「キョン〜 雨でどこにもいけないじゃないのー。
風もひどいし こんなんじゃ傘も折れちゃうわ!!
きっと親友を人質に取られたメロスくらいしか外にはでないでしょうね!
よっぽどの強い意志を持った人にしか出歩けない状況なのよ!」
「そんなこと言うためにわざわざ電話してきたのか?」
「退屈なのよー 何か面白いこと考えなさい3・2…」
「ちょまっ!! カウントダウン始めてんじゃねぇよ!!
…そうだな たとえ「やっぱいいわ。」
「……」
「今からあんたんち行くわ」
「は? お前この雨じゃメロスくらいしか出歩けないんだろ?
お前の親友が処刑されそうになってるわけでもなさそうだが。」
「甘いわねキョン。
私がいかに強い意志!強靭な魂を持っているか証明してあげるわ!!」


窓の外を見ると ウチの玄関の前で携帯片手にふんぞり返っているハルヒがいた。
傘は折れてボロボロになっていた。


俺は強い意志と強靭な魂とやらをひっさげて我が家にやってきたハルヒをひとまずウチの中に入れた。
「すみません。出先で傘が壊れちゃいまして…突然お邪魔して、ご迷惑じゃないでしょうか?」
とかなんとか言ってさっそく母親の前で猫かぶってやがる。
ちゃっかり嘘までついて。あとだまされんな母親。ニコニコしながらココアの準備しないでくれ母親。


「ハルにゃんいらっしゃいませ〜!
お洋服も髪もビチョビチョだよ?大丈夫〜??」
「まぁ なんだ。そのままじゃ風邪ひくだろ?風呂にでも入ってこいよ」
とかなんとかやさしく促しながら、実はさっきから濡れた服が透けてて…
その なんていうかかなり目のやり場に困っている。
頼む!俺のためにもさっさと風呂いって着替えてくれ!!

「? わかったわ。じゃぁ借りるわね。
あ 妹ちゃん一緒に入りましょうかー。」
「わーい!ハルにゃんと流しっこー!!キョン君のぞいてちゃだめだよぉ?」
覗くか!! 俺にだって理性のひとつやふたつある。…たぶん。
じゃぁ タオルとかの場所教えてやってくれな。
俺は適当に着替えでも探してくるから。


こういうときの着替えは男物のシャツ1枚で!っていう意見をモノの本で読んだことがあるが、そんなことをしたら俺に明日はやってこないだろう。
だからといって妹の服なんて入るもんは1着もないだろうし。
しかたがないが母親の部屋から、タンスの肥やしになっているであろうちょっと若作り系のカットソーとショートパンツを拝借することにした。

着替えを風呂場に持っていくときゃぁきゃぁはしゃぎまわる妹の声が聞こえた。
「ハルにゃんはすべすべ〜♪ふわふわ〜♪」
なんの歌だナンの。
「あたしもおっきくなったらハルにゃんみたいにおっきくなれる?」
「甘いわ妹ちゃん!目標は常に高くあるべきなのよ!
そうね どうせ今から目指すんならみくるちゃんくらいを目指しなさい!
善は急げなんだから!」
善かどうかは知らんが妹に変な知識を植え付けんでくれ。
妹が朝比奈さんのようになった場合俺はどうしたらいいのだ。
いや どうもしないが。

そっと着替えを棚に置いて立ち去ろうとしたその時、
「あれぇ?シャンプーもうないよう?シュコシュコ」
「あら本当ね。キョーン シャンプー買い置きない?」
ちょっと待ってくれ 確か特売でまとめ買いしてあるはずだ。
「…なんでいるのよ。あんたまさか…」
な! 誤解だ!!ってか 信用なさ過ぎだろ俺!!
「キョンキョンエロキョン〜♪」とか妹と合唱し始めたハルヒを早くなんとかしないと、ご近所さんに聞こえかねない。窓は開けてないだろうな?
俺は目をつぶったままシャンプーだけ風呂場につっこんで妹に渡し…イデっ!!
「ごくろうさま エロキョン!」
な!?デコぴん!!?
ぐぁ!! ハルヒだったのか!! …くそぅ 薄目あけてりゃよかった。
なんてできるはずもなく俺はすごすごと部屋に戻った。





ふと、外を見るとさっきよりも雨風はひどくなっていた。こんな時期に台風か?こりゃ カミナリでも落ちそうだな。

台所でココアを受け取ったハルヒと妹が俺の部屋に入ってきた。
「こら! ちゃんと髪の毛かわかしてこないとダメだろ!」
「ごめんなさい。アタシがずっとドライヤー使ってたから妹ちゃんの髪、中途半端になっちゃって。」
「だってハルにゃん もぅOK完璧!なのに「どっか変じゃない?」って鏡の前からはなれないんだもブホッ むぐーむー」
「あははははー な 何言ってんのよー」
ハルヒは顔を真っ赤にしながら妹の頭をぐゎしぐゎし拭いている。ぐらんぐらん揺れる妹の頭。

確かに風呂上がりのハルヒは、俺の選んだ着替えが若干胸元が開き過ぎ鎖骨のラインがたまりません!なこと意外は普段と変わらずキチンと身なりを整えていた。
……どこに着ていくつもりだったんだ母よ。
それでいてうっすらと上気した肌がピンクに染まっていて、どうせならちょっと濡れ髪っぽくても可愛かったんじゃないか?
とかオッサン妄想までしてしまった。自己嫌悪。いや前言撤回 しょうがないだろ!!

