もし全世界からお菓子が消えてしまった場合、僕達はどうなってしまうのか。
 そんなことを考えるのは象がタマゴから生まれた場合の殻の厚さを考察する行為に似て無意味なもので、僕達はもっと他の、先に繋がっていくようなことに頭を使っていくべきなのです。
 
 しかし、それが実際に起きてしまえばそうも言ってられません。
 つまり現在、僕達の大切なお菓子がその姿をくらましてしまっているのです。もっともこれは世界規模の話ではなく、極小規模な僕の周囲でのみ発生しているだけなのですが。
 話を戻すと、僕個人としては通常お菓子が消え去ろうとも特に支障はありません。元々甘いものに頓着はありませんし、それが誰かに食べられてしまったからといって声を荒げたりなんかも僕はしない。
 ですが、今だけは非常に困るんです。
 
 何故ならば、今日はハロウィンなのですから。
 
 そして僕は現在、お菓子を何処かへ持ち去ってしまった犯人を一人で追い詰めているという実にカッコイイ場面を迎えています。そして、その犯人とは…………。
 
 
「どうやら……もう嘘は通りそうにないみたいだな。どこから俺があやしいと睨んでいたんだ?」
「簡単ですよ。お菓子がなくなってしまっては、僕達のハロウィンは成立しません。なのにあなた一人だけはずっと、早くパーティを始めようと訴えていました。みんながお菓子を探しているのはそのためだというのにね。いえ……むしろあなたは、お菓子がない状態でパーティを始めようとしているかのようだった。目的はわかりませんが、そもそもこの状況を作ったのはあなた自身なのではないかと僕は思ったのですよ」
「さすがだな古泉。そう、俺がお菓子を隠した犯人だ!」
「……あなただけは暴走などしないと思っていましたよ。なぜ、こんなことをしたんです?」
「ふ。決まってるだろ? 今日は待ちに待った楽しいハロウィンじゃないか」
「その答えは理解しかねますが。そう、今日は楽しいハロウィンになるはずだった。なぜ、あなたはお菓子を奪うようなことをしたのかと聞いているんです」
「馬鹿だな古泉。少し考えればわかるじゃないか」
 
「お菓子がなかったら、おっぱいが揉めるじゃねえか!」
 
 
古泉「……って、なんというバタフライ理論を持ち出すんですか! 雰囲気台無しですよ!」
キョン「ヒャッハハー! お前は実に馬鹿だな古泉!」
 
キョン「これはミステリーでもサスペンスでもない! 元々俺がおっぱいを揉むためのSSなんだよ!」
 
古泉「だから意味が分かりませんって! なんであなたがおっぱいを揉むんですか!」
 
キョン「簡単なことさ。トリックオアトリート。お菓子をくれなきゃいたずらされる日に、いたずらの免罪符となるお菓子がなかったらどうだ? いたずらし放題だろうが!」
キョン「俺にとってのトリックとはたわわに実った乳を揉むこと! もみもみだ! そしてトリックアンドトリック! それすなわちもみもみもみもみだ!」
 
古泉「ば、馬鹿な! あなたがお菓子を隠してしまったことによってこっちがどれほどの被害を受けるとおもっているんですか!?」
古泉「子供達はお菓子がもらえずに、別にやりたくもないイタズラを不満顔でやらなければならない! そしてイタズラされる側は只でさえ理不尽な要求を受けているのにも関わらず、対して面白くなさそうに部屋を散らかす子供の姿を見ていなければならないのです! 誰も幸せになんかなりませんよ!」
 
キョン「うるさい! やっぱりお前はわかってないな! 今はこの周囲だけしかお菓子は消えちゃいないが、全世界のお菓子が消失するのも時間の問題だ!」
 
古泉「なんてことだ……」
 
国木田「どうしたのキョン! 古泉くんも!?」 
長門「…………」
 
古泉「ああ! 国木田くんと長門さんじゃないですか! いいところに来てくれました!」
 
古泉「お菓子を隠した犯人が分かりましたよ! それは、なんだか良い感じにトリップしてしまっているあの彼がやったことのようです!」
国木田「なんだって!? どうしてそんなことをしたのさキョン!」
キョン「国木田。お前、おっぱい揉みたいと思わないか?」
国木田「な……なにを言ってるんだい!? そんな……キョンが、キョンが! なんだか面白い状態になってるよ!?」
 
