無限の命を刻んだ永遠の時間
宇宙に無数に存在する惑星
その中の一つに過ぎないこの星に生まれた命
何億と生きる人間の中の一つの私
なんのためにこの星に生まれたのか
なんのためにこうして生きているのか

誰もその答えを知らない

ふと怖くなり顔を上げる

放課後の部室
誰もいない静寂

無数に存在する命
しかし私を知っているのはそのわずか

怖くなる

孤独?
恐怖?

心が痛い
とても苦しい

私は、サミシイ

まるで自分が世界に取り残されたような感覚
誰一人私を必要としていない

―――――ヤダ!

なんで誰もいないの?
キョン?有希?みくるちゃん?古泉くん?

部室のドアに手をかける
しかしそれは開かない

ドアは開かない

なんで?
ここから出して!
ここから出たいの!

助けて!
私はここよ?

誰か!



キョン!

―――――カタン

ふと心がざわめく
私一人だったはずの部屋に気配が生まれた
誰?
キョン?

私はその気配の方へ振り返――――


―――――られない


体が動かない

ヤダ

何これ何コレなにコレナニコレ
背後から近づく気配
汗が溢れる
ドアノブを握ったまま手は動かない
振り返ろうにも首は動かない

少しずつ気配は大きくなる

背後の影は徐々に近づく
声は――――出せない
目を――――つむれない!
そして



その影はすぐ後ろに立つ

身体の背後から手が伸びた
伸びた手は私の手に触れる

――――怖がらないで

あなた誰?
心で呟く

――――私はあなた

あなたは私?
再び呟く


――――あなたの中のもう一人のあなた

――――本当は弱くもろいあなたの心

――――気づいていたんでしょ?

囁く声
私は答えない

――――本当は、誰かに甘えたい

私の願い?
誰かに甘えたい
一人はもうイヤ
でも、そんなのそんなの無理
私はわがまま
私は自分勝手
私はきっと嫌われている

――――あなたが拒絶しているだけ

―私が?

―――そう

―私は、そんなこと

―――ない、と言い切れる?

―私、私

―――本当はわかっていた
―本当はずっと前から



――あいつに


「―――ハルヒ」
急に目が覚める

夢?

目を見開く
目の前にあいつがいた
心配そうに私を見ていた
「ハルヒ、大丈夫か?」
え?

ふと目が冷たくなる

私は泣いていた

「ハルヒ?」
何よ?
「大丈夫か?」
決まってんじゃない
「本当か?」
くどいわね
「そうか」

部室を見渡す
そこにはキョンしかいなかった
そして、外はすでに暗かった

待っててくれたの?
「ああ」
なんで?
「俺の勝手だろ?」

私は言葉を切る
静寂が二人を包む
部室はまるで時が止まったようだった

そして、私は再び口を開く



―――がとう


「え?」
困惑するあいつ
「なんだって?」
二度は言わない
私は無言で席を立つ

荷物を持ち
部室のドアノブに手をかける

「ハルヒ」

背後から声がかかる
私は固まる
そして無言で続きを待った

「明日からもまた、がんばろうな」

震える肩をおさめる
あいつに振り返る
そして今度ははっきりと口にする






     ありがとう





涼宮ハルヒの短編‐完‐

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