僕が彼女にしたことは人として最低な行為だ。
僕は乱立する閉鎖空間の処理に追われ、追い詰められていた。
長門さんを説得したが無駄に終わり、彼は必死に長門さんと涼宮さんを仲直りさせようと試みるもダメだった。
喜緑さんにもお願いしてみたが、出来ないと断られてしまった。
そこで僕は、長門さんと一緒に住んでいる朝倉さんなら何とかできるのではないかと考えた。
結局は無駄に終わり、僕は彼女に八つ当たりした上に暴行を働いた。
部屋を出た後、僕は自宅に帰ってすぐ、自殺を図った。でも死ぬ事が出来なかった。
何度も何度もいろんな方法で試してみても、必ず失敗する。
自棄になった僕は、学校を休んで乱立する閉鎖空間を寝ずに処理していった。
自分がした、彼女への暴行を忘れる意味も含めて。
でも、あのときの彼女の…朝倉さんの表情が脳裏に焼きついて、離れなかった。
不眠四日目、普通の人間なら精神に異常をきたしてもおかしくないのに、僕の精神は、相変わらずだった。
その日の朝、閉鎖空間の処理が終わった僕の前に現れた喜緑さんに朝倉さんが亡くなったことを告げられた。
「朝倉さんは亡くなりました…伝えたいのはそれだけです…失礼します」そう僕に告げて喜緑さんは去っていった。
それから僕は何度自殺を図っても自分が死ねない事に恐怖した。彼女に乱暴を働き、結果的に死に追いやった自分が断罪されない。
僕は自分の犯した罪を、誰かに裁いて欲しいのに、誰も僕を裁いてはくれない。
自らを裁くために自殺を図るのに、必ず失敗する。
だから僕は一生、自分の犯した罪を背負って生きて行くと決めた。