「谷口、お前クビ」
何といった?クビ?俺が?
俺は谷口。今、上司から解雇宣告をされた。
「再就職だな」
いい笑顔で言う元上司に渾身の右ストレートを決めた俺は荷物をまとめて帰宅した。

「どうしてこうなっちまったのかなぁ~」
高校を卒業してから4年。卒業後に就いた会社で順調に働いていた筈なのに。
仕事の出来る俺に上司は嫌がらせのように過剰な量の仕事を回してきた。疲れていた俺はミスをした。そしてクビになった。

「たった一度のミスでクビかよ、今まで会社に尽くしてきたのに…」

悩んでも仕方がないので、俺は就職活動を始めた。2週間後。
結果を言おう、全敗だ。5社受けて、全部ダメ。理由は高校卒業という学歴らしい。なんだそれ。
今更大学も行けないし、かと言って派遣は不安だしな…幸い、貯えはある。気長に探すか。
寒い、俺は暖かいコーヒーでも飲もうと駅近くの喫茶店に入った。
「いらっしゃいま…せ…谷口君?」ん?あ、あれ?朝倉!?目の前には高校時代カナダに引っ越したはずの朝倉涼子が居た。
「ふーん、クビになっちゃったんだ?」そうなんだよ。それで今、再就職活動中なんだ。
カウンターに座り、注文したコーヒーを飲みながら話す、俺と朝倉。
「うーん、谷口君って営業の仕事って出来る?」朝倉が微笑みながら聞いてくる。出来るぜ、前の会社でやったからな。
「じゃあ、知り合いのやってる会社を紹介してあげる」マジか!どんな会社なんだ?
「えっと?コンピュータ関連らしいけど、技術者ばかりで営業の人がいないみたで探してるの」
その後、朝倉に知り合いへ連絡してもらい、翌日会社へ行くことになった。朝倉が案内付きだ。

「ここよ。入って」案内されたのはマンションの一室。ちょっと待て朝倉、マジでここなのか?
「そうよ?何かおかしい?ほら、入って!」朝倉に無理矢理押し込まれた先には高校時代、涼宮やキョン達と一緒に居た長門有希が。
「…………」これは長門さんのだ。ど、どうも、谷口です。こちらを見た後すぐにパソコンの画面へ視線を戻してしまった。
なんか、スッゴイ嫌な予感がするんだが?朝倉に奥の部屋に案内されたが、奥で涼宮が居るんじゃなかろうかと心配だった。
「コンコン」朝倉が扉をノックすると「どうぞ」という女性の声がした。扉を開けてその奥に居た人物を見て俺は驚いた。
先に言っておくが、涼宮でも、キョンでもないし古泉でも無い。そこに居たのは… 

「やぁ、よく来てくれたな」この一言で分かった奴は神だな。そこに居たのは元生徒会長だ。
「君の経歴はこちらで調査済みだ。面接など不要だ、採用する。頑張ってくれ」話が飛びすぎて訳が分からん。
「こちらが詳細な書類になります」あ、書記だった喜緑さんだ。俺は今、相当間抜けな顔をしているに違いない。
「すいません、ちょっといいですか?」俺は目の前に居る元生徒会長、現社長にいった。
「ん?なんだ?ああ、出社日は来週の月曜日からで頼む」そうじゃなくて、ここは何の会社ですか?
俺の問いに答えたのは社長では無く、秘書?の喜緑さんだ。
「主にコンピュータ関連のプログラム製作を。他にゲームなんかも製作しています。現在は新しいOSの開発に力を入れています」
ああ、よく見たら、「打倒、マ○○ロ○○ト!」て書いた掛け軸があるね。

朝倉の言葉に俺は驚愕した「そうそう、谷口君。涼宮さんやキョン君たちも居るから」

な、何だって!あいつらも居るのか!
よく見ると、コンピ研の部長もいるな。ああ、俺ここで働いて行けるかちょっと心配になって来たわ。


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