とかなんとかやってるうちに、妹がここぞとばかりに人生ゲームやらUNOやらを両手いっぱいに部屋に運んで来た。
2人兄妹だと遊んでもいまいちおもしろくないもんな。
しかもハルヒの負けず嫌いは小学生相手でも十分白熱したゲームを展開してくれる。ありがたいもんだ。
しばらくは時間も忘れてただただ遊びまくっていた。
だが、ここいらで本題に入らんといかんだろう?

「で お前はいったい何しに来たんだ?」
「退屈しのぎよ。少なくとも今はあんたも退屈してないでしょ?それに妹ちゃんもあたしがいたほうが楽しいよねー?」
「うん!」

はぁ〜… できることならば、たかが退屈しのぎに傘1本と体力賭けるのはやめてほしかったね。
「だいたい危ないだろ?いくらお前が世界最強の団長様だとしてもだ。
ケガでもしたらどうする?暴風で看板が落ちて来たりとかもするんだぞ。 今回は傘だけですんでよかったが…」
俺はこんなにも心配してたのか。自分で説教たれながら気づいた。ハルヒも珍しく黙ったままほっぺた膨らましてうつむいている。
「…ぃたかったんだもん。」
?何… か細い声が何を言ったのか、もう一度聞こうとしたそのとき


ビシャーン!!

「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」

窓の外がフラッシュを焚いたみたいに真っ白に光った。
音と光はほぼ同時、きっとどこか近くにカミナリが落ちたんだろう。

…きゃあぁ? あ  そうか おい大丈夫か妹よ。

「あはははっお空光ったー!!ドーン ビシャー!」

…問題は無いみたいだな。と すると…
「怖くない!」

振り向くとハルヒがこれでもかってくらい睨んでいた。
「カミナリなんてただの気象現象じゃないの!それに今居るのは室内なのよ!日本が沈没しようが感電することはないっきゃぁぁ!?」

今度はさっきのより随分規模は縮小されてたようだが、怖かったですか?
あと日本沈没したら感電以上の死が待ってるぞ。
早口でいきがり、速効で着席したハルヒに問いかけるが返事はない。

しかし、どうしたもんかな。このカミナリじゃ傘なんてさしてるほうが危ないだろうし…どうやってハルヒを駅まで送ろうか。
あぁ 父さんが帰って来たら車で送ってもらうかな。それなら安全だろう。
「キョン君 お父さんね、このカミナリで電車もとまちゃって遅くなりそうだから、どうせなら徹マンでもしてくるわーって。」
こんなときに限って何やってんだよ!!自然の驚異にさらされている家族をほっぽりやがって!!…まぁ 怖がってるのは非家族だけども。
「お天気も悪くなりどおしだし、涼宮さんには泊まってってもらったら?晩ご飯お父さんの分も材料買っちゃってるし。」
母よ。そういうことはもうちょっと慎重に言ってくれ!!でないと…
「わーい!!ハルにゃんと一緒ー!!!!」
とか俺の拒否権を無視して、勝手に1万票投じちまうヤツがいるんだから。

そんなわけで、ハルヒよ。それでいいか?親御さんにはウチの母親からキチンと…
おい!「いつも息子がお世話になってます」とか言ってんな!お世話してるのはこっちだっつうの!
変に浮かれてる我が家の女性陣にため息をついている俺の後ろで、ハルヒの顔にほんの少し笑みがさしてたのは気のせいだろうか?
「何 人の顔じーって見てんのよ!!しょうがないわね。不運なキョンのことだもの
送ってもらう途中で落雷!感電死!ってなこともあるかもしれないわ!
そうなったら一緒にお陀仏だもんねっ。だから今日は泊まらせてもらうわよ!
そ それだけなんだからね!!」
はいはい そういうことにしといてやるよ。だからおとなしくしとけ。
「晩ご飯の用意お手伝いしてくるわ!一宿一飯の鶴の恩返しってもんよ!!」
そういい残すと猫を装着したハルヒは台所へ向かっていった。





