~部室にて~
 
キョン「Zzzz…」
 
ハルヒ「……」
 
長門「……」ペラ
 
ハルヒ「ねぇ有希」
 
長門「なに?」
 
ハルヒ「あたしたち友達よね?」
 
長門「そう認識している」
 
ハルヒ「それじゃあさ、なんか悩み事とかない?」
 
長門「何故?」
 
ハルヒ「何故って、特に理由は無いけど」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「ほら、あたしたちってあんまりプライベートな話しないじゃない?」
 
長門「?」
 
ハルヒ「あたしこんな性格だからあんまり同性の友達いないの」
 
長門「朝比奈みくるがいる」
 
ハルヒ「みくるちゃんってなんだかんだで年上だし、有希が一番一緒にいる同い年の友達なのよ」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「だから、その、もっと仲良くなりたいなぁ、って」
 
長門「つまり『普通』の交友関係を望むと?」
 
ハルヒ「うっ、団長としてあんまり『普通』を強調されると耳が痛いわね」
 
長門「他意はない」
 
ハルヒ「わかってるわよ。そうね、普通に友達と付き合いたいと思ってる」
 
長門「……」グゥ~
 
ハルヒ「一緒に買い物に行ったり、恋愛の話したり」
 
長門(お腹がへった)
 
ハルヒ「そうだ!有希って好きな人いたりするの?」
 
長門「好きな人?」
 
ハルヒ「そう!好きな人!」
 
長門「それは異性という意味?」
 
ハルヒ「当たり前じゃない」
 
長門「自分から答えないとフェアではない」
 
ハルヒ「え?」
 
長門「こういった質問の場合、自分から答えずに相手にのみ回答を求めるのはフェアではない、と本に書いてあった」
 
ハルヒ「え?」
 
長門「先に言うべき」
 
ハルヒ「あたしが?」カァァ
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「あ、あ、あ、あたしは、その」チラ
 
キョン「Zzzz…」
 
長門「?」
 
ハルヒ「あたしは、今はいないわ!……多分」
 
長門「そう、わたしは彼が気になる」
 
ハルヒ「彼?」
 
長門「そう」チラ
 
キョン「Zzzz…」
 
ハルヒ「え?あれ?」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「ほんとに?」
 
長門「友達に嘘はつかない」
 
ハルヒ「うっ」
 
長門「なにか問題が?」
 
ハルヒ「あ、あれはダメよ!止めときなさい」
 
長門「何故?」
 
ハルヒ「だって、その、見た目だってよくないし、冴えないし、馬鹿だし、有希には釣り合わないわ」
 
長門「それを決めるのはわたし」
 
ハルヒ「そうだけど……」
 
長門「……」
 
ハルヒ「でも、あいつは……その」
 
長門「嘘」
 
ハルヒ「え?」
 
長門「さっきまでの発言は嘘だと言った」
 
ハルヒ「だってさっき友達に嘘言わないって」
 
長門「それも含めて嘘」
 
ハルヒ「ほんとに?」
 
長門「今度は本当」
 
ハルヒ「ほんとにほんと?」
 
長門「くどい。友達の思い人を取ったりしない」
 
ハルヒ「だ、誰があいつのことなんか」カァァ
 
長門「なら貰う」
 
ハルヒ「それはダメ!」
 
長門「……」
 
ハルヒ「……」
 
長門「……」
 
ハルヒ「な、なによぉ」
 
長門「別に。……ただ」
 
ハルヒ「ただ?」
 
長門「人をからかうのはなかなか楽しい」
 
ハルヒ「なっ!」
 
長門「友達なら冗談の一つや二つは言うもの」
 
ハルヒ「そうだけど」
 
長門「あなたは私に普通の友達を求めた」
 
ハルヒ「うん」
 
長門「だからそれに答えられようにしてみた。何か違った?」
 
ハルヒ「……あたしも普通の友達ってよく分からないけど、多分あってると思う」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「ここじゃ言えないけど、今度有希にはあたしの好きな人教えるはね」
 
長門「わかった」
 
ハルヒ「それじゃあこの話はこれでお終いね」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「有希はあたしに何かないの?」
 
