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男という生き物の大半は豊満な胸を好むらしい
「キョン!あんたまたみくるちゃんの胸ばっかりみてる!」
「だ…断じてそんな事はない!朝比奈さんまでそんな目で俺を見ないでください…」
私には理解できない概念。だけど彼もそうらしい
私は豊満な胸に憧れる。何故なら彼に見てもらえるから。何故私は見てほしいの?わからない
「…長門まで俺をそんな目で」
知らぬ間に私は彼を見ていた。私は本を開き目を落とす。自分自身で顔が紅潮しているのがわかる
「?…どうした?長門」
彼に気付かれた。彼は私の感情の変化を誰よりも早く気付いてくれる。何故変化したか、どう変化したかは気付かないようだけど。
私自身もはっきりは分からない
「なぁ長門」
「何?」
「何かあるなら俺たちに相談しろよ。いつでも聞いてやるから」
「わかった。感謝する」
彼は優しい。だけど私だけにではない。胸があれば私だけに優しくしてくれるだろうか?
 
「あなたは胸の大きな女性が好きなのですか?」
笑みを浮かべた古泉一樹が彼に問い掛ける。
「そんな訳無…い訳じゃないが」
「やっぱりエロキョンね!」
「ちょっと待てハルヒ!誤解するな。確かに大きいにこした事はないが胸で人を好きになったりはせん」
私は少し嬉しくなった。
「ふ~ん、じゃぁなんでみくるちゃんを見てるんでしょうね?」
「そ、それはだな…」
やはり彼は豊満な胸が好きらしい。
 
私がいつもの時間、いつものように本を閉じ部活が終わる。
彼の顔を見れるのはまた明日。 
「今日用事ある?今から有希の家行っていいかしら?」
涼宮ハルヒが珍しく人の都合を気にしている。
「いい」
「よかった!じゃぁ一緒に帰りましょ!」
・・・・
「飲んで」
「ありがと!」
私が出したお茶を涼宮ハルヒは一気に飲み干す。 
「みくるちゃん程ではないけど有希が入れたお茶もなかなかね!」
「そう」
急に涼宮ハルヒの顔が暗くなる。
「みくるちゃん…か…」
ため息をついた涼宮ハルヒが話しにくそうに口を動かす。
「今日家に来させてもらったのは相談があるからなの…有希は口堅そうだしさ…」
 
・・・・
涼宮ハルヒの相談は私も悩んでいる事だった。 
彼の視線、彼の優しさ、彼の笑顔、彼のため息。
私も涼宮ハルヒもそれを独占したがっている。…恐らく朝比奈みくるも
「あなたが心配する必要はない。」
「え?…なんで?」
私にとって辛い事実を彼女に伝える
「恐らく彼は朝比奈みくるを好きな訳ではない。彼が朝比奈みくるをよく見ているのは癒されるから。」
一旦間を開け涼宮ハルヒの反応を見る。涼宮ハルヒは安堵と不安が入り交じった表情でこちらを見ている。私の話の続きを待っているようだ
「それに彼はあなたも見ている。」
「ほ…ほんと?」
私は頷き彼女を抱きしめる。
「ゆ、有希?!」
「あなたと朝比奈みくるは幸せ。彼に見てもらえるから。少し努力すれば彼を独占する事もできる」
「ほんと!?」
私は自分で言った言葉が頭から離れなかった。
辛くなり涼宮ハルヒから離れ、見えないように涙を拭いた
「帰って」
「…え?…あ、ああそうね!こんな時間だしね!今日はありがと!じゃぁね!」
涼宮ハルヒは焦りながらも急いで私の部屋を出て行った
泣いていたのが気付かれていないか心配
・・・・
目が覚める。時計を見るとすでに12時を過ぎていた。
顔を洗いに行く。鏡を見ると赤く腫れた目をした私がいた。こんな目…彼に見られたくない。
今日は学校を休もう。
「休むときは団員の誰かに連絡しなさい!」
いつかの涼宮ハルヒの言葉を思い出す。彼に連絡しよう。
《今日は休む 
五分もしない内に返信が来た。
《わかった。風邪でもひいたか?
《そう
《そうか。皆に伝えとく。おとなしくしてろよ。
《わかった
携帯電話を閉じ自己嫌悪に陥る。彼に嘘をついた。 
・・・・
インターホンの音で目が覚める。また寝てしまっていたらしい
『俺だ。あけてくれ』
『…嫌。』
『どうしてだ?』
腫れた目を彼に見られたくない。しかしそれを伝えるのは恥ずかしい。
『迷惑だったか…?』
そんなはずない、むしろ嬉しい。でも…
『黙ってるって事は迷惑だったか…。分かった、帰るよ。じゃぁな』
帰していいの?ダメ。
『待って。今開ける』
 