今日の食卓はいつもより品数が増えていて、若干豪華に見えた。
「お味噌汁もポテトサラダもみぃんなハルヒちゃんが作ってくれたのよー。手際もいいし完璧ね!」
もう下の名前で呼んでいる。たいした信頼感だ。
「さぁ キョン!妹ちゃん!お腹やぶけちゃうくらい召し上がれ!!」
ハルヒも料理中にすっかり母と意気投合し、猫っかぶりも控えめだ。
「おいしーぃ!お母さんのよりもおいしいよっ」
実際ハルヒの料理は美味かった。それもかなり。
なんていうか家庭的それでいて無駄がなくかつとろけるようにまったりと…
…すまんボキャブラリーが無くて。とにかく美味い それは保証する。
さっきから一口食べるごとに「どう?おいしい?」的な視線をびんびん感じるが、脅されてる訳じゃない、よな?
「これなら毎日ハルヒちゃんに作ってもらいたいわよねぇ?キョン君。」
ベタなネタをふるな母!賛同するな妹!睨むなハルヒ!怖さ3割増だ!!
流石のハルヒも「こんなヤツの飯炊き係なんてゴメンよ!むしろあんたがやりなさい!雑用団員なんだから!!」
と家族の前で罵倒する気はないらしく、机の下で俺の足をケリケリするくらいにとどめている。だが知ってるか?そこはかの弁慶も泣いたと言われるくらい痛い場所で……痛い。


その後も、俺達がどういう学生生活を送っていて、いかに有意義な青春真っ盛り中なのかを談笑を交え、明るい雰囲気で発表している。
ありがたいことにSOS団の方針云々はケント紙並のオブラートに包まれて会話がなされているので、母に面倒な疑問は抱かせずにすみそうだ。
もっとも 代わりに話題のタネになっているのは、俺が遅刻常習犯であったり、朝比奈さんのメイドコスにニヤケ面をさらしながら日々を生きている等という恥ずべき行為大全集だったりする。

ちょっとは美化とかしろ!俺にだって立場ってもんがあるんだ!!

「いつも集合場所で待っている私達を気づかって飲み物を振る舞ってくれるんです。」
おぃ!お前が奢らせてるんだろ!それは美化じゃねぇ 虚言だ!
などとツッコムこともかなわず、そのまま姦しい会話を続けて下さいと白旗を揚げた。





俺達は夕食を済ませ、後片付けを手伝い、今度は各種テレビゲームを部屋に持ち込んだ。
と言っても俺が所有しているゲームのほとんどはRPGであり、1人用のものなので、
始めはおもしろがってザコキャラを切りまくっていたハルヒが、しまいに
「あと3秒でボス出てこなかったら死刑よ!」と言い出したのは規定事項であり、時間の問題だったのかもしれない。
早々に飽きたハルヒはレベルもロクにあがらないままで妹にバトンタッチした。
さらにラスボス登場に時間がかかることになりそうだ。

外は相変わらずの雨、カミナリもさっきよりは遠のいているが、いつ落ちてもおかしくない膠着状態が続いていた。
ときおり強ばった表情を見せるハルヒはいつもより少しかわいかった。
さすがに騒ぎ疲れたのかベッドに腰掛けてただ窓の外を見ている。
「ねぇ 明日の不思議探索…できるかしら?」
さぁな。 天気予報では明日も雨だってよ。カミナリの方はわからんが。
「もしも明日も外 出れなかったらまた泊めてくれる?」
一瞬---すごく真剣な顔をしたハルヒがいた。
まるで、この世の行く末が俺の回答に詰まっているかのように。
「お前は永住する気か。勘弁してくれ。さすがに俺もクラスメイトとドキドキ☆1つ屋根の下!
なんてエロゲ的展開を黙って現実にできるほどの理性は持ち合わせてない。」
「じょ 冗談に決まってるじゃない。何 考えてんのよエロキョン!」
エロキョンはよせ。限りなく紳士な対応で欲望の壁の前で体育座りしている俺に向かって。
冗談…とは思えないくらいの目を見ちまって、なんていうか気まずい…というか その
恥ずかしさが勝ってしまった俺は、はぐらかして逃げてしまった。このチキン野郎。
だが実際、外見美少女から「泊めて」と言われて気の利いた言動ができるヤツがいたらその術をご教授願いたいね。
雨はやみそうにも無かった。


いわゆるゴールデンタイムには、落ちモノゲー大会、アルバム披露+「全然変わってないじゃない!あんた真面目に生きてんの?」という失礼な疑問を向けられたりと、
これといって困るようなことは起きず夜は更けていった。
まぁ 途中で「エロ本チェッーク!!」とか言い出してヤツがベッドの下を漁りだしたのには焦ったが、
それは全力で阻止した!いや高校生にもなってベッドの下を隠し場所としている男はまずいないだろうが、敢えてベッドのゴールキーパーとなることでヤツの意識を定着させたのだ。
結果、やましいもんは見つからずにすんだオーライ。
っつかお前はもし古泉の部屋に行くようなことがあったら同じことをやってくれるんだろうな?その時はベッド以外の捜索をおすすめしとこう。


