おかしい。
何がおかしいかだって?
妻だ。
園生の様子がおかしいんだ。
どうおかしいかってのはよくは分からん。
強いて言うなら… 悲しげ?
いや、恥ずかしながら夫の癖に園生の表情が読めなくなる時が時折あるんだわ。
で、今がその読めなくなっている時なんだが… こういう時は決まっていいことがない。
はあ~、やれやれ…
「なあ園生、何かあったなら言ってくれないか?」
「何を言ってるの? あなたに言わないといけないようなことは一つもないですよ」
んん~ 嘘だよな?
いや、ホントか??
…分からん。
流石に今まで培ってきたものが違うとしか言えん。
「ホントか…? まあ、お前さんがそう言うんなら良いんだがな、これだけは言わしてくれ。
二人の時に仕事で使うような顔を見せるのは止めてくれ」
何を考えてそうしているかは分からんが、何かを隠そうとしているって事くらいは分かるんだよ。
「…もう、あなたには敵わないですね」
そうか?
お前さんにそういう風に言われるとわ、俺も相当なもんだn… って「園生、どうした!? なんで泣くんだ!?」
おいおい、一体どういうことだよ?
あの園生が泣いてる?
ありえんだろ?
おい、事情を知ってる奴出て来い。
事と次第によっちゃあ吊るし上げてやる!
「ううん… 大丈夫、私が悪いだけですから…」
「おい、何が悪いって言うんだ… なあ、園生、俺達夫婦だろ? だから一人で抱え込んだりしないで俺にも相談してくれ」
そらよ、園生は一般ピーポーの数倍ハイスペックで古泉の機関の人たちに頼りにされてて俺なんかの嫁さんには勿体な過ぎるが、
夫婦である以上俺にだって出来ることあるはずだろ。
「すみません… そうですよね、私たちは夫婦ですね」
「そうだ、夫婦だ。なあ、一体何があったんだ?」
「…また駄目でした」
「?」
「この間… 頑張ったのに、今度こそって… でも、駄目でした…」
…ああ、あれか。
「なあ園生、確かに子供は欲しいさ、だけど、そんなに気に病むな。
今回駄目だからって絶対出来ないってわけじゃないだろ?」
「でも、私はそんなに若くないです… きっとこのまま出来ないってことに…」
確かに年齢的に言ったら若くはないが… その年齢でお前さんのようなプロポーションを保ってるのはそうそう居ないだろ?
顔も結構童顔だしな。
しかし、改めてこう見ると、いい体しる上に童顔…
園生さん、最高です。
…って、そんなことよりだな。
「俺は別にそれでいいさ」
「!?」
「さっきも言ったが子供は欲しい。だがな、それ以上に俺は園生、お前さんと死ぬまで一緒に居たいんだ。
いや、死ぬまでなんて言わん、死んでからも一緒に居たいんだ。子供はその次だ。な、だから、そんなに悲しむんじゃねえよ」
隊長!! 大変な臭いがします!!
何!? それはいかん、仕方が無い… ファブリィーズを用意しろ!
はっ!
…おおっと、現実逃避もそこそこにしないとな。
しっかし酷い現実逃避だ…
はあ~、我ながら臭えな、おい。
穴があったら入りてえ…
おい古泉、ケツ貸しててくれ。
「…ありがとうございます」
…おっと隊長さん、この臭いを消す必要はなさそうだ。
人間少々臭い位がちょうどいいらしい。
「ただ… 臭いですね」
Ohh…