・第1問 ~初級編~

 

 うっかりお酒を飲んでしまったハルヒがべろんべろんになってキョンにからんでいます。
「ちょっと~、あんたも飲みなさいよ~」
「うわ、くさ! ちょ、酒くさいってお前!」
「なによぉ、失礼ね。だれがくさいってのよ。レディーにむかってひふれふぃはぁn」
 けらけら笑うハルヒはもう、誰がどうみてもテンション上がりまくりです。
「いっぱつげいやりましゅ! 谷口のものまね! WAWAWAわすれもの~。きゃきゃきゃ」
 へらへら笑いながら、ハルヒは地面を転げまわる猫のように床の上を転がりまわっています。

 

  問題。ハルヒが持っている文房具は?

 

キョン「ヒントは……そうだな。ハルヒのやつ、2つも持っていやがる。やれやれだ」

 

 

~~~~~

 

 

・第2問 ~中級編~

 

 今日はSOS団のみんなは、山へきのこ狩りにやってきました。
 木々の根元にいろんなきのこが生えています。
「目標は10kgよ! みんな、とってとって、とり尽くすのよ!」
 ハルヒは上機嫌です。お目当てのきのこが狩れて満足なのでしょう。
 でも退屈の嫌いな彼女は、きのこを刈るだけの単調な作業にすぐ飽きてしまいます。
「古泉くん。なにか面白い話でもしてよ」
 こういう時に話をふられるのは、インテリ派の古泉です。
「そうですねぇ。それじゃ、せっかく山に来たことですし、山に関係のある話でもいたしましょうか」
 古泉の話を聞きながらきのこを取るSOS団のみんなは、とっても感動してしまいました。

 

  問題。古泉のしたお話はなに?

 

古泉「ヒントは、きのこ狩り。そして、山に関係ある話ですよ。おっと。ちょっとヒントを出しすぎましたか? ふふふ」

 

 

~~~~~

 

 

・第3問 ~上級編~

 

 海へでかけたSOS団はテントを張って海水浴をするようです。
 とても良いお天気です。もう紫外線も気にせず、みんなはしゃぎまくっています。
 遊びまくって一息ついた時、ハルヒは気づきます。ご飯がありません。
「今日のご飯、買ってくるの忘れてたわ! どうして言わなかったのよ、この馬鹿キョン!」
 キョンが悪いというわけではありません。みんなが偶然わすれていただけです。
 でもこういうことのとばっちりは、いつもキョンに回ってくるのです。雑用係は大変です。
 仕方ないので、キョンは浜辺の町までご飯を買いに行きました。自腹です。
 ぶつぶつ文句を言いながら帰ってくると、浜辺にはハルヒしかいません。
「おいハルヒ。みんなはどうしたんだ?」
 キョンが尋ねます。涼しい顔をしたハルヒは飯ごうを蒸しながら答えます。
「魚を釣りに行ってもらったわ。アウトドア志向でいいでしょ?」
 ちょうどそこへみくるが帰ってきました。手には大きな魚をかかえています。
「こんな大きな魚が釣れましたぁ! うふふ。私もやる時にはやるんですよ」
 大漁を祝うハルヒをわき目に、キョンがみくるに尋ねます。長門と古泉はまだですか?
「私が帰ってくる時には、まだふたりとも岩場で、うきを垂らしてましたよ。長門さんか古泉くんのどちらかが魚を釣り上げたようでしたが……どっちだったっけ?」

 

  問題。みくるの次に魚を釣ったのは、長門? 古泉? どっち?

 

みくる「ヒントは、下3つですよ~」

 

 

~~~~~

 

 

キョン「……で?」


ハルヒ「どうよ。この難問の数々。不真面目なあんたに解けるかしら?」
キョン「部室に入ってくるなり人の眼前におかしなクイズを突き出しておいて、理由の説明もなしに挑発かよ」
ハルヒ「ま、あんたのような凡人には、クイズなんて高等な頭脳スポーツはできないでしょうね!」

 

みくる「キョンくん、ここにお茶おいておきますね」
キョン「朝比奈さん、いったい何なんですかこれは?」
みくる「さあ。私もさっき部室にやってきた瞬間に、涼宮さんに似たような問題を出されて面食らったんですよ」

 

ハルヒ「まったく。みくるちゃんもキョンも大したことないわね。たまには頭の体操でもして、頭脳を柔軟にしておかないとダメよ」
キョン「なんの状況説明もなしに突然他人にダメ出しかよ。お前の中の常識が、俺たちにとっても常識だとは限らないという意識をもう少し持ったらどうなんだ?」

 

キョン「だいたい。俺は一言もその出題の答えが分からないとは言っていないぞ」
みくる「え? キョンくん、このなぞなぞが分かったんですか? 私はさっぱりでした……」
ハルヒ「へえ。言ってくれるじゃない。なら答えてみなさいよ」

 

キョン「1問目はのり。2問目は竹取物語。3問目は古泉。ちがうか?」
ハルヒ「!?」

 

ハルヒ「や、やるじゃないの……」


みくる「???」

 

 

