その夜、私はなかなか寝付くことができなかった。こんな事は初めて。 胸焼けがするような感覚…。
眼をつぶりずっと横になっていた。
……目を醒ましたのは8:30を過ぎたころだった。 もう、ホームルームには間に合わない。
おかしい。 いつも通り眼がさめ、いつも通り学校にいるはずなのに。

急いで支度をして学校へ向かう。
いつもの坂道が角度を増してしまったかのように苦しく感じられる。
胸が苦しい、息が切れる…。

放課後、文芸部室の前で私は行ったり来たりしていた。
怖い…。 怖い…? なぜ?

「有希、何してるの? 早く部室に入りなさい」

「あ…。」
彼は私の目を覗き、か細い声をあげうつむいた。

「昨日キョンとカラオケに行ったんだけどね…キョンったらラブソングばっかり歌うのよ。」
「あれはハルヒが入れた……」 涼宮ハルヒは彼の唇を塞ぎ、言葉を遮った。

「昨日...カラオケ...?」
「あー、長門、それはハルヒに強引にだな・・・」
「昨日は...私と新しく出来た隣町の図書館へ行く約束だった...(エラーが蓄積していく・・・怖い)」
「え、キョンそうだったの?ならばそういってくれれば3人で行ったのに。」

「3人で行くのはいや...なぜなら彼は私と交際している...(どんどん蓄積していく・・・)」
私はきっぱりと2人の前で宣言した。

「な、有希、その話は当分内緒だっていったろ!」
「ちょっとキョン、どういうことよ!?私に告白しておいて有希とも付き合ってたわけ?」
「いや、その、なんというか・・・」

「信じられない!もちろんキョンは私を選ぶわよね?」
「いや、こんなアーパー女よりも私を選んだ方が利口。(もう押さえ切れない・・・)」
「有希!なんですって~!!」
「事実を言ったまで。(エラーが・・・)」

やばい、非常にヤバイ、こんなに長門が自己主張するとは。

「有希、それって喧嘩売ってるわよね?いいわよ買ってあげようじゃないの!」

───(ピー、エラー蓄積限界確認、涼宮ハルヒを敵性と判明。暴走モード解除)
「あなた・・・いや貴様とは決着をつけないとと思っていた。貴様を倒して彼を奪う!!」

ああ、どうやら長門のエラーが爆発したようだ・・・部室で殴りあう2人、飛び散る血、
怖くてこんなところにはいられない・・・そっと逃げよう・・・

「「待ちなさい!!」」
俺は2人に後ろから肩をつかまれ絶体絶命となった・・・

俺が二人の殴り合いを止めることもできずにただ慌てていると、古泉が部室に入ってきた。
「な……凉宮さん、長門さん!! 何をしているんですか!? 止めて下さい!!」
そう大声で二人を怒鳴る古泉の肩を抑え、俺は声を震わせて言った。
「古泉……叱るなら俺を叱ってくれ……全部俺のせいなんだ……!」
ガッ、と嫌な音がして俺は少しふらつく。頭が痛い。古泉に殴られたみたいだ。
「あなたは……どうして凉宮さんと長門さんがこんなになるまで何もせずにいたんですか……!?」
俺は古泉の顔をまともに見れなかった。なんでいつも俺ばかりがこうして白い目で見られなければならないのか。
ガッ、という音とともに気が付いたら俺は古泉を殴っていた。
「どうしていつも俺ばっかり……俺は止めようとしたんだ……! それをそんなふうに……」
ガッ また古泉が俺を殴る。さすがの男同士の殴り合いに、ハルヒも長門も殴り合いをやめて見入った。
「なにが『俺ばっかり』なんですか!? 周りの人間の苦労もしらないあなたがなにを言うんです!?」
「なんだと…………!!」
今度は俺と古泉の殴り合いが始まった。二人の血であたりは真っ赤に染まる。
その時にふと俺の肩がハルヒにぶつかった。
「キャッ……! け、ケンカ売られたわよ……有希……!」
「おう、買え買え! ケンカ御輿だワッショイワッショイ!」
「祭の華だぜワッショイワッショイ!」
「ワッショイワッショイ!」
「てやんでえワッショイワッショイ!」
さっきまで敵だった長門もいつの間にかハルヒの味方になり、俺達はしこたま殴り合って、四人同時に倒れた……

「遅れましたぁ……って……キャァァァァァァァァ!!」

「どうしたんだい?みくる大声出して?」
あわててみくるの所にやってくる鶴屋さん。
「ぶ、部室に来たらみんな、ち、血だらけで倒れてて・・・」
「これは・・・みんなストレスが貯まりすぎて爆発して殴りあったって感じだにょろ。」
「私・・・どうしたらいいんですかね・・・」
「う~ん、みんな当分起きそうに無いし・・・みくるもこの中に入れば?」
「へ?」
その時の鶴屋さんの目は『ついに殺れる時が来たにょろ』と言う顔でした・・・
「まあまあ、部屋に入って。」
「こんな血だらけの部屋に入りたくな・・・なぜ鍵かけるんですかぁ!?」
「それはね・・・みくるをボコボコにするためっさ!!」
みくるに向かって鶴屋さんの百烈拳が唸る!
「うえええ・・・やりましたねぇ~うぅぅ・・・ブラックみくるチェンジ!!」
音速マッハパンチが鶴屋さんを襲う!
「なかなかやるにょろね!」
「この乳の敵は1人も生かしておかねぇ!」
「この乳魔人がぁ!今こそ引導を渡す時!!鶴屋武術を食らえ!」
「なんの![禁則事項]バージョンの力を見せてやる!」
部室内に再び飛び散る血、最初の4人の血と混ざって更に赤く染まる部室。

そのとき、キョンは意識を取り戻し辺りを見回した。
───な、なんで朝比奈さんと鶴屋さんが戦ってるんだ!?
だが他のみんなは起きていない、朝比奈さんと鶴屋さんは気が付いてない。
俺はホフク前進で部室のドアに近づき鍵を外し外に出ようとした。
(ようやく逃げられる・・・)
安堵でドアを開けようとした時───

妙な落下感が俺を襲った。
「いてっ」
見回すといつもの俺の家の部屋・・・今までのことはドリームだったのか・・・
「もう7時か・・・」

今日は日曜日、そうそう有希と新しく出来た隣町の図書館へ行くんだったな。
またおめかししたかわいい有希が見られると思うと気持ちがはやるぜ。
早速行く準備をしなければ・・・という時に携帯がけたたましく鳴り響いた。
「もしもし」

───発信者 涼宮ハルヒ



                           連続保守小説 SOS団の惨劇 完?

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