前回、二学期の終了直前に起こった「消失」事件は、宇宙人長門が原因によるもので幕を閉じた。それから1年半は経ったのだが、どうやら処分は軽いもので終わったらしい。その真冬で無駄で、面白くもなんともない3日間を過ごし、挙句の果てに朝倉にまた殺されかけたりと色々厄介な事ばっかりだった。全く違う高校の制服を着たハルヒと古泉。面識のない朝比奈さんと鶴屋さん、さらには感情がある長門。俺には合わない世界だった。またそれではっきりしたのだ。ハルヒといる世界は楽しい、おもしろいと。まあこれは閉鎖空間のときと同じ感覚だな。

 

 で、それはもう終わった事だと思っていたのだが、明日7月5日よりまたその悪夢が始まるとは夢にも思わなかった。

 

涼宮ハルヒの消失2

 

 7月4日、放課後のSOS団室(文芸部室)。またハルヒに関連のあるあの日がやってこようとしていた。もちろん奴は騒ぎ出す。

「そろそろ七夕ね……」

「お前、確か去年は私有地の竹切ってきただろ」

「そうよ、だから何?」

「いや、今年はやるなよと言いたいだけだ」

「まだそんなこと言ってるの? 一本や二本くらい大丈夫だって」

 というか、まだ去年の笹が残っているのだがな。枯れてしまっているが。

「では僕が用意しましょう」

 古泉!

「さすが古泉君、キョンみたいに無能じゃないわ!」

 悪かったな、無能で。俺は朝比奈さんの煎れたお茶を啜る。真夏の茶は熱い! いつもどおり長門は座って読書をし、ハルヒはネットしながら模索。朝比奈さんは何か編んでるし、俺と古泉はボードゲーム。

 去年みたいに、朝比奈さんとタイムスリップしたりすることはなさそうだ。いや、無くて当然だ。ジョン=スミスは2回そこにいた。1回目は去年朝比奈さんとそこに行き、当時中1のハルヒと運動場に落書きしたこと。2回目は長門による世界の変革で、俺がそこに朝比奈さん(大)とタイムスリップし、ハルヒに「世界を大いに盛り上げるためのジョン=スミスをよろしく!」と言った事だ。

 3回目の俺に思い当たる節は無い。おそらくハルヒもだろう。だったら俺は4年前に行く事にはならないはずだ。

「次はあなたの番ですよ」

「ああ」

 俺は白を置き、黒を5枚白した。

 

 7月5日、俺の恐れていた事が始まった。朝目覚めて気づいたのは、俺の身長が少し低くなっている事だ。Why? さらに衝撃を受けたのは、妹が幼すぎる事。母も父も若干若返ったように見える。俺は訳が判らず、朝刊の日付を見た。

「7月5日……!」

 時代が4年遡っている事に気づいた。しかも肉体的若返りを遂げて。他の人間はすべてその当時の記憶ではあるが、俺の記憶だけは4年後の記憶だった。

 つまり、精神年齢17才が、突如肉体年齢が13才になったということだ。慌ててクローゼットを見ても無駄、そこには北高の制服は無く、ただ中学校の制服が置かれていた。当然夏なのでカッターシャツを着るしかない。

「どうなってんだ……」

 

続く


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