~~~~~

 

 

主「主流派になんでもおまかせのコーナー」

 

主「このコーナーは、『どこの馬の骨とも分からんヤツに娘はやらん!』 でおなじみの長門パパ、情報統合思念体主流派がいろいろおまかせされてしまおうというコーナーです」

 

主「さて、涼宮ハルヒが部室に持ち込んだ上記の3問の問題。朝比奈みくるはすべて分からなかったようですが、キョンはなんと全問正解を出したようです」

 

主「まず1問目。これは、いわゆるごく普通の基本的ななぞなぞ」

 

主「ハイテンションになっている人とは、つまり、ノリノリになっているということ」

 

主「ゆえに、答えはのり」

 

主「そして2問目。これもなぞなぞらしい問題ですね。ただ、『きのこ』 を 『茸(たけ)』 と変換するのが少し難しかったかな?」

 

主「これをふまえて考えれば、答えはおのずと出てくるのではないかな? きのこ狩り中にする話とは、茸取り物語。そう。かぐや姫で有名な、竹取物語ということにあるわけだね」

 

主「3問目。これも2問目と同じく、言葉を変換する問題です。変換する内容は以下のとおり」

 

 

 長門有希 → nagato yuki

 

 古泉一樹 → koizumi ituki

 

 

主「3問目のヒントは、下3つ。だったね。ここでそれぞれの名前の下 (後ろ) 3つの文字を見比べてみよう」

 

 

 長門 … ato

 

 古泉 … umi

 

 

主「つまり、古泉と長門のふたりを比べた時、長門有希の方が 『後(ato)』 になってしまうということ」

 

主「ということは。朝比奈みくるの次に魚を釣り上げたのは、古泉一樹になるということになるね」

 

主「………」

 

