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ハルヒ「ちょとキョン!あんた私のプリン食べたでしょ!」
キョン「・・・冷蔵庫に入っていたやつのことか?」
ハルヒ「そうよ!駅前のケーキ屋のマークが入ってたヤツ!」
キョン「ああ、さっき食ったな」

まさかあれがハルヒのプリンだったとは・・・なんともついていない。

ハルヒ「なんてことすんのよ!私があのプリンをどれだけ楽しみにして
   たかわかる?あれ買うために朝から30分も並んだんだから!」
キョン「そうなのか。しかしプッチンプリンと大差なかったぞ」

ああ、つい余計なことを言ってしまった。俺のバカ!

ハルヒ「それはあんたの舌がいかれてんのよ!あのとろけるようななめらかさ!
   そしてカラメルの絶妙な甘さ!あの味がそんじょそこらのコンビニプリンに真似できるわけないでしょ!?
   ああああああああ!そんなこと言ってたらますます食べたくなってきちゃったじゃない!
   どうしてくれんのよ!」
キョン「どうしてって言われてもなぁ。・・・明日買っとくからそれで勘弁してくれ」
ハルヒ「ダメダメダメダメ!私は今食べたいの!今すぐ買ってきなさい!5秒以内に!
   そしたら許してあげてもいいわ!」

キョン「無断で食ったのは悪かった。だが無茶を言うな。もう6時だぞ?学校が閉まるのは確か7時だ。
   帰ってきたら確実に7時を過ぎてるだろ」
ハルヒ「・・・仕方ないわね。」

お?珍しく引き下がってくれるのか?少しは大人になったじゃないか。

キョン「まぁ。明日の朝にでも買っておくからそれで許しt・・」
ハルヒ「じゃあ行くわよ!」
キョン「!?・・どこにだ?・・・まさかとは思うが・・駅前・・までか?」
ハルヒ「当たり前でしょ!?今から買いに行くわよ!
   そもそもあんたが悪いんだからグダグダ文句言ってないでさっさと準備しなさい!」

前言撤回。やはりハルヒはハルヒだ。

まだ11月だと言うのに街はもうクリスマス色に染まっている。
通り過ぎて行くカップルたちも気分は最早クリスマスなのだろう。忌々しい!
しかし、ケーキ屋のショーウィンドを並んで眺めている俺たちも、
もしかしたらカップルに見えるのかもしれないな。
だがまぁ、相手が相手だ。本人はそんなことは全く気にしていないのであろう。

キョン「無いな」
ハルヒ「・・・」
キョン「残念だったな。まぁケーキはたくさんあるんだ。好きなのを選べ。
   どれでも奢ってやるぞ。」

俺ってなんと太っ腹!・・・しかし、こうでもしないと許してくれそうにないしな。

ハルヒ「・・・ゃだ」
キョン「ん?なんだ?」
ハルヒ「プリンじゃなきゃ嫌だって言ったのよ!私はプリンが食べたいの!
   プリンが食べられるまで絶対に許さないんだから!!」

はぁ。俺はこいつを甘く見ていた。

キョン「お、おい。店の中だぞ。あんまりでかい声で騒ぐなって。
   ほら、プリン・ア・ラ・モードならあるぞ。これでいいだろ?」
ハルヒ「だから私はプリンが食べたいって言ってるじゃないの!
   純粋なプリンが食べたいのよ!このバカキョン!」
キョン「これだってプリンだろーが!
   しかもこっちのほうが200円も高いんだぞ!
   ・・・子供じゃないんだからこの辺で妥協してくれよ」

ハルヒ「なんで私が妥協しなきゃなんないのよ!
   あんたが悪いんだからなんとかしなさいよ!!」

いい加減にしてくれ。さすがに俺もイライラしてくる。

キョン「なんとかならないことぐらいわかるだろ!?店にないんだぞ!?
   ほら、早く選べ。もう7時すぎてるんだぞ?」
ハルヒ「うるさいわね!そもそもあんたが勝手に食べるからこんなことに
   なったんでしょ!?」
キョン「だったらプリンに名前でもK・・」
店員「あの・・お客様・・」

