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OPENING

平凡な日常
ここ最近はまさにそんな感じだった。
ハルヒにとってはつまらない毎日だろうが、俺にはこの上なく素晴らしい日々である。
谷口や国木田と馬鹿話をして、放課後には朝比奈さんの煎れてくれたお茶を飲みながら、古泉とボードゲームに興じる。
ハルヒと出会ってから一年が経とうとしているが、あの怒涛の日々を過ごしてきた俺たちにとっては、ちょうどいい小休止だ。
懸念していた閉鎖空間の方も、古泉によると「ここ最近さっぱり現れなくなった」そうだ
古泉や長門は不審に思っているようだが、俺が出来ることなんて何も無いんだから
この素晴らしい平凡を楽しむとしよう。
週末
今日はいつも通り「不思議探索」の日だ
最近のハルヒのご機嫌は、当然というか何というか最悪である
教室では窓を眺め、部室ではパソコンとにらめっこ
そんな状態で閉鎖空間が発生しないほうがおかしいのだが、まあ関係ないか
今回ももくじ引きで二組に分かれるのだが、今回は俺と長門と古泉になった
もしや・・・古泉お前その顔は・・・・・
「ええ、すみません。長門さんに情報操作をしてもらいました」
で、どういうつもりだ?
「今日はお二人にお話がありまして。いや、涼宮さんのことではありません」
「何だ?」
「大した事ではないのですが・・・」
ちょっと待て、電話だ。
『もしもし?』
『キョン!古泉君と一緒に早く来て!!』
『どうしたんだ?おい!ハルヒ!」
『いいから!!はy』
・・・切れた
「どうしたんです?」
「さっぱり分からんが、かなりやばそうだ。長門、二人の場所は分かるか?」
「分かる。二人とも××駅のホームにいる」
「よし、行くぞ」
「了解です」
駅の中は凄惨たる光景だった
列車が脱線してホームに激突し、わずかながら煙も見える
「電話にでない!くそッハルヒ!どこだ!!」
「長門さん、位置は特定できますか?」
「出来る、二両目の中にいる。重傷だが二人とも生きている」
「了解です。長門さんは危ないですからここで待っていてください。早く消防に連絡を」
「わかった二人とも気をつけて」
一、二両目はちょうど車両が横転している所だった。その上煙も出ている・・・最悪だな
「これはガソリン・・・・一体どこから」
「どうでもいいだろ!ハルヒ!!朝比奈さん!!」
「・・・キョン・・君・・?」
「!!朝比奈さん!?大丈夫ですか?しっかりして下さい!ハルヒは!?」
「車両の・・・・中に・・・」
「分かりました。古泉、朝比奈さんを頼む」
「了解です。くれぐれも気をつけて」
「ああ」
車両の中はガソリンらしい液体が床に広がっていて、いつ炎上してもおかしくない状況だった。
「ハルヒ!どこだ!?」
「キョン・・・・」
「ハルヒ!!どこだ!?」
「来ちゃ・・・駄目・・・・逃げて」
頭に冷たい鉄の感触が当たる。これは・・・
「動くな、手を上げろ」
言われたとおりに手を上げる。嘘だろ・・・銃かよ・・・
その直後、ボキッという嫌な音と共に、足に激痛が走る。
そして手を後ろに回され、手錠をはめられる。手錠なんて生まれて初めてだぞ
「ハルヒ・・・すまん・・・・助けに来たのに・・・」
「何やってるのよ・・・バカキョン・・・・」
ハルヒの声はかすれていて、目隠しをされていてもただ事ではないのは分かった。
「もしもし・・・ああ、俺だ。うまくいッたよ、これからサツに電話する」
何だよ・・・テロリストか?強盗か?もう何がなんだか分からない。
三十分前まで喫茶店で茶を飲んでたのに・・・・
その時、ドンッという人のぶつかったような音が聞こえた
「うッ・・・・貴様・・・・」
「この・・・テロリストが・・・・・」
何が起きた?テロリストが殺されたのか?さっぱり分からんぞ
「放せックソッ!」
その直後だった。地獄とはこの事を言うんだろうな。
全身が火に包まれる。ガソリンに引火したな。
服が燃え、皮膚が燃え、叫び声すら燃えてしまう。あついあついあついあつい

燃えて取れた目隠しの先には見るも無残なハルヒの姿があった
そして潤んだ目でこちらを見て、呟いた
「・・・・・好き」

プツンッ


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