主「かわいそうな有希……」 ホロリ

 


~~~~~

 


キョン「どうだ。これでもまだ、俺のことを凡人だなんてせせら笑っていられるのか?」
ハルヒ「ふふん。ちょっとはやるじゃない。まさか、あんたの頭がここまで回るとは思わなかったわ。うれしい誤算ってやつね」

 

ハルヒ「でも、だからこそ今日のSOS団の活動に参加する資格があるってことよ」

キョン「はあ?」

ハルヒ「そんじゃ、発表するわよ! 今日のSOS団の壮大な活動内容を!」

みくる「そ、壮大な活動ですか?」

 

ハルヒ「今日はSOS団主催で、大クイズ大会を催すわよ!」

 

キョン「……は?」

ハルヒ「は? じゃないわよ。なんて間抜け面してるのよ。クイズよ、クイズ」
キョン「クイズはいいんだが、大会ってなんだよ」
ハルヒ「大会は大会よ。みんなでクイズを題材にして、大盛り上がりするのよ!」


みくる「くく、クイズですか?」
ハルヒ「そうよ。学校中を巻き込んで、大々的にパーッと遊んじゃうの! ね、楽しそうでしょ?」
みくる「そうですねぇ。私はクイズとかあまり得意じゃないですけど、なんだか面白そうですね」
ハルヒ「でしょ!? そんじゃ、さっそく始めましょ! 善は急げ! 時間は有限なんだから、1秒だって無駄には費やせないわよ!」

 

キョン「そうか。そりゃ楽しそうだな。まあせいぜい頑張ってくれよ。面倒くさそうだから、俺はハタから見守らせてもらうぜ」
みくる「え、キョンくんは参加しないんですか?」
キョン「残念ですが、またの機会ということで」

 

ハルヒ「ふふふ。あんたのことだから、そう言うと思ったわよ。でも、せっかくだしあんたにも参加してもらうわ。それも、自主的にね」
キョン「馬鹿いうな。俺はさっさと帰って、ちょっこりひょうたん島の再放送を観るんだ」
ハルヒ「ふ~ん。そう。じゃあ、さっさと帰ってそうすれば?」
キョン「……やけに強気じゃないか。いつもなら眉をつり上げて文句を言うくせに。何か裏があるのか? 理由はあまり聞きたくないが、一応聞いてやろう」

 

ハルヒ「今回の大クイズ大会だけど、大会って言うからには1位から順番に順位を決めて、賞品を出すのが当然の流れよね」
キョン「それが何だってんだよ」

ハルヒ「あんたの宝物は預かったわ。今回の大会の賞品とするためにね!」

キョン「なに!? お、俺の宝物だって!? 宝物ったって……はっ、まさか!?」

 

 かちゃかちゃかちゃ

 

キョン「げええぇぇぇ! お、おお、俺の、俺のお宝フォルダが……パソコン内のどこにも、ない!」

 

キョン「Cドライブを探してもDドライブを探しても、ない!」

 

ハルヒ「ふっふっふ! あんた、パソコンに疎い私の目をごまかして例のデジカメ画像をこっそりちょろまかしていたようだけど、完全に私の目を欺けていたつもりなのかしら!?」
キョン「き、きさま、知っていたのか!」

 

みくる「???」

 

ハルヒ「いいのよ。参加を強制はしたりはしないから。クイズ大会に出場したくなければ、邪魔になるだけだからさっさと帰れば?」

 

ハルヒ「そして大事な物を失った失意に、枕を涙でぬらすと良いわ!」


キョン「ぐ、ぐううぅぅぅ! こ、この鬼め!」
ハルヒ「なんとでも言うといいわ! さあ、言ってみなさい。クイズ大会に参加するの? しないの?」

キョン「………俺に、選択権はないってことか……」

 

みくる「ん???」

 

 

 

ハルヒ「みんな注目! じゃあ、これからルールを説明するわよ」

 

ハルヒ「みんなはこれから、私の出す手がかりを元に校内を回り、私の密命を帯びた人物たちと接触し、クイズを解いていくの」

 

ハルヒ「最終的にもっとも早く、1問も間違えることなく全部のクイズを解き明かした人が優勝よ! 簡単でしょ?」

 

長門「了解した」
古泉「それで、優勝した人には豪華な賞品が授与されるということですね」
ハルヒ「そうよ。オリンピックの金メダルもかくやというほどに豪華なフラッシュメモリーをプレゼントするわよ!」
みくる「フラッシュメモリー、ですか?」
ハルヒ「そうよ。ねぇ、キョン?」
キョン「くそ、これじゃまるで俺に対してのみの嫌がらせじゃないか」

 

ハルヒ「それじゃ、はいコレ。みんなに一枚ずつ」
キョン「なんだこの紙?」

 

キョン「知ってる人の名前がたくさん書いてあるが……」

ハルヒ「そこに書いてる問題の答えが、次のクイズの出題者よ。さあ、頭をひねって考えなさい!」

 

古泉「なるほど。そういうことですか」
長門「分かった」
みくる「ひえぇぇ、全然わかりませんよぅ……」

 

キョン「古泉と長門は見た瞬間に答えが分かったみたいだな。どんな問題かは知らないが、早すぎだろ」

 

キョン「おっと。そんなことはどうでもいい。俺も早いところクイズを解いて次に進まないと、我が至福のエンジェル画像集が他人の手に渡ってしまう」

 

キョン「ええと、なになに……

 

 


○問題

 

 1.朝比奈みくる
 2.古泉一樹
 3.涼宮ハルヒ
 4.????
 5.長門有希
 6.藤原
 7.森園生

 

  4に入る人物は次のうち誰?


  ⅰ)谷口
  ⅱ)国木田
  ⅲ)阪中

 

 


キョン「………ふむ。なるほどね」

 

キョン「この程度の問題で、俺の足止めをできると思ったのか?」


ハルヒ「思ってないわよ。こんなのただの軽いジャブ。分かったのなら、早いところ次に進んだら? 古泉くんと有希はもう行っちゃったわよ」
キョン「言われるまでもないさ」

 

キョン「まってなよ、谷口」

 


~~~~~

 


主「主流派になんでもおまかせのコーナー」

 

主「キョンは紙に書かれた問題を、一目で理解したようです。漢字で書いてあると分かりにくいものですが、あんな顔してなかなか頭の回る男のようです」

 

