『ハルヒ…ちょっといいか?』
アタシは、部室に行く前にキョンに呼び止められた。
『ふん…。団長を呼び止めるなんていい度胸してるわね?いいわ…何の用?』
言葉では素直な気持ちを言えなかったけど…アタシはキョンに呼ばれてうれしかった。
キョンに…恋心を抱いていたから。
……
『ハルヒ…好きだ。ずっと好きだった。』
しばしの沈黙。
だんだんとキョンの顔が赤くなってきた。
…かわいい。
『えっと…ハルヒは…どうだ…?』
アタシはキョンが好き。大好き。
高校に入って…一番最初に話しかけてくれて…一目ぼれだった。
髪型を毎日変えていたことも…気がついてくれた。
もっと…アタシを見てくれるように…ずっと伸ばしていた髪の毛も切った。
その事も気がついてくれた。
アタシのSOS団設立にも手伝ってくれた。映画撮影も…。わがままにも…。
そう。アタシは…
『キョン…アタシは…』
キョンの顔が不安そうな…うれしそうな顔をした。
『アタシは…』
ふと…アタシはある日の夢を思い出した。
キョンとアタシだけの空間。アタシは“このままがいい…”って思ったっけ?
夢の中だけだけど…キョンにキスされてうれしくて…その日は寝れなかったっけ?
その時…アタシは気がついた。“キョンが好き”と…。
キスされたときにキョンに言われた言葉。
その言葉で…返事を返してあげよう。
アタシはキョンに一番の笑顔で答えてあげた。
『キョン…アタシは…これからも…キョンにポニーテールを見せてあげるからね。』