ハルヒと攻防戦を繰り広げている間、妹のことをすっかり忘れていた。
ふっと見るとコントローラーを握ったまま眠りこけている。画面にはゲームオーバーの文字が浮かんでいる。

「母さんの部屋で寝かせてくるよ。お前はこいつの部屋で寝たらいい」
コントローラーから離れない指をひっぺがしながら妹を抱きかかえた。
「…うん」
「どした? あ…そうか」
「怖くないったら」
ならそんな目で見つめてくれるな。勘違いしちまうだろうが。
ハルヒの肩肘はって、でも弱気になっているみたいなカンジがどうしたらいいのか惑わせる。
「怖くなったらこっちにくればいい。」
「はぁ!?あんた何言って!!!」
「冗談に決まってんだろ。 何考えてんだエロハルヒ?」
「なっ! うるさい!なんでもないわよ!」
俺のみぞおちにいい拳をいっぱつ入れて「もう寝るんだから!あんたこそこっちこないでよ!」
とかなんとかブツブツいいながら妹の部屋に入っていった。
これでよかったんだよな?いや いいも悪いもないか。
窓の外を見ると、さっきは少し回復していた天気がまた悪い方向に向かっているのがわかった。
音こそ小さいが、時々空が明滅している。ハルヒは大丈夫なんだろうか?





あ パジャマ用意してくれてる。キョンの…ではなさそうね  よし。
はぁ…それにしても カミナリが苦手ってこと さすがにバレちゃったかな?
うん 明らかに不自然だったもんね。気づかれないはずがない。
うぅ〜このこと他のみんなにしゃべったりしたら死刑なんだからね!平団員が団長様の弱みを握ろうなんて一億光年早いんだから!…なんて1人で息巻いててもしかたないわ。
妹ちゃん、ありがたくベッド使わせてもらうわね。

それにしても、またカミナリ近づいてきてない?
音もヤなんだけど、この空チカチカが光るとことか、万が一でも落ちてきたら死んじゃうってことがものすごく怖い。
宇宙人でも降りてくれば別だけど、そんな見返りはなさそうだしね。
やっぱりもうちょっとキョンの部屋にいればよかったかなぁ…でも もう夜も遅いし、それにあのままずっと一緒にいたら…
べ 別になんでもないけど!キョンなんかに何ができるってわけでもないでしょ!
でも一応危険回避はしとかないと そうよ なんてったってエロキョンなんだから!
…はぁ バカみたい。うん もぅ寝よう。
電気は…付けとこうかな これなら外 光ってもそんなに怖くないだろうし。


寝れん。
疲れきった体を回復させるためにさっさと眠ることを選んだのだが、 ゼンゼン睡魔は襲ってこない。
真っ暗な部屋。静かな環境。ついさっきまで騒がしかったのが嘘みたいだ。
目を瞑ると今日1日のことがエンドレスリピートで再生される。
妹みたいにはしゃぎまわるハルヒ。自分たちの活動を誇らしげに語るハルヒ。
自分の退屈しのぎ、なんて言っていたが、楽しかったのは俺のほうだ。
なんでもないことのように思うが、時間は何をしたかじゃなくて誰と過ごしたかでおもしろさが何割も違うってことを身を持って実感した。

だから余計に、さっきの不安そうな表情が目に焼き付いて離れない。
でも、そうといってハルヒと一晩過ごせる自信は申し訳ないが、無い。
自分のことを信用してないってことがそれにあたるなら、情けない話だが無理っぽい。
あんな弱い部分を持ってるハルヒを見てしまって、それをどうこうしようとする自分が垣間見えたりしたらものすごく後悔することになりそうなんでな。
そこ!おいしいもん逃して後悔するのはどっちだ、とか言わない!
自分でも痛いくらいわかってる。まぁ ここで俺が悩んだところで、触れなば切れんヤツが相手なもんで、ご期待にお応えすることは鼻からスパゲティ食うより難しいってな現実がドカンと居座ってやがるからな。
そんな男心あふれる自問自答を繰り返したらちょっとだけ落ち着いて来た。
割り切るって大事だな。
よし 眠れそうだ…その時

ドーーーーン

部屋が揺れた。空色が反転した。
あまりの大きな音に驚くこともできなかった。さすがにこれはビビる。
外の様子を伺おうとカーテンを開け…かけた。
ハルヒはどうしてる?もう寝てるのか?今ので目が覚めたかも。
何にせよ確認しにいこう 心配だ。

カチッカチ あれ 電気がつかない。しまった 停電か。
俺はケータイのライトをの明かりを頼りにとなりの部屋へ駆け込んだ。

「ハルヒ!!大丈夫か!!?」
返事はなかった。やっぱりこっちの電気もつかない。
ライトを強くしてベッドの方向へ向かって行くと
「こないで!」
は!? なんだよそれ。
「顔 見ないで うぅ 見たらしけっいなんだからぁ…」
だんだん目が慣れてうっすら状況がわかってきた。