主「さて。ここで出題されたクイズの人物名をひらがなに直してみましょう」

 

 

 朝比奈みくる → あさひなみくる
 古泉一樹   → こいずみいつき
 涼宮ハルヒ  → すずみやはるひ
 ????
 長門有希   → ながとゆき
 藤原     → ふじわら
 森園生    → もりそのう

 

 

主「ごらんの通りです。そう。上から順番に、あかさたなはま~と50音の行ごとに並んでいるようです」

 

主「ということは。4番目には、名前の頭文字がタ行の人が入るということです」

 


~~~~~

 


谷口「はっはっは! よくここまでやって来れたな、キョン!」
キョン「ここまでって言うか、お前が第一関門だ」
谷口「お前なんて第一関門のクイズで十分だぜ!」
キョン「言ってくれるじゃないか。それだけの自信が持てるってことは、さぞかし難易度の高い問題が用意されてるんだろうな」

 

キョン「腕がなるじゃないか」
谷口「ふふ。勇み足だけじゃ俺のクイズはクリアーできないぜ」

 

谷口「ここでお前をしとめられれば、お前の代わりにSOS団の正式メンバーにしてやるって涼宮に約束されてんだ。たとえ友人のお前相手だって、手加減はゼロでいくぜ!」
キョン「……お前、なんだかんだ言っても結局SOS団に入りたかったのか」
谷口「ちち、ちがうぞ! お、俺はSOS団なんて本当はどうでもいいんだ! お前が涼宮たちにいつも引っ張りまわされて大変だろうから、親友としてだな、お前を救ってやろうと思ってだな」
キョン「ああ、分かった分かった。そういうことにしといてやるよ」

 

キョン「いいからとっとと問題を出せよ。俺は1分1秒だって惜しいんだ」
谷口「くそ、馬鹿にしやがって! いいだろう、俺の本気をたっぷりと思い知らせてやるぜ!」

 


○問題

 

 たきたょたんたのたあたほ

 

 ヒント:TANUKI

 


キョン「………」
谷口「どうだ! この超難しい暗号問題に手も足もでまい!」

キョン「俺、お前のそういうところ。嫌いじゃないぜ」

 

キョン「だがな」

 

キョン「アホはお前だあああああああああああ!」

 

谷口「ぎゃひいいいぃぃぃぃん!」

 

キョン「ふん。時間を無駄にしちまったぜ」

谷口「ここ、この俺の最高の問題が……こうもあっさり破られるなんて。さてはお前、北高に舞い降りた超天才か!?」
キョン「もうどうでもいいよ。いいからさっさと次の出題者を教えろ。俺は次は誰のところへ行けばいいんだ?」

谷口「阪中だ。次は阪中のもとへ行くがいい。そこがお前の新たな戦場だ」

 

谷口「だが覚えておけ、キョン。我々出題者の中でも、俺は最弱に部類される者。俺を倒したくらいでいい気になっているなら、今のうちに考えを改めておくことだぜ」

 

谷口「さあ、行けキョン! お前の戦いはまだ始まったばかりなんだから!」

 

キョン「まだ始まっていねえよ」

 

 

 

 <<<act.2>>>

 

 

 

 

阪中「待っていたのね、キョンくん」
キョン「探したぜ、阪中。その様子だと、次の出題者は阪中で間違いないようだな」
阪中「そうなのね。私が今回の大クイズ大会の、キョンくんルート2人目の出題者なのね」

 

阪中「キョンくんから一本とればSOS団の団員にしてくれるって涼宮さんが約束してくれたのね。絶対にキョンくんに解けないクイズを出してあげるのね!」
キョン「……ハルヒめ、そんなことを阪中に約束したのかよ」

 

キョン「悪いことは言わないやめとけ。うちに来たって、苦労するだけで得るものなんて何もないぜ。SOS団の団員なんて、好んでなるものじゃない」
阪中「キョンくんはSOS団の中にいるから分からないのね」
キョン「なにが?」


阪中「キョンくんは大変な思いをしていると思うけど、でも周りから見れば、SOS団はうらやましくらいに楽しそうなのね」
キョン「あのハルヒの思いつきに振り回されて脱退も認められないファッショな非公認団体がか? 冗談きついぜ」
阪中「まあ、キョンくんがそう思うのも仕方ないことね」

 

阪中「まあそれはいいか。じゃあ、早速問題を出すのね!」
キョン「ああ。いつでもいいぜ!」

 

 


○問題


 文芸部室でキョンくんと古泉くんが将棋を指しています。
 そこへやってきた涼宮さんは、「SOS団の活動をサボってゲームばっかりやってるんじゃないわよ!」と怒って将棋をとりあげてしまいました。
「で、どっちが勝ってたの?」 という涼宮さんの問いかけに、キョンくんと古泉くんは同時にこう答えました。

「渦、宵、右、腰」

 涼宮さんに将棋を取り上げられる直前に、優勢だったのはキョンくん? 古泉くん? どっちなのね?

 

 

 

キョン「………」
阪中「どうなのね? 分からないなら、遠慮なくギブアップしてね」
キョン「悪いな、阪中。お前の希望をかなえてやれなくて」
阪中「え……?」

 

キョン「答えは、古泉。そうだろう」


阪中「!」

 

キョン「一応俺の名誉のために言っておくが、古泉との対戦結果は俺の方が圧倒的に勝率が高いんだぜ」

阪中「ま、まけたのね……」
キョン「残念だが、まあ、SOS団に入らなきゃハルヒや俺たちと一緒にいられないってわけでもあいだろう」

 

キョン「クラスメイトの仲じゃないか。遊びたい時は、いつでも文芸部室にきなよ」
阪中「うん。また、おいしいシュークリームをたくさん作って持って行くのね」
キョン「期待しているぜ。俺もハルヒも阪中家のシュークリームが好きなんだ」
阪中「そう言ってもらえると嬉しいのね」

 

キョン「で、次の出題者は誰だ? このまま一気呵成に優勝してやるぜ」
阪中「キョンくんなら、きっと優勝できるって信じてるのね」

 

阪中「次の出題者は国木田くんよ。彼なら教室にいるのね」
キョン「サンキュー、阪中。またな」

 


