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俺がこの部活に入部してから、10日ほどがたつ。
はっきり言って、俺は入部したばかりだが、部員の中でも一番強い自身がある。
そう思う理由は簡単。小さいころからやっているからだ。
家も道場をやってるぐらいだからな。
ちなみに、親父はプロだ。

まあ、それはともかく、このぐらいの時期になってくるとだいたいのやつは部活を決めていて、
とくに仮入部ともなると、ほとんどいないのだが、
俺のとなりにいる、ガキは今日やっとこの部活に仮入部したわけだ。

涼宮ハルヒ

中学のときからアホだった。
いや、頭はいいんだがな、行動がアホすぎる。
そして、俺が思ってることを正直にこいつに言ってから、俺はこいつに嫌われている。
まあ、そのほうがいいけどな。

ところでこいつは、いろんな部活に仮入部していってるそうだ。
ここもその一つだろう。
さっさとやめてくれ。めざわりだ。

にしても、こいつはいろんな男に告られて、一度OKしてから、すぐに振る習性があるらしい。
まず、こいつに惚れるほうが間違ってる。
あの・・・なんだったか?
このガキの前の席にいた男も、こないだ話しかけてたが、思わず笑っちまった。
まあ、その場面を見て笑ったのは俺だけじゃなかったみたいだけどな。
その後、谷口が忠告したんだろう。今はほとんど話してるところを見ん。
ただあの男は多分、まだあきらめていないはずだ。
このガキのことをよく見てるようだからな。
俺は、こいつのことを女としても見てねーが。

まあ、それは姿よりも、性格を先に知ってしまったかもしれん。
確か、俺がこいつのことを知ったのは、3年前の・・・七夕だったか?・・・いや、その次の日か。
学校に来たら、昨日にはなかった白い線が引いてあって、教室入って全貌を見てみたら変なマーク。
それから、あっという間にこいつの噂は流れて、俺のところにも来たわけだ。

だがな、多分それなりに美少女なんだろうよ。
性格のほうがインパクト強すぎて、俺にはよく分からんがな。
で、空手部の先輩方も惚れ惚れしてしまってるわけだ。

「ためしに瓦割りやってみる?」
先輩の一人が涼宮に聞く。
まあ、空手といえばそれだからな。上にタオル何枚も重ねてたら、たとえ割れなくてもそこまで腕は痛くないだろう。
さてさて、こいつはなんて言うのだろう?
「はい」
やると思ったよ。

涼宮がそう言うと、先輩方はのし瓦三枚と、タオル何枚か、後ブロック2個を持ってきて、試させてみるようだ。
こいつならこれぐらい割れるだろうな。
案の定、見事にキレイに割ってくれた。
「思ったより簡単ねぇ」
簡単に割れるようになってんだよ。
初心者に普通の瓦を渡せば、さすがにケガするさ。

「バットはないの?足で蹴って折るんでしょ?」
やはりこいつはバカなようだ。
先輩方も慌ててらっしゃる。
「バットは初心者には無理だから・・・」
「やってみなきゃ分かんないじゃないの」

まあいい、こいつは一度ケガしてみないとものが分からん性格だからな。
「バットならそこにあるぜ」
俺はそう言いながら、部屋の片隅の物置を指差した。
たまに、先輩方も使っているらしい。

「ちょっと君!初心者にはこれは危なすぎる!」
「俺の親父知ってますよね?」
「うっ・・・」
先輩は一歩引いた。
どうやら、俺の親父はそれなりにこのあたりの空手界では有名らしく、これさえ言ってれば俺に反抗できるヤツはいない。
まあ、俺も嫌な性格だとはおもうがな。

「あったあった」
涼宮は勝手に物置を物色していたようだ。
まあ、予想通りだが。
「じゃあ・・・そこのカラテバカ。このバット支えてて」
「荒川だ」
「あんたの名前なんて言いたくもないわ」
まあいい。俺も同じこと思ってるからな。
だが、ここでカラテバカって言ったら全員のことを指すような気がするんだが。

とりあえず、俺はこいつの言ったとおりにバットを支えてやった。
足を振り上げ、かなり強い力で蹴る。

・・・・・・・・・・・

今、こいつはしゃがみこんでいる。よっぽど痛かったようだ。
ちなみに、俺の手には何のへんてつもないバット。
まあ、少しはへこんだかもしんねーが。
こいつは力任せだからな。コツなんて分かっちゃいねえ。
性格以外は完璧な女と言われているが、そんなことはないようだ。

「これで分かっただろ?テメーみたいに何でも力で押し切るような、自己中人間は、そのうち痛い目にあうんだよ」
今がそれかもしれねーけどな。
そう言うと、こいつはキッと俺を睨んできやがった。
と同時に、腕を振り上げる。
まだ分かっちゃいねーよーだな。
俺はこいつの拳を瞬時につかみ、腕の動きを抑え、そのまま空手の技どおりにこいつの腰を蹴ってやった。
さすがに、本気ではないがな。
おっと、別に女だから本気を出さなかったわけじゃないぞ。
本気を出したら、こんな細っちい体の人間、あばら骨折っちまうかもしれねーからだ。

と、俺の腕を誰かが抑えてきた。
先輩なようだ。
まあ、俺もこれ以上、何かするつもりはありませんよ。
こいつが何かしないかぎりね。

それから、涼宮はもう一度俺のことを睨んできやがった。
今度はすこしビビッた。その顔、けっこう怖いぜ。
まあいい、ここはこう言っておいたほうがいいだろう。
「今すぐ保健室でも行くんだな。軽く腫れてるかもしれねー。自力で行けないようであれば、俺が連れて行ってやってもいいが」
それから、そいつは何も言わずに一人で保健室に行った。
俺以外の部員何人かは「本当に一人で大丈夫?」と聞いてたようだが、あいつは全て無視。
俺はみんなから悪者呼ばわりだ。
俺はあいつのやりたいようにやらせただけのつもりだが。

次の日からも、あいつは何も変わらずじまいだった。
すこしは反省したらどうだ。
まあ、あいつらしいっちゃあ、あいつらしい。
せいぜい、アホなことやって、痛い目にでもあうといいさ。

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