自宅の縁側
自慢じゃないけど、私の家ってかなり大きいんですよ
もうね、見渡せる庭の面積が公園くらい大きいんだ
小さいころからずっと見てたこの景色
雰囲気がちょっと違うのは、先日伐採された大きな松の木だけのせいじゃないみたい
・・・こんなに安心できる、落ち着いていられる一時は何年ぶりだろうね
「今日は晴れてよかったですね」
「あっはっは、さすがにもう5月だしねえ、これくらいピーカンじゃないと逆に困るっさー!」
縁側に腰かけ、麦茶を片手に語りかけてくる彼。
そうですね、と言って立ち上がり、奥の部屋から麦茶の魔法瓶を持ってくると、
私の空の湯呑みにそれを注ぐ。
こういう些細な気遣いでも変にあらたまってしまう私に、彼は優しく微笑んだ。
いいんですよ、と彼は言う。
「学校にいるより落ち着けますから」
「で、でもさ、ずっと私の所にいたら、ハルにゃん達さみしがるよ…?」
「…あいつらも大事な友人ですけど、あなたも団の一員なんすよ。 少なくとも、俺はそう思ってます。俺の、大事な人です」
そう言って、彼は私の髪を優しく撫でた。
私のために、かがんで撫でた。