~~~~~

 


主「こんばんは。特技は格ゲーの1フレームを見抜くこと。情報統合思念体主流派です」

 

主「さて早速ですが、情報統合思念体主流派になんでもおかませのコーナーです」」

 

主「キョンと古泉一樹が部室でボードゲームをしている風景はいつものことですが、それを涼宮ハルヒに妨害されてしまった、というのが今回の問題です」

 

主「ここで、このクイズの核ともなる部分、キョンと古泉一樹の発言を見てみましょう」

 

 → 「渦、宵、右、腰」

 

主「なんのことだがよく分からないので、ひらがなに直してみましょう」

 

 → 「うず、よい、みぎ、こし」

 

主「さて。話を元に戻します。将棋の対局中に涼宮ハルヒに将棋を取り上げられてということで」

 

主「この4つのワードから、し、よ、う、ぎ、を取り上げてみます」

 

 → 「ず、い、み、こ」

 

主「残った言葉を組み合わせると……もうお分かりですね?」

 

古泉「僕になるわけです。はっはっは」

 


~~~~~

 


国木田「もうここまで来たのかい? 意外に早かったね」
キョン「昔から妹のなぞなぞごっこにつきあわされていてな。なぞなぞに限らず、こういうクイズには慣れているんだ」

 

キョン「で。お前はハルヒのやつから、一体どんな条件でつられたんだ?」
国木田「条件? なんの話だい?」
キョン「とぼけるなよ。谷口と阪中は俺に勝てばSOS団に入れてやるって言われて、ハルヒの手先になったんだ。お前だって、何か見返りがあってハルヒに力を貸しているじゃないか?」

 

キョン「まさか、お前までSOS団に入りたいって言うんじゃないだろうな?」
国木田「あはは。僕にそんなつもりはないよ。確かにそれもとても魅力的なことだと思うけれど、残念ながら僕にはもっと成績を向上させるという目標があるからね」
キョン「じゃあ特に見返りもなく、好奇心だけでハルヒに力を貸したっていうのか?」
国木田「そうだよ。気晴らしにちょうどいいゲームだと思ったし、こういうのも嫌いじゃないからね」


キョン「そりゃけっこうなことで。ちっとは手加減してくれよ」
国木田「それは無理無理。手加減なんかしたら、何のために3人目の出題者になったか分からないじゃないか」

キョン「それもそうだな。悪かったよ、妙なこと言って。さあ、とびっきり難しい問題を出題してくれよ」
国木田「いい覚悟だね。じゃ、いくよ」

 

 


○問題


 憂鬱 → 新川多丸圭一多丸裕森古泉一樹
 溜息 → 国木田
 退屈 → 森
 消失 → ????
 暴走 → 朝比奈みくる藤原
 動揺 → 橘
 陰謀 → 涼宮ハルヒ
 憤慨 → 中河
 分裂 → 長門有希古泉一樹

 

 Q.????に入る人物名を以下より選べ
  1.情報統合思念体
  2.朝倉涼子
  3.喜緑江美里

 

 


国木田「さ。遠慮なく解いてみて」
キョン「………これは……各項目にどんな共通事項があるというんだ……」

国木田「どうしたんだい、キョン。ちょっと難しかったかな?」
キョン「くっ……!」

 

キョン「こんなところでつまづいていては、mikuruフォルダが古泉や長門の手に渡ってしまうことに……!」

 

キョン「いや、古泉や長門ならまだいい。まかり間違って朝比奈さんの手に渡りでもしたら」

 

キョン「『ひゃん、キョンくんのエッチ! もうお茶いれてあげません! ぷんぷん!』 ってことになりかねない」

 

キョン「そうなったら、俺はSOS団内での憩いのひと時を失い、過労と心労でブッ倒れてしまう! それだけは勘弁!」

 