古泉「そうですよ! それに一つだけ言わせてください……」
古泉「そんなにおっぱいが好きなら、一人でピンクな店に行けばいいじゃない!」
 
キョン「……古泉。お前は子供だな。まるでわかっちゃいない」
キョン「ハロウィンこそ、えっちぃことをするのに適した日なんだよ!」
 
古泉「また出た! トンデモ理論! さっきから全然意味分かりませんって!」
 
キョン「ほう。意味がわからないと。全然? まるっきり? じゃあそんなおバカボンなお前に教えてやろう」
 
キョン「大人のお店でそういった行為をするのは、お化け屋敷にお化けが出るくらい当たり前なことだ! そんなのはつまらないんだよ!」
キョン「考えてもみるんだ。お前がお化け屋敷に入ったとき、そこにお化けがいてもなんのことはないだろう?」
キョン「だが、そこに現れる血まみれのナース役のお姉さんのおっぱいを揉んでいる人がいたらどうだ? お前は沸き出る興奮を禁じえないだろう? もし、大人のお店にお化けが出たりなんかしてみろ! めちゃめちゃ怖いじゃねえか!」
 
キョン「つまりだ! お乳様というものは、ハロウィンの無礼講でいたずらっぽく拝ませてもらったほうが絶対に良いものなんだよ!」
キョン「そして男はみんな変態だ。いずれ世界中のお菓子がなくなり俺の思想が世界に広まったとき、そこにはパラダイスがまっているに違いないだろう! ふはは! これぞまさに桃源郷! これを楽園といわずしてなんと言う!?」
 
古泉「狂ってる……」
古泉「いい加減にしてください! そんなものは狂ってる! あなたは、ただのセクハラを妙な理屈で正当化したいだけじゃないですか!」
 
国木田「そうだよキョン! キミは間違ってる! 男がみんな変態なんて偏見だ!」
古泉「そうです国木田くん! もっとあのチチグルイに罵声を浴びせるんです! 旧友のあなたの言葉なら僕よりも効果があるはずだ! ほら、早く早く!」
 
国木田「キョン。男はみんな変態じゃない。それは分かって欲しい。でもね……」
国木田「少なくとも僕は変☆態だよ! だからキミには大いに同調するよ! キミの理論は正しい!」
国木田「キョン万歳! キョン万歳!」  
 
古泉「ぎゃふん!? なにを喜んでるんですか!? 信じていたのに!」
 
国木田「この世におっぱいに勝るものなし!」
 
古泉「それがあんたらの組合の標語だというんですか!?」
 
キョン「ふふふ」
キョン「んん? どうした古泉? もう他に何もいうことはないのか?」
国木田「ほらキョン! あのイケメンに、社会では多数派が正義なんだってことを教えてあげてよ!」
キョン「くっ国木田!?」
 
古泉「ええい、しかしまだこちらにだって仲間はいます!」
キョン「ほう。一応聞くが、それは誰なんだ?」
古泉「決まっています! 長門さん! いまこそ彼を…………鹿に! 鹿に変えるときです!」
古泉「そして国木田くんを馬に変えて、二人の生涯をしょーもないダジャレコンビとして終えさせるときなのです! ささ、遠慮せずに! ひと思いにちょろろーんとやっちゃってください!」
 
