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今、俺はとても貴重な体験をしている。場所は図書館。
何かって?長門有希が俺の膝の上で寝てるのさ。俺の考えた作戦がこうもハマるとはな。
軽い解説をしてみようか。

昨日、うちの親は所用で親戚の所へ泊まり行くことに。
俺と妹が留守番の予定だったが、俺は谷口と一緒に国木田の家に泊まりに行く予定があったわけだ。
つまり、妹を誰かに預けなければならない。…そこで俺は考えた。
妹を預けると確実に一晩中遊び続けるだろう。つまり寝れない。
宇宙人は寝なかった時、どんな状態になるのか!!
とまあ、チャチな実験番組のようなことをしようと思ったわけだ。
長門は妹を快く受け入れて、見事に寝ることの出来ないまま、集合場所にきた。
まず、変化が見られたのは午前中。俺はハルヒと長門と三人になったのだが……長門が石につまづき「……あ。」などと声をだしたり、俺達二人に歩くスピードで遅れを取ったりしたわけだ。
ハルヒもさすがに心配したのか、「有希!大丈夫?……少し休もっか?」と言ってはいたが、長門はいつもの通り、首を横にフルフルと振って普段通りにしていた。

次に変化が起きたのは班分けだ。何か、妙な感覚を覚えたかと思うと、俺と長門が引いた時点で班分けは終わったのだ、二人とも印つき。
ともかく、俺は長門と二人になった……瞬間、長門は図書館に向かって歩きだした。
誤作動ってやつか?
「ちょっ、ちょっと待てって。長門!」
俺は叫んだが、長門は「………図書館。」と言ってそのまま歩き続けた。

図書館に着くと長門はすぐに本を手に取ろうとした。
そこを俺が制し、長椅子に長門を引っ張って、自分の太股の上に長門の頭を乗っけた。
「い、妹が迷惑かけて悪かったな。」
「いい。……それより、これはなんのつもり?」
「今日は本を読むのは無しだ。俺が枕になるから寝てろ。」
俺はそう言うと長門の頭を二、三度撫でた。するとさらに変化が起こった。
「……それ、気持ちいい。………しばらくしてて。」
意外な言葉、それと同時に見せたコタツで丸くなっている猫のような表情。
それはそれは可愛かったさ。
しばらく撫でていると小さな寝息が聞こえてきた。
それで現在に至るわけだ。

図書館の端っこにある、長椅子に二人。
なかなか他人の視線が痛くはあるが、足の上にあるこの安らかな寝顔を見ると何も関係無くなるぜ。
それより、こいつがこんなに無防備な姿を晒していることが驚きだ。
俺はまた頭を撫でてやった。
「ん…………すぅ。」
メチャクチャかわいい。もうすぐ、集合時間だがこいつを起こすのは到底出来ないことだ。
俺はマナーモードの携帯を取りだし、ハルヒにメールを打った。
《今、長門と図書館にいる。長門は熟睡してるから先に解散しててくれ。》
あとで何と言われようが知らん。今はこいつの顔見て和みたい気分だ。

30分程たつと、見慣れた3人組が近寄ってきた。
「うわっ、ほんとに有希が熟睡してるわ……。しかも、寝心地悪そうなキョンの膝枕で。」
寝心地悪そうなってのは余計だ、ハルヒ。
「まぁ、いいわ。この為に音の小さい使い捨てカメラ買ってきたのよ。古泉くん、起こさないようにやっちゃって。」
「仰せのままに。」
長門の寝顔撮影会はすぐに始まった。……俺の足の上だから全然落ち着かねぇ。

カメラのシャッター音が止むと、今度は朝比奈さんが長門の頬をプニプニとつついていた。
「うふふ。長門さん、かわいいです。」
「ん……んぅ……すぅ。」
ヤバい、その反応は可愛い過ぎるぞ長門。
他の3人も驚いた表情を浮かべて帰り支度を始めた。
「キョ、キョン。ちゃんと有希を送って行きなさいよ!か、かわいいからって襲ったら死刑なんだから!」
「わかってる、それより此処は図書館だぞ?」
こいつの声は通りすぎるんだよな、良い声すぎて。
「それでは、僕達は多少うるさいようなのでお先に失礼します。行きましょう、涼宮さん。」ナイスフォローだ、古泉。
そのようにして、3人は去って行った。
俺の足の上では、まだ長門が寝息をたてている。
憂いやつめ。

閉館時間の放送がなると、人が一斉に動きだした。その気配を感じてか長門も起きた。
「よう。よく眠れたか?」
長門はポーッとした顔で答えた。
「………うん。」
「それじゃ、帰るか。」
肯定の動作。俺達は並んで図書館を後にした。

その後、妹をひきとり帰ろうとした俺達を長門は引き止めた。
「………待って。」
「どうした?長門。」
「………もう1日泊まっていって、お礼する。」

俺が口をポカンと開けて、バカ面をしていると妹が答えた。
「ほんとっ!?キョンくん、有希ちゃんちで三人で遊ぼうよ!!」
言い出すと止まらない妹を説得するのも面倒なので、甘んじて長門の好意を受けることにした。幸い、明日も休日だが何も予定はない。
「わかった、今日は泊まって行くよ。」
俺がそう伝えると長門は頷いて、中に入るよう促した。
まあ、俺一人なら泊まるわけにはいかないが妹と一緒なら俺の理性にも、何も起こらないだろう。


長門が言っていたお礼は一皿に二人分は入っているであろうカレーだった。……キツいって。
俺はなんとかたいらげ、妹は長門に食べてもらいなんとか完食した。
その後、話などをしていると眠気が襲ってきた。
そういえば俺もあいつらと遊んでて、睡眠は短かったんだよな…。しょうがない、寝るか。
「よし、寝るぞ!俺はいろいろと疲れて限界なんだ。」
妹が不満そうな顔をした。
「え~!!もっと有希ちゃんと遊びたいよぉ!!」
「明日の朝からみんなで遊べばいいだろ?ほら、今日は腕枕してやるから。」
俺は片腕を差し出す、すると妹は飛び付いてきた。
「えへへ~!キョンくんの腕枕久しぶりっ!!」

そうか。まぁ、俺はこないだ朝比奈さんにやったばかりだがな。
妹と並んで寝転がると長門が近付いてきた。
「どうしたんだ?長門。」
「………わたしも。」
そう言うと長門は俺の横に寝転び、少しだけ頭を上げた。正直、両腕で腕枕はキツいが珍しい長門の頼みなら断るわけにはいかないだろう?
俺は、長門の頭の下に左腕を入れてやった。
「………気持ちいい。」
これで、明日の朝起きたら俺の腕がヒドいことになってるのは確定した。……まぁいいか、休みだしな。
「じゃあキョンくん、有希ちゃん、おやすみっ!!」
「二人とも、おやすみ。しっかり休めよ。」
最後に長門の澄んだ声で、俺の一日は終了した。
「…………おやすみなさい。」

終わり
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