ハルヒはベッドの端っこでうずくまり、 泣いていた。
「…それ以上 こっち っぐ 来たら ダメよ!」
「顔までは見えない。見えないから座ってもいいか?」
俺はベッドに腰掛けライトを消し、ハルヒの方は見ないようにした。
沈黙ーーーーーーハルヒは泣き止んだ後も口を開かなかった。


静かになったハルヒを見届けて、部屋を出ようとした。すると、
「…怖かったの。」
「え?」
小さな声で、ぼそぼそと訴えかけて来た。
「怖くて眠れなくて、電気もつけてたんだけど、いきなり真っ暗になって…
カミナリ…苦手…なのもあるんだけど…
もし…キョンが来てくれなかったらって考えてたらもっと 怖くなったの  それで…」
泣いてたのか?
「暗い中1人で…ううん 1人なんて慣れっこのはずなのにね。でも、辛くなったの。
だけど 来てくれた。」
真っ暗な中で、見えないはずなのに ハルヒは笑っているように見えた。





「…あの もう大丈夫だから。その…おやすみなさい。」
そう言って、伏し目がちにベッドへ戻ろうとするハルヒの手を、俺は無意識のうちに握っていた。
「え…?」
そのまま、自分の部屋へ帰った。すまん、正直自分でも何やってるかなんてわかってないんだ。
ただ、言えることはあった。
「一緒にいよう。」
訳も分からず連れ出されたハルヒは、さらにきょとんとした顔をしている。
「もう1人で待ってなくていいんだ。ずっと側に…」
そこまで言って、自分がメチャクチャ恥ずかしいことをのたまってることに気づいた。
ヤバい!俺 今すっげーカッコ悪くないか!?
顔を真っ赤にしながら、目を見開いて、口を開けているハルヒを見て正気に戻った。
突然あたふたしだした俺を見て、ハルヒはクスっと笑った。
「いいわ。そのかわり!手 離したらダメなんだからね!」
一方的に掴んだままだった俺の手をきゅっと握り返して、2人でベッドに座った


「……」
あれから数分。黙りっぱなしで行儀よく座ったまま、動き出せずにいた。
よく考えれば、選択肢は寝ることしか用意されてない時間帯で、用意されてないないんだよ!言いたいこともあるだろうが、何も言うな!
とにかく、朝まで一緒にいることは許可されていてもその…なんだ さすがに枕並べて寝るわけにもいかんだろ。
しかし、手を離さないという条件付ではできる体勢なんて限られたもんだ。
ハルヒも同じことを考えているんだろうか。いつもは自分から何でもズンズン突き進んで行動するくせに、さっきからなんのアクションも起こさない。
……仕方ない。

「ハルヒ そろそろ寝ないか?俺は床で座って寝るから。」
手を離さず、ベッドを背もたれにして床で寝ることにするよ。一晩くらい平気だろう。
 あぁ ブランケットは一枚くれよ、さすがに寒いし。
「ダメよ。」
お前は俺だって風邪くらいひくんだぞ、バカだけど。
「だから!風邪…ひいちゃうから…こっち  来て。」


据え膳? イヤイヤイヤ違うだろ!いいか 俺はきっと信用されてるんだ。
それか甲斐性なんてあったもんじゃないとか思われてるんだ。
目の前にいるのは友達友達友達。俺がガマンすれば何も起きない。
こんなことでハルヒを失望させてたまるか!…雰囲気に流されてるだけなのかもしれないが…。
「失礼します。何もしないから安心しろ。」
「ばっ 当たり前じゃない!」
もともとシングルベッドなので2人寝れば密着度はあがる、そんな簡単なことすら考えてなかった。迂闊だった。
直接顔を合わせるのはさすがに恥ずかしすぎたので、背中合わせに寝転んだ。
それでも背中に全神経が集中してしまっている。触れてない箇所までもなんだか熱い気がした。

カミナリはおさまった、雨は降り続いている。





繋いだ手が汗ばんできた。
緊張----なんて言葉じゃ表現できない。手 ひとつにしても印象がずいぶんと違う。
いつもは引っ張り回されて合わさる手。
だけど、今は本当の意味で"繋がっている"カンジがする…。

なんてキレイごとばっかで情けなくなるな。
すまん、実はもういろいろと限界なんだよ。だってそうだろう?
妹と一緒に寝るのとはわけが違うんだよ!!…あ? いや待て俺はそっちの趣味は無いんだ。一般論だあくまでも。
ハルヒのやわらかい手、肌背中を通して伝わってくる熱。
そんな少しの触れ合いが、物足りなさと妄想を何倍にも膨れ上がらせていく。
健康な男子高校生ならわかってくれるよな?古泉を除く。
そんなこんなで、さっきから寝るどころかどんどん目が冴えている。
っくそ!いっそのこと朝まで起きてればいいのか!?

