序章.SOS団の非日常的日常 


日常を愛しているか。 
そう唐突に聞かれたとしたら、人は何と答えるのだろうね。
一ヶ月ほど前の俺だったら口を濁してまともに答えることはなかっただろうが、今は違う。 
今の俺なら、一縷の迷いもなくイエスと答えるだろう。 
そうだな、俺はSOS団員として過ごしていく、今の非日常的日常をこよなく愛しているんだ。 
今の俺にとって、SOS団も非日常的日常も、かけがえの無いものなんだ。 
俺がこの愛してる、の域にまで達してしまったのは深いワケがある。 
ここ数週間、俺たちSOS団は口に出すのも憚られるような非日常に立ち向かって、絆を深め合い、非日常的日常の尊さを悟了したのさ。 
だがもう二度と、今回みたいに、大切な誰かを喪って後悔に暮れ、 絶望に呑まれるような非日常は金輪際ごめんだ。 
非日常的な日常が丁度いい。
平和すぎる日常でも、危険すぎる非日常でもなく、 そこそこ危険で、それでも楽しい非日常的日常が一番、俺たちSOS団に似つかわしいんだ。 
ハルヒ、古泉、長門、朝比奈さん、俺。 
今後一切合切、誰一人として欠けることは許さない。アンダースタディも許さない。 
五人全員揃ってこそSOS団で、非日常的日常の世界の住人なんだよ。 
もし誰か一人でも苦しんでたら、それは非日常の始まりだ。 
俺はもう非日常を望まない、招かない。それはハルヒもだ。 
俺もハルヒも、今回の非日常で大切なものを見つけ出した。 
絶対にそれを手放したりしない。それを奪っていこうとする非日常には容赦しない、叩き潰してやる。 
なんなら非日常に対するレジスタンスになってもいい。今のSOS団は全員、非日常抵抗軍のソルジャーなのさ。 
何としても、もう二度と、この非日常的日常を手放さない、大切なものを見失わない。 
それが俺たちSOS団の、誓約だ。 



さて。ここで、俺の回想に付き合ってもらおうか。 
俺たちSOS団が非日常の中に閉じ込められていた時のことを。 
どこから話すべきかね。 

……そうだな、まずは、SOS団屈指のスマイル少年もとい超能力者が俺を糾弾するところから始めようか。 


全ての始まりから、な。


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