長門「なにかとは?」
 
ハルヒ「質問よ」
 
長門「質問……。趣味は?」
 
ハルヒ「不思議なこt」
 
長門「それはもういい」
 
ハルヒ「えぇ~。他には、料理とかかな?こう見えて結構お母さんと一緒に作ったりしてるから上手なのよ」
 
長門(案外普通。しかし)
 
ハルヒ「似合わないかな?」
 
長門「興味がある」
 
ハルヒ「そ、そう。有希は一人暮らしなのよね。自分で作ったりしてるんでしょ?」
 
長門「……」フルフル
 
ハルヒ「もしかしてコンビニ中心?」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「有希らしいと言えばそれまでだけど、それじゃ全然ダメじゃない」
 
長門「?」
 
ハルヒ「いい。女の子は料理くらい出来ないと後々大変よ?」
 
長門「今日のあなたは少し変」
 
ハルヒ「そ、そうかしら」
 
長門「いつもなら『女の子らしい』などということを一々強調しない。それは朝比奈みくるの役割」
 
ハルヒ「そうかもね。でもなんだか有希とはなんていうの?腹を割って話したいというか、そんな感じなのよ」
 
長門「それは私が友達だから?」
 
ハルヒ「そう。それに有希って口堅そうだし」
 
長門「望むなら他言はしない」
 
ハルヒ「頼むわよ。SOS団の団長がこんなだったら他のみんなに示しがつかないわ」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「でも、有希さっき嘘ついたしなぁ~」
 
長門「しつこい。それよりもさっきの話」
 
ハルヒ「さっき?あぁ料理の話ね」
 
長門「なにが得意?」
 
ハルヒ「ありきたりだけどカレーね」
 
長門「!!!」
 
ハルヒ「市販のルーを何種類か混ぜると美味しいのよ。あたしの場合、味の決め手はコンビーフね」
 
長門「……」ゴク
 
ハルヒ「後は、大量の玉葱と人参にカボチャ。お肉は豚バラと手羽先」
 
長門「……」グゥ~
 
ハルヒ「後は香り付けに月桂樹の葉も必要ね。それとた~か~の~つ~め~、って知ってる?」
 
長門「知らない。興味がない」ググゥ~
 
ハルヒ「な、なんか今日の有希はアグレッシブね」
 
長門「あなたが望んだ結果こうなった」
 
ハルヒ「まぁ、悪い気はしないわ」
 
長門「そう」グググゥ~
 
ハルヒ「お腹空いてるの?」
 
長門「あなたの話を聞いたら俄然空いてきた。カレーはとても好き」
 
ハルヒ「そっか……。ねぇ、今日あたしん家両親が出かけてて夜一人なのよ」
 
長門「それで?」
 
ハルヒ「せっかくの機会だし有希の家に泊まりに行っていい?」
 
長門「さっきのレシピ通りにカレーを作るなら許可する」
 
ハルヒ「じゃあ決まりね♪あたし家に着替えとか取りに行ってくるわね。で、ついでに買い物して行くわ」ガタ
 
長門「私もついて行く」ガタ
 
ハルヒ「今日は夜通し遊ぶわよ!」
 
長門「構わない」
 
バタンッ
 
 
 
 
 
 
 
キョン「ふぁぁ~……、あれ、誰もいない」
 
Fin
 

 



~涼宮邸前~
 
ハルヒ「おまたせ有希」
 
長門「大丈夫」
 
ハルヒ「じゃあ行きましょ」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「有希の家の近くにスーパーってある?」
 
長門「ある。問題ない」
 
ハルヒ「ならいいわ」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「有希は料理作れるの?」
 
長門「カップ麺ならお手の物」キラ
 
ハルヒ「……それは料理じゃないわよ」
 
長門「?」
 
ハルヒ「ま、まさか家に調理器具ないとかいわないでしょうね」
 
長門「……。大丈夫用意した」
 
ハルヒ「用意した?」
 
長門「問題ない」
 
ハルヒ「よく分かんないけど、あるんならいいわ」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「~♪」
 
長門「……」ジー
 
ハルヒ「ん?どしたの有希?」
 
長門「別に」
 
ハルヒ「?変な有希♪」
 
長門(精神状態が非常に良好)
 
ハルヒ「有希の部屋って本いっぱいありそうよね」
 
長門「家にはあまりない」
 
ハルヒ「そうなの?」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「ちゃんと片付いてる?」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「そうよね。有希ってなんか几帳面っぽいし」
 