長門「……それは出来ない」
古泉「な……ナンダッテ-!!」
 
キョン「はっははー! 当たり前だ古泉!」
キョン「なんせお菓子を消している実行犯は、この長門なんだからな!」
 
古泉「な……まさかっ! 長門さん……何故っ! なぜなんです!?」
長門「……あたしは楽園で、彼としあわせになるから」
 
古泉「100パーセント騙されきってるじゃないですか!?」
古泉「正気に戻って下さい! それはマジなほうの天国にいたる道ですよ!」
 
古泉「しかし……これはまずいことになりました」
古泉「このままでは、みんなのハロウィンが台無しになってしまいます」
古泉「どうすれば……?」
 
国木田「古泉くん……」
国木田「いっそのこと快楽に飲まれちゃいなよ」
 
古泉「あんたが一番危ないんじゃないか!?」
 
古泉「だがしかし……おかげで閃きましたよ。あなたたちに勝つ方法が!」
 
キョン「ふん、強がりもたいがいにしろ古泉。お前はガチホモだから俺達に逆らうのかも知れんが……」
キョン「って、まさか!? お前世界中のガチホモを一挙に集めて俺達を粉砕するつもりか!? ……やめろ! それだけはやめてくれ!」
 
古泉「ふふ。あなたのアナルが悲鳴をあげるのもそろそろです……」
古泉「って、だいたい僕はガチホモじゃありませんよ! そんなけったいなネットワークもありません!」
 
古泉「……あなたはパンドラを招き入れた。それによって、あなたは自ら崩壊を迎えるのです」
 
キョン「……なんのことだ?」
 
古泉「災厄の詰まった箱を持たされたゼウスの使者パンドラを招き入れたのは、エピメウスという人物なのです。エピローグという言葉があるように、彼は、物事を後で考える人でした」
古泉「彼は兄であるプロメテウスからゼウスの贈り物には手を出すなといわれていたのですが、始めて見る女性という存在、パンドラの誘惑に勝てずに彼女を家へと招き入れてしまいました」
 
古泉「そう! エピメテウスは『おっぱいスゲェ』と思ってしまったがゆえにパンドラを迎え入れ、それゆえに世界には災いが舞い降りてしまったのです! あなたがおっぱいを好きだと言うことは、男の罪の象徴だ! それの魅力に取り付かれてしまったあなたを待っているのは、女性による制裁です!」
 
キョン「……なにを言い出すのかと思ったら、なんの具体性もない詭弁じゃねえか。ところで、俺に制裁を下す女性とやらは何処にいるってんだ?」
 
古泉「それは長門さんです」
キョン「…………」
キョン「長門が? 俺に? 制裁?」
 
キョン「はっ! 何を言い出すかと思ったらこの反乳野郎! それこそありえないだろうが!!」
キョン「俺は長門と楽園で暮らすんだ! そうだよな長門!?」
長門「……悪いこととは知っている。でも、彼がそう言ってくれるのなら……」
 
古泉「長門さん! 今こそ目を覚ますときなのです! あなたは……彼の楽園には居られないんだ!」
 
長門「……!? 何故!?」
古泉「だって長門さんには……揉むものがないのだから!」
 
長門「!!!!?????」
 
古泉「パンドラは確かにこの世に災いをもたらした」
古泉「だけど僕らは、その災いを乗り越えることで世界の表と裏を知り、普通でいることの幸せに気づいたのです」
古泉「だから決しておっぱい自体に罪はない。長門さんのように笑うほど小さくても、あの未来人のようにひくほど大きくても良いんです。僕は好きです」
 
古泉「だがあなたは長門さんを利用し、『あんたのやっていることはセクハラだ』という僕の正論にまったく耳を貸さなかった。 ……乳に溺れてしまったあなたは、乳の中で静かに眠っているべきなのですよ」
 
キョン「お……俺はなんてことを……」
キョン「しちまったんだ……ガクッ」
 
国木田「……ああ! キョンの体が消えていく!? キョンは一体どこにいくの!?」
 
長門「……彼は、自分のいるべき場所気づいただけ」
古泉「ええ。彼はプリンスレに還っていったのです。本来、アナルでの彼は僕に掘られるだけの存在。ですが、ハロウィンという日が彼を変えてしまった。そう。軽犯罪者という悪魔にね」
 
古泉「…………」
長門「…………」
国木田「…………」
 
古泉「……テンションだけで動いていたら、とんでもない結果になってしまいましたね」
国木田「なんだか、僕はハロウィンの恐ろしさを垣間見た気がするよ」
長門「……これはgdgdになる前に終わらせるべき」
 
古泉「みんなも、ハロウィンだからっていたずらは程々にしようね!」
 
ちゃんちゃん☆

 


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