・・・・
彼にお茶を出し、机を挟んで彼の向かいに座る。
「何故きたの?」
彼はお茶を一口飲み口を開く。
「ヒューマノイドなんちゃらフェースは風邪をひくのか?」
こういう時だけ彼は鋭い。「一応お前の事は分かっているつもりだからな。少し心配になってな」
もう一口飲みまた話しだす。
「何か嫌な事があったのか?」
「何故?」
「何故ってそりゃ女が腫れた目をしてるって事は泣いてたって事だろ?よかったら聞かせてくれないか?言いにくいなら言わなくていいけど」
私は黙る事しかできなかった。
「まぁ仕方ないな…。誰にだって聞かれたくない事あるしな。すまんかった。」
「いい。あなたは悪くない」
今は彼の優しさに応えられない。悔しさが込み上げる。甘えたいのに…
「あなたは涼宮ハルヒと朝比奈みくるをどう思っている?」
突然の質問に彼は驚いている。
「どうって言われてもな…朝比奈さんは優しいし可愛いしたまにドジな所がずっと見てたいって思う…かな。ハルヒはなんて言うか元気だけどたまに弱いところを見せるから余計に守ってやりたくなるな。」
じゃぁ私は?そんな事聞けるはずない。
「急にどうしたんだ?」
彼は何もわかってない
「別に」
 
しばらく沈黙が続く。
私は本を読み彼は落ち着かない様子でお茶をすする
彼はこの空気が耐えきれなくなったのか私に話しかけてきた
「なぁ長門…もしかして怒ってるのか?」
「別に」
「怒ってるじゃないか」
何故彼が気付いたのかわからない
「でも…怒った長門も可愛いな…」
「…」
笑顔で応えたい。恥ずかしい。彼を見つめたい。恥ずかしい
余計に下を向いてしまう
「やっぱ怒ってんのか?じゃぁ機嫌直ったら連絡くれよ。じゃぁな」
そう言って彼は帰ろうとする
「待って」
彼が笑顔で振り向く。
「どうしてもってんならもう一杯お茶をいただくよ」
彼は以外と策士だったようだ。
お茶を出し彼に聞く
「どう?」
「ああ、うまいぞ」
「…そう。…あなたに聞きたい事がある」
 
「なんだ?」
「…あ…あなたは胸の大きな女性が好きなの?」
 
 
恥ずかしい…消えてなくなりたい…
彼はまたかという表情で答える
「嫌いじゃないけどな…お前まで何なんだ?」
彼は拗ねている。可愛い…
「私は胸が小さい」
私は何を言った?…あぁ…しまった。
「…悩んでるのか?」
彼が吹き出しそうになりながら聞いてきた
「…」
無言で頷く私に彼の容赦ない慰めが…
「…プ…ププ…アッハハハハハ!…ハァ~気にすんなよ、長門…ププ…」
「何故笑う?私はふざけていない」
自分の顔が赤くなるのがわかる。恥ずかしい。
「いやな、お前がそんな事で悩んでるのが意外すぎてな。笑ってすまない」
いつもの彼に戻る 
「そんなの気にする事ないぞ。お前にはお前の魅力があるじゃないか」
…私の魅力?
「まぁ自分じゃわからないか。聞きたいか?」
私はまた無言で頷く
「お前はな…何て言うか朝比奈さんとは違う守ってやりたさがある。いつも守ってもらう俺が言うのも変だけどな」
もっともだ。なんて言ったら嫌われるだろう
「で、そこに可愛さがあるんだ。抱きしめてほしいってより抱き締めたくなる可愛さだな。うまく言えないが…あ、もちろん顔もハルヒ達に負けないぐらい可愛いしな」
 
初めて聞く彼の私に対する心象。
暖かくて優しい言葉。
ありきたりだけど心に響く言葉。
私は彼が好き。気持ちを伝える?ダメ、恥ずかしい
口から漏れそうな自分の気持ちを必死で押さえ込む
 
「じゃぁそろそろ帰るぞ」
帰していいの?…仕方ない。しつこいと嫌われると本で読んだ
「わかった…」
彼を玄関まで見送る
「今日は…ありがとう」
「ああ、何かあったらいつでも呼べよ」
そう言って彼は帰っていった。私は部屋に戻りさっきまで彼がいた場所に座る。彼と居た事、話せた事、笑われた事、優しくしてくれた事、、、すべてを思い出し、幸せな気分にひたる
 
幸せ…これが恋?
そうだ…涼宮ハルヒも彼の事を好き…
抜け駆けする?ダメ、それだけは絶対に。
彼女は私を初めて友達として受け入れてくれたの人。人との触れ合いの楽しさを教えてくれた人。
 
彼と…彼と出会うきっかけになった人…
 
彼女を裏切るわけにはいかない。
 
苦しい…これが恋?
 
胸が締め付けられる。どうすればいいの?私はどうすれば…
 
朝比奈みくるなら話を聞いてくれる?わからない。でも誰かに聞いてほしい。一人で考えるのは辛い。でも朝比奈みくるも彼の事が好きな可能性が高い。…もしかしたらわかりあえるかもしれない…
 
私は無意識に携帯電話を手にしていた

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