長門「……」
 
ハルヒ「先に家行っていい?荷物持ったままだと買い物しずらいし」
 
長門「構わない」
 
ハルヒ「♪」トテトテ
 
長門「……」トテトテ
 
 
~長門宅にて~
 
ハルヒ「お邪魔しまーす」
 
長門「どうぞ」
 
ハルヒ「ほんとに誰もいないのね」
 
長門「私だけ」
 
ハルヒ「今は二人よ」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「そうよ」
 
長門「こっちがリビング」
 
ハルヒ「へー、って何にもないじゃない!?」
 
長門「机がある」
 
ハルヒ「見りゃ分かるわよ。こんなシンプルな部屋なんて初め
 
てみたわ」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「普通年頃の女の子なら小物の一つでも……」
 
長門「普通?あなたは普通は求めいていないのでは?」
 
ハルヒ「もう!いちいち突っ込まないでよ。あくまで一般論よ
 
、一般論」
 
長門「……」ジー
 
ハルヒ「な、なによ」
 
長門「別に」
 
ハルヒ「気になるじゃない」
 
長門「別にと言った」
 
ハルヒ「わかったわよ」
 
ハルヒ「それじゃあ買い物行きましょう」
 
長門「行く」
 
ハルヒ「それじゃあ案内してね」
 
長門「任せて」
 
 
~スーパーにて~
 
ハルヒ「まずは野菜ね」
 
長門「……」トテトテ
 
ハルヒ「まさか、お米何も無いとは思わなかったわ」
 
長門(お菓子もある)
 
ハルヒ「とりあえず、カボチャに玉葱、にんじんっと」
 
長門「……」キョロキョロ
 
ハルヒ「次はお肉ね」
 
長門「……」トテトテ
 
ハルヒ「やった、豚バラ半額よ。得したわね」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「手羽も見つけたし、後は香辛料ね」
 
長門「……」トテトテ
 
ハルヒ「あった」
 
長門(することが無い)
 
ハルヒ「それじゃあレジ行ってくるから、お金は後で割りカンね?」
 
長門「わかった」
 
注:調理シーン及び食事シーンは割愛で。
 
~再び長門宅~
 
長門「ごちそうさま」
 
ハルヒ「おそまつさまでした」
 
長門「美味しかった」
 
ハルヒ「カレー好きの舌を満足させれてよかったわ」
 
長門「牛、豚、鳥が全部入ったカレーは初めて」
 
ハルヒ「そうなの?家であれが普通よ。実際安いお肉だけで済んでるし」
 
長門「今後の参考にする」
 
ハルヒ「どうぞ。それにしてもよく食べるわね。見てるだけでお腹痛くなりそう」
 
長門「いつもこのくらい」
 
ハルヒ「この小さい体にどんだけ入るのよ」ポンポン
 
長門「お腹を叩くのはやめて」
 
ハルヒ「あっ、ごめん。でもあれね、次回の不思議探索は有希の胃袋の限界調査ね」
 
長門「構わない」キラッ
 
ハルヒ「いずれはSOS団を代表して、大食い女王決定戦に出てもらおうかしら」
 
長門「一向に構わない」キラッ
 
ハルヒ「あはは、流石に冗談よ」
 
長門「……そう」
 
ハルヒ「……有希はさ」
 
長門「?」
 
ハルヒ「一人暮らしで寂しくないの?」
 
長門「特に」
 
ハルヒ「でも学校から帰ったらここには誰もいないじゃない?」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「あたしなら寂しいなぁ、って」
 