「寝れないの?」
いきなり話しかけられて固まってしまった。俺 声に出してたか?
「あ あぁ…いやー 今日は暑くてなんか寝苦しいな。」
外は大雨。むしろ肌寒いくらいだ。
「? 普通じゃない?」
普通じゃない断じて違う!この状況が普通なら、ゾウが生クリーム塗ったくられてても驚かないね。
「早く寝なさいよ。明日も9時集合なんだから!」
「いや 起こしてくれよ。」
「ダメよ!そんなことしたら自力で集合時間に間に合わせてるみくるちゃん達に悪いわ!
それに、喫茶店で誰が奢るのよ?」
俺かよ!!
そう言って無邪気に笑うハルヒを見るとホッとした。もう、いつものハルヒだ。
反面…若干焦った。俺だけなのか?こんなにドキドキしてるのは。
それともハルヒはこういう事態に慣れているのだろうか?俺以外の…他の誰かには、もっと素直に甘えているのかもしれない。

はぁ〜…なんてしょうもないこと考えてるんだろうな……ん?
 なんだ このやわらかい感触………!???
今まで反対方向に向いていたハルヒの体が180°回転してこっちを…ってことは コレは…
「ハ…ハルっ?」
やべっ 声がうわずった。
「すー……すー…」
寝てやがる!!ってことは 寝返りか。
それにしてもちょっとひっつきすぎだ!ム ムネが…当たる…。
朝比奈さんには程遠いが、それでも人並み以上を誇るハルヒのソレは、確実に脳味噌へ大ダメージを負わせていた。
ぐわっ 腰を持つな!抱き寄せるな!
「キョン…も…食べられないわよぅ」
ベタな寝言を言うな!

…どうしたもんかね。まさか 起きてるんじゃないよな?からかわれてるとか…
そっと体を起こしてハルヒの顔をのぞき込んだ。
長いまつげ、透明感が強い白い頬、そして、薄く微笑んだように見える唇…毎日顔をつき合わせているハズ、それもいつだって特等席だった…それなのに、なぜこんな単純なことにも気づけなかったんだろうか。
ハルヒは可愛い。可愛いが不安定だ。
この安心しきった顔を見て、さっきの暗い表情が脳裏に浮かぶ。
すっと手を伸ばして、髪を撫でると、一瞬ピクッと肩が動いた気がしたが、起きてはこなかった。

強がりなんだろ?誰かに頼りたくなる時も、ひた隠しにするくらいなのだから。
でもなぁハルヒ、少しぐらい寄りかかってもいいんだぞ。少なくとも俺や、他の団員くらいなら迷惑はかからない。
…まぁ ワガママとは違うけどな。そこんとこはひとつよろしく。

閉鎖空間が発生するから?古泉のバイトが増えるから?世界が、崩壊するから…?
そんなことは、どうでもいいんだよ。もう あんな不安な顔はさせたくない。
させたくないから 俺がお前の側に…。

俺の小さな決意なんて知るよしもなく、ハルヒはかわいい寝息をたてていた。……腹 丸出しで。
なぁ神様よ これは何かの試練なのか?いや 神は涼宮ハルヒだったか。
捲れあがったパジャマをすばやく直し…触ってないからな。指一本、神に誓って。
頼むからこれ以上「こいつ何やっても起きないんじゃないのか?」という邪な考えを膨らまさせるような真似はしてくれるなよ。
そうそう、そうやっておとなしく寝ててくれ。
黙っててりゃ美人。眠ってりゃ文句無し!なハルヒの寝顔は、眺めていてすぐ飽きるような代物じゃなかった。
自分の気持ちの整理がついたことにほっとしたのか、ただじっとハルヒを見つめていた。
何も考えずに………心頭滅却……煩悩抹殺…

キ      …キスくらいなら…

だーーーーーーー!!!ケダモノか!? 俺は六人の獣なのか!!?
さっきの聖人のような俺!カムバック!!

 

 




風は相変わらず吹き乱れていた。

雨の方は、さっきよりまた少し強くなったようだ。


ハルヒの顔を覗き込んだまま、動作が止まってしまった。
考えても見ろ?あの強情唯我独尊世界の中心で自我を発散しているハルヒが、今は俺の隣で最上級の寝顔を披露しているんだぞ?
これがどういうことかわからないくらい頭の回転が悪いわけではない。
少なくとも嫌われてはいないだろう。 初めて出会った頃には、想像もしなかったポジションにかれているってことは自覚している。
だからってやっていいことと悪いことがあるよな?
自分の気づかないうちに唇を… その キス…されていたなんてこと、あまり気持ちがいいもんでもないだろう。
そもそも俺はハルヒのことをどう思ってるんだろうか。
今 沸き上がってる情動は、"美少女が目を覚まさない"という状況に押されてるだけなんじゃないのか……?
脳内俺がグダグダ会議を始めて数分、
ーーーーーー自分の身に何が起こったのかわからなかった。


