<<前回までのあらすじ>>

 

閻魔大王を中心とする黄泉政府により厳しくファッショに統治される死者の国、地獄。起床就寝時間は元より朝昼晩の食事の献立まで政府からの命令に従わなければならないという、売れっ子アイドルなみに厳しい管理を強いられる亡者たちの世界に、3人の男たちが舞い降りた。


時は地獄歴、照和58年6月。男たちは、政府の統括に屈し平淡な生活を余儀なくされた死者たちを救うため、テロリストとして立ち上がった。
くしゃみの後のシャックリのごとく突如として現れた3人の男たちは、市民プールの女子更衣室、銭湯の女湯、道の駅の女性用お手洗い所など、次々と攻略不能といわれた要所を破竹の勢いで陥落させていった。

 


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谷口「という夢を見たんだ」


キョン「夢だそれは」

谷口「イッツアドリーム」

 

谷口「1500シンプルシリーズ 『THE・下衆』」

 

 

 

ハルヒ「鶴屋さんの必殺パンチをくらって病院送りになったって言うから来てみれば。元気そうじゃない」
谷口「おお、涼宮提督閣下殿。この下衆めを慈しむあまり、心配してお見舞いにきてくれたのですな。モテる男はつらいねえゲスゲスゲスwww」


ハルヒ「別にあんたのために来たわけじゃないわよ」

 

谷口「ほほほん! これは何という典型的なツンデレ発言! 別にあんたのために来たわけじゃないのよ! 別にあんたのために来たわけじゃないのよ!」


ハルヒ「……こう言っちゃなんだけど、本当にあんたのために来たわけじゃないのよ。キョンと鶴屋さんの付き添いに来ただけだから」

 

鶴屋「理由はどうあれ、私が手を出したわけだし。私が来ないわけにはいかないかなって思って」
キョン「俺が谷口に代わりに行くよう頼んだんだし」

 

谷口「み、みんな……。それほどにまで俺を心配して……。うおぉぉん! 感動じゃ! 感激のあまり尿がもれそうだにょう!」

 

鶴屋「げ、元気そうだし、私はもう帰るね! それじゃ!」
キョン「俺も。あまり長居して気をつかわせても何だし!」
ハルヒ「2人が帰るんなら、私が残る理由もないわね」

 

 ばたん

 

谷口「………」

 

谷口「…………」

 

谷口「照れなくてもいいのに」

 

谷口「ふっ。後に残ったのは、お見舞いのお土産、クレパス(黒)だけか」
谷口「俺が闘病生活でヒマをもてあまさないようにと、絵画用に置いて行ってくれたんだろう」

 

谷口「ういやつよ」

 

 

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谷口「らららーららー」

 

谷口「パナマうんと元気になった! ぱなまうんと!」

 

谷口「……ああ、もうクレパスで絵を描くのも飽きちゃったよ。ヒマだな」

 

看護婦「谷口さん、回診の時間ですよ」
谷口「とうとう谷口さんの改心の時間になってしまいましたか。参ってしまってドドリゲス」

 

看護婦「それじゃあ、腕を出してください」
谷口「はいどうぞ。これが私の象さんです。うんとかわいがってあげると鼻を伸ばして喜びます」
看護婦「粗品はしまっておいてくださいね。体温を測りますんで、腕を出してください」

 

 

谷口「さすがナース。俺の象さんを目の当たりにしてもノーリアクション。でもそれはそれで悲しい象さん」

 

谷口「ゲッスゲスにしてやんよwww」

 

 

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谷口「ぞーさん ぞーさん おーばなとめしべなの」
谷口「そーよ 資産が増産よ」

 

谷口「改めましてこんにちは。リーチ1発谷口です」

 

谷口「符跳はなしで2000点です」

 

谷口「どこにでも市民病院の一棟。人通りもまばらなこの廊下。みなさんは、この映像の中に生物が潜んでいるのが、お分かりいただけますでしょうか」


谷口「実は、ここ。廊下の真ん中に、素肌に白いペンキを塗って擬態した谷口が隠れているのです」


谷口「自然界の中には自分の身を守るため、周囲の風景に同化する生物が存在するのである」


谷口「今日は、知られざる大自然の谷口をご紹介しましょう」

 

 


看護婦A「203号室の山田さんの採血いそがなきゃ」
看護婦B「大丈夫よ。そんなに急がなくてもいいって」

 

 ぐにっ

 

看護婦B「あら? 今、なにか踏んづけたような気がしたんだけど……」
看護婦A「え? 気のせいでしょう。なにも無いわよ。それより、早く行かないと!」

 


谷口「ぐぅふふふふうぅぅ……。ひっひっふー。あ、ああ、赤だった……」


谷口「赤パンやったんばってん! わしはこの目でしかと見たばってん!」

 

