音もなく潜航する潜水艦ノーチラス号。ブリッジのシーン

有希「敵艦隊の船影を捕捉。10時の方向。接触予定時刻は0023時」
みくる「映像、出ます」
古泉「Xタイプの駆逐艦ですね。全部で3隻です。艦長、どうされますか?」
ハルヒ「副長、現状を報告せよ」
キョン「魚雷管装填は完了しています。全装甲、異常無し」
ハルヒ「回頭35度、敵艦隊殲滅に向かう」
みくる「復唱します。回頭35度、敵艦隊を殲滅します」

海底すれすれを潜航するノーチラス号。上方に船影。

有希「上方に敵艦隊船影。こちらは気づかれていない」
ハルヒ「副長、魚雷管発射準備」
キョン「魚雷管照準あわせます。目標、上方敵艦隊」
ハルヒ「発射」
キョン「発射します」

ノーチラス号の側面の魚雷管から多数の魚雷が発射される。そのまま上方に
転回して画面から消える

みくる「着弾まで、5、4、3、2、1。着弾しました」
ハルヒ「対ショック、対閃光防御」

轟音とともに衝撃波。激しくゆすぶられるノーチラス号。
ハルヒ「副長、状況報告」
キョン「全機能、復旧しました。本艦には損傷ありません」
ハルヒ「敵艦隊の状況を報告せよ」
有希「2隻は轟沈。1隻は健在です」
みくる「反撃第一波、来ます」
ハルヒ「回頭15度、全速離脱」
みくる「復唱します。回頭15度、全速離脱」

回頭して速度をあげ、攻撃をかわすノーチラス号。
上方からの魚雷は全弾、海底に激突する。衝撃波でゆすられるノーチラス号。

ハルヒ「副長、現況報告」
キョン「損傷率20%。エンジン出力70%。装甲板一部大破。
第34ブロックに浸水しましたが隔離壁が作動。浸水は止まりました」
ハルヒ「いけるわね。一気にかたをつけるわよ。再装填次第、全弾発射」
キョン「全弾発射します」

再び、ノーチラス号から発射された魚雷が回頭して上方に。轟音と閃光。

みくる「敵艦隊は消滅しました」
ハルヒ「よろしい。みんなよく頑張ったわね」

シーンは変わって、海上を航行するノーチラス号。
艦橋の上に立つ、ハルヒとキョン。

ハルヒ「今日は危なかったわね」キョン「ああ、そうだな」
ハルヒ「いつまでこんなことを続けて行けばいいのかしら」
キョン「それはおまえ次第だろう?」
ハルヒ「あんたはどう思ってるの?もう終わりにしたい、こんなこと?」
キョン「おまえの好きなようにすればいい」
ハルヒ「あんたらしくないわね、その言い方。いつもだったら、
あたしのやっていることがどれくらい馬鹿げているか力説するのに」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「何?」
キョン「あ、あ、愛してるぞ」
ハルヒ「へ?」

ハルヒの肩をつかまえてキスするキョン。

再び、別のシーン。潜水具を装着して海底散歩を満喫するSOS団の面々。

ハルヒ「キョン、みてよ、きれいな珊瑚礁」
キョン「ああ、そうだなあ」
ハルヒ「何よ、その気の無い返事は」
キョン「そういうわけじゃないが、おまえの想像力ってすごいな、って思ってさ」
ハルヒ「あたしのなんですって?」
キョン「なんでもないよ。こいつを持って帰っておまえの部屋にでも飾るか?」
ハルヒ「素敵ね」

再び、戦闘シーン。途中から
既にかなりの損傷を受けているらしく、艦体からはところどころ泡が洩れ出ている。
海上、海中には多数の敵艦隊。包囲されている。

ハルヒ「副長、状況報告」
キョン「損傷率50%。第二装甲板まで大破。エンジン出力60%」
ハルヒ「ずいぶんやられたわね」
有希「艦長、分艦隊の出撃許可を申請したし」
ハルヒ「許可する」
有希「分艦隊、出撃します」

ノーチラス号の艦隊から多数の小型潜水艇が離脱。敵艦隊に向かって
進撃して行く。

ブリッジ。目にも止まらない速度でキーボードを連射する有希。
不意に手が止まる。

有希「攻撃許可命令を」

キョンの方を見る

キョン「やっちまえ」
有希「そう」

敵潜水艦艦隊を逆に包囲した小型潜水艇が一斉攻撃。
壊滅する敵潜水艦艦隊。
みくる「敵潜水艦艦隊は消滅しました」
ハルヒ「やったわ、さすが有希!」

海上の敵艦隊が魚雷を一斉に発射。

みくる「攻撃第三波来ます」
ハルヒ「回避行動。回頭20度、全力で後進」
みくる「復唱します。回頭20度、全力で後進」

旋回後バックして攻撃を避けようとするノーチラス号。
回避行動虚しく、上方からの魚雷一基がノーチラス号に命中。

艦長室のシーン。机の上には珊瑚と写真立て。魚雷命中に伴う衝撃で机から
珊瑚と写真立てが落下。床に落ちて粉々に砕け散る珊瑚。
写真立てのガラスカバーが割れて、中の写真がみえる。キョンの写真。

再び、ブリッジ。激しい振動と共に、照明が消え、オレンジ色の非常灯に切り替わる。
ハルヒ「副長!」
キョン「第三装甲板大破。浸水を止められません」
ハルヒ「...。これまでね。艦を放棄する。総員離脱準備」
みくる「艦内の全乗組員に告ぐ。総員離脱準備。艦を放棄する」

艦体から泡を吹き出しながら沈み行くノーチラス号。
多数の脱出カプセルが放出され、上方に浮かびあがって行く。

艦長室のシーン。家具が転倒し、いろいろなものが散乱している部屋の中で
何かを探しているハルヒ。手には割れた珊瑚礁のかけらをもっている。

ハルヒ「あった」

拾いあげたものはキョンの写真。扉が勢い良く開いてキョンが入って来る。

キョン「まだ退避してなかったのか」
ハルヒ「うるさいわね、あたしの勝手でしょ」

あわてて手にもっているものを後ろに隠すハルヒ。

キョン「脱出カプセルは一基しか残ってないぞ。一人しか脱出できない」

キョン独白(なんてベタな展開なんだ。いい趣味してるな、ハルヒ。)

ハルヒ「副長、あなたが脱出しなさい。艦長は艦と運命を共にするものよ」
キョン「しかし...」
ハルヒ「これは艦長命令よ」
キョン「...解りました。それでは艦長」

最後の握手をするために前に進むキョン。ハルヒも手を前に出す。
一瞬の隙をついて、ハルヒに当て身を喰らわせるキョン。

ハルヒ「うっ」

気絶するハルヒをお姫様抱っこで運び、脱出カプセルの座席まで運び、
シートベルトを装着させてやるキョン。カプセルのハッチを閉め、
離脱ボタンをプッシュ。

海中シーン。ノーチラス号の側面から泡と共に脱出カプセルが放出され、
上方に登って行く。

カプセル内部。気絶しているハルヒ。

ブリッジ。キョンが艦長席に座っている。ミシミシという音と共に
漏水が始まる。壁から勢い良く吹き出す海水。

キョン独白(これで満足か、ハルヒ。こんなベタな展開がお前の望みか?
案外、通俗的だったな。それにしてもやっぱり、俺は溺れて死ぬのか?
古泉、お前のいってることと違うぞ。
それとも、これでもまだハルヒは何か不満なのか?)

沈み行くノーチラス号。深海の闇に飲み込まれる。しばらくして閃光。
音はしない....。



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