キョン「うおおおぉぉおおぉぉぉ! 集中しろ、俺! 今こそ目覚めよ、深く眠りし我が脳細胞よ!!」


国木田「そんなにいきりたったところで、分からないものは分からない……」

 

国木田「な、なに? とつぜんキョンから、さっきまでとは異なる尋常ならざるオーラが立ち昇っている!」

 


キョン「この問題でもっとも鍵となる部分は、森さんと橘。原作中でも苗字だけでなく名前も出されているにも関わらず、この2名だけが苗字しか記載されていない」

 

キョン「最初は各項目に挙げられているキャラクターの人数が答えにつながるのかと思っていたが、それでは森さんと橘の件が説明できない」

 

キョン「ということは、鍵となるのは人数ではなく、名前の………そ、そうか! 分かったぞ、このクイズの答えが!」

 

キョン「国木田、見切ったり!」

 

国木田「へえ。けっこう難易度には自信があったんだけど、答えが分かったのかい? じゃあ是非、解説を聞かせてもらいたいものだね」
キョン「ああ、いいぜ」

 

キョン「まず、答えは3番。????に入る名前は、喜緑さんだ!」
国木田「そう思うにいたった理由を聞こうか」

 

 

キョン「さっきも言ったが、キーワードは森さんと橘の名前だ。新川さんや国木田は原作でも苗字しか登場していないから別として、森さん、橘はちゃんと原作では名前が公表されている」

 

キョン「なのに、その2名だけが姓しか表示されていないということは、列挙されている人物名は人数をさしたものではない。なら、何を表した物なのか?」

 

キョン「字数だ。文字の字数あわせのために敢えて森さんと橘の名前を書いていないと言うのなら説明がつく」
国木田「字数? 字数って、なんの字数だい?」
キョン「もう謎は解けているんだ。下手なトボケは野暮ってもんだぜ」

 

キョン「たとえば、『憂鬱』。人物名が字数を表しているとすると、憂鬱という単語に当てられる数字は、『新川田丸圭一田丸裕森古泉一樹』 の14文字」

 

キョン「憂鬱の何が14文字に当てはまるか。いろいろ考えたが、行き着いた答えはひとつ」

 

キョン「熟語を構成する漢字の画数の差だ」

 


 憂(総画数:15画) 鬱(総画数:29画) → 差は14画
 溜(総画数:13画) 息(総画数:10画) → 差は3画
 退(総画数:9画) 屈(総画数:8画) → 差は1画

 

  ※ 以下同じ

 


キョン「熟語の、前後の漢字の画数。その差が、矢印で結ばれる人物名の文字数と全て一致する」

 

キョン「このルールでいけば、消失の????に当てはまる人物名は、文字数が5の人物。つまり、喜緑江美里しかないというわけだ」


国木田「………」

 

国木田「やるじゃないか、キョン。正直いってキョンでは答えられないんじゃないかと思っていたんだけど。驚いたよ」
キョン「見くびられたもんだな。だが、こうしてその誤解も解けてよかったぜ」

国木田「僕の負けだよ。結構自信はあったんだけど、負けてしまって残念だな」

 

国木田「でも、楽しかったよ。まさかクイズを出題する側がこんなにも楽しいとは思わなかったね。貴重な経験になった」
キョン「俺もだ。ちょっと焦ったが、なかなか良い問題だったぜ」

 

キョン「それで、次の出題者は誰だ? 俺は1分1秒でも早く優勝しなけりゃならないんだ。早いところ教えてくれ」
国木田「次の相手は曲者だよ。キミに、鶴屋さんの相手が務まるかな?」
キョン「鶴屋さんか……なるほど。手ごわそうな相手だぜ」
国木田「鶴屋さんは3年の教室にいるはずだよ。さあ、急いでいるんなら早く行きなよ」
