夏合宿のレクレーションタイム

長門「・・・大好き」

王様ゲームで長門は淡々とハルヒの命令をこなしていた。
しかし、無表情で愛の告白をされてもなあ・・・

ハルヒ「有希、もっと感情を込めてやりなさい」

長門はもう一度後ろを向き、そして振り返る。

長門「・・・大好き」
キョン(・・・!?長門?今たしかにオレの目を見て言ったような・・・)

ハルヒ「うーん・・・なんかイマイチねー。キョン、ちょっとアンタやってみなさい!」
キョン「なんでオレが!?」
ハルヒ「団長命令よ!はやくしなさい」
キョン「・・・ふー、やれやれ」

しかたがないのでオレは後ろを向き、そして振り返ると・・

ハルヒ「やっぱいいわ」
キャハハハハハ!!!!

オチがついて一同盛大に笑い声を上げる。妹よ。なにもそこまで爆笑しなくても・・・

それからしばらくしてレクレーションタイムは終わり、一同自分の部屋に戻った。

その帰り際、長門がオレに小声で話してきた。

キョン「ん?どうした長門?」
長門「あとで私の部屋にきて」
キョン(!!!!!!!)

それだけ言うと長門はトテトテ廊下を歩いて自分の部屋に戻った。

これはどういうことだ。やはりさっきの告白はオレに対するメッセージだったのか?
部屋に来てっていうことは、やはりあんなことやそんなことをさせてくれるのか・・・?

ピンク色の妄想に頭を支配されたオレは、しばらく呆然と立ち尽くしていた。

古泉「キョン君、僕は多丸さんたちと少し話があるので、先に寝てて下さい」

そういうと古泉は1Fにおりていった。オレはほとんどうわの空で古泉の話を聞き流してたが。
オレは部屋に戻り、破裂しそうな心臓をなんとか落ち着けようとした。

まさかあの長門がオレを誘惑するなんて・・・いやいや、長門は部屋に来い
としか言ってないんだ。それを誘惑と考えるのは早計に過ぎる。

…いやしかし、やはりさっきのアレが長門の愛の告白だったとしたらどうなる?
それに若い女が年頃の男に向かって、一人きりの部屋に来いということは
もはやアレしか考えられないじゃないか。いやでも、相手はあの長門だし・・・

とにかく長門の部屋に行ってみよう。さっきハルヒの部屋を出てから、かれこれ30分はたっただろう。
なによりこのまま悶々とし続けたらオレの精神がもたん。
と、とりあえずコンドームは持っていったほうがいいよな・・・?

オレはいざというときのために合宿前に購入しておいたコンドームを取り出すと、
深く息を吐いて心を決めた。

父さん母さん、オレは今から大人の階段を上ります。

オレは部屋を出て、足音を立てないように長門の部屋の前まで歩いていった。
キョロキョロしながら歩く姿はかなり挙動不審だったに違いない。

ドアの前に立つと大きく息を吐き、軽くノックをした。
数秒後、ゆっくりとドアが開かれた。ドアの隙間から長門の顔がオレを見上げている。

長門「入って」

長門が小声で言うと、オレは爆音を鳴らす心音を抑えながら長門の部屋へ足を踏み入れた。

部屋の間取りはハルヒの部屋と変わらないが、今のオレにはまったく違って写った。
激しい鼓動を感じながら見る部屋の中部は、まるで昔
大好きだった親戚のお姉さんの部屋に入れてもらったときと同じ、いやそれ以上の光沢を放っていた。
もしかしたら、オレの童貞喪失の空間となるかもしれないんだ。
結果はどうあれ、オレは一生この部屋の光景を忘れることはないだろう。

長門は立ったままのオレに、ベッドに腰掛けるよう促した。
いきなりきたか!まだ心の準備が!!!!!

ここでオレはある重大な事実に気づいた。

コンドームってどうやって使うんだ・・・?

そうだ。オレはまだコンドームの使用方法を知らない。いや、AVビデオや
保健体育程度の知識ならあるが、実際にどう使うかとなるとまったくわからかった。
事前にちゃんと練習しておくべきだったか・・・

そんな童貞の嘆きを知ってか知らずか、長門はオレよりわずかに離れた位置に腰掛けた。

つ、ついに始まるのか・・・?

オレはまるで、LVを十分に上げていないのに手違いで魔王の前まできてしまった
勇者の心境であった。
そうだ、ピンチってのはいつも突然やってくるんだ。オレはその度に
普段からちゃんと準備をしておけばよかったと嘆くが、ピンチが過ぎれば
またすぐに忘れてしまう。オレは生まれてから10数年ずっとそうやってきた。
まさかこの後に及んでまた同じ轍を踏んでしまうとは・・・
オレは究極のバカだった。

長門「・・・キョン」
キョン「うおぅ!その!コンドームが!」

しまった!なにを言っているんだオレは!これではやる気満々だってことに気づかれてしまう。
やばい、長門に嫌われる・・・・

長門「大丈夫、ちゃんと準備している」

…へ?準備だって?なにを言っているんだ長門?

長門「それに初めてのときは痛むと聞いた・・・だからローションも用意してある」

な、長門・・・オレとの初エッチのためにそこまで準備してたとは・・・・・
なんて健気なヤツだ。
長門の健気さに心を打たれて、少し目がうるんでしまった。
へへ!いけねえな。初体験の前だってのに湿っぽくなっちまうぜ!
こういうときはムードが大事なんだよな!

キョン「長門・・・心の準備はいいか?」

長門はゆっくりとうなずいた。

長門「じゃ、ごゆっくり」

長門はそういうと立ち上がり、スタスタと部屋を出ていく。

あれ・・・?なんで?どういうこと・・・

肩すかしを喰らったオレの頭はハテナマークで埋め尽くされた。
そのとき、ベッドの真ん中が盛り上がり、中から人が出てきた。

古泉「僕のキョンたーーーーん!!!心の準備はできたみたいだね?さあレッツくそみそ!!!」

中から出てきたのは古泉だ!なんで?どうして?な、長門さん?

古泉「有希たんに頼んでこの場をセッティングしてもらったんだよーぅ。さあおしりを出して!
   大丈夫、痛くしないから、ね?」
キョン「ちょ、古泉お前!!アナルだけは!アナルだけはぁーーーん!」
古泉「うふふふふ♪長い夜になりそうだねキョンたーーーん!」


オレにとって一生忘れられない夜が始まろうとしていた・・・


キョンの初体験 -完-

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