谷口「ぐふふぅ。カーボン紙のように踏みつけられた甲斐がありばってん」

 

谷口「VC:若本の兄貴ぃ」

 

谷口「時として生物は生きていく上で、このように自然と同化する術を会得するのである」

 

 

 

看護婦C「ふふんふ~ん♪」

 

 ぐにっ

 

看護婦C「きゃっ!? なに、いまの? 何かやわらかい物を踏んづけたような……?」

 

谷口「ストッキーング! アグレッシブモード! パオオォォォォォォン!」

 

看護婦C「ひいぃぃぃ!? な、なに、今の声……? びっくりした……」

 

 


谷口「あなたが醜いブタでもいい! 困ることなど何もない!」


谷口「オマタは覗ける、踏んでもらえる。擬態って素晴らしい!」

 

谷口「白衣の天使たちの悲鳴もまた、うほほ、そそるものがあって、こたえられんばい!」

 


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ハルヒ「いけない、ポーチ忘れてきちゃった」
キョン「しっかり者のお前が珍しいな」
ハルヒ「私だって忘れ物くらいするわよ。いいから黙ってつきあいなさいよ」
キョン「やれやれ」

 

 ぐにょっ

 

ハルヒ「あれ? なんだか今、妙にやわらかい物を踏んだような気がするけど……何も落ちてないわね」
キョン「気のせいだろう。いいから、早く行こうぜ」

 

谷口「こらあああ! パンツルックのヤツが我を踏むんじゃない! 覗けないじゃないかッ!」

 

ハルヒ「きゃ!? なな、なに今の叫び声!?」
キョン「真後ろから声がきこえたような気がするんだが」

 

谷口「この不信人どもが! スカートもはかずに神様を足蹴にするなど言語道断!」

 

ハルヒ「ええ!? か、かみさま!?」


キョン「そんなわけあるか」


ハルヒ「だってホラ、あんたも今の声、聞いたでしょ!? 神様じゃなかったら透明人間よ! ついにSOS団はじまって初の、不思議遭遇だわ!!」

 

谷口「今すぐスカートはいてきて俺の上をまたぎ直せ! もしくはこの場でパンツみせろ! SELECT! SOON!」

 

キョン「これが神の要求だとは、とうてい思えないんだが」


ハルヒ「じゃあ透明人間に違いないわ! キョン、ぼさっとしてにでとっ捕まえるのよ! しめあげて透明になる術を伝授してもらうのよ!」

 

谷口「いやん。デリケートな俺さまはプライベートを何より尊重するのだ。捕まってなどいられない」

 

ハルヒ「あ! なんか白い人型の物体が床から立ち上がって逃げていくわよ! キョン、あの不可解の塊を追いかけるわよ!」


キョン「やれやれ」

 

 

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ハルヒ「はあはあはあ! 確かにこの休憩室に逃げ込んだと思ったんだけど……」
キョン「確かにあれは、全身白づくめの人間だったな」

 

谷口「ぶふふん。一時はどうなるかと思ったが、ここに隠れていれば大丈夫」

谷口「まさか涼宮とキョンも、俺が備え付けのイスのコスプレをして身を潜めているとは思うまいて!」

 

谷口「下衆マジック」

 


ハルヒ「走りまわって疲れちゃったわ。キョン、自販機でお茶買ってよ」
キョン「なんだよ、それくらい自分で買えよ」
ハルヒ「団長命令よ。すぐに買ってちょうだい。私はイスに座って休んでるから」
キョン「へいへい」

 

ハルヒ「あら?」

 

ハルヒ「なんだかこのイス、ぐらぐらするわね。ネジが固定できてないのかしら?」

 

谷口「おほ、おほほほん! す、涼宮が俺の空気イスに……これはなんという人間イスプレー! ひっひっふー!」
谷口「これは生理的興奮を隠し切れないでございます!」

 

ハルヒ「ん? なんか腰のあたりに出っ張りが。なにかしら、この棒?」

 

谷口「それは私のおいなりさんだ」

 

ハルヒ「…………」

 

谷口「…………」

 

ハルヒ「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

谷口「nice boad」

 

ハルヒ「たた、谷口!!」
キョン「お前なにやってるんだ、谷口!?」

 

 

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ハルヒ「キョン! 絶対にあの腐れ色魔狂を逃がすんじゃないわよ! 見つけ出してSOS団団長をコケにした報いを受けさせてやるのよ!」


キョン「あまりエキサイトするなよ。病院内だぞ」

 

 

 

谷口「あと少しのところでバレてしまうとは。おそるべしSOS団の調査網」

 

谷口「だがしかし。谷口流コスプレ術の粋を結集した、この完璧なる変装は見破れまい」

 

谷口「うふふん。俺の姿をついに見つけられることなく、絶望のうちに帰路につくがいい」

 

