時は放課後。場は文芸部室。もとい、SOS団室。


今、俺と古泉はオセロでまさに一進一退の均衡のとれた試合を展開している・・・・。
というのは嘘だ、騙してスマン。俺の独壇場だ。
窓際にはいつものように本を静かに読んでいる長門がいる。
朝比奈さんはまだ来てない。早く来ておいしいお茶をください。

・・・・・・というわけで、SOS団室はとても静かだ。
ハルヒ?あぁ、あいつならさっきランダエダに勝つ!とか高らかに宣言してボクシング部に挑みにいったよ。
なぜかは知らんが。たぶんランダエダっていう名前が宇宙人っぽかったからだろう。
ボクシング部なんてあったか?それに、うちのボクシング部にはランダエダなんかいねぇぞ。
…………まぁ、いい。

俺は視点をマス目の盤上に戻した。
「ところで古泉。さっきの賭け、忘れてないだろうな」
「はい、もちろん忘れてなんかいませんよ。」
古泉はそう言っていつものスマイルを浮かべた。こっち見んな。
そう、俺と古泉は賭けをしていた。しかも、言い出したのはあっちだ。
賭けの内容は他愛も無いことだ。
勝ったほうが相手に好きな命令を出していい。一回だけだがな。
このとき俺はまだ、負けるなんて有り得ないと思っていたからジュースでもパシらせる気でいた。
そんな慢心でいるから油断したんだよな、俺は。
次の一手で古泉に隅っこを取られてしまった。
――――ヤバイ。負ける。
そう考えた瞬間、すこし頭がクラッとした。
そこからは早かった。俺は負けた。

「まさか俺が負けるなんてな…」
「ハハハ、あなたのミスのおかげですよ。」
ちくしょう!古泉め、いつもの13倍は良い笑顔してやがる。
「って顔近いぞ。」
いつの間にか俺の真横に来ていやがる。
「それでは、僕の願いは……」
無視か。俺が下がる。


「もちろん、キョンタンのアナr(ry」
アナルだけは!アナルだけは!
……これでもルールは分かってるつもりだ、空気読むぜ。
もちろん、声には出さずに、心の中で叫んだのだが、
「よし。わかった。それ以上言うな。」
実際に声に出したのはこのセリフだ。
選択肢はいくつかある。とは言っても決まりきった事か。

一つ目、断る。
まぁこれが普通か。

二つ目、逃げる。
準候補だな。

三つ目、ケツを差し出す。
これはまず無いな。

俺はもちろん、一つ目を選んだ。
「俺はホモじゃない。断る。」
バアアアアン!!!
と、次の瞬間にハルヒが勢い良く入ってきた。

そして、第一声がこれだ。
「まったくアンタには失望したわよ!男と男の約束でさえ守れないなんてね!!!」
ハァ?何言ってんだハルヒは。
てか聞いてたのか?!
「お前、俺に男とやれって言うのk」
「でも約束は約束よ!!!」
俺の言葉を遮るな。
「じゃあ、有希、わたし達は邪魔みたいだから……」
おい!!何ニヤニヤしながら言ってんだ!!
ハルヒに手を引かれて出て行く長門。
「待ってくれ長門!!」
もう正常なのはお前だけだ。助けてくれ!
「……ごめんなさい。私の不手際。もうどうすることも出来ない。」
長門はポツリと言い、部屋を出て行った。
顔はいつものように無表情…ではなく、
目がほんの少しニヤけてて、口の端が3ミリほど上がっていた。
そうか……っておい長門、お前がニヤけてる顔、初めて見たぞ。

ハルヒ達が出て行くや否や、鍵を掛ける古泉。
「おい……ちょっと待て!これは孔明の罠d」
「もう待てませんよ。」
「あ……ぁ……ぁ……」
服を脱いでいく古泉。俺は声を出そうにも出せなかった。
まさかこんな展開になるとは……。

「あなたも脱いでください。」
とうとう全裸になった古泉が言う。
奴の息子はどうやら元気いっぱいのようだ。見せ付けんな。俺は顔をそむける。
「…返事が無いですねぇ……。それとも…」
やめろ。やめてくれ。それ以上言うな。
「僕が脱がせましょうか?」
いつものスマイルにエロスが95%混じった笑顔をこっちに向けるな。
「しょうがないですねぇ……。」
俺の上着に手を掛けてきた。うわ。スルスルと俺の服を脱がしていく。
俺は腰が抜けているので声も出せないし抵抗も出来ない。
ネクタイを外す。ボタンを外す。シャツを剥ぎ取る。ベルトを外す。ズボンを脱がす。
ここまで来て、改めて身の危険を本能的に感じ取った俺は逃げ出した。とは言っても室内で、だ。
「まったく往生際が悪いですねぇ……」
俺はもはや古泉スマイルに怯えるようになっていた。

?!体が動かん!まさか!と扉の方を見る。
長門が顔を出して見ている。鍵掛けてたよな?
「…………」
さっきのニヤけ顔にプラスして頬が真っ赤になってる長門。
「……ユニーク」バタン。
待ってくれ、俺の体を動けなくして出ていくな。初めて恨むぞ、長門。
「ありがとう長門さん。これで存分に楽しめます。」
誰が楽しませるか。ってか体が動かん。絶対絶命の危機。誰か助けろ。それか俺と代わってくれ。
ゆっくりと近づいてくる古泉。

もう………駄目だ……………俺はここまでのようだ………ゴメン…………………ハルヒ……。

そして舞台は闇の中へ―――――

「フフフ……夜は始まったばかりですよ……。」        (終?)   








チュンチュン…

ドサッ
痛っ

……ん?ベッドから落ちたみたいだ……。

いつもの見慣れた天井。

何か悪い夢を見た気がする……。
まぁ、いいか。
それにしても良かった。今日は妹の攻撃を食らわないで済みそうだ。
よいしょ、との掛け声で起き上がる。


……って……なんでお前……俺のベッドで寝てるんだ……?
まさか………古泉………お前………いや…違う…?




うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!   (終)

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