あぁ…疲れました…

今日は久しぶりに神人退治…気がつけば夜の11時を回っています…

…お腹空きましたねぇ…

今日もまたCoCo壱のテイクアウトで済ませますか。
一人暮らしの身故に家に帰っても夕食の用意なんかされてるわけが無い。

機関からは自炊もできるようになれと言われてるんですが…

『総出で古泉の家に行って自炊パーティーでもしようか?』

…勘弁してください森さん。

脳内でツッコミを入れるのもしんどい。
ぐったりしながら駅前のCoCo壱番屋に入る…しかし。

「…あれ?」

…店員が1人もいませんね。

変わりにカウンターで黙々とカレーを食べ続ける人が1人。

「…モグモグ…ん?」
こっちに気がついたようです。
確か彼と同じクラスの…

「えと…キョンと同じ部活の…古泉くん?」
「はい、そうです…国木田くんでよろしかったでしょうか?」

うん、そうだよ。と呟き彼は水を一杯飲む。

「やっぱり辛いなぁ…1辛で十分だね。そんな所に立ってないで座ったらどうだい?」
「ではお言葉に甘えて。そういえばこんな時間帯に夕ご飯なんですか?」
「まぁね。塾やらなんやら色々あってさ。君もこれから夕ご飯かな?」

そんなところです。

「バイトが長引いてしまって…そう言えば店員の人来ませんね」
「あぁ、このカレーを作ったっきりでてこないんだ」

…何かあったんでしょうか…

「まぁいいじゃない、初めて会ったもの同士、少し話してみないかい?」
「疲れて眠かったんですが…」
「ま、ま、いいじゃない」

アハハ、と笑いながら国木田くんが肩を叩いてくる。
…まぁたまにはこういうのも良いですかね。

しかし…

「ん?どうしたの?神妙な顔をして」
「いえ…少し気になったことがあって。大丈夫です」

…なんでこの店はお酒の匂いが充満してるんでしょうか…

「ところでさ、いきなりで何だが相談があるんだけど…」
「相談ですか?」
「…うん」

彼のスプーンを動かす手が止まる。

「…あの…ね」
「………」
「その…言いにくいんだけど…同性愛ってどう思う?」

………

「あれ?なんでイス一個分離れたんだい?」
「ちょっと…空調が…」
「ふーん…」


…今この人は何て言いましたか!?
同性愛!?誰が!?男性と男性が!?

ふと、国木田くんの顔を見る。

…いやいやいやいや…そんな可愛らしい顔で何を言うんですか!?

「僕の顔に何か付いてるかい?」
「…いえ」
「でさ、どう思う?…同性愛」

どうって言われても…

「あー…えっと…そのー…別に良いんじゃないですか?誰を愛するも個人の自由ですし…」
「だよね!だよね!」

心底嬉しそうに歓喜している。
…国木田くんってこんなキャラだったんですか…

「でさぁ…古泉くんは…好きな人いるのかな?」
「帰ります。それでは」

これ以上ここにいたら危ない気がします。

「ち、ちょっと待ってよ!」
「うわっ!」

痛…後ろからタックルされました…って何馬乗りになってるんですか!?

「だってこうしないと古泉くん逃げるだろう?」
「寧ろ逃げようとしたんです!悟ってください!」

だ、駄目だ…腕をガッチリ挟まれて逃げ出せない…

「綺麗な肌だね…思わずうっとりするよ…」

繊細な指が僕の頬をなぞる。

「ち、ちょっと…止めてくださいよ」
「あぁ、頬ずりしたくなる…」

か、顔が近い!近いですよ!

…ってこの臭い…やはり…

「あなたお酒飲んでますね!?」
「飲んでないよ、お酒なんか…」

絶対酔っぱらってるじゃないですか!


「あぁ、確かに…酔ってるかもね…恋に」

トロンとした目の彼の顔がどんどん近づく。

「僕はね…古泉くんのことが好きなんだ。さっきは知らないふりをしてたけど…ずっと君のこと見てたんだ」

はい!?ここで告白ですか!?

「君とキョンが楽しそうに話してるときはいつも歯痒かったよ…でもそれも今日で終わりだね…」

顔に息がかかる。
童顔でとても同い年には見えません。

…って…終わり?

「あぁ、好きだ…好きなんだ…古泉くん…いいよね?」
「いいよねって何がですか!?…ちょっと…何目を瞑ってるんですか?」

…まさか…キスしようとしてる?

「落ち着いてください!」
「………」

ダメだ、もう聞こえちゃいない。せめて片腕が外せれば…

そうこうしてる間にもどんどん国木田くんの唇が迫ってくる。

『ショタっ子いいじゃないか!』

良くないですよ鶴屋さん!!!!!


















…あれ?

「…国木田くん?」
「…スー…スー…」

…寝てる?

「はぁ…助かりました」

…人として大切な何かを失うところでした。
とりあえず店員を呼びましょう。

「すみません、誰かいませんか?」
「…いる」

うわっ!!!

真後ろに誰か立ってました…って

「長門さん!?何でここに!?」
「…アルバイト」

…そうですか。

「あの、この人、何故か酔いつぶれてしまったみたいなんで…家まで送ってあげられませんか?」
「…失敗」

…え?

「…何でもない。個人的に掘れ薬もどきを作って実験台として使ってみたなんてことは絶対に無い」
「…全部喋ってますよ?」
「…迂闊」

…だめだ、もう突っ込む気力すらない。

結局、国木田くんは長門さんの力で家まで送ってもらいました。

…長門さんに僕が国木田くんに馬乗りされてる写真をネタにたかられるのは、また別のお話。

おわり

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最終更新:2008年11月26日 09:40