首に回された白い片腕、微かな熱気、     触れる、唇。




「遅いわよ。」

完璧に思考が停止した俺に向かって、小さく そう言い放った。
暗闇の中で、しかも顔もあげずベッドの背もたれにちょこんと座り直している。

「おい…」
「顔 見たら殺すわよ。」
まぁ 暗くてちっとも見えないんだけどな。
だが、繋いだ手は異常に熱く火照っていた。これはどっちの体温なんだろうか? あるいは二人分の……

「いつから…起きてたんだ。」
「人の頭、勝手に撫でといて起きないとでも思ったの?  なんか恥ずかしくて起き上がれなかったし、服も直せなかったわよ。」
……死にてぇ。誰か、縄とか梁とか用意してくれ。
「その後もなんかじーっと顔見てるだけで…ちょっと怖くて
で でもね 少しは覚悟……してたのよ?それなりに。
あんたも一応、男子高校生だしうん えっと……  したいのかなって…。」
「そんなこと言って、本当にやってたらお前…」
「殴ってたかもね。」
セーフ 俺。
「そこまで踏ん切りつけられるほど人間できてないわよ。
けど 見つめられてる空気とね、律儀に握ってくれてる手とか…
優しい声とか思い出してると、頭の中がキョンでいっぱいになっちゃって。
そうしたら…… 我慢できなくなっちゃったのよ。」
……。


「あ あんたが悪いんだからね!  あと1秒待ったらもしかしたらキョンから…とか 考えちゃったんだから!
あたしだって恥ずかしかったのよ 当たり前じゃない!」
そこまで言うとハルヒは黙りこくった。


あぁ 今日ほど自分がバカだと思ったことはないね。
結局、ハルヒが行動を起こしてくれるまで、ハルヒの気持ち…どころか自分の気持ちすら気づかなかったなんて。
もう 答えはとっくに出てたんじゃないのか?
世界で一番笑っていてほしい女の子。そんな考えで自分にフィルターをかけていただけだ。
それが好きだってことに気づくのが、今だったなんて あまりにも遅すぎたんだ。


下を向いたままのハルヒの顔をあげさせて、おそらく赤いんだろうな、熱を持った頬に触れた。
「遅くなって悪かったな。ハルヒ。」
「遅刻… 罰金 ううん いいわ。今日だけ特別。」

笑うハルヒ。俺はちゃんと笑えているだろうか?
情けないことに、さっきから涙が込み上げてきいるんだ。 泣き顔を見られる訳にはいかないよな。


ハルヒと唇を重ねて、こぼれ落ちそうな涙を隠した。




そのまま、朝までゆっくり眠った。
もちろん 手は離していない。
だけど、さっきと変わったのは、2人が向かい合っているということだ。



いつのまにか、雨も風も カミナリも止んでいた。

 





「ん…」
目が覚めると、昨日の嵐が嘘のように太陽光が照りつけていた。
これが台風一過ってヤツか??

それにしても 昨日はなんて恥ずかしいことをしてしまったんだろう。
ダサい告白コンテストなんてもんがあったら、ダントツ1位、ついでに永久シード権まで獲得できるな。
あのまま普通に寝ただけっていうのもどうなんだろう。いや 皆まで言うなわかってるから。
どうせヘタレだよ。

あれ? そういえばハルヒがいない。
一晩中ハルヒと繋いでいたせいか、筋肉が硬直して少ししびれている右手。今は 空を掴んでいる。
貸していた母親の服がキレイに畳まれていた。
なんだ もう 起きてたのか。
ちょっとくらい 起こしてくれても…
ふっと見ると ケータイの着信ランプが点滅していた。

「いい天気ね!まさに不思議探索日和ってもんだわ!」

………おい もしかして もう行ったのか??
現在8時20分。
集合時間は9時。
マジで起こしてくれよ!!


顔を洗ってそこらへんにあった服をテキトーな服を着込み階段を駆け下りる。
ガンバれば間に合うんじゃないのか?
間に合え!間に合え!!間に合えええ!!!!
まぁ 最下位は決定だろうから奢りはまぬがれないが。

「キョン君おはよ〜朝ご飯…」
悠長に食ってたら間に合わん!パスだ!
「あらーじゃあこのハルヒちゃん特性玉子焼きもいらないのね?」
くそっ なんてトラップだ!遅刻確定。