長門「やはり今日のあなたは変」
 
ハルヒ「またそれ?なかなか弱みを見せないあたしが見せてるんだから、少しは相槌しなさいよ」
 
長門「弱みを見せるということは私を信用している?」
 
ハルヒ「家族の次に」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「そうよ」
 
長門「……私は、あまり寂しくない」
 
ハルヒ「有希は強いのね」
 
長門「なぜなら」
 
ハルヒ「なぜなら?」
 
長門「普段なら今頃、彼とメールのやり取りをしている」
 
ハルヒ「え?」
 
長門「寝るまで」
 
ハルヒ「か、彼って?」
 
長門「そう、彼」
 
ハルヒ「そ、そんな話聞いてないはよ!」ガタ
 
長門「それはそう。言ってない」
 
ハルヒ「な、な、な、だって有希好きじゃないって、い、言ったじゃない」
 
長門「そろそろメールを送る」カチャ
 
ハルヒ「え!?」
 
長門「……」メルメル
 
ハルヒ「……」ドキドキ
 
長門「完了」
 
ハルヒ「……なんて送ったの?」
 
長門「……」
 
ハルヒ「ちょっと、なんかいいなs」ピリリリ
 
ハルヒ「こんな時誰からよ?」
 
FROM ♪ユッキー♪
 
本文
あなたは単純すぎ(笑)
 
だから面白い(笑)
 
さっきのはもちろん真っ赤な嘘(笑)
 
長門「ユニーク」
 
ハルヒ「……」
 
長門「……ユニーク」
 
ハルヒ「有希」
 
長門「……ユ、少し調子に乗った」
 
ハルヒ「……そう、有希でもそんなことがあるのね」
 
長門「ごめんなさい」
 
ハルヒ「まぁいいわ。でも後で覚えてなさいよ?」
 
長門「わかった」
 
ハルヒ「ったく、もぉー」
 
長門「牛?」
 
ハルヒ「え?」
 
長門「なんでもない」
 
ハルヒ「そう」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「……なんか不思議よね」
 
長門「?」
 
ハルヒ「SOS団で、とかじゃなくて有希と二人だけじゃない?」
 
長門「SOS団があるから今がある」
 
ハルヒ「そうなんだけど……」
 
長門「?」
 
ハルヒ「あのね、一つ前からどうしても聞きたいことがあったの」
 
長門「なに」
 
ハルヒ「あたしが文芸部の部室をなかば強引に頂いたじゃない」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「う、肯定された。で、それって迷惑じゃなかった?」
 
長門「問題ない」
 
ハルヒ「ほんと?」
 
長門「本当」
 
ハルヒ「今更だけど、迷惑だったら謝んなきゃ、ってずっと思ってたのよ」
 
長門「迷惑ではない。むしろ良かった」
 
ハルヒ「え?」
 
長門「あれは必然。あなたが来て、彼が来て、朝比奈みくると古泉一樹が来た。そのおかげで今に至る」
 
ハルヒ「有希……」グス
 
長門「だからあなたは謝罪ではなく、謝礼を言うべき」
 
ハルヒ「ん?」グス
 
長門「私があの部室を保有していたおかげでSOS団がある」
 
ハルヒ「……なんか有希って性格ちょっと悪くない?」
 
長門「あなたが望んだ」
 
ハルヒ「あたしが望んだのは友達よ!」
 
長門「友達なら関係は同等。あなたに合わせると自然とこうなる」
 
ハルヒ「また聞き捨てならないわね」
 
長門「気のせい」
 
ハルヒ「……今回も貸しにしとくわ」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「ふぅー、ねぇお風呂入っていい?」
 
長門「構わない。バスタオルは脱衣所にある」
 
ハルヒ「ありがとう。……有希一緒に入らない?」
 
長門「一緒に?」
 
ハルヒ「そう、たまには裸の付き合いも悪くないでしょ」
 
長門「それは一般に男性の台詞」
 
ハルヒ「細かいことは気にしないの、ほら行くわよ♪」ガシ
 
長門「分かったから引きずらないで欲しい」ズルズル
 
 
~脱衣所にて~
 
ハルヒ「~♪」スル
 
長門「……」
 
ハルヒ「~♪」スルスル
 
長門「……」
 
ハルヒ「あれ?有希脱がないの?」
 
長門「すぐ入る。先に行って」
 
ハルヒ「?わかったわ」
 
長門「……」
 
長門(これは今日の仕返し?)
 