ああ、店の中だった。痴話喧嘩にでも見えたか?なんとも恥ずかしい。

キョン「あ・す、すみません。えーとそれじゃあプリン・ア・ラ・モードと
   ショートケーキ一つずつ下さい」

ハルヒ「ちょっとなに勝手に・・・!」
店員「かしこまりました、お二つで1300円になります」
キョン「じゃあこれで」

そう言って財布から2000円をだす。痛い出費だ。

店員「2000円お預かりいたします・・・・700円のお返しです。
  ありがとうございました」
ハルヒ「だから私はプリンが・・・!」

まだ言ってるのかコイツは・・・。
俺はハルヒのを腕を無理矢理引っ張って店を出る。
お前はおもちゃをほしがる幼稚園児か!

キョン「はは・・お騒がせしましたした~」
店員「ありがとうございました。またお越し下さい」

店員の声が嫌味に聞こえたのは気のせいではないだろう。

店を出てからハルヒは一言も口を聞いてくれない。
勝手にケーキを買ったことでさらに怒らせてしまったようだ。
俺はケーキの箱を持ったまま、暗い道を黙って後ろを付いて行く。
ショートケーキも買ってやったんだから、そろそろ許してくれてもいいと思うんだが・・・

結局、俺は許してもらえないままT字の別れ道に着いた。俺の家は右。ハルヒは左だ。

ハルヒ「・・・」
キョン「なぁハルヒ・・何回も謝ってるだろ?」
ハルヒ「・・・」
キョン「はぁ・・・。俺の家あっちだから、ほら、ケーキ」
ハルヒ「・・・着いて来なさい」

久しぶりに口を開いたと思えば、まだ俺を自由にしてくれないのか?
腕時計の針はもうすぐ8時を指そうとしている。

キョン「どこ行くんだ?」
ハルヒ「いいから着いて来なさい!」
キョン「あ、ああ」

T字の別れ道を2人で左へ曲がる。嗚呼、俺の家が遠のいていく。
しばらく歩くとハルヒは小さな公園のベンチに座った。

ハルヒ「ほら、あんたも座りなさいよ。あとケーキ」

俺が座るとぶっきらぼうにケーキを要求する。全く、俺が買ったんだぞ。
ハルヒは箱を開けてプリン・ア・ラ・モードをスプーンで口へ運ぶ。

ハルヒ「・・・」
キョン「うまいだろ?」
ハルヒ「・・まあまあね。・・・ショートケーキはあんたにあげるわ。
   太ったら嫌だしね。」
キョン「いいのか?じゃあ遠慮なく」

うん。うまいではないか。
ではショートケーキの主人公・イチゴをいただきま・・・

キョン「・・・イチゴほしいのか?」

イチゴを口に入れる瞬間ハルヒの視線に気がついた。

ハルヒ「べ、別にいらないわよ。まぁくれるって言うんなら食べてもいいけど」
キョン「そうか。・・・じゃ、あーんしろ」
ハルヒ「な、なに言ってんのよ!そんな恥ずかしいことできるわけないでしょ!」
キョン「じゃあ食っちまうぞ」
ハルヒ「わ、わかったわよ!」

全く俺はなにをやっているんだ?街のカップルがあまりも羨ましかったのか?
ハルヒ相手にこんなことするとはいよいよ俺も末期だな。しかし、意外と素直に食ってくれたのには驚いた。

まぁそれはさて置き、結局許してもらってはいないが、機嫌も直ったようだし良しとしよう。

キョン「イチゴ、うまかったか?」
ハルヒ「・・・・・・・・・・・・・・・まあまあね」

暗くてよくわからなかったが、俺はハルヒが少し笑っているように見えた。
しかし、食べ物で機嫌が直るとは、なんとも単純なヤツだ。


おーわり。
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