫌いをみると、非行少年は果物、牛乳、おひたし、ごまあえ、ご飯、野菜、味噌汁、魚の煮物が嫌いな子が多い。朝からカップ麺を食べるという子も非行少年には何人かいた。

 茨城県警察本部少年課では「食事を親に作ってもらい、それを食するという習慣の乏しさは、非行と関係することがうかがえる」と、考察している。

 お父さん、お母さんへ。息子、娘たちと週に一度は必ず一緒に食事をしようではありませんか。子どもたちのSOSもキャッチできるはずです。
(文=郡司和夫/ジャーナリスト)













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最終更新:2015年03月15日 20:34