ハルヒ「もー! どこに行ったのよ! ぜったいにとっ捕まえて指つめさせるのよ!」
キョン「危ないことを院内で叫ぶなよ」

 

キョン「あ、すいません、看護婦さん」


看護婦「はい?」


キョン「このへんで、出来損ないのオールバックをした男を見かけませんでしたか?」

 

看護婦「…………」

 

キョン「…………」

 

看護婦@谷口「てめぇ、普段から俺をそんな目で見てやがったのか!? お前なんて何の特徴も無い平凡で地味な顔と髪型してるくせに! やーいやーい、脇役顔野郎!」

 

キョン「なにやってるんだお前、看護婦の格好なんかして! っていうか余計なお世話だこんちくしょうめ!」

 

ハルヒ「見つけたわよスネ毛女装魔! くらいなさい、涼宮流緊縛術、蛇印呪縛強絞亀甲縄!!」


谷口「あふん! きしめんのごとく太いのか細いのか分からないような縄が僕の身体を締め付ける!」

 

ハルヒ「これで年貢の納め時よ!! さあ覚悟しなさいゲスリアン!」


谷口「観念するんで優しくしてくださいお願いします」

 


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キョン「何をやってたんだ、お前は。廊下に寝そべったりして」


谷口「人類の行く末と生物の進化の可能性を、ナースパンティを眺めながら追求していました」

 

ハルヒ「このゲス男。そのやらしい目的のために、イスのふりまでして私を座らせたのね! しかるべき制裁を与える必要があるようね!」

 

谷口「いや、あれはお前が勝手に座ってきだけだろ」

 

キョン「………俺もそう思う」

 

ハルヒ「…………」

 

ハルヒ「うるさい! この、この、この! ぴしぴしぴし!」

 

谷口「いた、いたた! 八つ当たりでたたくのはやめたまえ!」

 

谷口「いや、やめないで! もっと叩いてくれ! できれば股間のあたりを重点的に」

 

 

ハルヒ「と、とにかく。私の腰にやらしい棒を押し当てたことは事実! これは許されざる暴挙よ! しかるべき謝罪を要求するわ!」

 

谷口「それを言うなら、あれだよ。俺なんてわざわざ隠れてるところへ思い尻がのっかってきてさ。あ、いや、それは大歓迎なんだが」
谷口「そして汗臭いうなじを目の前につきつけられたのも、いわば暴挙だろう」
谷口「女子校生の汗のにおいをクンクンできて興奮したけど」

 

谷口「うっひひひwww下衆でゲスwwww」

 

 

ハルヒ「キョン。この粗大ゴミをこのまま川に流してきて」

 

キョン「このままって、簀巻きじゃないか」

 

ハルヒ「いいからいいから」

 

谷口「いいからってお前wwww」

 

キョン「それもそうだな」

 

谷口「それもそうだなってお前wwww」

 

谷口「ナイスボード」

 

 

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谷口「というわけで。板に縛り付けられて川に流されていたというわけでございます」

 

谷口「このコスチュームが気になるのなら、ナースウィッチ谷口とでも呼んでください。そうすれば気にならなくなるはずです」

 

新川「ナースウィッチはかまいませんが」

 

新川「ここは太平洋の真ん中ですよ。川からここまで流されてきたんですか?」

 

谷口「はい。流れてきてみました。どこまで自分がやれるのか。その限界を試してみようと思い、思い切って大海原へ飛び出してみました」

 

谷口「そして俺はこれからこのナイスボードで、男の夢、ヌーディストビーチを目指そうと思います」

 

新川「……そうですか。がんばってください」

 

谷口「はい。吉報をおまちください」

 

新川「………それじゃあ。本当に救助しなくてもいいんですね?」

 

谷口「いかにも。男に二言はありません。俺はこのままヌーディストビーチへたどり着きます」

 

新川「潮流に流されてたどり着けないかもしれませんよ?」

 

谷口「いえ。必ずたどり着けます。たどり着いて見せます」

 

谷口「帆を張れぇ! 男旗を立てろ!」


谷口「男船の出港じゃ! よーそろー!」

 

新川「本当に救助せずに行きますよ?」

 

谷口「のぞむところよ!」

 

谷口「ヌーディストたちが俺を待っている!」

 

谷口「俺もある意味ヌーディストだ!」

 

新川「さようなら。また遭う日まで」

 

谷口「さようなら、ヒゲの老人よ! さようなら、アナルスレのみんな!」

 

谷口「俺は立派なヌーディストになってくるよ! そしてヌーディスト板で一旗あげてくるよ!」

 

谷口「そして必ず帰ってくる。ゲスはそれまでお預けだ」

 

新川「たようなら」

 

谷口「たようなら」

 

谷口「いざゆかん、まぶしき裸女たちの元へ! テカテカしながら行ってきます!」

 

谷口「ネバーランドー へー GOGO!」

 


 ~おしまい~


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