 
浴室にて~
 
長門「遅くなった」
 
ハルヒ「先にお風呂頂いてるわよ」
 
長門「構わない」ジャー
 
ハルヒ「はぁ~、暖まるわ~」
 
長門「そう」ゴシゴシ
 
ハルヒ「……」ジー
 
長門「何?」ゴシゴシ
 
ハルヒ「え?いや、有希って肌綺麗だなぁって、なんか使ってるの?」
 
長門「何も」ゴシゴシ
 
ハルヒ「いいなぁ、うらやましい」
 
長門「私はあなたがうらやましい」ジー
 
ハルヒ「ん?あぁ、これ?そうね有希にないもんね」ニヤニヤ
 
長門「私にもある」ジャー
 
ハルヒ「え?どこ?」
 
長門「……涼宮ハルヒを敵性と判断」キュ
 
ハルヒ「ちょ、冷たいわよ、有希!冷水は卑怯よ!」
 
長門「聞こえない」
 
ハルヒ「こんなけエコーかかって聞こえないわけないでしょ!もう、冷たいってば」
 
長門「潜ればいい」
 
ハルヒ「!その手が」ザブ
 
長門(今のうち)
 
ハルヒ「ぷはっ、息続かない」ガン
 
ハルヒ「って、イタ!」
 
長門「注意力が足りない」
 
ハルヒ「潜ってる時にふた閉めないでよ!驚いたじゃない」
 
長門「それが目的。今だけはあなたは私の手のなかで踊る」
 
ハルヒ「なによそれ」
 
長門「なんでもない」
 
ハルヒ「それより入んないの?風邪ひくわよ」
 
長門「入る。詰めて」
 
ハルヒ「ん」
 
長門「あたたか、くない……ぬるい」
 
ハルヒ「ふん、自業自得ね」
 
長門「お湯を足す」
 
ハルヒ「賢明ね。これじゃ誰かさんのせいで風邪引いちゃうわよ」
 
長門「……」
 
ハルヒ「だんだん暖かくなってきたわね」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「……ねぇ有希。後ろ向いてこっちに背中あずけて」
 
長門「何故?」
 
ハルヒ「なんか有希ってちっちゃいから妹みたいに見えて」
 
長門「妹?」
 
ハルヒ「ほら、キョンの妹ちゃんいるじゃない?あの娘見てから、あたしにも妹いたら良かったのになぁ、とか考えちゃうのよ」
 
長門(あまり強く考えられると現実になりかねない)
 
ハルヒ「だから有希、お姉ちゃんとこおいで。なんてね」
 
長門「わかった」クル
 
ハルヒ「いやに素直じゃない♪」ギュ
 
長門「……」ムニ
 
ハルヒ「ふぅ」ムニ
 
長門「……」イラ
 
ハルヒ「暖かい」ムニ
 
長門「背中に当たるものが非常に不愉快」ザバァ
 
ハルヒ「もう出るの?」
 
長門「出る」
 
ハルヒ「じゃあ、あたしも上がr」
 
ピシャッ!!
 
ハルヒ「ちょっとなに閉めてんのよ!あけなさい!」
 
 
~寝室にて~
 
ハルヒ「もう、せっかく夜通しで遊びたいとこだけど明日も学校なのよね」
 
長門「仕方がない」
 
ハルヒ「わかってるわよ」
 
長門「布団はここでいい?」
 
ハルヒ「どうせなら隣通しにしましょうよ。それでどっちかが寝るまでずっと話してましょ♪」
 
長門「構わない」
 
ハルヒ「決まり♪」
 
長門「歯を磨いてくる」
 
ハルヒ「あらまだだったの?あたしなんかとっくに」イー
 
長門「そう」トテトテ
 
ハルヒ「ったく、つれないわねぇ」
 
ハルヒ「先に横になってよ」
 
ハルヒ「……」
 
ハルヒ「……」バタバタ
 
ハルヒ(あたし今友達とお泊りしてるんだよね?なんか楽しい♪案外普通も悪くないじゃない)
 
