まさか語られることになろうとは。

「ほらキョン、ボーっとしてる暇があったら手を動かしなさい」
「…へいへい」
「何よその返事!あんたが

なぁハルヒ、ここわからないんだが…

っていうからあたしが試験勉強教えてあげてるんでしょ!」

…すまん。

「わかれば良いのよ」
「あぁ、何の話かさっぱりわからん人は上の目次から『暇』っていうタイトルのものを読んでみてくれ」
「またわけわかんないこと言って!やる気あるのかしら?」

…違う違う、今のはここの英文訳。

「あ、本当だ、変な文章ね」
「…彼女のポニーテールはとっても似合っているのであった」
「また英文訳?変なのばっかりあるのね」

や、今のはハルヒの髪型を見た俺の率直な感想。

「……っ!」
「のわっ!叩くな!ノートが痛む!というか俺が痛む!」
「…次言ったら本気で殴るから」
…顔真っ赤にして何をおっしゃるか。

「…何か言った?」
「何も言ってないです」

さて、そろそろ真面目にやるか。

「…あ、雨…」
「…げ、傘持ってきてねぇぞ…」
「また入れてあげるわよ」

…すまんな。
















「…こんなもんかな」

英語なんざ見るだけで頭が痛む。
良く頑張った俺。
見事だ俺!

「よし、ハルヒ──」
「…スー…スー…」

…寝てる。

何だかんだ言ってこいつも疲れてたんだな。

「…お茶でも煎れるか」

…しっかし何回入れても朝比奈さんのように美味しいお茶が煎れられないんだよな。
やはりあの人は何らかの癒しパワーでも使ってんのか?

…ないな。

「…熱っ」

…いつも飲みやすいお茶淹れてくれてるんだなぁ…

「…スー…スー…」

こいつにそんな慈悲の心があるかは知らんが。

…冷えるようになったなぁ。
そいや暖房あったな。
…どうせもうすぐ帰るしいいか。

しかしハルヒが風邪でもひいたらどうしようか…

「…そうだ」

おもむろに棚から毛布を取り出す。
SOS団設立当初にハルヒが持ってきたものの一つだ。

ゆっくりと、ハルヒを起こさないように肩にかける。

「…そういやこんな雨の日に似たようなことあったなぁ…」

俺の肩にかけられた二枚のカーディガン。
一枚は長門のもののようだがもう一枚は?

「…スー…スー…」

…まさかな。

「…ん…キョン…」
「どうした?」
「…それ…プリン…あたし…の…スー…スー…」

…どんな寝言だよ。
あぁ、モゾモゾ動くから毛布がずれてる。

もう一度肩にかけ直してハルヒの顔を覗いてみる。

「…ポニーテール似合うなぁ」

…バレないかな?

「…スー…スー…」

…寝てるよな?

恐る恐る手を伸ばしハルヒの頭を撫でてみる。

「…いつもありがとうな」

きっと俺にしかわからないほど繊細に、ポニーテールが一回揺れた。


















屋根裏

「…口付けするかと思った」
「彼もなかなか奥手ですからね」
「あ、涼宮さん、耳真っ赤です」
「…寝たフリ」
「涼宮さんも涼宮さんですね。別の閉鎖空間が発生しそうです」
「ふふっ、やっぱりあの二人を見てると退屈しないです」

おわり

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