キョン「ああ。じゃあ、行ってくるぜ!」

 

 

 

キョン「よし、この先の渡り廊下を過ぎれば鶴屋さんの待つ教室だ。あの底の知れない先輩が相手となれば、心してかからないとな!」

 

キョン「にしても、おかしいな。いくら放課後とはいえ、廊下で誰ともすれ違わないなんて。まるで校内から誰もいなくなってしまったかのように静かだぜ……人気がない」

 

朝倉「うふふふふ」

 

朝倉「人がくると面倒でしょ? だから、私が人払いをしておいたのよ」

 

キョン「あ!?」

 

キョン「お、お前は、朝倉涼子!? ば、馬鹿な、なんでお前がここに!?」


朝倉「驚いてる? そうでしょうね。私はあなたの目の前で長門さんに敗れ、有機生命体の身体を分解されちゃったんだもんね」

 

朝倉「でも、私はこうして還ってきたの。理由は難しいことじゃないわ。再び情報統合思念体の急進派が涼宮ハルヒに刺激を与えてみたくなったから、私が派遣された。ただそれだけのことなのよ」
キョン「迷惑千万な話だな……」
朝倉「うふふ。そんなに警戒しなくてもいいわよ。あなたを殺そうなんて、もう思っていないから」
キョン「信用できないな。一度は俺を本当に刺しやがったくせに」

朝倉「なんの話だか分からないけれど、あなたに危害を加えるつもりがないのは事実よ。だって、そんなことしたらまた長門さんがやってくるじゃない?」

 

朝倉「悔しいけど、バックアップの私に彼女に打ち勝つ力はないわ。だから、別の手段で涼宮ハルヒに刺激を与えようと思ってるの」
キョン「別の方法? 自分の正体でも明かそうってのか? それとも、ハルヒに頼んでSOS団の正式メンバーに加わろうってのか?」
朝倉「冗談」

 

朝倉「心配しないで。正攻法よ。今はあなたたち、クイズ大会の途中なんですってね。だったら、私からあなたにクイズ勝負を申し込むわ」
キョン「はあ!? お前が俺に、クイズ!?」
朝倉「そう。あなたがクイズに敗れて足止めをくらい、優勝を逃す。それは涼宮ハルヒの希望に反する事態。そうなれば、涼宮ハルヒになんらかのアクションが見られるはず」
キョン「そんな下らない理由で俺にクイズを申し込んできたってのか? 悪いが、俺は急いでいるんだ。お前の相手をしている暇はない」


朝倉「あら、私を無視して先に進むつもりかしら? 私はこの場で情報制御空間を発生させて、あなたをそこに閉じ込めたっていいのよ?」
キョン「くそ、俺に決定権はないってことかよ!?」

朝倉「ようやく了解してもらえたようね。安心して。あなたが私の問題に正解すれば、すぐにここを通してあげるから」
キョン「ちくしょうめ! もうヤケだ。問題を出すんならさっさと出しやがれ!」

 

 

 

○問題


 1+2 = 一
 9+5 = 二
 6+1 = 三
 2×1 = QK
 3×3 = ajae
 4×5 = NE
 B = L
 J = T
 W = ag

 

 問題)一2+15+53×52+3IO一四4+1一1+5ae
    3+3Hae5+17+11+4ahE3×28+5ae2+2
    DEHaeーHae四3+2JK2×14×34×4十四AS
    2+22+5四十

  ・ae八8+3ae3×2D → ????
  ・7+29+1S3×2D → ????
  ・八8+5aeDEae2+3四十二8+1 → ????

 

 


キョン「おまwwwwこれはwwwww」
朝倉「さあ、しっかり考えてね」

 


  つづく

 

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最終更新:2008年06月15日 00:52