「遅い!罰金!!」
集合場所に着くといつもと変わらず怒鳴りあげるハルヒがいた。
驚くほど変わり映えのしないその態度に尊敬すら覚えるね。
「それにしても暑いわね〜台風一過ってヤツ?冷たい物がノドを通るにふさわしい状態だわ!」
はいはい アイスかなんかを献上すればよいのでしょうか 団長様。
「あのぅ〜それなら私のよく行くお茶屋さんが、かき氷とかあんみつを始めたんですけど、行ってみませんか?」
可愛く挙手する朝比奈さんの手をしっかと握り、
「でかしたわみくるちゃん!それこそ日本の夏よね!
風流と涼は常に同じくすべきなのよ!それにこんなに暑いんだもの!
かき氷大食い大会とかあるかもしれないわっ」
お前…風流の意味わかってんのか?
高気圧テンションのまま朝比奈さんを引っ張りズンズン前進していくハルヒと少し距離をとりながら、古泉が近づいてきた。

「いやぁ助かりましたよ。」
ムダにニコニコするな、暑苦しい。
俺はお前に礼を言われるようなことは何もしてないぞ?
「いえいえ、昨日はあなたのおかげで閉鎖空間が一つも発生しなかったんですからね。」
訳の分からんことを言うな。
「ご冗談でしょう?まぁ昨夜お二人に何があったかなんて聞くのは野暮なことでしょうから控えさせていただきますが。」
涼宮ハルヒにプライバシー無し。機関とやらの調査能力を今更疑っても仕方がないが。
「俺たちの関係がそんなに世界に影響するのか?見てみろ。ハルヒの態度なんて昨日以前と1ミクロンも変化してないぞ?」
「まさかお気づきになってませんでしたか?」
なににだ。
「実は紙一重だったんですよ。あなたの行動一つ一つに世界の行く末が握られていたといっても過言ではありません。
確かに閉鎖空間は発生しませんでした。
しかし、事態は最悪の方向へ向かっていたんですよ。そうですよね 長門さん。」
「昨日中降り続け、先ほど午前2時43分に止んだ暴風雨及び雷は、特定地域、その内2カ所のポイントを集中的に気象変化させていた。」
あまりにも抑揚の無い語り口で説明する長門の言葉は、一瞬では理解できなかった。
「昨日は快晴だったんですよ。少なくとも僕や長門さん、恐らく朝比奈さんの家の周りは。
今日は台風一過なんかじゃないんです。ここ何日か続く晴れの日となんら変わらない1日なんですよ。」
嘘だろう?だって昨日はあんなにどしゃぶりで…そうだ!父さん。電車が止まって帰って来れなかったんだよ。
「集中地域は2ヵ所。ポイントAあなたの家から半径1km。ポイントB環状線特定駅周辺。」
まさか…いや まさかな。
「そのまさかですよ。もう聞き飽きたかもしれませんが涼宮さんが望んだからです。」
「ちょっと待て!そんなことして何になるんだよ。」
「あなたの家へ行く理由を作り、一泊出来るように計らい、自らの苦手なカミナリを呼び寄せてまで一緒にいることを望んだんですよ あなたとね。」
こういうときなんて言ったらいいんだろうな。誰か台詞を用意してくれ。
頭 痛ぇ…。
「それだけ重要なことだったんですよ。あなたを試して、自分すらも試していたんでしょう。
気象をいじるなんて滅多なことじゃありません。彼女は閉鎖空間の代わりにこの世界に直接干渉していたんです。
こうなったら、僕たちは一切手出しできませんからね。
神人を刈ることはできても、現実世界にいる涼宮さんを押さえつける術を機関は持ってません。
だから、あなたに賭けるしかなかったんですよ。」
「あなたは涼宮ハルヒに受け入れられた人間、同時にあなたが涼宮ハルヒを受け入れる必要があった。
条件が満たされなかった場合、空間自体を創り変えることは十分に予測されていた。」
じゃぁ 何か?もし俺が昨日ハルヒの機嫌を損ねていたらまたあの時みたいになんもない町に放り出されてたっていうのか?
「もう一度あなたが選ばれる可能性があったかどうかはわかりませんがね。
何にせよ非常事態は回避されました。世界は救われたんですよ。」
「観測が継続されることは統合思念体も望んでいた。」
結果オーライってか?だが これだけは言わせてもらおう。
世界のためじゃない。間違ってもお前のためじゃないぞ 古泉。
「心得てますよ。」
だからニヤニヤするな。





「ちょっとーあんた達なーにちんたらぽくぽく歩いてんのよ!!
お店の氷ぜぇぇぇんぶ溶けちゃっても知らないんだからね!!!!」
すでに数メートル先まで足を進めているハルヒ。と捕まったままの朝比奈さん。
まぶしいな。太陽もハルヒも。
その氷とやらは願いのうちにはいってないんだろうな?
お前の願いがそうやすやすと叶うなら、俺の願いの1つでも実現してもらっても罰は当たらないよな?

願わくば、ハルヒの笑顔が絶えないように。
誰かに願うことじゃないか。

もう 曇らせない。あの雨の日みたいには な。



 

 

雪の日は に続きます

 

 

 


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