長門「戻った。……ほこりが出るからあまり騒がないでほしい」
 
ハルヒ「あっ、ごめん」
 
長門「別にいい」ストン
 
ハルヒ「それじゃあ寝ましょ」
 
長門「明かりを落とす」カチ
 
ハルヒ「……」
 
長門「……」
 
ハルヒ「……」
 
長門「……」
 
ハルヒ「なんか喋りなさいよ!このままじゃ寝ちゃうじゃない」
 
長門「……あいうえお」
 
ハルヒ「……今、はっきりしたわ。どうやら今日の有希はあたしにケンカ売ってるみたいね?」
 
長門「……」フルフル
 
ハルヒ「いいえ、許さないわ。ちょっとそっちに詰めなさい」モゾモゾ
 
長門「何を?」
 
ハルヒ「罰として、今晩は有希を羽交い絞めにして寝る」
 
ハルヒ「観念しなさい」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「……ねぇ」
 
長門「何?」
 
ハルヒ「これから先も皆でやってけるかなぁ」
 
長門「何を?」
 
ハルヒ「SOS団」
 
長門「今は何の問題もない」
 
ハルヒ「そうじゃないの。あたしにとってSOS団ってほんと特別なのよ。こんなに皆でワイワイやって楽しかったことなんて今までなかった」
 
長門「……」
 
ハルヒ「有希に、みくるちゃんに古泉君、鶴屋さんもそうね、ついでにキョン」
 
長門「……」
 
ハルヒ「皆とだから上手くやってけてる気がする。大人になったら、流石にあたしも少しは丸くなってると思う」
 
長門「丸く?」プニプニ
 
ハルヒ「有希」
 
長門「……ジョーク」
 
ハルヒ「はぁぁ。だからね、大人になっても皆で楽しくやってけるかなぁって」
 
長門「……」
 
ハルヒ「今が楽しすぎるから不安になってくのよ」
 
長門「大丈夫」
 
ハルヒ「何がよ」
 
長門「あなたが望めば願いはきっと叶う。もちろん私も望んでる」
 
ハルヒ「……有希」
 
長門「大丈夫」
 
ハルヒ「そうだよね」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「ありがとう。それとね……」
 
長門「?」
 
ハルヒ「昼間話してた、その、あたしの好きな人なんだけど……」
 
長門「別に言わなくていい」
 
ハルヒ「え?」
 
長門「気付いてないと思ってるのはあなただけ」
 
ハルヒ「……え?」
 
長門「朝比奈みくるも古泉一樹も知っている」
 
ハルヒ「……」カァァ
 
長門(抱きしめる力が強くなった)ギュウゥゥ
 
ハルヒ「……あいつも知ってるの?」カァァ
 
長門「残念ながら彼の鈍さは尋常でない」
 
ハルヒ「そ、そっか」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「も、もう寝ましょ」
 
長門「……」コク
 
ハルヒ「……あたしたちこれからもずっと友達よね」
 
長門「友達」
 
ハルヒ「……親友と思っていい?」ボソ
 
長門「何?」
 
ハルヒ「な、なんでもないわ!おやすみ!」
 
長門「?おやすみ」
 
 
~通学路にて~
 
ハルヒ「おはよう、古泉君」
 
古泉「おはようございます。おや今日は長門さんと一緒ですか?めずらしいですね」
 
ハルヒ「そうなのよ。有希が寂しいからどうしてもって言われて、昨日はお泊りだったのよ」
 
長門「明らかに事実と違う」
 
ハルヒ「そうだっけ?」
 
長門「そう」
 
ハルヒ「まぁ、どっちでもいいじゃない」
 
長門「……昨夜の恥ずかしい寝言を話す」
 
古泉「おやおや、それは興味がありますね」
 
ハルヒ「え?何?寝言なんてあたし知らないわよ!?」
 
長門「それはそう。寝言だから」
 
古泉「それで涼宮さんはいったいなんと?」
 
長門「まず、ky」
 
ハルヒ「ワーー、ワーー、ストップよ有希!あたしが悪かったから」
 
長門「反省してる?」
 
ハルヒ「してるしてる」
 
長門「そう、ならいい」
 
鶴屋「おや、皆朝から元気いいねぇ」
 
みくる「みなさん、おはようございますぅ」
 
ハルヒ「鶴屋さんにみくるちゃん!おはよう」
 
古泉「おはようございます」
 
鶴屋「いったい何騒いでたんだい?」
 
長門「涼宮ハルヒの弱みを握った」
 
鶴屋「なんだって!それはでかしたよ!」
 
ハルヒ「有希、喋ったら死刑よ!」
 
長門「なら、死刑になる前に今全て暴露する」
 
ハルヒ「ちょ。ウソ!ウソよ!有希!落ち着いて」
 
みくる「みんな朝から元気ですねぇ」
 
古泉「えぇ、ほんとに。もし可能なら、こんな日がずっと続けばいいですね」
 
みくる「そうですねぇ」
 
 
Fin?


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